髑髏の騎士D×D   作:プライベートX

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接触

 運動場へと向け移動する一誠達。

その途中、新たにライザーの兵士三人が脱落した放送を聞いた。

恐らく木場の仕業に違い無いと一誠は確信していた。

非常に悔しい限りだが木場はイケメンだ。

そう、イケメンで強くて完璧なのだ。

これは嫉妬無しで多角的な分析した一誠が出した結論である。

自分が木場よりも何が優れているのかと真剣に考えた結果……

【豊かな感性と想像力】位しか思いつかない。

そんな感じなくらい眷族及びメンズ力に差がある。

だが【騎士】としての実力は折り紙付き。

実戦経験も豊富、ならば兵士三人の撃破も当然納得出来る。

取り敢えずは木場といち早く合流しなければならない。

敵も戦力的に切羽詰まってきている筈だ。

早々に決着を付けに来る。

籠手の能力【倍加】の負荷に身体が悲鳴をあげている。

プロモーション【女王】の力で騙し騙し切り抜けてきたが……

そろそろヤバイ事になってきているのも事実。

特訓で基礎体力を向上させたが所詮は付け焼き刃だ。

神をも滅ぼす龍の力を扱うには何もかも足らなすぎる。

 

 柄にも無く思考の海に意識を投じていた一誠。

運動場へと差し掛かろうとした時……

体育用具小屋の所でアーシアの動体探知機に反応があった。

 

「……!誰だっ」

 

 咄嗟に身構え臨戦体勢をとった一誠と小猫。

しかし、小屋の陰から出てきたのは……

口に指を当てて(シー)のポーズをとった木場だった。

無事、木場と合流する事が出来た一誠一行。

これで王と女王を除く、リアス眷族が勢揃いをした。

 

「兵士三人は一網打尽にしたけど……

流石は重要拠点でもある【運動部の部室棟】区域。

敵も戦力を集中させてるね。

兵士を犠牲に品定めするとか、戦力過多だからこそ出来る戦法だよ」

 

「多勢に無勢はしょうがねぇ。

今俺達が出来る事をやるしかない」

 

「イッセー先輩がまともな事言ってる……」

 

 本当に驚愕した顔をしている小猫。

アーシアは何時もと変わらぬ笑顔で一誠を見ている。

木場の愛想笑いが一誠の心を更に抉った。

 

「と、取り敢えず、ここのボスは優秀みたいでね……

僕の挑発に全然乗って来ないんだ。

【騎士】【戦車】【僧侶】が一名づつ居るけど」

 

「居るけどって……

そんな奴等に挑発ってお前も凄いな」

 

「別に大した事はしてないよ。

只、【此処に僕は居ますよ】って教えてあげるだけさ。

流石に敵陣のど真ん中で叫ぶとか……」

 

 木場が言いかけたその時、野球部のグラウンド中央に人影が見えた。

そしてグラウンドに轟く叫び声が聞こえた。

 

「私はライザー様に使える【騎士】カーラマイン!

いざ!尋常に剣を交えようではないかっ」

 

 グラウンドに甲冑を着こんだ女騎士が立っている。

悪くいえば死にたがりの愚か者。

良くいえば誇り高き決闘者。

面を食らった一誠達は暫く何も言えなかったが何か負けた気がした。

あまりに堂々とし過ぎて警戒していた此方が女々しく思えたからだ。

ライザーの眷族に対して良い印象をもっていなかった一誠。

だがこの騎士に対しては嫌な感じはなかった。

 

「【騎士】に名乗られたら【騎士】として隠れては居られないか……」

 

 やれやれとぼやく様に言った木場。

だがその表情は何処か嬉しそうだった。

真正面からグラウンドへと向かって歩いていく。

一誠達もその後に続いていった。

もう隠れていても意味は無い。

正面からのガチンコ勝負で突破する決意を固めた。

 

「随分と出てきたものだ!

