レベルMAXの百合サキュバスに転生した元・女子高生の異世界蹂躙録 〜冤罪の聖女様と『共犯者』になって、彼女を嵌めた悪党どもを物理的に分からせます〜 作:百合サキュバス好き
「あの、セシリア。もし話したくないなら、無理にとは言いませんが……」
俯くセシリアを見つめながら、私は静かに口を開きました。
「ただの迷子や、偶然モンスターに襲われたというわけではありませんよね? 猛毒を盛られた状態で、こんな魔物が徘徊する『魔の森』の廃屋に放置されるだなんて……どう考えても、ただ事ではありません」
「……っ」
私の言葉に、セシリアはビクッと肩を震わせ、幻影の神官服の裾をギュッと握りしめました(手は布をすり抜けて、自分の素肌の太ももを掴んでしまっていますが)。私はそんな彼女に向かって、安心させるように微笑みかけました。
「何か、命を狙われるような深い事情があるのなら……私でよければ、手伝いますよ? こう見えても私、腕っぷしには結構自信がありますから」
私が自信満々に爆乳を揺らして胸を張ると、セシリアは驚いたようにパチクリと瞬きをしました。
ちなみに、この私の強さの根拠はハッタリではありません。転生後、サキュバスの里にあった蔵書を読み漁った際、『悪魔やサキュバス、オーガといった中級クラスの魔族は、一体で人間の一般兵士五人分に相当する』という記述がありました。
ですが、私は里のサキュバスたちを直接見た時、直感的に『ああ、この人たちくらいなら数十人に囲まれても、今の私のステータスなら無傷で圧勝できるな』と確信してしまったのです。ですから、人間の兵士や暗殺者程度なら、何百人来ても後れを取ることはないはず……!
暇さえあれば没頭していたゲームで鍛えたレベルとステータスがある、という確固たる根拠で胸を張る私に対し、セシリアは戸惑いながら問い返してきました。
「で、ですが……。いくらリゼット様が命の恩人とはいえ……どうして、魔族である貴女が、敵対しているはずの人族のわたしにそこまでしてくださるのですか……?」
もっともな疑問です。普通に考えれば、魔族が人間の揉め事に首を突っ込む義理などありません。
(……ですが、私にとって彼女は、ただの人間ではありません。転生してからの三ヶ月、女性からしか精気を吸えないせいで『食事』ができず、文字通り餓死寸前だった私に、極上のエネルギーを与えて命を繋いでくれた……いわば、私の『命の恩人』でもあるのです)
私は一瞬、どう答えるべきか迷い————やがて、頬をかいて気まずそうに視線を逸らしました。
「えーっと……その、貴女には、感謝しているんです」
「……感謝、ですか?」
「はい。私、女性の精気しか吸えない特異体質のせいで、魔族領ではずっと食事ができず、餓死寸前だったんです。でも、貴女と数時間前に……その、『アレ』をやったことで、飢餓感が完全に満たされて魔力も全回復しました」
私は、自分が元・清楚な女子高生であることを必死に思い出しながら、直接的な単語を避けて濁しました。
「ですから、その……極上のお食事をいただいたお礼と、服を破いてしまったお詫びだと思っていただければ」
「……数時間前の、アレ……? お食事……?」
セシリアは一瞬、何のことか分からないというように、きょとんと小首を傾げました。
しかし次の瞬間。
『いやっ、あ……っ、だめ……っ♡ んんっ! うそっ、だめじゃないです……っ、も、もっと……っ、もっとぉ……♡』
私の指先と唇によって徹底的に蹂躙され、自ら快楽をねだり、文字通り『一滴残らず精気を吸い尽くされた(お食事された)』数時間前の記憶が、強烈な快感のフラッシュバックと共に彼女の脳内を駆け巡ったのでしょう。
「〜〜〜〜〜ッッッ!!??」
ボンッ!! と、セシリアの頭から物理的な湯気が上がりそうな勢いで、その雪のように白い肌が首の先から耳の裏まで、一気に真っ赤に茹で上がりました。
「あ、あ、あああっ……! わ、わたし、は、はれんち、な……っ! あんな声で、リゼット様に……あ、あああっ!」
セシリアは両手で真っ赤な顔を覆い、幻影魔法のせいでノーブラ・ノーパン状態であることも忘れ、太ももをモジモジと擦り合わせながらその場にしゃがみ込んでしまいました。
見た目は敬虔な神官。しかしその仕草と反応は、完全に『初めての夜を越えた翌朝の女の子』のそれです。
(あわわわっ! どうしましょう、完全にトラウマのスイッチを押してしまいました!)
