貧乏チート全裸姫 〜資産0なら魔力が無限になる露出狂のTS転生姫。王家から追放されてカネなし宿なし服なしでやっと最強になれたので、隣国で清貧の聖女として成り上がります!〜 作:龍々山ロボとみ
続きが書けたら投稿していきます。
「ヌアーディア・ビリオニー。貴様を王家から追放する! ……とっとと出ていけ、出来損ないのカスめ!」
私の
そして、陛下の側に立つ
パーティーに呼ばれた貴族家の皆々様方や、そのお連れ様たち。
パーティーの音楽を奏でていた宮廷楽団の者たちや、料理の配膳をするメイドたちまで。
どなたも困惑、あるいはニヤニヤとしながら、お父様と私の次の言葉を待っていた。
「私財は全て没収。公爵家との婚約は破棄。王位継承権も剥奪する! 今後、ビリオニーの姓を名乗ることも、この国の土を踏むことも許さん!」
先に口を開いたのはお父様だ。
私への沙汰を、これでもかも並べ立てる。
「お姉様ったら、可哀想。せっかく色々頑張ってたのに、ぜーんぶ無駄になっちゃったね♡」
妹のエルミーナも、愉快そうに口の端を歪めて、私を指差す。
扇子で隠してはいるけれど、声音までは誤魔化せていない。
「貴様のような魔力量
「そうそう。僕も君との婚約が取りやめになって、そのうえこんなに素敵なエルミーナとの婚約を許してもらえて、本当にホッとしているよ」
お兄様と元・婚約者も、同調するように私を詰る。
周りを見ても、誰もお父様の言葉に異を唱える者はなし。
ふむふむ。
「お父様」
「なんだ、出来損ない」
「私財を全て没収ということは、私の身の回りの物や宝飾品、
「当然だ。貴様の持ち物全て、我が王家の財産だ。何一つくれてやるつもりはない」
よし。
「婚約も破棄、王位継承権も剥奪、ビリオニーの姓を名乗ることも、この国に住み続けることも許さないと?」
「そうだ。魔力量2の出来損ないなど、我が人生の最大の不覚。明日にでも国外に追放してくれる。この場で首を刎ねないだけ、ありがたく思え」
よしよし。
「このドレスも、靴も、宝飾品も
「そうだ。そのままどこへなりとも行って、野垂れ死ぬが良い」
よしよしよし。
……よーーぉし!!
「……分かりました。それでは皆様、ご機嫌よう」
私は、はやる気持ちを抑えて、この国の第一王女としての最後の仕事だと思って、取り繕った笑顔で優雅に一礼した。
お父様はそれが、これから死にゆく私のせめてもの抵抗だと思ったようだけど。
やったあああああああああ〜〜〜!
とうとう!
とうとう追放してくれたよ〜〜〜!!
私は内心ウッキウキなのを悟られないよう必死なだけだったのだ〜。
◇◇◇
パーティーの翌日。
さっさと私を捨てたかったらしいお父様が奮発して用意した飛竜籠(ワイバーンに背負われて飛ぶ、ものすごく高価な乗り物だ)に乗せられた私は、
あっという間に国境の外、なんなら隣国領のほうが近いぐらいのところにある、深い森の入口まで連れていかれた。
「おら、降りろ」
「ボロ布かぶったザコめ」
「二度と帰ってくるなよ、カス」
私が籠からぴょんっと降りると、兵士たちはさっさと帰っていった。
私は、飛竜の姿が完全に見えなくなるまで見送ってから、自身の姿を見下ろす。
ボロ布の服。
木と皮製のボロサンダル。
長くてふわふわとした桃色の髪を縛っている、一本の麻紐。
これが、今の私の全てだった。
奴隷落ちした元王女。
私の見た目を端的に現すなら、こうである。
「……ふふふふふ〜」
だが、今の私の頭の中に浮かんでいる感情は、深い喜びと感謝である。
ありがとう、お父様。
全てを取り上げて、無一文で追放してくれてありがとう。
おかげで私は、本当の自由になれた。
「こうでもしないと、私の
私は転生者だ。
そのことを思い出したのは今から5年前、私の15歳の誕生日のときだった。
当時の私は見知らぬ記憶に混乱したりもしたが、今の私は全てを合わせ呑み、1人のヌアーディアとして成立している。
そして、私には転生特典のチートがあった。
それは、
逆にいうと、資産が多ければ多いほど、私の魔力は弱く少なく貧弱になっていく。
だというのに、王族という身分でいる限り、私の周りは資産であふれていた。
