レベルMAXの百合サキュバスに転生した元・女子高生の異世界蹂躙録 〜冤罪の聖女様と『共犯者』になって、彼女を嵌めた悪党どもを物理的に分からせます〜 作:百合サキュバス好き
全裸土下座の姿勢で床に胸を押し付けたまま、私は不思議な温かい気持ちに包まれていました。
(この子は間違いなく、心根の美しい少女です……っ)
気高くお礼を言ってくれた彼女に感動しつつも、私はハッと我に返ります。
いくら空気が感動的になったとはいえ、客観的に見れば、私たちは現在、土下座している全裸魔族と全裸の神官という、非常にマズい状況です。
「え、ええと……気にしないでください! ……それより、お互いにこのままでは風邪を引いてしまいますし、まずは体を綺麗にしてから、服を着ましょうか」
私はのそりと立ち上がって土下座を解除し、努めて平静な声で提案しました。
「ひゃっ、は、はいっ……!」
私が立ち上がったことでたぷんっと揺れた爆乳から目を逸らすように、銀髪の少女はびくっと肩を揺らして慌てて頷きました。
私たちは互いに頬を掻きながら、そそくさと自分の服を探し始めます。少女は廃屋の隅に落ちていた『自分の服』を拾い上げ……そして、絶望したように動きを止めました。
「あ、あの……。わたしの神官服が……」
彼女の手には、かつて最高級の絹で織られていたであろう、純白の神官服が握られていました。
……しかし、それはもはや『服』の原形を留めていませんでした。
今朝方、一刻も早く肌を密着させて解毒しなければと焦った私が、ゲームキャラ特有の人外の筋力で強引に引き裂いてしまったため、背中から胸元にかけて無惨に真っ二つに裂けています。
おまけに、私たちが何時間もの間もつれ合って転げ回ったせいで、生地には泥と埃、そして大量の汗と『むせ返るほど甘い匂いのする透明な体液』がべっとりと染み込み、ぐしょぐしょになっていました。
「あ……」
「これでは、いくらなんでも着られません……っ。それに、身体もベタベタして……そのっ……」
少女は全裸のまま、自分の身体と破けた服を交互に見つめ、涙目でプルプルと震えています。事後の冷えた空気と、肌にこびりついた体液の不快感。そして、着る服がないという絶望。
(やってしまいました! 完全に私のせいです! 筋力ステータスが高すぎるが故の弊害が、こんなところで……っ!)
と、激しく後悔したその時。私のゲーマーとしての脳髄に、ある解決策が閃きました。
(そうだ! 今の私は魔力が全回復しています! ということは……)
「あの、少しだけ動かないでくださいね」
「えっ? ひゃうっ!?」
私は自分の頭上に手をかざし、『水魔法』と『火魔法』を同時に、ごく微弱な出力で発動させました。すると、私の頭上から心地よい温度の『温水シャワー』が降り注ぎ始めたのです。
(よく考えたら、このお湯を生み出している魔力は、たった今この子からドロドロのえっちで搾り取ったエネルギーなのですが……まぁ、細かいことは気にしないでおきましょう!)
「はぁ〜……っ。これは、生き返ります……」
私は全身を洗い流しました。肌にこびりついていた甘い匂いとベタつく体液が、温かいお湯と共に足元へと流れていき、冷えていた身体の芯からじんわりと温まっていきます。
綺麗にサッパリした私は、呆然としている少女の方へ向き直りました。
「あなたも、気持ち悪いでしょう? 洗い流しますから、少し目を閉じていてくださいな」
「あっ……は、はいっ」
私が彼女の頭上にも温水の魔法を展開すると、ざぁぁっ、と優しいお湯が銀髪を濡らしました。
「んんっ……あぁ……温か、いです……」
こわばっていた少女の顔が、ふわりと綻びます。汚れと不快感が洗い流されていく圧倒的な心地よさに、彼女はほうっと熱い吐息を漏らし、私を見る目に『尊敬』と『感謝』の色をさらに深めました。
「ふふ、サッパリしましたね。では、私も服を着ますから————よいしょっと」
私は彼女に微笑みかけると、今朝方勢いよく脱ぎ捨てて床に落ちていた『自分の服』を拾い上げ、手慣れた動作で身に纏いました。
黒と深紅のレースを基調としたゴシックドレスをベースにしつつも、腹部から下はガーターベルトのついたコルセットのみ。前開きのスカートからは生足が露出し、大きく突き出している爆乳に至っては下乳まで完全にこぼれ落ちているという、見た目の防御力はゼロ・煽情力カンストの『サキュバス専用装備』です。
(一見するとただの破廉恥な布の切れ端ですが、何故かゲーム特有の謎のバリアが素肌部分にも発生して物理・魔法ダメージを軽減するというトンデモ装備なのです!)
「…………」
私が自信満々にコルセットの紐をパチンと弾いた瞬間。少女の顔から、先ほどまでの尊敬と感謝がスッと消え失せました。
「…………えっと。恩人様は、その……本当に、それを着るの、ですね」
彼女は、私の爆乳を僅かな布面積で支え、際どい部分を紐で縛り上げているだけの姿を上から下までジト目で見つめました。
さらには、背中でパタパタと動くコウモリのような羽根と、腰から伸びる悪魔の尻尾が、その異常な露出度をさらに強調しています。
その信じられないものを見るような瞳は『サキュバスって、本当に痴女なんですね』と、言葉以上に雄弁に語っていました。
(あああっ! 恩人を見る目から、完全に『破廉恥な痴女』を見る目に変わっています! 違うんです、これはVRMMO時代に何千時間も着ていて感覚が麻痺しているだけで、中身はノーマルで清楚な————!)