気を抜くと、サキュバスのえっちな本能から直接的な単語を口走ってしまいそうになるのを必死に我慢する私。しかし、焦燥感に駆られた脳内で、元・日本人女子高生の『良識』とサキュバスの『本能』が完全にバグを起こし————私は、流れるように最悪の失言をかましました。
「あ、あの! ご、ごめんなさい、初めてだったんですよね!? だ、だったら私が責任を取って、一生可愛がって……って、違う! サキュバスの本能引っ込んで! ええと……っ!」
「いっしょう……っ!? かわいがる……っ!? や、やっぱり優しい方かと思っても、魔族は魔族なんでしょうか……、うぅぅ……」
怯えたように肩を震わせるセシリアを見て、私はさらに焦って言葉を紡ぎました。
「ご、ごめんなさい! 今のは忘れてください! そ、それに、セシリアもすごく気持ちよさそうでしたし……っ!? ……じゃなくてっ!! ほら、深呼吸して、落ち着いてっ!」
私の最悪の失言(追撃)のせいで、セシリアはついに両手で顔を覆ったまま、ワッと泣き出してしまいました。
「ひぐっ、うぅ……っ。わ、わたし、もうお嫁にいけません……っ」
「あわわっ、すみません! 違うんです、今のはサキュバスの本能が勝手に……っ!」
◇ ◇ ◇
————それから約十分後。
私の言葉を聞いて落ち着きかけたのに、また泣きそうになるセシリアを、私が必死にオロオロと宥めすかし……ようやく彼女が完全に落ち着きを取り戻すまでに、かなりの時間を要してしまいました。
目元を赤く腫らし、まだ少しだけ頬に朱を差している彼女は、コホンと一つ咳払いをしてから、ぽつりぽつりと『自分が森に捨てられた理由』を語り始めました。
「……わたしの所属する聖都の教会には、わたしを含めて『四人の聖女』がおりました」
セシリアの話を要約すると、こういうことでした。
彼女は元々、孤児院出身のただの平民でした。しかし、生まれ持った規格外の魔力と治癒の力を見出されて教会に引き取られ、その能力や献身的な働きが認められて、やがて聖女の一人として数えられるようになったそうです。平民出身の彼女は、貴族や権力者だけでなく、貧しい信者やスラムの民たちにも分け隔てなく接し、誰よりも祈りを捧げました。
「次期教皇は、わたしたち四人の聖女の中から選ばれます。選出の基準は魔力量や美貌、教会への貢献。そして何より『信者や神官たちからの支持』であり、最終的には現教皇様が決定を下すのですが……」
セシリアは悲しそうに目を伏せ、幻影の神官服の裾を握ろうとして————手がすり抜け、自分の素肌を力なく撫でました。
「数日前。わたしは、他の三人の聖女様たちを差し置いて、次期教皇候補の『筆頭』に指名されてしまったのです」
セシリアはそこで一度言葉を区切り、自嘲するように伏し目がちに笑いました。
「ですがその直後……わたしを見出し、親代わりとして守ってくださっていた現教皇様が、重い病に倒れてしまわれたのです。教皇様が政務を執れなくなったことで、対立派閥の不満が一気に爆発したのでしょう。彼女たちは皆、他国の由緒正しき貴族の娘や聖都の大商人の娘、そして現教皇様の側近である枢機卿の娘でした。どこの馬の骨とも知れない平民が上に立つこと、そして何より、自分たちが『平民に負けた』という事実が、どうしても許せなかったのだと思います」
「なるほど……それで?」
「数日前、わたしは無実の罪……教会の寄付金を横領したという『冤罪』をでっち上げられ、自室での謹慎を言い渡されました。そして謹慎中、配膳された食事を口にした途端、強烈な眠気に襲われました」
セシリアの身体が、恐怖を思い出したのかブルッと震えました。
「おそらく、強力な睡眠薬が混ぜられていたのだと思います。……意識を失う直前、わたしの部屋に、複数人の誰かが入ってくるのが見えました。ここからはわたしの推測になるのですが、謹慎中で誰の目にも触れないことを利用して、わたしを荷物用の麻袋に詰め込み、毒を盛ってから密かにこの魔の森の廃屋へ捨てたのでしょう。自室で死なれては暗殺だと騒ぎになり、面倒なことになりますから」
「……」
「きっと今頃、教会では『横領の罪から逃れるために、セシリアは失踪したのだ』といった噂でも流されているはずです」
全てを聞き終えた私は、腕を組んで、怒りのあまり黙り込んでしまいました。
無意識のうちに漏れ出した魔力がバリバリと紫電のような波動となって周囲に弾け、セシリアが怯えて後ずさりしていることにも気づかないまま、私は内心で怒りを爆発させます。
(————なんっっっという真っ黒な組織!!)