ドレス、宝飾品、家具に調度品。
各種権利や直轄領からの税収などなど。
少なくとも10億ゼニーを超える資産が、常に私のものとして存在していた。
なので、魔力量が2のままで全く増えなかった。
ちなみに産まれたばかりの赤子でも5、一般的な平民の成人男性でも100ぐらいあると言えば、私の魔力がどれだけ少ないか分かるだろうか。
……このチートのせいで、今までの私は苦労の連続だった。
魔力量至上主義で、魔力量の多さこそが王侯貴族の価値基準である以上、魔力量2の私など赤子以下のミソッカス扱いだ。
それでも昔の私は腐らず、成長期が終わるまでは魔力量が増える可能性があることを信じて、ひたすら勉学と鍛錬に励んでいた。
おかげで私は王族として必要な知識や技能のみならず、自国や周辺諸国の法律、軍事、経済、産業まで徹底的に学び尽くしているし、
前世の知識を活用して自国の治水技術や農耕技術の改革、他国との通商取引なんかにも口を出した。
皆からバカにはされていたが、それでも私は最低限王族の務めは果たしてきたつもりだ。
だけど、それももうおしまい。
こうして捨てられた以上は、もうそんな義理もない。
それに、勝手に逃げたら逃亡罪、チートのことをバラしたら全裸で戦争に駆り出される生物兵器にされるのがオチだから、向こうから追放されるの待つしかなかったわけで。
私はやっと今生で初めて、自分のチートの真価を発揮できる状況になった。
「……資産確認」
『総資産額・138ゼニー』
『魔力量・
『魔力強度・エア級』
めちゃ多っ!!
え、53万??
ビリオン王国の魔導騎士たちで魔力量1万ちょい、魔導騎士団長で5万ぐらい、お父様でも10万いかないぐらいだったはずなのに。
53万て。
フリ○ザ様じゃん。
今まで魔力を使ってこなかったから魔力強度は最低のエアのままだけど、今でも魔力量だけは人類最強クラスじゃん。
しかも、さらに。
「……いや、ほら。この森って、最近凶暴な魔物の住処になってるって話でしたし〜? 53万の魔力量でも、もしかしたら太刀打ちできないかもしれませんし〜?」
私はドキドキしながらサンダルを脱ぎ捨て、森の中にポイっと投げ捨てた。
「サンダルの所有権を、完全に放棄しま〜す」
すると、
『総資産額・38ゼニー』
『魔力量・5000000』
『魔力強度・エア級』
500万!!
来た来た来た!!
「や、やっぱりこれは……!」
試してみたい。
この先がどうなるのか。
いや、試さなくてはならない。
これは、
「だって、私のチート能力をちゃんと確認しておかないと、もしもの時に危ないかもしれないですし〜?」
私は、誰ともなく言い訳をすると、ボロ布の服の裾に手をかけた。
そして、ガバッと脱いでぐるぐるっと丸めてそのへんにポイっと捨てた。
…………とうとう、やっちゃった。
私は、さんさんと降り注ぐ陽光の下で、産まれたままの姿になった。
両手を広げて天を見上げ、そして、
「……き、気持ち良い゛ぃ〜〜〜〜!!」
五体全てを駆け抜ける爽快感、開放感、全能感に、全身を震わせた。
やった、やった、やったぞ!
「全裸露出、最高〜〜〜〜!!」
前世の私は、露出狂だった。
何度もムショを出入りしてもやめられず、こうして死んで生まれ変わってもその性根は治らなかった。
王宮内での生活は、私にはあまりにも息苦しかった。
好きな時に服を脱げないし、侍女たちに勝手に服を着せられるし、おいそれと肌を出すなと何枚も何枚も布を被せられていたから。
それが今や、全裸。
ああ、本当に私は、この時を待っていた。
「服の所有権も放棄します!!」
そこらへんに放り捨てたボロ布を放棄した。
すると、私から生じる圧力で森の木々がザワザワと揺れ、足元の砂がびゅうびゅうと吹き飛んでいく。
『総資産額・3ゼニー』
『魔力量・500000000』
『魔力強度・エア級』
5億!!
やっぱりだ!
私のこのチート、どうやら資産と魔力量は単純な反比例じゃないみたいだぞ。
たぶん、資産がゼロに近づくほど、
資産3で、魔力量5億。
じゃあ、資産が完全に0になったら?
