髑髏の騎士D×D   作:プライベートX

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二人の魔王

 

 騎士はサーゼクスの招待を受けて冥界に来ている。

このタイミングで騎士が呼ばれたのには訳があった。

レーティング・ゲーム開始前に【髑髏の騎士】を隔離させる。

騎士に完全に敵と認識されたライザー。

フェニックス家としては騎士を人間界に居たまま試合したら……

息子の命が危うい(主に精神的に)

下手をしたら家族共々消される。

どうか騎士の干渉が無いように試合をしてくれ。

あと直接、謝罪がしたい。

以上の理由から騎士は冥界に呼ばれた。

 

 騎士としては別に理由などどうでも良かったのだが……

魔王に調べさせた【異界】の情報のみ興味があるだけ。

他の悪魔の事など眼中に無い。

 

 

 

 

「この冥界とやらの地を踏むのは……

あのドラゴン共を討ちし以来か」

 

「私も大戦の大英雄をご案内出来るとは。

夢にも思いませんでした。」

 

「我は英雄などではない」

 

「しかし、多くの者が救われました」

 

「そうする他に斬り抜ける術が無かった。

別に貴様ら悪魔の為に戦った訳では無い。

それに……」

 

 騎士はグレイフィアの方を見ると深紅の眼でギロリと睨むと地の底から響く様な低い声で言った。

 

「勘違いをするな魔王の番よ。

我は貴様ら人外の者に仇なす存在ぞ。

ゆめゆめ、忘れぬ事だ」

 

 殺意とも覇気とも言える騎士の迫力に冷や汗が出たグレイフィア。

やはりライザーの一件で騎士の悪魔に対する信用は大いに失ったらしい。

あの状況を目の当たりにしたら誰でも憤るだろう。

悪魔界で保護すると決まった直後に、敵対行為。

あの騎士が剣を抜いて守護すると誓った者に……

私が居ながらなんたる失態か。

まして、あの少女に手を出すとは……馬鹿なのか。

深く考えれば考える程頭痛がしてくる。

こうして騎士が剣を抜かずいるのは……

只の義理。

夫……魔王サーゼクスに対する義理のみ。

恐らくは他の悪魔達など眼中にも興味すら無いだろう。

兎に角、今は騎士を主の元へと案内をしなければ。

コホンと小さく息を吐き呼吸を整える。

気持ちを切り替えて行動を開始したのであった。

 

 

 

「ようこそ!騎士殿!」

 

 サーゼクスは到着した騎士を見ると自ら向かって行った。

その場に居た上級悪魔達は皆腰を抜かしている。

伝説の【髑髏の騎士】のオーラ。

騎士の放つ覇気と必滅の殺意。

有象無象と戯れる気など毛頭無い。

判り安すぎる騎士の意図を感じたサーゼクス。

だからこそ、少し大袈裟に友好的アピールをしていた。

漆黒のマントを風に靡かせながら歩いている騎士。

そんな騎士の元へと急速接近する一つの影。

影はサーゼクスを追い抜き、あっ言う間に騎士へと肉薄した。

その姿は……あまりに場違いな格好をした少女?だった。

なんとなく見覚えのある容姿の少女を睨む騎士。

髑髏故に無表情だが、もし表情が解るのであらば目を細めて見ているに違いない。

 

 

「……あの時の娘か」

 

「覚えていてくれたの!?」

 

「面妖な娘だ、忘れようにも忘れぬ」

 

「まぁまぁ!積もる話もありますが!

立ち話もなんですので、どうぞ屋敷へ」

 

 サーゼクスに促されグレモリー家の屋敷へと歩みを進めた。

屋敷……いや、もはや城と言うべきか。

さすがは魔の頂点たる者の城だ。

大きな扉が開き屋敷の中へと入る騎士。

絢爛豪華な装飾や調度品、騎士とは相反する物ばかり。

だがそんな物には目もくれず黙々と歩く。

そして一際大きな部屋へと案内された。

案内をされた部屋の中には……

サーゼクス、セラフォルーの現魔王の二人。

グレモリー&フェニックス家の者。

現悪魔界の重鎮が勢揃いしていた。

 

「小僧、昔話する為だけに我を呼んだ訳ではあるまい」

 

「勿論、色々報告すべき事があります。

ですが本題の前に……」

 

 サーゼクスがフェニックス卿の方を見て出るタイミングを促した。

促された壮年の悪魔が騎士の前に出てきた。

相変わらず騎士は覇気と殺意を放っているが……

そこはフェニックスとて大戦を戦い抜いた猛者である。

冷や汗ダラダラながらも意識は保っていた。

 

「我が愚息の蛮行、平に謝罪申し上げる」

 

 深々と頭を下げるフェニックス卿を見下ろす騎士。

純血の悪魔は傲慢で卑屈と言う認識をもっていた騎士は少しだけ悪魔の評価を上げた。

余程甘やかされて育ったのか、やはり悪魔の血による強欲か。

ライザーの愚かな行為の波紋は本人の思っている以上に大きかった。

 

