スカイリムをシャルティアで遊ぶ   作:Revak

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第14話

 

 ウルフリックを殺した後、四人は王の宮殿の外に出た。

 外には多数の帝国軍人たちが居り、テュリウスが軽い演説をした。

 

 ようやくこれで内乱が終わった。残る問題は復活したドラゴンたちのみ。

 

「シャルティア。君に頼みたい事がある」

 

 そこでテュリウスがそう話しかけて来た。

 

「なんでありんすか?」

「ドラゴンボーンに協力し、アルドゥイン討伐に力を貸してやってくれ。君ほどの力を持つならば出来るはずだ」

 

 それにはもちろん裏の意図がある。

 帝国はドラゴンボーンと友好な関係であると強く主張するための意図だ。

 

 今イナル──ドラゴンボーンの存在は帝国でも扱いに問題が生じている。

 向こうから干渉してこない限り不干渉で居るべきだという者たちと新しい皇帝として迎えるべきだ、という馬鹿みたいな主張をする者だ。

 

 だが今の時代の帝国はドラゴンボーンであったタイパー・セプティムが大陸統一によって成し遂げた国だ。

 だからかつてのようにドラゴンボーンを迎え入れるというのはまだわからなくもないだろう。

 テュリウスとしてはドラゴンボーンなどと言う劇物は向こうから来ない限り何もしない方が良いだろうという考えだが、派閥争いは避けられぬ事であった。

 

「わかりんした。イナルと協力しアルドゥインとかいうのをぶっ飛ばしてくるでありんす」

「あぁ。頼んだぞ」

 

 

 

 

 ■

 

 二週間後。ドラゴンズリーチにて。

 ドラゴンズリー・グレート・ポーチという屋上の一部に帝国軍十二。シャルティア、そしてイナルが来ていた。

 勿論ホワイトランの衛兵隊とイリレスも来ている。なんならバルグルーフも居た。

 

「ところでどうやってドラゴンをここに呼ぶでありんす?」

 

 シャルティアが気になっていたことをイナルに問いかけた。

 餌か何か用意するのだろうか、となどと考える。

 

「ドラゴンは挑戦を受けずにはいられない、らしい。だから名を叫ぶ事で呼び出すんだ。ドラゴンの名はシャウトと同じ構成らしいから、それで呼べるはずだ」

「なるほど。では、準備万端でありんす。ぬしの方は?」

「こちらも問題ない──行くぞ、オダ ハー ウィング!」

 

 イナルが空に向かってドラゴンの名を叫んだ。

 

 一分ほど沈黙が流れる。

 

 一部の者たちは来ないのでは、などと思っていたがイナルとシャルティアは違う。来る強者の気配を感じ取っていた。

 

「来た! 矢を放ちなさい!」

 

 シャルティアがそう叫ぶと指揮下の者たちが飛んできたドラゴンに対し矢を放った。

 飛んできたドラゴンは赤い鱗に覆われたドラゴンであり、種族は希少種のレッドドラゴに分類される。

 レッドドラゴンは数あるドラゴンの中でも最上位に位置するドラゴンである。

 

 故に、ただの衛兵と軍人の矢程度は強靭な鱗によって弾かれる。

 帝国の装備はペニトゥス・オクラトスでもない限り付呪もされていない数うちの品だ。武器としての性能は低くもないが高くもない。

 だからレッドドラゴン──オダハウィーング相手には通じない。更にドラゴンはドラゴンボーン以外からの攻撃を半減するパーク──特殊技術(スキル)のようなもの──を持つ故にダメージは無い。

 

 しかしドラゴンボーンの一撃は違う。

 

 イナルがドラゴンの骨の弓と矢を持って矢を放つ。

 オダハウィーングの体に命中し、ダメージを与え、オダハウィーングは一瞬怯んだ。

 

「ジョール ザ フル!」

 