正面から出てくるなど正気の沙汰ではあるまい!」

 

「正気の沙汰では無い事をやらかしてる人に言われても……」

 

「「「「説得力皆無だわっ」」」」

 

 一誠達は口を揃えて言った。

そして改めて名乗りをあげる。

 

「リアス・グレモリー眷族【騎士】木場祐斗」

 

「同じく【兵士】兵藤一誠っ!」

 

「【戦車】搭城小猫」

 

「【僧侶】アーシア・アルジェントです」

 

 それぞれが名乗りをあげ、構える。

皆、身体から闘志が溢れんばかりの士気の高さだ。

良くも悪くも【正々堂々】とする事は心理的な負荷が少ない。

常に神経を研ぎ澄まして見えない敵の脅威にさらされる。

自分で思う以上に精神は脆く、消耗しやすい。

そう言った見えない身体の枷に拘束されない戦い……

それ即ち、【決闘】

戦略的にみればデメリットしかないが、戦とは其だけでは無い。

誇りを重んずる者からすれば卑怯な勝利は敗北にも劣るものなのだ。

そして、この女騎士カーラマインは極めて脳筋であり……

古き良き、【騎士】だった。

 

「リアス様の眷族は皆大馬鹿者ばかりだな!

だが……それが良い!」

 

「さて、騎士なら騎士らしく剣で語ろうか」

 

「同感だな、久しぶりに気持ち良く戦えるっ」

 

 合図も無く二人の騎士の姿が消えた。

直後、激しい剣戟がグラウンドで巻き起こった。

鳥肌が立つ様な金属音と火花が飛び散る。

あまりの速さに目で追う事も困難な斬り合いだ。

だが、二人の騎士の戦いを黙って見ている状況では無いようだ。

一誠達の前に二人の人影が立っていた。

顔の半分を仮面で隠した奴と見た感じお姫様のツインドリル。

初めて見たよツインドリル。

 

「やれやれですわね。

頭の中まで剣で埋め尽くされた者同士……

泥臭くていけませんわ」

 

 ため息をつきながら一誠の顔をジッと見ているツインドリル……

じゃなかった、【僧侶】のお姫様。

知らない人に顔をガン見された一誠は一歩引いてしまった。

恥ずかしいのか不気味なのかは分からないが。

 

「リアス・グレモリー様は殿方の趣味が悪いのかしら?

イマイチぱっとしませんわ」

 

 バッサリと心を両断された一誠。

初対面なのに酷い評価に憤りを通り越して涙が出そうだ。

確かに自分がそんなに格好いいだなんて思ってない……

しかし、部長の事まで馬鹿にするのは許せん。

 

「ブーステッド・ギア、レディ……」

 

 即座に神器を起動させ倍加を始める。

ニ対三、数の上では俺達が有利だ。

なら状況が変わる前に押しきらせて貰う!

 

「いくぜ……ゴァッ!?」

 

 刹那、腹部に猛烈な痛みが、何かが腹に突き刺さった。

見れば仮面女の蹴りが、爪先が無防備な俺の腹に刺さっている。

出鼻を挫かれた一誠の顔面に容赦の無い拳が炸裂する。

混濁する意識の中、横から小猫のドロップキックが飛んできた。

その威力は仮面女だけでなく、一誠もろともぶっ飛ばす。

味方を顧みない攻撃は相手のリズムを強引に崩した。

 

「仲間ごと攻撃するとは驚きだ。

少々貴様達を侮っていた」

 

「ナイス一撃、小猫ちゃん……

俺全然平気!平気だってばよ!

痛みとか痛いとかそう言うんじゃなくて。

全然、全然痛みは無いんだ!

取り敢えず、ツインドリルだけは絶対許さない」

 

 兎に角、一誠が凄く痛かったのは皆理解した。

アーシアに手当てを受けながら怒りの矛先をドリル娘に向ける一誠。

 

「ツインドリルって失礼極まりないですわっ

私はレイヴェル・フェニックス!

