ゆずゆずゆゆ式   作:ツナマヨ

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最近忙しいなーとか思ってたら、前回の更新から一ヶ月も経っていたことにびっくり。
社会人になってから時間が経つのが速すぎです。

まさかこんな、アニメにもコミックにもないような場面がこれだけ広がるとは思いもよらなんだ。
アニメ1話が終わらない


幼馴染

「お嬢様、次はどちらに曲がりましょうか?」

 

「えっとね〜、右!」

 

「柚彦、やめろその口調。寒気がする」

 

「唯ちゃんナイスツッコミ」

 

「お前らひどいな」

 

「あははははは」

 

 他愛のない話をしながら、適当に街をぶらつく。前を歩く三人の後ろ姿は、中学生のときと比べてそれほどの差異はなく、高校生になってもあまり変わらないなぁ、なんて自分のことを棚に上げ思い浮かべた。

 制服が新しいからか、見慣れた路もどこか新鮮だ。それはゆず達も同じだろう、いつもよりはしゃいでる三人は楽しそうで、見ているこっちも気分が良くなる。

 

 中学生だったころ、放課後から夜までの暇な時間、よく四人で集まってこの街を歩き回ったものだ。そのときから進む方向を決めるのは縁の役割で、今日も例に漏れず、縁が道を選んでいた。

 まあ、いつものことながら、曲がり角が来るたび適当な方向へ進んでいるので……。

 

「あれ?ここ、さっきも来たよね?」

 

「ほんとだ」

 

「えへへへ」

 

 こういうことがよく起こる。

 そして、恥ずかしそうに頭を掻いている縁だが、実はこれで今日二回目のことだったり。

 昔からよく同じ場所に出たり、知らない道に出て迷ったりもするが、不思議と最後には行きたい場所に着くばかりでなく、途中で本人ですら忘れていたような、ちょっとした用事のある場所に着くことが多かったので、道を決めるのは自然と縁の担当になった。

 

 毎回ふらふら〜っと適当に進んでいるはずなのに、何故行きたい場所に出るのだろうか?

 道を覚えているってことはないだろう。運良く目的地に着いたときに一番驚いているのは縁だし。

 名前が縁だからかな?俺達に縁のある場所に惹かれていたりして……ってないな、縁ってもうちょっと違った意味だったような気がする。

 きっと難しい理由なんてなにもなく、縁だから、で解決しそうだ。

 

「じゃあ次は〜、まっすぐ!」

 

「まっすぐか、大通りに出るな」

 

「あっ、じゃあさ、本屋に寄ってもいい?」

 

 唯が振り返り、みんなの顔を見ながら聞いてくる。

 

「いいよ。というか唯ちゃん、そんな控えめに言わなくても〜」

 

「そうだよ〜」

 

「もっとさ、ぐいぐいっ!て来てもいいんだよ?」

 

「近づくな!手を広げるな!ゆずこの真似をするな!!」

 

「おおー三連続」

 

 相変わらず見事なツッコミ、ゆずが度々ふざけるのも分かるというものだ。

 

「似てたね〜」

 

「本当にな。声は似てないんだけど、仕草とか言葉のイントネーションとか、そっくりだったな」

 

「ほんとほんと、私もそばで見ながら、私がやりそうだなぁって思ったし」

 

「いや〜それほどでも〜」

 

 なかなか好評みたいだ、これからもやろう。

 

「お前ら、本当に兄妹みたいだな」

 

 親しくなった人達から必ず言われるこの言葉。唯も呆れたような表情をする。唯ならず縁にも何度か言われたが、それでも言ってしまったのだろう。いつも通り否定しようとして、ゆずからアイコンタクトが送られていることに気づいた。

 面白そうなので了承の意を込めて軽く頷く。

 

「フッフッフッ実は私達!」

 

「生き別れになった!」

 

「双子の」

 

「兄妹」

 

「「なのさ!!」」

 

「お前ら一度も別れてないだろ!!」

 

 片手をゆずと繋ぎ、唯と縁に向けて手を広げる。

 唯はツッコミをいれられ、縁は声を出せないほど笑っている。期待通りの反応が返ってきて満足だ。

 打ち合わせもなにもなかったけど、当たり前のように成功した。

 こんなところが兄妹と言われる所以なのだろう。

 

 大通りへ続く道、そのど真ん中で目立つようなことをしたからか、周りから注目を浴びていることだし、直前の自分の行動が恥ずかしいので、さっさと退散したい。

 