 そこにイナルはシャウトを放った。

 放ったのはドラゴンレンドという対ドラゴンの究極のシャウトだ。

 不死である竜から不死性を一時的に無くし、更に飛行能力も一時無くさせるという強力なシャウトである。

 

「何だと?!」

 

 オダハウィーングは驚愕し、何とか飛ぼうと翼をはためかせるが無駄だ。無情にも体は落下していく。

 

 何とか体勢を直し、屋上に着地した。

 

「バー、ジョール! おのれ人間め!」

 

 オダハウィーングはそう叫び、シャウトの準備をする。

 

「ヨル トール シェル!」

「ファス ロー ダー!」

 

 オダハウィーングのファイアブレスのシャウトとイナルの揺ぎ無き力のシャウトが衝突する。

 

「熱いでありんすねぇ」

 

 シャルティアはのほほんというが炎が拡散され、熱が周囲に広がる。

 シャルティアは炎に対し装備で完全耐性を得ている為理論上は太陽の中に居ようが無事ですむ。

 その代わりアンデッドの弱点である神聖属性に対しては一切の耐性を持っていないため非常に弱いが。

 

 オダハウィーングが翼の腕でイナルに襲い掛かるがイナルは盾でパリィし、防ぐ。

 

「引きながら矢をうちなんし!」

 

 シャルティアは忘れず帝国軍隊にそう指示を出す。

 この世界の人類は強靭で歩きながら弓を引くことが可能である。だから後ろ歩きしながら矢を撃つという高等技能が可能だ。

 

 矢がオダハウィーングに命中するも、やはり鱗に弾かれダメージは無い。

 

「煩わしいぞ! ヨル トール シェル!」

 

 オダハウィーングが小隊に向かってドラゴンブレスを放つ。

 

<石壁>(ウォール・オブ・ストーン)!」

 

 シャルティアが防壁の魔法を唱えた。

 床から石の壁が生成され、ドラゴンブレスを受け止める。

 しかし耐久値がそこまで高くないのですぐに溶けるが、壁としての役目は果たしてくれた。

 

 その間にイナルが下がっていく。

 

「逃げるな! ドラゴンボーン、私と戦え!」

 

 そう言いながらオダハウィーングは前進し、進んでいく。

 

 そしてある程度の位置でイナルが叫んだ。

 

「今だ!」

 

 その叫びに応じ、衛兵の一人が罠を作動させた。

 

 屋根からトラップが降り、オダハウィーングの首を捕まえた。

 これにて捕獲完了である。

 

「ニード! むぅ……! まさかこうも辱められるとは……!」

 

 オダハウィーングは羞恥に顔を歪ませたがドラゴンの表情がわかる者はいなかったので気づかれなかった。

 イナルが捕らえられたオダハウィーングに近づく。

 

「スーウ、ボナール。私を乞うも辱めるとは……ただでは済まさぬぞ」

「その状態ですごまれても、恐怖は感じないな、オダハウィーング。聞きたいことがある」

「ヒンド、シーブ、アルドゥイン、じゃ? アルドゥインの居場所を知りたのだな?」

「そうだ。奴はどこに隠れている?」

「リニック、ヴァザー。その通り。アルドゥイン、ボヴル。お前の声にこたえた理由はただ一つ。そのスゥームをこの目で確かめる為だ。我らの多くは本当にアルドゥインのスゥームが最強なのか、それだけの支配力があるのかを疑い始めている。

 勿論我らの中では最強だろう。ム、ニ、メイェ。奴に立ち向かおうとした者はいない」

「聞きたいのはアルドゥインの居場所の話だ。お前たちの事情ではない」

「ウンスラード、クロシス。すまぬ、つい話がそれた。奴は力を取り戻す為にソブンガルデへと向かった。シレセジョール……死んだ定命の者たちの魂を喰らう為にな。奴はそれをひた隠しにしているが……」

 

(ソブンガルデ、確かノルドが死後行く世界だったか。その世界にいるのか)