私が内心で血の涙を流していると、少女はふと、自分自身がまだ『一糸まとわぬ全裸』であるという現実に立ち返り、ハッと両腕で胸元を隠しました。
「あ、あの……どうしましょう。この服は、さすがに……着られないです……」
少女は両腕で胸元を隠しながら、破れてドロドロになった神官服を見つめ、消え入りそうな声で呟きました。その悲しそうなアメジストの瞳に見つめられ、私の良心(元・日本人の罪悪感)がチクチクと激しく痛み出します。
(うぅっ……! 本当にごめんなさい! 完全に私が、焦って力任せに引き裂いてしまったせいです……っ!)
私は内心で土下座を繰り返しながら、ふと、廃屋の隅に揃えて置かれている彼女の『靴』が無事であることに気がつきました。革製のしっかりとしたブーツは、数時間前の惨劇(?)から逃れ、汚れ一つなく綺麗なままです。
「あの、とりあえず靴だけは無事でしたから……足元が冷えますし、まずはそれを履いていただけますか?」
「く、靴を、ですか……?」
彼女は戸惑いながらも、言われた通りにブーツに足を入れました。
……客観的に見て、その姿は非常にマズいものでした。
銀髪の美しい少女が、『一糸まとわぬ全裸』の状態で、足元だけは立派なブーツを履いているのです。隠す布が一切ないことで、逆に彼女の雪のような柔肌と、女性らしい起伏が強烈に強調されてしまっています。
「あ、あの……恩人様……? これ、その……すごく、恥ずかしいの、ですが……っ」
少女が顔を真っ赤にして、豊かな胸と秘所を両手で必死に隠しながらモジモジと身をよじります。
「す、すぐに魔法をかけますから! ええいっ、『幻影偽装(ミラージュ・ドレス)』!」
これ以上彼女に羞恥心を味わわせるわけにはいかないと、私は全回復した魔力を練り上げ、指先から魔法を発動させました。
淡い光の粒子が少女の全身を包み込んだかと思うと——次の瞬間には、彼女の身体に『新品の純白の神官服』がピタリと纏われていたのです。
「え……? あ、ああっ! すごいです、神官服が元通りに……! 恩人様、ありがとうございますっ!」
自分の身体を包む見慣れた神官服を見て、少女はパァッと顔を輝かせました。
「ふふっ、お安い御用です。それは私の魔力で作った『幻影』ですから、見た目は完全に元の服と同じです。……これで、外を歩いても誰にも怪しまれませんよ」
「はいっ! これなら安心し……え、幻影?————ひゃんっ!?」
少女が安堵の笑みを浮かべた、まさにその時でした。廃屋の壊れた窓から、朝の冷たい風がヒュオォォッと吹き込み、彼女の身体を通り抜けました。
「あ、あれ……? 風が、そのまま肌に……スースー、します……っ」
彼女は自分の腕をさすり、信じられないものを見るように自分の胸元(幻影の神官服)を見下ろしました。
当然です。幻影魔法はあくまで『そう見せているだけ』のホログラム。物理的な布地など一枚も存在しません。
「あ、あの、恩人様……? 見た目は服を着ているのに、これ……中身は、先ほどと変わらず『全裸』のまま、ということですか……?」
「……そういう、ことになりますね」
「いやぁぁぁっ……! な、なんですかこの破廉恥な魔法はーっ!!」
見た目は清楚な神官服。しかし、少女が自分の胸元をギュッと抱きしめようとした瞬間————彼女の手は純白の布地を『すり抜け』、直接、自分自身の豊かな素肌を鷲掴みにしてしまいました。
「ひゃっ!? ぬ、布がない……手、手がすり抜け、ます……っ! ほんとうに幻、なんですね……っ!」
一歩歩くたびに下着(ブラ)の支えがない胸がダイレクトに揺れ、風が吹けば素肌を撫でられ、万が一誰かに触れられでもしたら『一発で全裸だとバレる』という超絶スリリングな仕様。
「こんなの……もし街で誰かとぶつかったりしたら、すぐに私が全裸だってバレてしまいます……っ!」
少女はすり抜ける幻影の服の下で、自分の素肌を直接ギュッと抱きしめ、本日何度目かわからない真っ赤な顔で涙目になってしゃがみ込んでしまいました。
「す、すみません! でも、私の魔法では、本物の布を創造することはできなくて……っ!」
私は慌てて言い訳をしながら、この気まずい空気をなんとか誤魔化そうと、ポンッと手を打ちました。
「そ、そういえば! 助けたはいいものの、まだお互いに名乗っていませんでしたね! 私は……っ」
(……ええと、ゲーム時代の私の種族名は『サキュバス・ヴァンパイア・クイーン』でしたけれど……)
ふと、私が転生後に里で集めたこの世界の知識が脳裏をよぎります。たしか、この世界には魔族のハーフ(混血)という概念が存在しません。
(そういえば先ほど土下座した時、テンパって思い切り『ハーフ』だと口走ってしまいましたね……! 彼女はパニック状態で聞き流してくれていたようですが、これ以上変な種族名を名乗って混乱させないよう、無難に設定を間引くことにしましょう)
私は気を取り直し、あえてサキュバスの部分だけを名乗ることにしました。
「わ、私はリゼット! リゼットと言います! 種族は……その、特異体質のサキュバスです」
すると、しゃがみ込んでいた少女は、涙目を少しだけ拭って、私を見上げました。
「リゼット様……。あの、わたしは、セシリアと申します。教会の……いえ、ただの、しがない神官です」
セシリアは、何かを言い淀むように視線を伏せました。その様子から、彼女がただ迷子になって毒蛇にでも噛まれたわけではなく、何か『深い事情(トラブル)』を抱えてこの森に捨てられていたのだと、私にも察しがつきました。