スカイリムをシャルティアで遊ぶ   作:Revak

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次かその次で終わりです。
誤字報告いつもありがとうございます。


第24話

 

 ドラゴンブリッジに転移した。

 そのまま南西に向かってアルヴァクを召喚し走って行く。

 ダーネヴィールは呼び出さない。一日一度などの制限はないが、日に何度も呼び出すと彼も疲れるだろうという判断の元だ。

 

 アルヴァクもまたアンデッドの馬なので疲労は無く、更に通常の馬より圧倒的に速く走って行く。

 

 そうして十分ほど歩くと洞窟の入り口に辿り着いた。

 アルヴァクから降りるとアルヴァクはソウル・ケルンに送還された。

 

「行きましょう」

 

 セラーナの言葉に従い二人は洞窟の中に入る。

 

 洞窟内は暗い。灯りの類が無く暗闇だ。入口からわずかに入る光だけが洞窟を照らしている。

 だが問題はない。毎度のように暗視能力を持っているので昼間のように見えるからだ。

 

 そうして進んでいくと橋を渡った。

 この橋は木造のつり橋で、今すぐにでも落ちそうな不安感があるが、向こう側に一度渡るぐらいは問題なかった。

 

 しかし別の問題が発生した。

 

「行き止まりでありんすねぇ」

「えぇ……他の道を探しましょう」

 

 そうして二人が橋を渡って戻ろうとすると、途中で橋が崩れて落ちた。

 

 いきなりの事でシャルティアは飛べず、落下する。

 しかし落下先は水の中だったので無事だ。と言ってもシャルティアは魔法的効果ないダメージを無効化するので落下死はしないが。

 

 急な水の流れによって流されていく。

 顔が半分以上水に浸かっているが、窒息する事はない。呼吸不要のアンデッド故の強みだ。

 

 そうして暫く流されているとフロストバイトスパイダーも流されてきた。

 

 それらと共に終着点に辿り着く。そこは洞窟の一部だった。

 

「ふんぬらばっ!」

 

 シャルティアはそう叫び嫌々ながら素手でフロストバイトスパイダーをぶっ飛ばした。

 

 もう一体居たがそちらはセラーナがアイススパイクで殺していた。

 

「無事ですか?」

「無事でありんす……戻るときは転移でいいとして……この先にあるでありんすかねぇ」

「先が不透明でも、行くしかありませんわ」

「そうでありんすね……行くとするでありんすか」

 

 そうして二人は先へと進んでいく。

 

 灯りが一切ない。だがこんな暗闇でも生物は居る。

 トロールが二体居た。

 

 居るのはただのトロールで変異種のフロストトロールなどではない。黒い毛皮を持つゴリラの様なモンスターだ。

 

<内部爆散>(インブロージョン)

 

 片方はシャルティアの魔法で。もう片方はセラーナのアイスストームで殺された。

 

 更に水の流れに沿って進んでいくと、祠を見つけた。

 そしてその前には拠点があり、寝袋もあった。

 

 そして、一人の男──スノーエルフの男が居た。

 宗教的意味合いの強い鎧を纏った男だ。肌は雪のように白く、尖った耳を持っている。

 

「近くに来い。怯える必要はない」

 

 そう男、ギレボルは言った。

 

 シャルティアとセラーナは警戒しながら進む。

 

「ぬしは何者でありんすか?」

「騎士司祭のギレボルだ。アーリエルの大礼拝所へようこそ」

「この洞窟はアーリエルの聖堂なんですの?」

 

 セラーナがそう問いかけた。

 

「アーリエル、アルコシュ、アカトシュ……呼び名は様々だが全て同じ、我々スノーエルフの守護神アーリエルの事だ」

 

 我々、という言葉にシャルティアは引っかかった。

 

「その言い方だとぬしはスノーエルフという事らしいでありんすが……ファルメルとは似ても似つかないようでありんすが」

 

 ファルメルは盲目で目が潰れており、猫背で歩くモンスターだ。尖った耳を持っている。

 それとこの男は似てもいない。

 