 

 通常手段では行くには死ぬしかない、死後の楽園だ。

 シャルティアはそこに居るとなると引っ張り出すのはむずそうだと考える。

 しかしイナルは違った。

 

「ソブンガルデにはどう行けばいいい?」

「ソブンガルデへの扉は、東方の山地高くにそびえる古代神殿の一つ、スクルダフンにある。ミンドラーン、バー、オク、ミッドヴァゥヘ、ラーヴラーン、ティル。奴が残る力のすべてをそこに集めている事は言うまでもない」

「東方の山地か、なるほど。感謝する」

「ズーウ、ロスト、オファン、ヒン、ラーン……これで質問には答えた。もう行っていいか?」

 

「どうするでありんす? イナル」

 

 シャルティアは問いかける。

 イナルはそれに対し考える。

 

「ただ逃がすのはないとして……殺すのも、な。なら条件としてこちらに従ってもらおう。俺に従えるか? オダハウィーング」

「アーム? 従えだと? いや。ニ、ティード。お前がアルドゥインを倒したなら、その時には考えよう」

「なら、それまでここで拘束しておく。首長、構わないか?」

 

 イナルはバルグルーフに話しかけた。

 

「あ、あぁ。ここ以外拘束出来ないしな、いいぞ」

「よし。それなら今から東方に向かって準備をするぞ」

「わたしも着いて行くでありんす。ぬしに協力した方が帝国軍の覚えもよくなるでありんしょうし」

「あぁ。よろしく頼む」

 

 そこにオダハウィーングが話しかけて来た。

 

「ふむ……クロシス。スクルダフンについて……一つ、言い忘れたことがある」

「何? なんだ?」

「これだけだ。お前はドヴァーのスゥームを持っているが、翼が無くてはスクルダフンには永遠に辿り着けない」

「……人間が移動できる場所には無い、という訳か」

「そうだ。もちろん……この翼で連れていく事は出来るが、囚われの身ではそれも叶わぬ」

「それなら問題ありんせん。わたしがスクルダフンに行ってから転移魔法でイナルを連れて行けばいいだけでありんすから」

「ほう? ラ゙イン……お前のような特異な者ならそれを可能にするというのか? だが、スクルダフンは山中の中。見つけるのには時間がかかる。その間にアルドゥインが力を取り戻したらどうする?」

 

 オダハウィーングの言葉は正論だ。

 

「よし。オダハウィーングを解放しよう」

 

 イナルが迷うことなくそう言った。

 それに対しバルグルーフが異を唱えた。

 

「せっかく捕らえたドラゴンをすぐ開放するのか?」

「そうしなければたどり着けないらしいからな。そうするのが賢い選択だ」

「そ、そうかもしれないが……」

「はぁ。なら後で帝国からホワイトランに何かしら送るでありんす。それでいいかえ?」

「……わかった。それならのもう」

 

「そういう訳だ、オダハウィーング。スクルダフンまで連れて行ってくれ」

「オニカーン、コラーヴ、ジェイン、ミラード。選択肢が一つしかなければそれを認めるのが賢明だ。そして信じて欲しい。ズーウ、ニ。ターロディース。アルドゥインは支配者の器ではないと自ら示したのだ。私はもう従うつもりはない」

「あぁ。よし、罠を解除してくれ!」

 

 イナルがそう叫ぶと罠の作動スイッチに居た衛兵が再度レバーを引く事で罠が解除される。

 オダハウィーングがドラゴン語で感謝を伝えながら四足で外に出れる位置に移動する。

 

「ドヴァーにだけ許された世界をその目で見る準備は出来たか?」

「あぁ。準備は出来てる。行こう」

 

 イナルはそういうとオダハウィーングの首の少し前に乗り込んだ。

 

 そのままオダハウィーングは羽ばたき、空へと飛んで行く。シャルティアもそれに合わせ飛んで行く。

 

