レベルMAXの百合サキュバスに転生した元・女子高生の異世界蹂躙録 〜冤罪の聖女様と『共犯者』になって、彼女を嵌めた悪党どもを物理的に分からせます〜 作:百合サキュバス好き
魔の森を抜け、人間の国へと続く街道を歩き続けること数時間。太陽が西に傾き、空が茜色に染まり始めた頃————セシリアの足取りがいよいよフラフラになってきた。
「はぁっ……ふぅっ……」
それもそのはずだ。早朝に毒を盛られ、麻袋に詰められて拉致され、数時間ぶっ続けで私に『美味しくいただかれ』た挙句、慣れない獣道を歩き続けたのだ。温室育ちの聖女様である彼女の体力は、とうに限界を迎えている。
「セシリア! やっぱり私が運びます。背中に羽があっておんぶはできないので、もう一度『お姫様抱っこ』で……」
「ひゃあっ!? だ、だめです! あんな恥ずかしい格好で街の人に見られたら、今度こそお嫁にいけなくなります……っ! あともう少しですから、歩けますっ!」
私が提案すると、セシリアは顔を真っ赤にしてフルフルと首を横に振った。野営の道具もないため、暗くなる前に人間の街に入らなければならないのは事実だ。私はその可愛い意地に免じて、彼女の手を引いてあげるだけに留めた。
やがて丘を越えると、視界の先に高い石壁に囲まれた賑やかな街が見えてきた。魔の森と聖都の間にある、辺境の宿場町だ。
「街に入る前に、変装しますよ」
私は自身とセシリアに『幻影魔法』をかけた。
私の頭の角やコウモリの羽、尻尾を隠し、過激なサキュバス衣装を『少し上等な革鎧を着た、見習いの爆乳女剣士』の姿へ。そして、セシリアの着ていた目立ちすぎる最高級の神官服を『装飾の少ない、だが生地は良い見習い神官服』へと偽装する。
私たちは前衛と後衛の初心者パーティーを装い、街の入り口に立つ門番に、白骨遺体から拾った『木製の見習い冒険者ギルドカード』を提示した。
「……ん?」
槍を持った気怠げな門番は、カードと私たちをジロジロと見比べた。
大人びた美貌と規格外の爆乳を持つ私(自分で言うのも何だが)と、可憐で清楚な美少女であるセシリア。そんなどこかの令嬢のような見た目の二人が、冒険者風の格好をしているのだ。しかも、提示したのは成り立てを意味する『木製のギルドカード』なのに、身につけている装備は初心者が到底買えないような上等の品である。
狙い通り、門番は『ああ、なるほどね。関わると面倒くさそうだ』とでも言いたげな表情を浮かべ、顎でしゃくって通り抜けるよう促してきた。こうして面倒な追及をされることもなく、私たちはあっさりと宿場町の中へ入ることに成功したのだった。
◇ ◇ ◇
「ふふっ、うまくいきましたね」
街の通りに入ってすぐ、私が得意げに笑うと、セシリアは不思議そうに小首を傾げた。
「はい。でも……どうしてあんな『少しだけ上等な初心者装備』の幻影にしたのですか? 普通の装備などのほうが目立たないのでは……?」
「あえて少しだけ豪華にしたのがポイントなんです。ああすることで、門番さんは勝手に『どこかの金持ちのお嬢様が、お忍びで冒険者ごっこをしに来たんだな』と勘違いしてくれます。そういう面倒な事情を察すると、彼らも深く追及してこないんですよ」
「な、なるほど……! 相手の心理を逆手に取るなんて、流石はリゼット様です!」
私の完璧な種明かしに、セシリアは尊敬の眼差しでパチパチと拍手をしてくれた。
そんな微笑ましいやり取りをしながら大通りへと足を踏み入れると、夕暮れ時の街は、商人や冒険者たちでごった返していた。通行の邪魔にならないよう私たちは大通りの隅に寄り、革袋の中身を改めて確認した。
「ええと……銀貨が三枚に、銅貨が十数枚ですね。物価にもよりますが、これなら数日はやり繰りできそうです」
セシリアが手のひらの上の硬貨を見つめながら、ホッと安堵の息を吐く。孤児院出身の彼女は、生活費の計算には慣れているらしい。真面目な顔でうんうんと頷いた後、彼女は通りのはずれにある、今にも隙間風が吹き込みそうなボロボロの木賃宿(安宿)を指差した。
「リゼット様、私たちにはあまりお金がありませんし、これからの旅費も必要です。当面は、あのような安いお宿で節約しましょう!」
世間知らずな聖女様からの、清く正しいご提案。しかし、私は即座に首を横に振った。
「だ、だめですよセシリア! ああいう宿は壁が薄くて音が漏れやすいんです。これからの作戦や、教会の腐敗についての『密談』をするのに不向きすぎます!」
「あ……っ。た、確かに、誰かに聞かれたら大変ですね。わたしったら、目先のお金のことばかり考えてしまって……」
「それにセキュリティも甘いです。ですから……少しだけ奮発して、防音のしっかりした『良いお宿』に泊まりましょう! 節約のために、部屋は『ベッドが一つだけのダブルルーム』にすれば完璧です!
