古代から生きている男の日記   作:色々残念

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此方も話を思い付いたので更新します
ちなみにダンまち世界ではセンチはセルチ、メートルはメドルという名称が使われているので、誤字ではありません


3ページ、加工する男

 月 日

5人張りの弓は作る際に、4人が弓を曲げている間に1人が弦を張るという工程が必要になるが、天の炎の恩恵によって常人よりも力が強い私とエピメテウスが協力し、エピメテウスが弓を曲げている間に私が弦を張った弓は、凄まじく強力な弓となった。

 

常人だけなら作成に5人どころか100人の力が必要になりそうな強弓は、100人張りの弓と言っても過言ではない。

 

弓の素材にはミスリルと火山花の花弁を用いており、射出した矢の火属性を強化可能な効果も持たせた強弓は、現代風に言えば特殊武装といったところになる。

 

何故そんな特殊武装の強弓を作成したのかというと、単純に投擲するよりも正確に長距離に飛ばして命中させる手段が必要になったからではあるが、特殊武装にしてみたのは鍛冶師としての遊び心だ。

 

弓を用いて飛ばすものは、天の炎から取り除いた穢れを加工し、矢の鏃としたものだが、僅か数セルチの鏃だとしても秘められた火力は凄まじく、着弾と同時に炸裂するようにした天の炎の穢れは、指定範囲内に獄炎を発生させて全てを焼き尽くす火力を持つ。

 

神創鎚でなければ天の炎から取り除けず、加工して獄炎が炸裂する範囲の指定もできない天の炎の穢れは、通常の天の炎とは性質が異なっている。

 

以前封印されていたアンタレスという漆黒の怪物で実験し、検証してみたところによると、神力に近い通常の天の炎が効かない漆黒の怪物にも、天の炎の穢れであるなら確かに効果があるようだ。

 

しかし実験を行った際、僅か数セルチの穢れを加工した投げナイフが刺さって炸裂した瞬間、周辺一帯に一気に獄炎が広がって焼き尽されたアンタレスの半径10メドルが、余りの高温の炎熱によって瞬時に硝子状になる程であった為、天の炎で炎熱に強い抵抗力がある私でなければ、穢れの獄炎に巻き込まれて死んでいた可能性は高い。

 

アンタレスという怪物を相手に実験して検証してみた結果を踏まえて、天の炎の穢れを加工した物体を炸裂させて獄炎を発生させる場合は、やはりより遠距離で着弾させる必要があると判断した私は、安定した長距離への射出が可能な弓を採用し、今回の強弓を作成するに至った。

 

後はどのような形状の鏃であろうと目標に命中させる弓の腕が必要になるが、動き回る怪物を相手に百発百中となるように、ひたすら訓練を積み重ねてみるとしようか。

 

地道な積み重ねというものは確実な成果の為には、必要になるものであるからな。

 

弓の扱いは出来るとしても達人と言える程の腕前は持っていない私の場合は、更に腕を上げる為に実戦的な鍛練が効果的かもしれないが、まずは段階を踏んでいくとしよう。

 

怪物を相手に弓を使うのは、弓の扱いにもっと慣れてからだ。

 

 月 日

天の炎の穢れを加工した鏃は用いずに、強弓で怪物を射ち殺す日々を繰り返していた最中、定住地を設けずに大陸を渡り歩いて怪物を討伐しているというアルテミス・ファミリアと出会った私は、狩猟の派閥を率いる女神アルテミスから弓の扱い方を教わることになった。

 

狩猟の女神でもある女神アルテミスの弓は、確かに神業と言えるもので、弓の指導者としては何ら不足が無く、尊敬できる弓の腕を持つ存在であった女神アルテミスは、指導に熱が入ると中々止まらないらしい。

 

最初は軽く教わる程度であったのが、教わったことが即座に出来るようになる私を中々筋が良いと褒めた女神アルテミスの目が輝き始めてからは、指導が段々と高度なものに変化していき、次々と弓術について叩き込まれることにもなったな。

 

最終的に女神アルテミスが満足する段階までは指導されたが、合間に食休みと手洗い休憩がある以外は、ほぼ全ての時間で弓術を学ぶことになっていたのは確かだ。

 

そのお陰で私の弓の扱いは格段に上達し、遠方で動き回る怪物への正確な狙撃や、即座に矢を放つ速射などの技能も高水準で身に付けることができたのは間違いない。

 

女神アルテミスには感謝をしておくとしよう。

 

 月 日

女神アルテミスやアルテミス・ファミリアと行動を共にして怪物を射殺していく内に、私を見るアルテミスの目が少しずつ変化していっていることには気付いていたが、まさか処女神でもある女神アルテミスから熱っぽい目で見られるようになるとは思ってもいなかったな。

 

女神アルテミスから獲物を狙う狩人のような目で見られることも増えた私は、とりあえずアルテミス・ファミリアと女神アルテミスに餞別となる装備一式を渡してから素早く立ち去っておき、何かある前に退避しておくことには成功した。

 

その後、拠点に戻ると天の炎の穢れを鏃に加工したものを幾つか作成しておき、強弓で放つ矢を大量に用意し、貯まっていた穢れの処理も兼ねて竜の谷の竜を間引きに行くことに決めると竜の谷まで移動して、数多の竜を穢れの鏃で焼き尽くして処理し、再び穢れの鏃を用意しては同じことを繰り返す。

 

その結果、100体以上の竜種の討伐が完了したことで、竜の谷の竜による被害が多少は減ったようだ。

 

竜の被害で苦しむ人々が減ったというなら、それは悪いことではないだろう。




もう少し長くアルテミスと一緒に居たらオリオンと呼ばれていたかもしれません
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