「……と言うのが事の顛末だ。」
商業ビルでの襲撃後、二人と合流して帰宅し、食堂で夕食を食べながら情報を共有した。
「ヴィジョン・コーポレーションか、その後援者からの差し金、と言ったところかしら。」
「しつこいねぇ。」
あの後ブルートゥは無事治安局に逮捕された。武装も破壊して無力化したし、暫くは大人しくしているだろう。
「そう言えば、ブルートゥだったかしら。彼、元々は白祇重工の社員だったそうよ。」
「白祇重工の?」
「えぇ、技術主任のから話を聞いたことがあったのよ。グレースと言う、ボンプ、知能構造体、挙句AIを搭載した重機にまで興奮する重度の機械オタクなのだけれど。」
なるほど変態技術者か。
「その機械オタクの彼女が無表情で「あいつが死ねばみんな幸せになる。」と言うくらいの人格破綻者のようね。前社長が行方不明になった歳の混乱に乗じて機材や技術を盗んだみたい。」
そうだったのか。俺があいつを強襲逮捕したのは、大魔王から命令されたチキチキ!ホロウ内アサルトチャレンジ!犯罪組織10組潰すまで帰れまテンの時だったか。あいつは単独犯だったからカウントされなくてボコし損だったのを覚えている。
『マスター。ライオネル・タイムフィールドに連絡しますか?』
「そうだな。いい時間だし、繋いでくれ。」
ルミナスクエアの件で偶然と言えアリスと柚葉を巻き込んだ訳だし、一言謝罪を入れるべきだろう。
左手の義手からスクリーンが投影され、ライオネル氏の顔が映し出される。ハイペリオン、日に日に機能が増えてくるよな。
『やぁ、ノワールくん。ルミナスクエアで娘達がお世話になったみたいだね?』
「その件については、まずは謝罪を。本件の被疑者は私個人を狙ったものでした。アリスと柚葉を巻き込むような形になってしまい、申し訳ない。」
『何を言うかと思えばそんな事かい?娘達は無事だったし、被疑者は逮捕されている。ノワールくん個人を狙ったものだったとしても、君が責任を感じる必要はない。…ただ、誠実な君のことだ。負い目を感じてしまうのであればひとつ頼まれて欲しいことがある。』
「何なりと。」
『アリスと柚葉が君に会いたがっていてね、今度タイムフィールド家に来て欲しい。』
痛っ…メヌとエデが机の下で俺の足を踏んできた。嫉妬かな?あっやめてやめて踵でグリグリしないで。
「了解致しました。何日にしましょうか?」
『丁度明日学院が休みでね。予定がなければ明日でどうだろうか?』
「えぇ、特に予定も無いですし明日お伺いします。」
『楽しみにしているよ。では失礼する。』
ライオネル氏との通話が終了し、二人を見るとやや膨れっ面になっていた。
「いいご身分ね、助けた学生の実家に招待されるなんて。」
「ライオネル氏には何時もお世話になってるからなぁ。断りづらいんだよ。」
「ノワールがモテモテなのは良いんだけど何か複雑な気分だな〜。」
「そんな理由で足を踏まないでくれ。」
喉が乾いたのでコップの水を飲もう。ライオネル氏の人柄は分かっていても、この件について話すのは少し緊張したし。
「どうせその二人にも手を出すのでしょう?いえ、むしろ貴方が手を出される側かしら?」
「ブフォッゲホッ……なんでそんな事言うかなぁ。流石にそれは無いだろ?」
二人は顔を見合せてやれやれ、と呆れた顔をしている。
「分かってないわね、貴方は。片や父親の命を救い、さらに今回自分も助けて貰ったアリス・タイムフィールド。」
「片や違法な人体実験から救出して貰って、人並み以上の生活を送れるようにして貰った柚葉・タイムフィールド。」
「「惚れない筈がない。」」
息ピッタリね二人とも。
「んな馬鹿な…。歳だって離れてるし、そんな簡単に惚れる訳ないだろ?有り得ないって。」(ヾノ・ω・`)ナイナイ
「貴方こそ勘違いしないことね。女性は往々にして歳上の異性に惹かれるものよ。」
「そうそう。女の子はリードして欲しいって子が意外と多いんだよ?」
なんだか段々と話が生々しくなってきたぞ…?ここら辺で切り上げないと雲行きが怪しくなりそうだ。
「さて、そろそろゆっくり風呂にでも入ってくるよ。」
そう言って食堂から足早に出て、浴場へ向かう。この豪邸には男女それぞれ浴場があり、前のアパートの時に比べるとメヌが風呂場に突撃してくる頻度がガクッと落ちたので、落ち着いて湯船に浸かれる。
そう言えばシャンプーやボディソープもエデが選んでいたっけ。良い香りの高いやつだったので、最初は女湯用のものを間違えて置いたのかと思って聞いたが、女湯にも同じやつがあるらしい。
ふとした拍子にメヌやエデの髪の毛から自分と同じシャンプーの香りがするのは、何やら気恥しいものがある。ってか男からこんな香りがして良いのだろうか?