私がもっともらしい理由(建前)を並べ立てて力説すると、セシリアは「なるほど……!」と再び感心したように目を輝かせた。チョロい。うちの聖女様、素直すぎて本当に可愛い。だが、私がそんな必死な誘導をしたのには、極めて深刻な理由があった。
(……くっ、マズいです。魔力が、完全に危険域に入っています……!)
私は謎の転生を果たす直前、ゲーム内でソロ用の『物理・魔法両立ビルド』を組んでいた。一通りのことは自己完結できる便利なステータスだが、当然ながら本職の魔法使いビルドに比べて『最大MP』はかなり低めになっている。
そんな状態の私が、半日近くセシリアの『神官服の幻影』と『不可視の結界』を維持し続け、さらに自分にも幻影を上掛けしたのだ。ただでさえ少ない魔力はゴリゴリと削られ、今まさにすっからかんのレッドゾーン。サキュバスにとって、魔力の枯渇は『飢餓』に直結する。
(いけません、元・日本人の理性、仕事しなさい……っ! でも、もう一回ヤってるし……あの極上の味がすぐ隣にあるのに、おあずけなんて生き地獄すぎます……っ!)
私は涎が出そうになるのを必死に堪えながら、セシリアの手を引いて「少し良いお宿」へと足早に向かった。
◇ ◇ ◇
奮発して取った部屋は一泊銀貨一枚と少々お高かったが、分厚い壁による完璧な防音に、ふかふかのキングサイズのベッドが一つ。さらには『備え付けの浴室』まで完備されていた。なんでもこの街に滞在している下級魔法使いが、小遣い稼ぎのバイトとして魔法でお湯を沸かしてくれているらしい。
「はぁ〜……っ。ようやく一息つけましたね。それではセシリア、魔力節約のために幻影と結界を解きますよ?」
「はい、お願いします。……って、ひゃあっ!?」
私が指を鳴らして魔法を解除した瞬間。セシリアを包んでいた幻影が霧散し、彼女は文字通りの『生まれたままの姿(全裸)』へと逆戻りした。
「あわわわっ! わ、分かってはいましたけど、やっぱり明るいお部屋で裸というのは……っ!」
真っ赤になってその場にしゃがみ込み、腕で胸を、両太ももを擦り合わせて秘部を隠そうとするセシリア。
「ほ、ほらセシリア! せっかくお湯も沸いていることですし、森でかいた汗を流しましょう? なんなら、私が背中を流してあげますから一緒に入り……」
「け、結構ですっ! わたし一人で入りますからぁっ!」
私が鼻息荒く提案するも、セシリアは涙目で首を横に振り、全裸のまま脱兎の如く浴室へと逃げ込んでしまった。
「……逃げられてしまいましたか」
私は一つ溜息を吐き、遺体から拝借した物資の整理を始めた。しかし————浴室から聞こえてくる、ちゃぷん、という微かな水音。そのたびに、魔力切れによるサキュバス特有の飢餓感が、私の内臓をギリギリと締め付ける。
————ガチャリ。
「ふぅ……。とっても気持ちよかったです」
三十分後。限界ギリギリの葛藤を繰り広げている私の前に、浴室の扉を開けてセシリアが現れた。
「……っ」
宿に備え付けられていた身体拭き用のリネン布で、濡れた銀糸の髪を拭きながら出てきたセシリア。火照ってほんのりと桜色に染まった透き通るような白い肌からは、色っぽい湯気が立ち上っている。彼女はもう一枚の布で前を隠そうとしていたが、そんな小さな布切れ一枚で、彼女の豊かな胸やすらりとした太ももを隠しきれるはずもない。
