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多少手荒になってしまったが、実力不足のまま黒竜に挑むというゼウスとヘラのファミリアの自殺行為を止めることはできた。
英雄でも戦士ですらもない私に、集団でも勝てない現在のゼウスとヘラのファミリアでは、黒竜を相手にすれば確実に死んでいただろう。
私に敗北したゼウスとヘラのファミリアは、今の実力で黒竜へ挑むことは取り止めてくれたようで、ダンジョンが存在するオラリオで鍛練を積み重ねると決めたみたいだ。
黒竜を倒す前に、まず私に勝てるようになりたいとも考えているようではあったが、それなら集団ではなく単独で私に勝てるようになるまで鍛えてもらいたいところではある。
私を単独で倒せるまで強くなったなら、今度は単独でエピメテウスを倒せるようになるまで強くなってもらえれば、私も安心して黒竜との戦いに送り出せるのだが、短期間でそこまで強くなるのは難しいかもしれない。
黒竜を竜の谷に封じている精霊の風による風印は、あと15年は間違いなく持つだろうが、それ以上持つかどうかまでは怪しいところだな。
今日から15年を期限と定め、ゼウスとヘラのファミリアが強くなることを待つと決めておくが、15年の内にゼウスとヘラのファミリアがどこまで強くなれるかによって、黒竜を相手に戦えるかどうかも決まりそうだ。
ゼウスとヘラのファミリアが英雄を名乗るのとするならば、15年の期限内に黒竜を相手に戦えるようになってもらいたいものだが、どうなるかまでは私にも分からない。
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あれから3年が経過したが集団でも私をまだ倒せないゼウスとヘラのファミリアを返り討ちにしておき、ボロボロになった眷族達をオラリオにまで送り届けてみると、余程恨まれていたのか、ボロボロなゼウスとヘラのファミリアへと追い討ちをかけようとしていた存在が非常に多い迷宮都市という場所は、案外物騒なところなのかもしれんな。
弱っている今ならオラリオからゼウスとヘラのファミリアを追い出せるとでも考えていたのだろうが、オラリオから彼等が追い出されてしまうと、ゼウスとヘラのファミリアが強くなることを期待している私としては非常に困るし、黒竜討伐の戦力が減れば、誰もが困るだけでは済まない筈だ。
それを理解しておらず、目先の利益だけを優先する存在は、未来のことなどは考えていないのだろう。
今回はゼウスとヘラのファミリアを邪魔だと考えていた存在がここまで多かったと想定していなかった私の不手際だと判断し、ゼウスとヘラのファミリアに手を出そうとしていた面々は私が、少々手荒に寝かしつけておいた。
肉体強度的な問題を考えて、ゼウスとヘラのファミリアよりかは丁重に扱ったが、やはりゼウスとヘラにそれ以外と言われる程、他のファミリアとは実力差があるようで、ゼウスとヘラのファミリアよりも圧倒的に脆いファミリアしか存在していないとなると、やはり現在の迷宮都市で期待できそうなのは、ゼウスとヘラのファミリアだけとなりそうだ。
月 日
ゼウスとヘラの眷族達がダンジョンに遠征に行って、数週間はダンジョン内で修行している間、竜の谷から逃げ出した竜を狩っていた私が、放浪の獣人部族を襲う竜を倒したところ、部族の壊滅を防いだ礼として食事を振る舞われることになった。
幾つかの香辛料や岩塩なども私から提供しておくと、料理担当の女性陣達からとても喜ばれたが、やはり香辛料や岩塩などがあると味付けに役立ち、料理の味わいも確実に良くなるのだろうな。
部族の族長の長男であるベート・ローガくんは私が竜を素手で屠った姿を見て、自分も竜に勝てる位に強くなりたいと考えているようで、どうすれば強くなれるかを私に聞いてきたが、手っ取り早く強くなるなら神の恩恵を授かるのが早いと伝えておくと、それは部族の掟に反することになるらしい。
大自然の流れに身を任せ、生きては朽ち、朽ちては生まれる、そんな教えが掟として平原の獣民には伝わっているようであり、神の恩恵などは自然の流れではないと判断されるようだ。
自然の流れに身を任せると言う割りには、テントを使って生活しているし、料理にも火を使って、香辛料や岩塩なども使用しているが、その辺りはどうなんだと思って族長に聞いてみると、火の恩恵は許されているとだけ答えた族長からは視線を逸らされてしまう。
若干自然の流れに逆らっていると族長本人も考えてるじゃないかとは思ったが、これ以上聞いても気まずい空気になるだけだと判断し、火の恩恵なら許されているということだけを再確認しておいた私は、かつてエピメテウスと共に戦った戦士達のように、天の炎の恩恵をベートくんや希望者に与えることの許可を、族長からもぎ取っておいた。
今回竜に襲われたことで無力感を感じた戦士達も少なくはなかったようで、掟に反しないなら、と天の炎の恩恵を授かることを選んだ戦士達とベートくん。
神創鎚であり、焔を纏う大鎚カウカソスを用いて増幅した天の炎の一部を、平原の獣民の戦士達とベートくんに与え、天の炎の恩恵を授けた私に感謝してきた平原の獣民達。
弱いやつが食われる弱肉強食が平原の決まりだとしても、好き好んで食われたい訳ではないということなのだろう。
本作ではベート・ローガが10歳の時に竜の襲撃がありましたが、原作よりも2年早くなっていました