偽・虚狩り〜ホロウレイダー堕ちをかました元治安官〜 作:初楼
『はいは〜い。クランプスの黒枝、照ちゃんだよ〜。先日振りだねぇ〜。ノワールさん?』
「そうですね。まさかこんなに早く連絡することになるとは思ってませんでしたよ。」
エデの稽古を引き受けた後、どうにも気になることがあって部屋でこっそり電話していた。
『エデちゃんの件だよねぇ?私もびっくり。ボスがあんな事言うなんて思ってもみなかったなぁ。』
「本人からも聞きましたが、稽古をつけれる相手が居ないそうですね。」
『そうそう。前は私が任務の合間に稽古をつけていたんだけどねぇ、そろそろマンネリ化と言うか、慣れが出始めて来ちゃって。ていうか何で敬語なの?』
「敵対しているなら兎も角、今は依頼主ですから。」
『なんと言うか、律儀だねぇ。』
照さんから話を聞いたところ、エデは父親に憧れてクランプスの黒枝の裁定官を志望したらしい。
こと身体能力については申し分ないが、戦闘技能については未熟と言ったところ。
戦力差を感じ取れるくらいで、より細かいテクニックは全く身に付けていないそうな。
まぁ、あれ程の膂力とそれを制御できる技量が有れば、それなりの相手でも小細工は不要だろう。
だが、それなり以上の相手だと苦戦を強いられること間違いなしだ。
TOPSの内部監査部門である裁定官は基本、負けは許されない。
その卓越した武力こそがTOPS内に置ける抑止力となるからだ。
エデに足りないもの……それは実力が同列又は格上との実戦経験だ。
「とりあえずは、実戦有るのみですね。」
『うんうん、ノワールさんに任せて大丈夫そうだね。エデちゃんのこと宜しくね。』
電話を切った後、メリュジーヌが部屋に入って来た。
これはタイミングを見計らってたな。
ベッドに座っている俺の前に腰掛けて
「ねぇ…本当にこの依頼受けるの…?」
「勿論。あえてTOPSの依頼を受ける事で、此方に隔意は無いって思わせておくべきだ。それにTOPSも一枚岩じゃない。TOPS内の全員があのマッドサイエンティストって訳じゃないさ。」
メリュジーヌが不安になる気持ちも理解できる。
なので、メリュジーヌの頭を優しく撫でて髪の毛を梳く。
くすぐったそうにするも、そのまま此方に体重を預けてくる。
ちなみにメリュジーヌの今の服装は白色のベビードールだ。
しかも生地がかなり薄く、体温が直に伝わってくる。
風呂上がりなのかその体温は高く、髪の毛からは花のような良い香りがする。
そして生地が薄いということは、その下も透けて見えるということだ。
胸の丸みを帯びた曲線を見るに、着けてない…だと…?
さらに臀部に目を向けると、黒色のショーツが透けて見えた。
薄い生地のお陰でフリルや刺繍の細部まではっきりと見えてしまった……。
「どしてそんな格好なんだ?そんな薄着だと風邪引くぞ?」
一応聞いてみたが、メリュジーヌは目を細めて微笑んで
「分かってるくせに。あの馬女にノワールが誰の物なのか、しっかり教えておかないといけないから。」
「俺は俺の物なんだが?」
「ノワールも悪いんだよ?あんな女の色仕掛けに引っかかって。」
「引っかかった覚えが無いんだが…?」
てか所有権の主張になぜこんな事を?
内心の疑問に答えるようにメリュジーヌが此方に正面から抱き着いて来て耳元で囁いた。
「下着。見たんでしょ?」
「あれは不慮の事故だ。」
「でも、その件であっちはノワールのことを意識してるよ?」
「は?」
「今まで負けたこと無くて。ノワールに負けて、上から稽古をつけて貰えって言われて、貴方を格上の雄として認識してる。」
そんな生々しいこと言わないで欲しい…。
「初めて出会った格上の雄が優しく話を聞いてくれて、自分の要望に応えてくれて、これから自分の面倒を見てくれる…。意識しない訳が無いよ。」
「…え?そう言うものなの?ノワール分かんない。」
「本人がそう言ってたから間違いないよ?」
……………?
「……なんて?」
「だからぁ、本人がそう言ってたんだってば!」
……………???
「随分と…打ち解けたみたいだね…?」
そんな赤裸々な会話をしていたとは…。
「別に打ち解けてなんかいないよ。お互いの身の上話をしただけ。そしたらなんか惚気けてきたの。…もうっ!この話は終わり!今は私の事だけ見て?私の事だけを…感じて…?」
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「……まぁ。あ、あんな風に殿方との睦言を交わすのね…。」
「いけないと分かっていても…目が離せないわ…。」
「えぇ?!あんな体勢で?!」
「すごい…あんなケダモノみたいに…、」
「いけませんわ…身体が火照ってきてる…。」
「ふぅ……。着替えて寝ましょう……私ったら何を……。」