森での汚れと疲労を完全に洗い流し、清らかな輝きを取り戻した『湯上りの美少女聖女』という、奇跡のようなごちそうがそこにあった。
「あの、リゼット様? お風呂、空きましたのでどうぞ……って、あの? リゼット、様……?」
私が無言でガン見していることに気づき、セシリアはびくっと肩を揺らした。
「ひゃっ……。あ、あの、そんなに見つめられると、その……恥ずかしい、です……」
彼女は潤んだアメジストの瞳でこちらを上目遣いに見つめながら、布越しの胸をギュッと抱きしめ、身をよじった。その無防備で、あまりにも愛らしく、そして『美味しそう』な姿を見た瞬間。私の元・ノーマル女子高生としての良識は……ここで完全に敗北した。
言い訳をさせてもらうなら、サキュバスの飢餓状態というのは本当にヤバいのだ。飢餓状態のサキュバスが精気を吸収できる対象が目の前に居る状況というのは、現代日本人の感覚で例えるなら『過酷な断食ダイエットの限界を迎えている時に、自分の大好物が目の前に山盛りに置かれた状態』に等しい。
そんな極限状態で、一度味わった極上のごちそうがこんな無防備に立っていたら、理性が吹き飛ぶのは不可抗力である。
「……ごめんなさい、セシリア。お風呂は、後回しにします」
私はゲームキャラの身体能力を無駄に全力で稼働させて一瞬で距離を詰め、セシリアの華奢な肩を押し倒すようにして、ふかふかのベッドへと沈み込ませた。
「えっ……きゃあっ!? リ、リゼット様!? な、なぜわたしの上に……っ。それに、目がすっごく……ハート、に……っ♡」
私を見上げるセシリアの顔が、恐怖ではなく、どこか期待と羞恥の入り混じった熱を帯びていく。私は妖しく微笑みながら、彼女の濡れた銀髪に顔を埋め、その甘い香りを肺の奥深くまで吸い込んだ。
「実はずっと魔法を使い続けてて、魔力が無くてお腹がペコペコなんです。魔力補給をさせてください……という建前はおいといて」
「……えっ?」
そのポカンとした無防備な顔を見た瞬間。私の中でまだなんとかギリギリ繋がっていた『元・女子高生の理性』という名の細い糸が、プツン、と完全に千切れる音がした。
(ああ、もうダメです。こんな可愛いごちそうを前にして、我慢なんてできるわけがない)
ここから先は言い訳無用。私は完全にサキュバスとしての本能に身を委ね、ベッドに沈む彼女の耳元に顔を寄せ、獲物をいたぶるように甘く、意地悪く囁いた。
「私の前にそんな無防備な姿で、しかも湯上りのこーんなえっちな姿で現れるなんて……セシリアの方から、私に『美味しく食べてください』って誘ってるんですよね?」
「ち、違います……っ! 同じ部屋なんですし、わたしは服も無いのですから、こうなるのは当然で……っ」
「ふふっ、嘘つき。そんな事言いながら、押し倒しても全然抵抗しないじゃないですか。……ほら、手も足もこんなに力が入ってない。本当は、私にまたメチャクチャにされたかったんでしょ?」
「そ、それは……んんっ♡」
必死に言い訳をしようとしたセシリアの桜色の唇を、私の唇で深く塞ぐ。それと同時に、小さな布越しに彼女の柔らかく豊満な双丘を両手で包み込み、優しく、じっくりと揉みしだいた。
「ひゃあっ♡ ん、ちゅ……ぁ、ああっ……♡」
防音の効いた部屋の中に、セシリアの甘くとろけるような吐息と喘ぎ声が響き渡る。————こうして、辺境の宿での甘く激しい夜は更けていった。