そんな益体の無いことを考えながら湯船に浸かり、身体から疲れが滲み出ていくを感じていた。広い風呂ってのは良いよなぁ。身体をしっかり伸ばせるし、温まる。メヌなんかすぐ身体が冷えるからしっかり温めないといけないのに、暑がりだから湯船に浸かる時間が短いんだよなぁ。
………いかん、当時のメヌのあられもない姿を思い出しちまった…。これ以上痴態を想起する前に上がるか……。
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「あれ?思ってたより早かったね?」
「そうね。」
「 」
自室に戻るとメヌとエデがベットに座っていた。それぞれルミナスクエアで買った下着を身に付けている。メヌは可愛らしいフリルと大胆にカットした少ない布地が印象的な下着。エデは赤色で肌が透けて見えそうな程薄いネグリジェを着ている。
二人とも顔が赤く、端的に言って興奮状態だろう。
ふむ?これはもしかして冷静に状況を分析している場合ではない?
「ノワールってさ、エッチな視線は向けてくる癖に自分から手を出すことって無いよね?」
「確かにそうよね。基本的に受け身と言うか…。行為が始まればその限りではないのにね?」
「そうそう、滅茶苦茶激しくされるよね。」
俺とのあれそれを情報共有して分析してらっしゃる?めっちゃ恥ずいんだけど!?
「あー、それはだな…その、自分に好意を寄せてくる相手に自分から…こう、手を出すのは相手の好意に漬け込んでるような気がして、気が引けると言うか…気恥しいと言うか……。」
「「へぇ〜〜?」」ニヤニヤ
うわめっちゃニヤニヤされてるぅ…。
「てかなんで二人居るんだよ?」
「それについては深ーい事情があるんだよ。」
「深い事情?」
珍しくエデの口数が少ないな?顔を見るとやや緊張した面持ちだ。
「私達、一対一だと基本的にノワールにやられっぱなしじゃん?」
「まぁ、そうだな?エデに筋弛緩剤盛られた時くらいか優位に立たれたのって。」
あ、エデがビクッてなって顔が真っ赤になってる。
「あれは…反省…していますわ…。」
「なので、私達はノワールに対して優位を取るため、密かに情報を共有していたんだよ。ノワールはどこが弱いとか、どんな体位が好きとか。」
「あの…そういったことは基本的に公開するような情報ではないのでは?」
メヌ……恐ろしい子…!!やや常識に欠ける部分があると思っていたが、ここまでとは……!これに巻き込まれたエデの苦労が偲ばれる…。
「それでね、私は思い至りしました。一人で負けるなら二人でヤればいいじゃないって!」
「は?」
は?
「…一考の余地ありと考えていたわ…。更衣室でのあれもあって…吹っ切れた、と言うべきかもしれないわね…。」
「え?」
え?
「一人よりも二人の方が強いのは自明の理!さぁノワール?今夜は寝かせないよ♡」
美しい肢体を曝け出した二人に手を引かれ、ベットへと連れていかれる。
3P…ってこと!?