レベルMAXの百合サキュバスに転生した元・女子高生の異世界蹂躙録 〜冤罪の聖女様と『共犯者』になって、彼女を嵌めた悪党どもを物理的に分からせます〜 作:百合サキュバス好き
翌朝。
分厚いカーテンの隙間から差し込む朝日を浴びて、私はゆっくりと目を覚ました。
「んんっ……ふぁぁ……。よく寝ました……」
大きな伸びをして、隣を見る。
節約の建前で一つのベッドしか取らなかったため、狭いシーツの中には生まれたままの姿のセシリアが、私とぴったりと肌を寄せ合うようにして並んで寝ていた。
昨夜あれほど甘く啼かされ、最終的にまたしても気絶するまでヤり倒されたセシリアが、今はすぅすぅと幸せそうな寝息を立てているのが見える。
セシリアと再び肌を重ねて精気を吸い取ったおかげで、私の魔力は完全に回復し、身体の底から力が湧いてくるのを感じる。私は彼女の美しい銀髪をそっと撫でながら、ふと、天井を見上げて冷静な自己分析を始めた。
(……そういえば私、すでに自分でも忘れそうになっていますけど、元々は男の子に興味がある、ごく普通のノーマルな女子高生だったんですよね)
偶然出会って、お互いが『命の恩人』(私は飢餓から救われ、彼女は毒殺から救われた)という特別な関係になったとはいえ……。彼氏いない歴=年齢だった私が、彼女と出会った初日に二度もそういう事をシてしまうなんて。
私は小さくため息を吐いた。
(これも、『サキュバスとヴァンパイアのハーフ』なんていう、私好みの半分ネタみたいなロマンキャラを作って遊んでいた運命なんでしょうか……)
でも、と私は隣で眠るセシリアの柔らかな肌を見つめる。
男の子の身体は硬いとよく聞くけれど、セシリアのこのマシュマロのように柔らかい身体や、私が弄ってあげた時に漏らす蕩けきった嬌声を聞いていると、『男よりやっぱり可愛い女の子がいいよね』と内なる声が囁くのだ。
(これが元々の私に隠されていた素質だったのか、それともサキュバスという『キャラクターの性質』に精神が引っ張られているのか……自分でもよく分かりません)
ただ一つ確かなのは、この魔族と人族が戦争中という危険な異世界で生き抜くためには、強力な魔法を使うための『魔力』が絶対に必要不可欠だということだ。
(ま、魔法のためには魔力補給が必要なんですし! しょ、しょうがないですよね……? うん、これは生きるための必要な行為です!)
私は、武力(魔力)が必要というもっともらしい理由を盾にして、サキュバスとして美少女を美味しくいただくことに、見事なまでの開き直りをキメていた。
「んゅ……ぅ……」
私が一人で力強く頷いていると、隣のセシリアがもぞもぞと身じろぎをして、ゆっくりとアメジストの瞳を開いた。
「あ、リゼット、様……おはよう、ございま……す」
「おはようございます、セシリア。よく眠れましたか?」
「は、はい……。でも、わたし、昨日は色々あってすっごく疲れていたのに……あ、あんなに激しくされて、わたし、ずっと……っ」
セシリアは一気に顔を真っ赤に染め上げた。
疲れているのに容赦なく押し倒された不満と、とても気持ちよく声をあげてしまった自分への照れ。そして、魔族とはいえ同性に溺れ、一晩中啼かされてしまった聖職者としての羞恥心。
そんな複雑な乙女心がぐちゃぐちゃにブレンドされているのだろう。彼女は恨み言と恥じらいが入り交じったような、ごにょごにょとした甘い声を漏らしながら、シーツを引っ張り上げて顔の下半分を隠してしまった。
シーツから覗く潤んだ瞳と、火照った肌。完全に事後のアレ的な雰囲気を醸し出している可愛い全裸の聖女様を見て、私の中のサキュバスが『可愛すぎる。朝だけどコレもう一回いっても良いんじゃない?』と囁いたが、そこは元・日本人女子高生の理性を総動員してグッと堪えた。
「ごめんなさい、私が魔力切れでお腹ペコペコだったもので。……さて、いつまでもベッドにいるわけにはいきませんから、これからの話をしましょう」
私はあえて真面目なトーンに切り替え、作戦会議を始めた。