「……」
私はもはや無言のまま、長い桃色の髪を束ねる麻紐を解いた。
そして「麻紐の所有権を放棄します」と呟きながら、紐を足元に捨てた。
次の瞬間。
「お? おお? お、……おおおおおおおおおおおおっ!?」
私からあふれ出る凄まじい量の魔力で森の木々の葉がバサバサと吹き飛び、足元から竜巻のように吹き上がる風が地面の砂や小石を砂嵐のように舞い上げる。
『総資産額・0ゼニー』
『魔力量・∞』
『魔力強度・エア級』
魔力、無限になっちゃった!!
私の中から、魔力の奔流がとめどなくあふれてくる!!
森の鳥たちが我先に逃げ出すように飛び立ち、心なしか、地面が震えている気がする。
……いや、これは本当に震えているぞ?
森の中から、ズシンズシンと何か大きなモノが歩いてくる。
そうして出てきたのは、全身黒くてトゲトゲした鱗を持った、巨大なトカゲだった。
私を丸呑みにできそうなサイズの四足歩行のトカゲが、私の10メートルほど先までやってきて、警戒するようにキシャーーと鳴いた。
こいつが、この森に住む凶暴な魔物〜〜?
「じゃあ、……倒さなきゃですね〜!」
全身からほとばしる魔力と全裸露出の開放感でハイになっていた私は、
魔力でバチクソに強化された肉体で、一歩でトカゲとの距離を詰め、
国王軍の指導官から習ったとおりの動きで、右パンチを繰り出した。
ボッッッ!!!
無限の魔力が右パンチに乗って打ち出され、黒い大トカゲを呑み込む。
パァンッッッ!!!
魔力の圧に負けた大トカゲは紙風船のように破裂して消し飛び、さらに突き抜けていった魔力が森の木々を一直線に薙ぎ倒していった。
バキバキバキバキドガガガガガガガッッ!!
おおお〜〜〜、マンガみたい〜。
幅20メートル、奥行き数百メートルほどの範囲の木が全て倒れ、新しい道ができてしまった。
いや〜、やりすぎちゃったかな〜?
「……お?」
私の目の前に、破裂した大トカゲから漏れた魔力が塊になったもの、……魔石が現れた。
死ぬと魔石を残すから、魔物。
つまりあの大トカゲは、きちんと魔物だったようだ。
思わず私は、その魔石を拾った。
……拾ってしまった。
「……うぐっ!?」
すると、途端に身体中から力が抜けたのが分かった。
先ほどまであれほどみなぎっていた魔力が、今は再びミソッカスに戻った感覚がある。
『総資産額・30000000ゼニー』
『魔力量・10』
『魔力強度・アクア級』
さ、3000万ゼニー!?
そして魔力量10!?
や、やばい、魔力がまた無くなっちゃったぞ!?
うっかり拾ってしまったが、私、高価なモノを手にしちゃダメじゃん!!
資産が増えたら、魔力がなくなっちゃうじゃん!!
慌てて魔石を捨てたが、高価なものは簡単に所有権を手放せないのか、私の資産と魔力量は一向に戻らない。
やばいやばいやばい!?
今、さっきの大トカゲみたいなのがまた現れたら、今度は丸呑みにされちゃう!!
「こ、こうなったら……!」
私は、その辺に吹き飛んでたボロ布の服だけ掴んで慌てて着直すと、3000万ゼニー相当の魔石を抱えて、ダッシュした。
そしてヒィヒィと息を荒げながら一番近くの村に赴き、一番お金を持ってそうな家(たぶん、村長さん宅だ)に飛び込むと、
「これ、買い取ってください!!!」
と叫んだ。
相手は人の良さそうなお爺さんで、私の突然の申し出にひどく驚いていたが、
ボロ布を纏った汗だくの美人(自分で言うのもなんだが、私は超絶美人でナイスバディだ)が必死の形相で懇願してきたら、断れなかったようだ。
家中のお金をかき集めて、50万ゼニーで買い取ってくれた。
『総資産額・500035ゼニー』
『魔力量・120』
『魔力強度・アクア級』
一般人並みの魔力になった!
けど、まだ全然弱い!!
私はさらに、この村で一番お金に困っていそうな家にいくと、家の外で遊んでいた女の子から、あや取りの紐を売ってもらい、髪紐にした。
「はい、50万ゼニー」
「おねぇちゃん、ありがとー」
『総資産額・38ゼニー』
『魔力量・5000000』
『魔力強度・アクア級』
これで良し!!
やっとチート級の魔力を取り戻した私は、ホッと一息つけたのだった。
ヌア姫「ここまでとっても見てくれて、とっても興奮しました〜〜。評価とか感想も、お待ちしております〜〜」