レベルMAXの百合サキュバスに転生した元・女子高生の異世界蹂躙録 〜冤罪の聖女様と『共犯者』になって、彼女を嵌めた悪党どもを物理的に分からせます〜 作:百合サキュバス好き
チュン、チュン……。
隙間だらけの廃屋の屋根から、小鳥のさえずりと眩しい光が差し込んできます。
……重い。そして、なんだか肌寒いのに、全身が酷くベタベタします。
それ以上に、鼻腔をくすぐるこの匂い。熟れきった果実が弾けたような、甘く、それでいてむせ返るような濃厚な『女の子の匂い』が、廃屋の狭い空間に充満していました。
「んんっ……」
私は重い瞼をゆっくりと開けました。
視界に真っ先に飛び込んできたのは、私の鼻先をくすぐる美しい銀色の髪。そして、私の腕の中にすっぽりと収まり、幸せそうに寝息を立てている……今朝助けたはずの少女の姿でした。
「…………?」
寝起きの霞んだ頭で、私は現状を把握しようと視線を下げました。
彼女は、何も着ていませんでした。全裸です。そして私も、何も着ていませんでした。全裸です。
さらに、私の巨大なKカップの双丘と、彼女の美しいD〜Eカップの双丘は、互いの肌にこびりついた透明な体液(おそらく私の唾液と、その他の様々な液体)によって、ピタリと密着していました。
彼女の雪のような白い肌のあちこちには、誰かが激しく吸い付いたような、痛々しくも艶かしい赤い痕が無数に刻み込まれています。
「……………………」
私は数秒間、完全にフリーズしました。
脳内で、今朝方の————つい数時間前までの記憶のピースが、恐ろしいスピードで組み上がっていきます。
『だめ、ですか? 神に仕える清らかな神官様ともあろうお方が……』
『この極上の食事が気絶するまで、何度も、何度も……』
————私だ。
この子をこんな、破廉恥でドロドロのえっちな状態にしてしまったのは、間違いなくこのサキュバスが犯人です!
「ひええええええええええええええええええええええええええっ!?」
私は跳ね起きそうになり、腹の底から絶叫を上げ————ようとした瞬間に。
「んぅ……んんっ……あたたかい……♡」
腕の中の彼女が、私にすり寄るように甘いうわごとを漏らしました。ハッと我に返った私は、両手で自分の口を『ガシッ!』と強く塞ぎました。
(い、いけない! 今ここで私が叫んで暴れたら、この子が起きてしまいます!!)
私は口を塞いだまま、声にならない悲鳴を上げながら、心の中で激しく地面に頭を打ち付けていました。
(やりました! 完全にやってしまいました! 最初こそ解毒の魔法を使うために精気を吸うのが目的だったのに……! 転生してからの初めての食事だったから……いや、たぶんあれはサキュバスの身体の本能が暴走したせいで……っ!)
内心で言い訳にもならない言葉の羅列を並べながら周囲を見ると、早朝の薄暗い雰囲気だった周囲が明るくなっていました。
(それにしても、私がこの廃屋に辿り着いたのは早朝だったはず。なのに、隙間から差し込む光の強さを見るに、もうすっかり日は高く昇っているではありませんか……! 一体何時間、私はこの子を……っ!)
自己嫌悪とパニックで、私の身体がブルブルと揺れ動きます。
(ご、誤魔化さなければ……! とにかく何事もなかったかのように装って————ハッ! そもそも、私のこの姿を見られたら魔族だと完全にバレてしまいます!)
人族と魔族は、前線地帯で絶賛戦争中です。
そんな敵対種族の魔族(しかも全裸)が添い寝していたら、彼女はパニックになって今度こそショック死してしまうかもしれません。
(そうだ! 回復した魔力で『幻影魔法』をかけて、角や羽根を隠して人間の姿に偽れば、なんとか誤魔化せるはず————!)
————と、私が名案を思いついた、まさにその瞬間でした。
パチッ。
腕の中の少女が、ぱっちりと両目を開き。至近距離で、私の顔を————角も羽根も丸出しの魔族の顔を、じっと見つめていたのです。
「……………………」
「……………………」
(あ、詰みましたね、これは)
世界が止まったかのような、地獄の静寂が私と少女の間を通り過ぎていきます。
少女の美しいアメジストのような瞳が、私の頭に生えた立派な角と、背中のヴァンパイアの羽根、そして引きつった口元から覗く鋭い『牙』をしっかりと捉え、微かに震え始めました。
「あ、あの……おはよう、ございます?」
私が引きつった笑顔で、なんとか空気を誤魔化そうと声をかけた、その瞬間。
「ひっ……!? ま、魔族……っ!?」
少女は弾かれたように私の腕の中から抜け出し、全裸のままズリズリと床を後ずさりました。しかし、冷たい廃屋の床に直接肌が触れたことで、彼女は『致命的な事実』に気がついてしまいます。
自分が一糸まとわぬ全裸であること。そして、全身が酷く甘い匂いと、謎の体液でベタベタになっていることに。
「え……? わ、わたし、服……服が……っ!? いやぁぁぁぁっ!?」
パニックになりながら視線を彷徨わせた彼女の先には、私が今朝方勢いよく剥ぎ取った豪華な神官服と、私の肌を少し焦がした銀の聖印(ペンダント)が、埃っぽい床に無惨に散らばっていました。
しかも、その神官服はただ脱ぎ捨てられているだけではありません。私たちが何時間もの間もつれ合っていた際に飛び散った汗や、溢れ出た甘い体液をたっぷりと吸い込み、ぐちょぐちょに濡れそぼってしまっていたのです。
もはや着ることもためらわれる衣服の惨状を目の当たりにし、少女は恐怖で顔を真っ青にしながらも、羞恥心で一気に首の先まで真っ赤に染め上げ、悲鳴を上げながら廃屋の壁際まで逃げていきました。
「こ、こないで……っ! 魔族っ、わたしを、わたしをどうしたのっ……!? ひぐっ、いやぁっ……!」
彼女はガタガタと震えながら、豊かなD〜Eカップの双丘を隠すように両腕を胸の前で交差させ、身体を丸めました。しかし、強く腕を寄せたせいで逆に深い谷間が強調されてしまい、無数の艶かしいキスマークが私の視界に否応なく飛び込んできます。
「ち、違います! これは誤解です! 私はただ、あなたの解毒をするためにやむを得ず……っ!」
私も全裸のまま、慌てて両手を振って弁明しようとしました。しかし、私の背中の羽根や頭の角といった『魔族の証』のせいで、全く説得力がないようでした。
「げ、解毒……? うそ……だって、こんな、こんな破廉恥な跡を全身につけられて……っ、ひぐっ、あぁっ……神様……っ」
少女は涙目で私の魔族の証(角や羽根)を交互に見つめ、完全に『純潔を魔族に奪われた絶望』に打ちひしがれて、ポロポロと泣き出してしまいました。
(ど、どうしましょう! 余計にパニックにさせてしまいました! 早くなんとかしないと、せっかく命を救ったのに、彼女が自決してしまいそうなほど追い詰められています!)