誇り高きフェニックス家の者です!

イザベラ!早くこの失礼な殿方をやってしまいなさいな!」

 

「御意」

 

「失礼上等だコラァ!」

 

 怒号が飛び交う中盤戦の火蓋は斬って落とされた。

 

 

 

 

 

 

「小賢しい……我を誘うか」

 

 髑髏の騎士はぼやいた。

先程から不快な気配が騎士を包む。

それはまるで騎士を呼んでいるが如く、一定間隔でだ。

サーゼクス、魔王すら気が付かない程の微弱な気配。

我に向けた物である事は明白、しかし誰が?

この冥界に来て日は浅い。

見当など付く訳が無い……考えるだけ栓なき事だ。

騎士は漆黒のマントを翻すと出口へ向け歩きだす。

 

「騎士殿?どちらへ?」

 

「気にするな」

 

 サーゼクスの問いに振り返らず騎士は答える。

ホールには悪魔達でごった返していたが……

騎士が近付くとモーゼの十戒の如く道が開いた。

重厚な鎧の金属音が踏み出すごとにホールに響く。

その場に居た悪魔達は咄嗟に頭を下げそうになった。

いや、下げなくてはいけないのではと思える程の圧迫感。

まるで【次元】が違う。

自分達の力がまるで子供騙しの様に脆弱に思える。

髑髏の騎士と悪魔。

決して埋めれない差を改めて感じたのだった。

 

 サーゼクスの屋敷を出て薄暗い森を気配を頼りに進む騎士。

やがて森の開けた広場の中央に人影が見えた。

見覚えの無い、青年の様だ。

 

「我に何用だ」

 

「御初にお目にかかります、騎士殿。

いや、髑髏の騎士様と呼んだ方が良いですか?」

 

「用件を言え、小僧」

 

「いや、なに。

只のご挨拶ですよ。

伝説の騎士様が冥界に居ると聞いて……

いても立ってもいられずに……ね」

 

「戯れ言を言いに我を誘うか。

……笑止」

 

 騎士から覇気と殺気がほくそ笑む青年へと向けられる。

その波動を受けながら青年は更に笑う。

そう、まるで無くした何かを見つけたが如く。

狂った様に。

 

「この殺気と覇気……

ハハッ!これこそ俺の求める完成形だ!」

 

「全く度しがたいものだ……」

 

 呆れる騎士をよそに満足したのか青年は深々と頭を下げ言った。

 

「我が名は曹操!この世に覇を……

【覇道】を唱える者也!」

 

 元覇王と覇王を目指す者。

覇道を歩んだ者と歩もうとする者。

この異界の果ての地にて出会う。

 




『貴様ハ指令1 アーシア保護プログラムニ違反シテイル。
20秒以内ニ武装ヲ解除セヨ』


 悪魔は手に持つ武器を地面へ捨て両手を挙げた。


『残リ10秒』


 そんな馬鹿な!?
何故武器を捨てたのにカウントが解除されない!
慌てふためく悪魔は密閉された教室で逃げ惑う。
しかし、鋼鉄の無機質な巨体から伸びる両腕の機関砲は狂い無く悪魔へと向けられている。
必死に逃げようと入り口へと駆け出した瞬間……
無情にもカウント【0】を告げられた。

『警告ニ従ワヌ、武装勢力ヲ確認。
実力ヲモッテ排除スル』

 両腕の機関砲が唸りをあげ発射される。
大口径の弾は強靭な悪魔の身体を容易く穿ち、あっと言う間に蜂の巣になった。
あまりの威力に身体は壁へと吹き飛ばされ四肢はもげている。
酷い死体を見るにこれは完全にオーバーキルである。

 これぞオ●ニ社が自信をもってお届けする……
未来のボディーガード【ED-209】
大切なあなたの家族を守る、強い味方。

(注・ボツ案です……)

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