「昨日は仕方が無かったので幻影魔法を維持していましたが、今後もずっとそれだといざという時に魔力枯渇を起こしたら目も当てられません。かといって服なしのままでは外に出られませんので、セシリアと私の目立ちづらい服や普通の冒険者みたいな服を何着か買いに行ってこようと思います」
「あ、なるほど……! でしたら、わたしも一緒について行きま……っ、あ、いえ、やっぱりやめておきます」
元気よく同行を申し出ようとしたセシリアだったが、ハッとしたように口元を押さえた。
「幻影魔法を使うと、またリゼット様の魔力が減ってしまいますし……なにより、幻影はあくまで『見た目』だけですものね。人通りの多い道や服屋さんで誰かにぶつかられたり、服を合わせたりした時に、わたしが『全裸』だってことが触感でバレてしまいます……っ」
「その通りです。ですので、サイズは大体把握していますし、私が一人でサクッと買ってきますよ。セシリアは昨日からの疲れも溜まっているでしょうし、ここで休んでいてください」
「はいっ。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします……!」
「あっ、そうだ。いいこと思いつきましたので、ついでにそれもやってきますね」
私がポンと手を叩いて言うと、セシリアはきょとんと小首を傾げ、頭の上に可愛らしい疑問符を浮かべた。そんな彼女の無防備な反応に、私はふふっと余裕のある微笑を浮かべて告げる。
「路銀稼ぎと情報収集……といったところでしょうか」
そう言いながら、私は自身に『幻影魔法』をかけた。
今日の変装は、昨日のような『見習いの爆乳女剣士』ではない。頭の角やコウモリの羽、尻尾を隠し、過激なサキュバス衣装を『裕福な令嬢がお忍びで街を歩くための、上質で清楚なよそ行きドレス』へと偽装する。
「それでは、少し行ってきます。セシリアはいま服がなくて全裸なんですから、誰が来ても絶対に鍵を開けちゃダメですよ?」
「わ、分かっていますっ! ですから、そんなはっきり言わないでください……っ。……お気をつけて、リゼット様!」
からかうような私の言葉に、セシリアは顔を真っ赤にしながらシーツを胸元までギュッと引き上げた。そんな彼女のパタパタと振る手に見送られ、私は一人で宿の部屋を後にした。
◇ ◇ ◇
朝の宿場町は、荷馬車を引く商人や、これから魔物討伐に向かう冒険者たちで活気に満ちていた。
最前線では魔族と人族が血で血を洗う戦争をしているはずなのだが、最前線から遠く離れたこの地では、まるで対岸の火事のごとく平穏で賑やかな空気が流れている。
その中を歩く私は、いやでも周囲の視線をゴリゴリに集めてしまっていた。
(……めっちゃ見られてますね)
大人びた美貌に、抜群のスタイル。そして何より、歩くたびに上質なよそ行きのドレスを弾き飛ばさんばかりに揺れる爆乳に、すれ違う男たちの視線が釘付けになっているのだ。
しかし、彼らがジロジロと私を直視し続けることはない。私の『明らかにワケアリそうなお忍び令嬢みたいなドレス』という出で立ちを見て、誰もがハッとしたようにサッと目を背けていく。
(ふふっ。私の狙い通り、お忍び令嬢のコスプレは完璧に機能しているみたいですね)
そんな男たちの下心と警戒心が入り混じった視線を受けながら、私は元女子高生として密かにウンザリしていた。
(前世の私は見事な絶壁だったから、こういう大きい胸には憧れがありましたけど……実際にくっついてみると、目立つし、重いし、肩は凝るし、無駄に揺れるしで、いいことなんて一つもありませんね。……どうして男の人は、こんな無駄な脂肪の塊に夢中になるんでしょうか)
いや、前世の私も絶壁をコンプレックスにして、夢中になって色々な豊胸マッサージなどを試していたのだが。VRMMOでは重さを感じなかったのに、今は感じる胸の重さにため息を吐きつつ、私は昨夜の記憶を思い返してニヤリと口角を上げた。
(……でもまあ、自分のは別に要らなく感じてきましたけど、セシリアの大きくて柔らかいおっぱいを揉みほぐして、甘く啼かせたり喘がせたりするのは、すっごく良かったですからね……って、また思考がサキュバス寄りに!)