「スノーエルフと呼んでくれ。多くの旅人にとって"ファルメル"という名は良い意味を持たないんだ……私たちは裏切られし者と呼んでいる」

「そうですの。私たちが来た理由はお分かりのようですわね」

 

 そうセラーナが言った。

 

「わかっている。アーリエルの弓が目立てだとな。でなければこんな所まで来ないだろう弓を手に入れたいのなら協力してもいいが、こちらに手を貸してほしい」

「内容次第で受けてあげるでありんす」

「ありがとう……我が兄弟、最高司祭のヴィルスールを殺してほしい」

 

 その言葉に二人は眉を潜めた。

 

「兄弟を殺して欲しいとは、物騒でありんすね」

「もはや我らが絆は失われてしまった。何者になってしまったのかはわからないが、今の彼を兄弟とは思えない。裏切られし者の仕業であろうな……奴らに何かされたのだ。アーリエルは何故こんなことを許すのだろうか」

「ふぁ……裏切られし者は何をしたというんですの?」

「奴らは何の前触れもなく礼拝所に押し入り、そこに居た者たちを手当たり次第に殺していったんだ。礼拝所は祈りの為の平和な場所だった。小さな司祭団を率いていたが裏切られし者に数で圧倒されてしまったのだ」

 

 ギレボルは悲痛な顔で続きを言う。

 

「皆を殺し、奴らは最奥聖域に攻め込んだ。ヴィルスールはそこで奴らの手に堕ちたのだろう」

「それだと生きているかわからないんじゃありんせん?」

「彼は生きている。姿を見た。しかし何か変だった……苦痛を感じていたり脅されているようには見えなかった。ただ何かを待つように立って居たんだ」

「最奥聖域に入ろうとはしなかったんですの?」

「アーリエルの騎士司祭として祠の守護という聖なる使命を無視ししてここを離れる事は出来ない……それに裏切られし者が守る最奥聖域に攻め込んだところで無駄死にするだけだ」

 

 そうギレボルは肩をすくめた。

 

「その祠というのはどこにあるでありんす?」

 

 見たところ祠らしき物や像も無かった。

 

「あぁ、見せてやろう」

 

 そう言いながらギレボルは奥に進んだ。

 奥には何かの祠の天井らしき物しかない。

 

 その前でギレボルは魔法を使った。

 

 天井が光る。そして盛り上がっていく。

 

 祠が出現した。祠には転移ポータルがあり、転移先の景色が見えた。

 真ん中には水盤がある。

 

「するとこれはスノーエルフの魔法? すごいですわ」

 

 そうセラーナが感心したように呟いた。

 

「この建造物は祠だ。かつて礼拝所が悟りを開くための場所だったころ、瞑想や移動の為に使われたのだ……今は使われてないが」

「ならこの祠を通って最奥聖域に行けばいいんですの?」

「いや。進むには各地の祠をめぐり、水差しに水を入れて行かないといけない。最奥聖域の扉自体に水が無ければ開かない仕掛けがあるんだ」

「なるほど。力技による突破は無理と……わかりんした。ではそうするでありんす」

「あぁ。この水差しを使ってくれ。この奥には裏切られし者が大勢いる意から気を付けるんだ。そして……祠には司祭たちの精霊が居る。彼らは少し現実が見えてないが、それでも巡礼の旅を手助けしてくれるだろう」

「感謝しんす。では行くとするでありんすか」

 

 そうしてシャルティアとセラーナは転移門を潜り、転移した。

 

 転移した先もまた洞窟の中だった。

 灯りとして謎のキノコの様な植物の様な訳の分からない物が紫色の発光をしているので最低限の灯りはあった。

 

 奥に進んで行く。

 

 すると壁の穴からファルメルが出て来た。

 凄い猫背に潰れた眼。雪のように白い肌の人型のモンスターだ。

 

 シャルティアが<火球>(ファイヤーボール)の魔法を放ち、焼き殺した。

 洞窟内でも二人とも呼吸は不要なので問題なく炎を扱える。アンデッドの強みだ。

 

 そうして二人は進んで行った。

 

 

 

 ■

 

 

 洞窟内を進んで行き、滝のような場所を通って更に進むと埋まっている祠を見つけた。

 祠の前にはスノーエルフの精霊……亡霊に近い存在が居た。

 

