後少しでこの話も終わりとなりますね
月 日
風の大精霊アリアによる風印に、限界が近付いていることが観測できてしまったが、風によって封じられている黒竜とそれ以外の竜達が解き放たれる前に、黒竜を討伐しなければいけなくなった。
黒竜討伐の主戦力として期待できるのは、ゼウスとヘラのファミリアではLv12に到達した女帝とLv11となったマキシムにザルドとアルフィア位で、あとは補助として私とエピメテウスにベートくん位になりそうだ。
神の恩恵であるならLv10を越えていなければ黒竜と戦えないのは確かであり、戦力となるのは限られた存在だけとなるだろう。
補助を含めて7人だけしか黒竜と戦える存在が居ないが、半端な強さでは足手まといになってしまうので、戦力として数えられないのも仕方がない。
それだけの強さを持つ黒竜は、ベヒーモスやリヴァイアサンとは段違いの怪物であるからだが、やはり竜種の怪物は格が違うのかもしれないな。
月 日
黒竜討伐の為に竜の谷へと向かうゼウスとヘラのファミリアの面々に、私とエピメテウスに平原の獣民の戦士達も加わり、人数的には結構な数となったが、実際に黒竜と戦うのは7名だけとなる。
ゼウスとヘラのファミリアの中には、見慣れない金髪の狐人の女性が混ざっていたが、春姫と名乗った女性は他派閥のファミリアから借りてきた女性であるみたいで、戦闘には参加しないようだが切り札の1つとして扱われていた。
どうやら春姫は魔法を使うことで神の恩恵を授かった者のLvを、1段階上に上昇させることが可能であるらしい。
ヘラ・ファミリアが提供した魔導書を読んだことで、その魔法を複数人に発動できるようになった春姫は、確かに切り札と言える存在で間違いないだろう。
春姫の警護に人員を割かなければいけないが、それだけの重要な魔法の使い手である春姫は、誰よりも守る必要があるのは確かだ。
ちなみに借りてきたというのは正確ではなく、実際にはイシュタル・ファミリアを戦争遊戯でボコボコにして春姫だけ奪ってきたというのが正しいみたいで、強引に改宗まではさせていないから大丈夫だと、ヘラ・ファミリアの面々は言っていた。
それは本当に大丈夫なのだろうかとは疑問に思ったが、黒竜討伐には春姫が必要になるのかもしれないので、今は気にしないでおくとしよう。
問題の先送りになるとしても、今は黒竜を討伐することだけを考えなくてはいけない。
さて、今日の日記はこれまでにしておくとするかな。
月 日
犠牲が出ることなく黒竜の討伐と、竜の谷の竜の掃討が完了。
春姫の魔法で擬似的に階位昇華した女帝とマキシムにザルドとアルフィアを主戦力として、時折私やエピメテウスにベートくんが盾役となったり、天の炎の穢れで作成した矢に加えて投槍なども用いて攻撃したりもして補助を行った黒竜との戦いは、苛烈なものであったが、全員が生き残ることができた。
こうして生きて日記を書くことができているのが、とても幸運なことであったと感じる位には凄まじい戦いであったが、無事に日記を書けている今の穏やかな時間を過ごせているのは悪くない、
黒竜の討伐が終わるとエピメテウスは、ようやくやり残した仕事を終わらせることができたと喜んでいて、戦士達の墓前で良い報告ができるとも言っていたが、その報告をする時は、私も付き添っておきたいところだ。
ちなみに戦いが終わった後、ヘラ・ファミリアの団長である女帝が、ベートくんに交際をしないかと聞いていたりもして、幼馴染みの妻が居るのでと断られており、いい男は軒並み売約済みかと叫びながら涙を流して去っていく姿が確認できたが、現代の英雄はあまりモテないのかもしれないな。
マキシムやザルドは、まあヘラ・ファミリアは嫌だよな、とでも言わんばかりな顔をしていたが、ヘラ・ファミリアの女性陣は、ちゃっかりゼウス・ファミリアのクラネルを捕まえて子どもを産んでるメーテリア以外は、独り身だったりするらしい。
黒竜を倒せても愛する相手は見つけられていない女性を筆頭に、ヘラ・ファミリア女性陣は独身のままであることに危機感を抱いているのだろう。
なんというか世知辛いものを感じるが、英雄の最大の敵は婚期であったということになりそうだ。
とりあえず平原の獣民の戦士達を口説き始めているヘラ・ファミリアの女性陣は、どうにかしておかないといけない。
その族長は子持ちで愛妻家だから諦めてもらわないと、ベートくんが困ってしまうからな。
月 日
エピメテウスと共にオリンピアで戦士達の墓前に、黒竜を討伐したことを報告していると、エピメテウスからアルフィアが残していった伝言について伝えられることになり、明日オラリオの廃教会で、アルフィアは私のことを待つつもりのようだ。
何の用件であるかは分からないが、特に用事がある訳ではないので、一応行ってみるとしようか。
月 日
少女であった頃のアルフィアと初めて出会った廃教会で、私を待っていたアルフィアは、妹のメーテリアから背を押されて「勝負は今、ここで決める」と言い出すと、私に対して愛の告白をしてきた。
どうやらアルフィアとメーテリアが患っていた不治の病を私が治療したその時から、アルフィアは私のことが好きになっていたらしい。
それからずっと言えなかった気持ちをようやく言えたアルフィアは、私を逃がすつもりもないようで、必ず捕まえてみせるとも言い切っていたな。
それから追いかけっこが始まったが、春姫まで協力して擬似的に階位昇華までしたアルフィアは、黒竜と戦った時よりも機敏に動いていたのは確かだ。
まあ、変わり者な私を好きになってくれた相手の気持ちを無下にするのも良くないとは思うので、アルフィアの気持ちは受け入れておくとしよう。
今はアルフィアからの一方的な気持ちだとしても、私も彼女を好きになれるように努力させてもらうとするかな。
ちなみにちゃっかりゼウス・ファミリアのクラネルと結婚していたメーテリアはベル・クラネルを産んで、育てていました