私はハッとして、首をブルブルと横に振った。『私にはちゃんと男の子への興味がある、異性が好きなノーマル女子高生なんだから!』と、必死に自分へと言い聞かせる。しかし、それに対するように内なるサキュバスが『でも男なんて要らないでしょ? 女の子のほうが柔らかくて可愛いし、いい匂いだし、もう女の子相手でいいじゃない』と甘く囁きかけてくるのだ。
元ノーマル女子高生の必死な抵抗と、サキュバスのドスケベな本能。そんな二つの意識を頭の中でマーブル状に混ぜ合わせながら、私はわざと『世間知らずな家出令嬢』風に周囲をキョロキョロと見渡して大通りから外れ、あえて治安が悪そうなスラム方面へと足を進めていった。
「さて、まずは路銀稼ぎと情報収集ですね」
私とセシリアの所持金は、このままではすぐに底を突いてしまう。だが、善良な一般市民からお金を盗んだりするのは、私の『元・日本人』としての良心が激しく咎めるのだ。
ならばどうするか? 答えは簡単である。
こうして『上等な服を着た、世間知らずでカモりやすそうな女』を演じて治安の悪い場所へ行き、寄ってきた悪人たちをボコボコにして、身ぐるみ剥いでしまえばいいのだ。
悪党から巻き上げる分には良心も痛まないし、ゲームでいうところの『敵を倒してゴールドをドロップさせる』のと同じことである。完璧なロジックだ。
さらに、チンピラをシメてこの街の裏組織に案内させれば、一石二鳥で情報収集もできる。私が知りたいのは、筆頭聖女(セシリア)が行方不明になった件や、次期教皇選出を巡る権力争いの状況が、この辺境の街まで情報として流れてきているのかどうかだ。
そして何より、魔の森に近いこの街の裏組織に、セシリアを嵌めた『腐敗神官たち』が関与しているのかを確かめなければならない。
(……っと、早速『獲物』が釣れましたね)
昼間だというのに薄暗い裏路地に足を踏み入れた瞬間。私の前に、ニタニタと下品な笑みを浮かべた、いかにも『スラムのゴロツキ』といった風貌の男たちが三人、立ち塞がった。
「へへっ、お嬢ちゃん。こんなドブ臭い路地裏で迷子かい? 随分と上等な服を着てるじゃねえか」
「道に迷ったなら、俺たちが親切に案内してやるぜ? まぁ、その前にたっぷりと可愛がってやるけどなぁ……ッゲヘヘ!」
男たちの視線は、私の顔と、大きく膨らんだ胸元にねっとりと張り付いている。私は心の中で『テンプレ通りの完璧な絡み方、ありがとうございます』と拍手を送りながら、怯えたふりをしてわざとらしく一歩後ずさった。
「ひっ……! あ、あなたたち、誰ですか……っ! 乱暴したら、お父様が黙っていませんわよ……っ!」
「お父様ぁ? ギャハハハ! やっぱり家出してきた世間知らずの貴族サマか! 安心しな、後で実家にたっぷりと身代金を要求してやるよ!」
完璧に餌に食いついたゴロツキたちを見て、私は怯えた表情の裏側で『計画通り』と氷のような笑みを浮かべたのだった。