古代から生きている男の日記   作:色々残念

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本日2回目の更新になります


4ページ、分析して決意する男

 月 日

自作の船に取り付けた特製望遠鏡で、ゼウスとヘラにポセイドンのファミリアに、リヴァイアサンが討伐されるまでの一部始終を遠方から見ていたが、やはり見覚えがある存在が主力となっていて、ベヒーモスの毒肉を食べた大馬鹿や、健康になったアルフィアがリヴァイアサン討伐に貢献していた。

 

アルフィアの魔法がリヴァイアサンにトドメを刺した必殺の一撃であったのは疑いようがないが、発動までに長大な詠唱を必要とするようであり、気軽に使える必殺の魔法では無さそうだ。

 

詠唱が終わるまでの隙が多い魔法が黒竜相手に使えるかは、難しいところだろう。

 

それにあのアルフィアの魔法が最大火力となると、アルフィアを除いて、黒竜に通じる攻撃手段をゼウスとヘラのファミリアの面々が持っていない可能性は非常に高い。

 

アルフィアの魔法だけで黒竜が倒せるとは思わないので、戦力が整うまでは黒竜に手を出すのはやめておいた方がいいと思うが、その判断が出来るかどうかが問題になりそうだった。

 

 月 日

土を掘る時に使用する円匙のような大きさがある巨大な鏃を持つ全てが穢れで作られた矢を、天の炎の穢れを用いて幾つか作成しておいたが、これはなんとなく勘で必要になりそうだと考えて作成しておいたものだ。

 

通常の竜程度には明らかに過剰な威力の矢ではあるが、相手が並みの竜でなければ話は別だな。

 

エピメテウスが勝てなかった3体の怪物はゼウスとヘラのファミリアによって2体が討ち取られ、残すところは黒竜だけとなっているようだが、集団でなければベヒーモスやリヴァイアサン相手に優勢に戦えなかった今のゼウスとヘラのファミリアの実力では、黒竜には間違いなく勝てない。

 

天の炎が効かない3体の怪物には、相性の問題でエピメテウスでは討伐が不可能ではあったが、私が用意した防具と大盾を使えば、ベヒーモスが相手なら単独で攻撃を防げるようになっていたエピメテウスは、だった1人でベヒーモスを一昼夜押し留めて人々を逃がすことに成功している。

 

漆黒の怪物には天の炎による攻撃は効かないが、天の炎によって上昇している身体能力まで無効化される訳ではない為、エピメテウス程の力があればベヒーモスを単独で押し返し続けることも容易いことであった。

 

その点から考えても、3体の怪物による被害を減らす為に戦っていたエピメテウスと戦士達の実力は、現在のゼウスとヘラのファミリアよりも明らかに高く、ベヒーモスよりも段違いに強い黒竜の攻撃をエピメテウスと戦士達は協力して防ぎ、私が用意した幾つもの大盾や防具をボロボロにしながらも黒竜から人々を守り抜いていたのは確かだ。

 

黒竜からの攻撃を防げる程の装備をゼウスとヘラのファミリアは持っておらず、黒竜に通じる攻撃手段も僅かしか持ち合わせていないゼウスとヘラのファミリアでは、勝利することは明らかに難しいだろう。

 

世界中の人々はゼウスとヘラのファミリアが黒竜を討伐することを望んでいるのだろうが、今のゼウスとヘラのファミリアに、黒竜を倒せるほどの実力があるとは思えない。

 

そう判断できてしまっている私からすると、態々死なせに行かせるようなものだと考えてしまうが、それを本人達に直接伝えて止まるかと言えば、止まらないことも理解できてしまうのがもどかしいところだ。

 

ベヒーモスやリヴァイアサンを討伐したゼウスとヘラのファミリアが弱い訳ではないことも、事態を更にややこしくしているような気がするな。

 

英雄としての自負や矜持が存在する相手を諦めさせるのは、簡単ではない。

 

折れるまで叩き潰されるか、圧倒的な実力差に心が折れれば諦めるだろうが、黒竜と遭遇してからそうなったのでは手遅れだ。

 

凄まじく強い黒竜を相手に心が折れなかったとしても、実力差が離れ過ぎていれば勝負にはならず、ただ死ぬだけとなるだろうな。

 

恐怖に折れたとしても黒竜を相手に逃げ切れなければ、それもまた死が待つ。

 

終末の具現とも称される黒竜を相手に、勝てぬとしても戦って生きて無事に帰ってきたのは、私の知る限りではエピメテウスと戦士達だけだった。

 

そこまでの実力がないと考えられるゼウスとヘラのファミリアでは、無事に敗走出来るかどうかも怪しい。

 

1つしかない大切な命が失われてからでは遅すぎるので、現在の自分達では力不足だと思ってもらえる程度の適度な心の折れ具合になってもらえれば私としてはありがたいが、そう上手くいかせる為には、どうにかして本人達に力不足だと気付いてもらう必要がある。

 

これはもう英雄でも戦士ですらもない私1人に敗北すれば、力不足だと素直に思ってくれるのではないかと考えたが、そんな発想が効果的かもしれないと思えるのが何とも言えない。

 

言葉だけでは止まらない相手であることが理解できているなら、やはり私がやるしかないのかもしれないな。

 

私は英雄ではなく鍜冶師で研究者であるが、彼等よりも長く生きていて、それなりに長く英雄の手伝いはしてきた。

 

英雄の作法というものを知ってもらうこと位は出来そうだ。




主人公のジョンは自身を鍜冶師で研究者と考えていて、英雄や戦士だとは思っていませんが、全く戦えない訳ではありません
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