「俺もフェニックスの看板背負っている」

 

 金輪際、彼はこのセリフは口が裂けても言えないだろう。

騎士がその気になればライザーなど復活する度に身体をバラバラにされていたであろう。

むしろ、良く腕一本で済んだものだ。

兎に角、フェニックス家は今存亡の危機に瀕している。

悪魔界の利益を単純に考えれば【髑髏の騎士】との縁を優先するであろう。

不死と呼ばれたフェニックス一族。

しかし二天龍すら葬った髑髏の騎士。

そして二天龍の尾と空間すら斬り裂く伝説の魔剣。

【蕀の剣】

不死の優位性など有って無い様な物だ。

全てはこの瞬間、この場の謝罪に一族の命運が懸かっている。

頭を下げるフェニックス卿は気が気ではなかった。

 

「下らぬ」

 

 騎士は一言だけ言うと頭を下げるフェニックス卿の横を通り抜けサーゼクスの元へと歩いて行く。

フェニックス卿は安堵からか大きな溜め息をした。

純血の悪魔同士の婚約にこだわり、多少の事には口を出さなかった。

まさかグレモリーの娘と髑髏の騎士が繋がっているとは……

不意に足下に目を向けると……

鋭い刃物で一閃斬りつけた痕がある。

フェニックス卿は肝を冷やした。

その痕があった場所は……

先程まで自分の頭があった所だったからだ。

【二度目は無い】

騎士からの明確な無言の警告。

改めて、息子がいかに馬鹿な事をやらかしたのかを実感した。

規格外過ぎる、こんな化け物に……

我々悪魔が勝てる訳が無い。

騎士の背中に向かい深々とお辞儀した。

今、生きていられた感謝と最大級の誠意を込めて。

 

「僕達からも謝罪します騎士殿。

我が同胞が大変ご迷惑をおかけしました」

 

「本当にごめんなさい……」

 

 サーゼクスとセラフォルーの両名も深々と頭を下げた。

騎士は「もう良い」と言うと謝罪を止めさせた。

意味の無い謝罪よりも騎士としては魔王の持ちうる情報の方が必要だったからだ。

人払いをさせ、騎士は口からベヘリットを出し両魔王に見せる。

不気味なベヘリットを見てセラフォルーは「キモい」と正直な感想を言った。

 

「ベッチーをキモいとか……

偉い人にはこの良さが解らんのです」

 

「生の感情丸出しの感想など……

これでは品性を求めるなど絶望的ねっ」

 

 何故かサーゼクスが整備士の格好をして憤りを露にしている。

一方、セラフォルーはギザったらしい口調で反論する。

良く解らない展開に困惑しながらもベッチ……

ベヘリットを口に戻し、飲み込む騎士。

どうやらサーゼクスも急速に増えた【はぐれ悪魔】に頭を悩ましていたらしい。

そして、その原因がベヘリットが起因していると考えていた。

 

「やはりこの顔卵が……

はぐれ増加の原因だったのですね」

 

「左様。

我と共に異界より流れて来たと考えるべきだ」

 

「この気持ち悪いのがねぇ……」

 

 サーゼクスの保有するベヘリットを乱暴にぐにゃぐにゃするセラフォルー。

鼻や目や口が歪み、今にも泣き出し……そうなのか?

容赦の無いスキンシップを終えると騎士に渡す。

渡されたベヘリットを飲み込むと力がある程度戻った気がした。

しかし、まだ十分な量では無い。

引き続き、調査と回収の約束を取り付ける。

やはり三大勢力の一角だけはあると感じた騎士。

単独では得られぬ情報量に関心をした。

ベヘリットはやはりこの異界に流れている。

それも大量に。

急速なはぐれ悪魔の増加で討伐が追い付かなくなっているらしい。

この大量のベヘリット現出……

何かしらの意図を感じるが、今はまだ解らない。

 

「まぁ、難しい話はここまでにして……」

 

「そう……ここからが本題と言っても過言でもないわ」

 

 二人の魔王は顔を見合わせると……

クワっと目を見開き派手なポージングを決めながら言った。

 

「「見敵必殺!ドクロマンの台本を見て下さい!!」」

 

 二人が台本らしき物を取り出した瞬間……

グレイフィアのダブルラリアットが炸裂。

現職魔王ルシファー、レヴィアタンの名を持つ二人は……

仲良く壁にめり込んでいた……

グレイフィアは後に語る。

夫が大火傷する前に火消しするのは妻の勤め。

そこに手加減と言うものは存在しない……と。

 

リアス・グレモリー

レーティング・ゲーム開催まであと1日。

 

 




仕事の関係で更新が遅れがちになります……
スミマセン……
次回、レーティング・ゲーム開始
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