次の日。いつもの如く朝食の匂いでリビングまで降りる。
毎日毎日紅羽が作っているものだからたまには作ってやりたいと思う。
それを伝えると俺は俺で違うことをすればそれでいい、だなんて止められる。
因みに台所に立つ男は嫌いじゃないそうだ。…うん?誰に向かって言ったんだこれ?
まぁ、いいか。
リビングにある椅子に腰をかけて、今日の朝食を眺める。
ご飯、味噌汁、焼き魚(鮭)、少しのサラダ。
連(なんだか和食だな…)
大抵和、だからもう慣れた。
しかし…ここまで和食にするか?食べやすいからいいけど。
連「紅羽、今日の朝食は食べやすそうだな」
クスッ、と微笑んでからそう言ってやる。
すると嬉しそうに微笑む。
紅「そりゃそうでしょ。朝からボリュームのある食事は避けたいし…なによりバランス整えないと体に悪いよ?」
…だから焼肉とか、肉系の料理の時は決まって野菜に悩んでいたのか。
と、言うか肉にあう野菜なんてバランスよくとってりゃ問題ないだろうに。
よく分からない奴だ。
連「まぁ、そうだな。…だったら野菜増やさないか?」
バランスよくとるならご飯、味噌汁、焼き魚(鮭)、野菜。
その方が和食っぽいし、尚且つバランスがいいと思うが―――別に問題ない、のか?
紅「野菜、か。考えておくね」
クスクス、と悪戯げに笑いながらそう言ってくる。
どうしたんだろうか。男としておかしなことでも言ったか…?
健康面の話としては真面目に話したつもりなんだけどな。
まぁ、別にいいか…。
食事、歯磨き、洗顔からの着替え。
それから再びリビングで対面になるように座る。
連「連絡ぐらいよこしてほしいんだけどな…」
そう言ってから軽くため息をつく。
まるで神出鬼没みたいに戻ってきたりするもんだから困る。
紅「まぁね。でもそろそろな感じがするよ」
なんだか楽しそうに微笑みながら言う紅羽。
誰に似たんだか本当に分からなくなる。
連「そうか。…助かるよ」
一応携帯電話の電話番号(俺と紅羽の分)を交換してあるはずなんだけどな。
なんで連絡してこないのだろう。
さすがに携帯電話…いや、スマホの扱い方を知らない人じゃないはずだけど。
俺たちがガラケーの頃にスマホにしないか、とすすめてきたし。
しかもその時に紫色のスマートフォンを見せてきた。
説明もしてきたし…。
紅「っと…そろそろかな」
本当どうして分かるのか。疑問に思う。
聞けばいいんだろうけど…なんだか気まずい。
それから10分後、家の近くで車の止まる音がした。
続いてドアをしめる音もする。
間違いなく琴音がきたんだ、と分かった。
俺は紅羽と目線をあわせるべく、顔を向ける。
言いたいことがお互い分かっているのでうなずきあうだけで終わる。
しばらくすると玄関の扉が3回ノックされた。
出迎えに行かなくとも勝手に入ってくるのが分かっていたので無視した。
すると案の定、琴音はノックした後、当たり前のように入ってきた。(靴は脱いでる)
琴「あら、さすがに準備もしてくれているのね」
クスクス、と微笑みながら言う琴音。
苦笑する俺に対し、紅羽は半眼で呆れたように見つめる。
紅「なんとなくあなたが来る、って思ってね。…いい加減突然戻ってくるのは勘弁してほしいな」
全くだ、と思った俺はすぐに補足するようにして
連「せめて連絡の1つぐらいは欲しい…ってな。俺たち、もうスマホは扱えるんだぜ?」
と言った。
さすがに話の分からない奴ではないのでうなずく。
琴「そりゃ長い間スマホを触っているみたいだものね。扱えるようにはなるわ」
言い終えてから近くにある椅子に腰をおろす。
俺からすれば左、紅羽からすれば右。
連(また暫くはいそうだな…)
そう感じた俺だった。
霜月琴音は兄妹と知り合いのような関係です