「キナレスの加護がありますように!」

 

 バルグルーフが祈る様に呟いた。

 

 

 

 ■

 

 

「凄いな、これが空を飛ぶという感覚か……」

 

 イナルは感動していた。

 空の上だと空気も冷たいがノルドなので冷気には耐性を持っている為あまり問題にはならない。

 下を見ればイーストマーチの風景が見える。

 

 シャルティアは後ろからオダハウィーングを追いながら、シャルティアもまた空を飛ぶ事を楽しんでいた。

 人間だったころは出来なかった空を飛ぶという人知を超えた事が楽しいのである。

 

 そうして暫く飛んで行き、山脈を超えていく。

 そして下降。数十分ぶりの地上に降りる。

 

「連れて行けるのはここまでだ。この先はお前自身の手で進んでくれ」

「あぁ、ありがとう、オダハウィーング」

「お前がアルドゥインを倒して戻ってくるのを待っていよう」

 

 そう言うとオダハウィーングは空へ飛んで行った。

 遅れてシャルティアも地上に降りる。

 

「ここがスクルダフンでありんすね」

「あぁ。見る限りドラウグルが居るし……それに、ドラゴンも居るな」

 

 ほら、早速来たぞとイナルが武器を抜いて構える。

 やって来たのはドラゴンの中でも最上位種の伝説級のドラゴンだ。

 

「ヨル トール シェル!」

 

 ドラゴンがファイアブレスを放った。

 

 シャルティアが前に出る。

 

<石壁>(ウォール・オブ・ストーン)!」

 

 石の壁が出現するもすぐに溶かされる。

 しかしシャルティアはそれと同時に跳んでいた。

 

 ドラゴンの上まで跳び、特殊技術(スキル)で殴打属性を乗せスポイトランスでドラゴンを叩き落とした。

 ドラゴンに大ダメージが入り、地面に陥没する。

 

 そこに更にイナルが攻撃を加える。

 ドラゴンの骨で作った武具の力はすさまじく、更にこのタムリエルでも最高峰の魔術師であるネロスが付呪──エンチャントを施した物だ。

 神々が創った武具にはさすがに届かないが、それでも武器の性能だけで言ったらアインズの上位物理無効化Ⅲを突破出来るほどの武具である。

 

 それを持ってドラゴンの顔を斬り付ける。

 ドラゴンは思わず目を閉じそうになるが、横からシャルティアがスポイトランスで翼を貫く。

 

 痛みによってドラゴンはぐるっと一回転しながら尻尾で攻撃する。

 シャルティアはスポイトランスを盾のように構え、イナルは竜の骨の盾で防いだ。

 

 更にイナルがシャウトを行使する。

 

「スゥ カハ ディーン!」

 

 使ったのは激しき力というシャウトだ。

 これにより武器に風を纏い攻撃速度と攻撃力が増加される。

 

 イナルはドラゴンの首に剣を突き立て、そのまま思いっきり引き落とした。

 そしてドラゴンは絶命。魂がイナルに吸収されていく。

 

「よし、行こう」

「わかったでありんす」

 

 そして二人は奥に進んでいく。

 

 すると敵が出現する。

 出現するのはドラウグルの中でも最上位のドラウグル・デスロードだ。

 それが三体。口を開く。

 

 ドラウグルたちがシャウトすると同時にイナルもシャウトを行使する。

 

「「「ファス ロー ダー!」」」

 

「ファスローダー!」

 

 不可視の衝撃波同士が空中で衝突し、霧散した。

 シャウト後の隙を狙い二人は突撃する。

 ドラウグルたちは黒檀で出来た武具を装備している。素材としては最上位の武具だ。

 

 しかしそれよりもドラゴンの方が素材としては上だし、神話級武器には到底及ばない。

 二人は防御の上からドラウグルを叩き潰した。

 

「行くぞ」

「えぇ」

 

 そうして二人はダンジョンを進んでいく。

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