「巡礼の旅をしている者でありんす。通しておくんなまし」

 

 シャルティアがそういうと精霊は顔をほころばせた。

 

「そうか。アーリエルの真言を受ける喜びに浴し、その水差しを悟りの水で満たすといい」

 

 そう言いながら精霊はギレボルが使ったのと同じ魔法を行使し、祠が盛り上がった。

 

 シャルティアが水差しに水を入れてからアイテムボックスにしまう。

 そしてまた転移門を通って転移した。

 

 転移した先の天井は無く、空が良く見えた。

 天然の階段を登っていき、外に上がる。

 

「ここは……美しいですわね」

 

 そうセラーナが周囲を見渡しながら言った。

 ここは忘れられた谷。スノーエルフの聖域だ。

 

 二人はドンドコ進んで行く。

 五つの祠をめぐり、ついに最奥聖域の殿堂に辿り着いた。

 

「でかい像でありんすねぇ」

「これは……アーリエルですわね。彼を示す比較的古い紋章が使われているのを見るに、結構古いようですわね」

「ぬしから見て古いという事は、相当な歴史があるようでありんすねぇ」

 

 セラーナは約四千年以上封印されていた。故にこの殿堂自体もはや歴史が長すぎる代物であった。

 

 二人は階段を登り、扉の前に行く。

 そこには水を入れる場所があり、シャルティアが水差しから水を入れるとギミックが作動し、扉の鍵が解錠された。

 

 ドアを開けて中に入る。

 

 奥にはアーリエルの小さな祠があり、それを囲うように氷漬けにされたファルメルたちが居た。

 

「なんでしょう、このファルメルたち……まるでアーリエルを崇めているように見えますわ」

 

 セラーナが少し恐怖を感じながらそう言った。

 

「この杖良さそうでありんすね」

 

 シャルティアはのんきに凍ったファルメルから杖を奪った。

 瞬間ファルメルが動き出した。凍り付いて死んだと思われたファルメルは生きていたのだ。

 

「?!」

 

 シャルティアは驚愕し全力で蹴りを放ち、ファルメルをばらばらに吹き飛ばした。

 

「もう! 余計な事はしないでくださいませ!」

「も、申し訳ありんせん……」

 

 シャルティアは素直に謝った。杖は記念に持っておいた。

 

 そして殿堂の奥へ進んで行く。

 道中には凍ったファルメルを何体か見かけるが、動く者はいなかった。

 そうして、玉座の間に辿り着いた。

 

「ここに来ればアーリエルの弓が手に入ると本気で思っていたのか?」

 

 凍り付いた空間の奥。アーリエルの最高司祭ヴィルスールがそうニヤつきながら言った。

 玉座の肘置きに肘を置き、頬を着いている。

 

 玉座の間には十を軽く超える凍ったファルメルが居た。そして凍ったシャウラスも。

 シャウラスとは虫系モンスターの一種で巨大な甲殻的なムカデだ。成長すると蟷螂に似た姿に変化する。ここに居るのは幼虫だけだ。

 

「確かにお前は言ったとおりの仕事を終え、魅力的な人物を連れてきた……つまり、お前はもう用済みだという事だ!」

 

 瞬間凍ったファルメルとシャウラスたちが数体動き出した。

 そして二人に襲い掛かる。

 

 だがシャルティア達の敵ではない。瞬く間に殲滅が終わる。

 

「辞めろ。何世紀もかけた計画を台無しにする気か?」

「お前はここで終わりますのよ! ヴィルスール!」

「私はまだ終わらない!」

 

 

 ヴィルスールは念動力の魔法を行使した。

 床の氷がひっぺ剥がされ、棘となって天井を攻撃する。

 

「天井を破壊する気ですわ!」

 

 空から瓦礫が降ってくる。

 セラーナは必死に避けるがシャルティアはあまり気にせず、また動き出したファルメルとシャウラスを攻撃していく。

 瓦礫が当たるが強力な魔力が付与された攻撃ではないので無効化される。

 

「今まで長かった……!」

 