私は内心で絶叫しました。
横領の冤罪を着せた上で、睡眠薬と毒を盛って麻袋に詰めて森にポイ捨て? しかもそれを主導したのが、状況からの推測だけになりますが、おそらく他の教皇候補である、神に仕える聖女三人組でしょう。
(ドロドロの愛憎劇どころか、完全に一線を越えた犯罪ではありませんか! そんな陰湿なクソ女たちを『聖女』と崇めているこの教会、完全に腐りきっています!)
ギリッ、と私は奥歯を噛み締め、やり場のない怒りで拳をギュッと握り込みました。しかし、ここでただ私がキレて暴れたところで、根本的な解決にはなりません。
(……しかし。多分そうなんだろうなとは思いますが、犯人が他の聖女たちだという『証拠』はありません。ただ殴り込みに行っても、魔族が人間を襲撃したとされて終わるだけです。それに————)
「……ひっ、あの、リゼット様……? ま、魔力が……」
「————ハッ!? ご、ごめんなさい! 怒りでつい魔力が漏れてしまって!」
紫電の波動に怯えて、幻影の神官服の下で身をすくませているセシリアを見て、私は慌てて魔力を引っ込めました。コホン、と咳払いをして心を落ち着け、私は真剣な眼差しで、彼女の真っ直ぐなアメジストの瞳を見つめました。
「……セシリア。貴女は、これからどうしたいですか?」
「え……?」
「あのまま毒で死んだことにして、遠くの街で別の名前で生きていくこともできます。……ですが、もし貴女が、自分を陥れた奴らに一泡吹かせてやりたい、無実を証明したいと願うのなら」
私は、自分の爆乳をドンと叩きました。ぼいんっ! とふざけた音を立てて揺れる、キャラ作成時にサイズMAXにした私の胸。しかし、続く言葉はあくまでもシリアスに紡ぎます。
「この私が、責任を持って貴女の『復讐』……いえ、証拠集めを手伝って差し上げます」
私がそう宣言すると、セシリアは信じられないものを見るように目を見開きました。やがて、彼女はそのアメジストの瞳から大粒の涙をポロポロとこぼし始めました。
「わたし……逃げたくありません。わたしが横領犯としていなくなれば、わたしを信じてくれた孤児院の子供たちや、スラムの皆さんが悲しみます……っ。だから……っ」
「ええ、分かりました。なら、一緒に聖都へ行きましょう」
「あ、あぁ……っ、リゼット様ぁ……っ!」
彼女は堪えきれなくなったように、幻影の神官服をすり抜けて、私の胸にボフッ! と飛び込んできました。
私の爆乳と、彼女の柔らかな素肌がダイレクトに密着します。
————その瞬間。
数時間前の甘美な情事が不意に脳裏にフラッシュバックし、私の下腹部の奥から『もう一度、この子を美味しく抱き潰したい』というサキュバスのいやらしい本能が、ドロリと熱を持ってせり上がってきました。
(い、いけません! 今は感動的なシーンです! 空気読め私の淫魔ソウル……っ!)
私は理不尽に暴れ出す本能を、元・日本人女子高生の理性で全力でねじ伏せ……泣きじゃくるワケありの聖女様を、ただ優しく抱きしめ返したのでした。