私は元・日本人のDNAをフル稼働させ、廃屋の冷たい床に向かって勢いよく身を投げ出しました。
「ほ、本当にごめんなさいーーっ!!」
バツンッ! むにぃっ!
私の爆乳が床に激突し、無惨にひしゃげる音を響かせながら、私は見事な『全裸土下座』をキメました。
「えっ……? あ、れ……?」
恐ろしい魔族がいきなり平伏した光景に、壁際で震えていた少女はパニックを通り越して、目を丸くしてフリーズしました。私は床に額と胸を擦り付けたまま、腰の悪魔の尻尾までペタンと床に垂らしながら、必死に弁明を叫びます。
「わ、私は通りすがりのサキュバスです! この廃屋で、あなたが毒で死にかけているのを見つけたのです! すぐに解毒をしたかったのですが、私の魔力がすっからかんで……っ!」
「ど、く……?」
「はい! 実は私……サキュバスとヴァンパイアのハーフでして、男の人から精気を吸えない『特異体質』なのです! だから同族からも役立たずだと森に追放されて……っ、ひぐっ」
「えっ……? 魔族なのに、追放……?」
「そ、そうなのです! 私のような特異体質は、女の子同士の肌の接触でしか魔力を回復できない仕様……体質なのです! ですから、やむを得ずあのような行為で魔力を絞り出し、あなたに解毒と回復魔法をかけました! 決して、あなたを汚して弄ぼうとしたわけではありません!」
私の(半分は情けない身の上話が混ざった)必死の訴えを聞いて、少女の顔からスッと血の気が引きました。
おそらく、教会の教えとは違う『ポンコツで可哀想な魔族』の姿に毒気を抜かれたと同時に……朦朧とする意識の中で感じていた『毒で内臓が焼け焦げるような死の苦痛』を思い出したのでしょう。
「あ……そう、です。わたし、森に捨てられて、息ができなく、て……。そこで、貴女が……」
あんなに信じていた教会の仲間たちに毒を盛られ、冷たい森に置き去りにされたという絶望。
少女の焦点が合い、私の顔を見つめます。
その直後。死の淵にいた自分を救い上げてくれた『甘く冷たい唾液』と、毒の痛みを完全に上書きした『頭が真っ白になるほどの強烈な快感』、そして、泣いて口づけをねだった『自分自身の破廉恥な嬌声』の記憶が、彼女の脳内に一気にフラッシュバックしたようでした。
「〜〜〜〜〜〜ッ!!??」
ボフンッ! と音が鳴りそうな勢いで、青ざめていた少女の顔から首、そして胸元に至るまでが、瞬く間に茹でダコのように真っ赤に染まり上がりました。
「あ、あわわっ……!? わたし、あんな、あんな声で……っ! う、うそ、嘘です、あんなのわたしじゃありませんっ……!」
彼女は両手で真っ赤な顔を覆い、フルフルと首を横に振って限界まで羞恥心に悶えています。私は土下座をしたまま、(あああ、やっぱり記憶残ってますよね! ごめんなさい!)と内心で血の涙を流しました。
しかし————。
しばらく顔を覆って震えていた少女は、やがて大きく深呼吸をすると、ゆっくりと手を下ろしました。顔はまだ林檎のように真っ赤で、目には涙が浮かんでいます。それでも彼女は、胸元を隠しながら、まっすぐに私を見据えて言いました。
「……すこし、その……あまり思い出したくない、破廉恥な記憶も、あるの、ですが……っ」
「ひっ、はい……っ」
「魔族である貴女が、見ず知らずのわたしを助けてくださった、命の恩人なのですね……」
少女は、全裸のまま床に這いつくばっている私に向かって、わずかに頭を下げました。
「申し訳ありません、取り乱してしまって。……貴女のお陰で、わたしは助かりました。ありがとうございます……っ」
それは、羞恥と恐怖を乗り越えた、彼女の根本にある『気高さ』と『優しさ』が証明された瞬間でした。
この子は間違いなく、心根の美しい少女なのだと。私は床に胸を押し付けたまま、不思議な温かい気持ちに包まれていました。