 ヴィルスールが魔力の衝撃波を放った。

 それにより天井が破壊され、広々とした空が広がる。

 

 玉座の後ろには展望台が広がり、祠が一つ埋まっている。

 

 ヴィルスールが玉座から立ち上がった。

 

「逃がさないでありんすよ!」

 

 シャルティアがそう叫び突撃する。

 ヴィルスールは魔力の砦の上位魔法を唱えた。

 魔力で出来た障壁が展開される。だがシャルティアにとっては障害にならない。

 

 全力の飛び膝蹴りをぶち込み、障壁に巨大な罅が入る。そのまま頭突きでぶち壊した。

 

「野蛮人め!」

 

 ヴィルスールはそう叫び右手の斧でシャルティアを迎撃しようとした。

 ヴィルスールの持つ斧は古代のスノーエルフ製の武器の一つで強力な付呪が籠った一品だ。そのためシャルティアの防御を貫ける。

 

 シャルティアは左手を突っ込み斧を掴んだ。皮膚が裂けるがアンデッドなので問題ない。

 そのまま蹴りを股間にぶち込む。ヴィルスールが痛み顔を青くした。

 アンデッドになって痛みに強くなったと言っても男の急所を狙われれば普通に痛いのである。

 

 更にシャルティアは右手の手刀でヴィルスールの鎧を貫き、心臓を握りつぶした。

 

「太陽が……」

 

 ヴィルスールは最期にそう呟き、灰となった。

 

「……吸血鬼でしたのね。アーリエルが守ってくださったはずですが……見捨てられたのかしら」

 

 そうセラーナはポツリと言った。

 

「まぁなんでもいいでありんす。これで弓が手に入りんすね」

 

 シャルティアがそう微笑むとセラーナは苦笑で返した。

 

 祠が出現する。

 中の転移ポータルからギレボルが出て来た。

 

「この祠が再建されたという事は……なすべきことが成されたのだな」

 

 そうギレボルは少し悲しそうに言った。

 

「貴方の兄弟ですが……ふぁ……裏切られし者に操られてはいませんでしたわ。逆に操っていたように見えます」

 

 その言葉にギレボルは驚いた顔をした。しかしすぐに少し嬉しそうな顔になる。

 

「そうか……内心嬉しいよ。裏切られし者たちは邪悪な生き物に変貌したという訳ではないとわかって。彼らもいつか、知性を取り戻せるかもしれない。実際この数千年で知性の発達が見られるからな……と、そうだ。アーリエルの弓だった。これだ」

 

 ギレボルが何か魔法を行使すると祠の内部に台座が出てくる。

 そして台座から弓が出て来た。

 

 豪華絢爛とは言えない。だがそれでも強力な品だと一目でわかる神聖さを感じさせる弓……アーリエルの弓だ。

 この弓には逸話がある。

 試練の神にしてエイドラを騙した神、ショールの心臓を貫きレッドマウンテンの火山に落としたという逸話があるのだ。

 この弓が存在した以上その話もまた事実なのだろう。

 

 シャルティアが受け取り、鑑定魔法をこっそりかける。

 

(強いな……)

 

 効果としては普通の敵に対し神聖属性でダメージ。アンデッドにはその三倍のダメージを与えるという物だった。

 更に隠し効果として祝福された太陽神の矢で太陽を射ると空から神聖属性の光の矢が放たれるというものだ。

 

「思ったより豪華ではないですけれど……美しいですわね」

 

 セラーナが己とは対極にあるアーティファクトを前に素直にそう言った。

 

「では、この弓はわたしが管理するでありんす。万が一にもハルコンに渡すことにはいかないでありんすから」

「えぇ。そうしてください……そしてついに、決戦ですわね」

「……ぬしには辛い事でありんす。だけど……」

 

 シャルティアとてここまで仲良くなった相手に不躾にお前の父親ぶっ殺してくるわ、とは言えない。

 

「わかっておりますわ。もうこれは避けられない事なのだと。だから……私も覚悟を決めましたわ」

 

 そうセラーナは強い瞳で言った。

 

「では、一週間後にヴォルキハル城を攻め落としんす」

 

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