「じゃあ本屋に行くか」

 

「そうだね」

 

 あっさりと手を離し歩き出すゆずと俺に、数巡唯が戸惑い、少し慌てながら縁の手を引いて歩き出す。

 どうやら唯も周りの目に気づいたようだ。

 

「縁ー大丈夫か?」

 

「はぁー、はぁー、わ、笑いすぎて……おなかいたい」

 

「「いぇーい!」」

 

 ゆずと笑い合い、手を打ち合わせた。

 パンっと乾いた音が鳴るが、大通りの喧騒に掻き消されそれほど響かなかった。

 いつの間にか本屋の近くに来ていたみたいで、横断歩道を挟んだ向こう側に本屋の看板が見えていた。

 

「俺とゆずが兄妹だったら、どっちが上でどっちが下だろうな?」

 

 信号を待つ間にこんな話題を振ってみる。

 

「うーん、ゆずと私ならゆずが兄じゃない?ほら、しっかり者の兄とおちゃらけてる妹みたいな」

 

「いやいや、ゆずと俺なら俺が下だろ。周りをしっかり見てまとめてる姉と、その後について行く弟って感じ」

 

「いやいや、ゆずは後ろから暖かく見守る兄で」

 

「いやいや、ゆずはしっかりしてるし姉だって」

 

「じゃあ聞いてみようよ、唯ちゃんと縁ちゃんに」

 

「そうだな、そうするか」

 

「唯ちゃん」

 

「縁」

 

「ゆずと私ならどっちが下?」

 

「ゆずと俺ならどっちが下?」

 

 振り返り、後ろに並んでいる縁達に聞いてみる。

 

「というか、ゆずゆずうるさい」

 

「呼び方を変えてみたら?」

 

「呼び方を」

 

「変える?」

 

「うん、ゆずちゃんはゆず君をお兄ちゃんって呼んで」

 

「えっ?」

 

「ゆず君はゆずちゃんをお姉ちゃんって呼ぶの」

 

「なんで?」

 

「私お兄ちゃんいるでしょー、けどもし私がお姉ちゃんで、お兄ちゃんにお姉ちゃんって呼ばれたら何かへんな感じがするもん」

 

 唯さんのばっさりとした返答は置いといて、縁の意見はつまり。

 

「呼んでみてしっくりきた方が正解ってことか?」

 

「うん」

 

 ざっくりした解釈になったけど合っていたみたいだ。

 けど、なんか……。

 

「は、はずいね」

 

「…そうだな」

 

「…………」

 

「…………」

 

 唯も縁も心待ちにしないで欲しいんだけど……まあ、なるようになれだ。

 深呼吸をして息を整える。

 

「お、お兄…ちゃん?」

 

「お、おね……姉さん」

 

 俺とゆずとの間に冷たい風が吹いた気がした。

 春だというのに冬の風のように冷たかった。

 

「プッ」

 

「うわー!はずいはずいはずい!!」

 

「うわー、なんか全然しっくりこない。うわー」

 

「「あっははははははは」」

 

 珍しい唯のばか笑いと、発案者であるはずの縁の笑い声に羞恥心が頂点に達した。

 身体中が暑い、さっきまで冬のような感じだったのに、一気に夏になったようだ。

 

 一頻り騒ぎ、どうにか落ち着いた頃には、何度も信号は変わっており、またもや赤信号に待たされている。

 

「なんというか、あれだね?」

 

「そうだな」

 

「ゆず」

 

「ゆず」

 

「これが一番しっくりくるね」

 

「そうみたいだな」

 

 信号が青に変わり今度こそ横断歩道を渡る。

 ゆずは白い場所だけを踏み、俺は黒い場所だけ踏む。

 

「結論、俺達は兄妹じゃない」

 

「よーくわかったね」

 

「それじゃあ本屋に入るか」

 

「やっとだな」

 

「長かったね」

 

「俺達のせいだけどな」

 

「私だったら、ゆずちゃんは妹にしたいかな?」

 

 若干一名ズレているが、無事に目的地に到着した。

 

 長かったなぁ。




縁ちゃんが爆笑しているシーンを想像しながら書くと、書いている自分も笑ってしまいます。

今日の柱
野々原ゆずこ・ノノハラユズコ
犬好き、猫大好き

日向縁・ヒナタユカリ
猫大好き、犬大好き

櫟井唯・イチイユイ
犬、猫大好き

瀬川柚彦・セガワユズヒコ
猫大好き、大型犬大好き
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