“V.1(ヴェスパー・ワン)”、ワートリ世界に転生する。 作:サクラン
BBFの年表が手放せねぇ…!
それではお楽しみ下さい。
「はっはっは、いやーご馳走様。美味かったぜ」
「…やっぱり旋空の間合いの外から削り殺した方が良かったか…?いや俺の弾幕じゃどっちにしろ太刀川を押し留めることはできない…となると至近距離でのいなし方が甘いか…だが手数で劣る俺が太刀川の攻め手を崩すには…」
なお太刀川はボーダー本部内においてきな粉餅禁止令を名指しで発令されているが、今回は風上が間接的に買ったものであること、食べ終わるまで食堂の職員が付きっきりで監視していたので流石にぶちまけることはなかった。
「しかしお前も
水を飲んで口の中のきな粉を洗い流しながら太刀川が風上に問い掛ける。脳内で太刀川との模擬戦シミュレーションを行なっていた風上は視線を太刀川に戻し、首を傾けながら答える。
「チーム戦か…今のところは考えてないな。条件呑んでくれるチームもなかったし」
「“自分の戦闘における要求を叶えるように動け”って隊員側の要求じゃねえだろ。もうお前が隊長やれって案件じゃねえか」
「隊長になったら会議やらレポートの提出やら面倒事も多いだろ?俺はそんな事したくないしいつか絶対やらかす。そんなことでクビにされるのはごめんだ」
「そこまで堂々と開き直れるのは大したもんだよお前」
ボーダーのランク戦には二種類あり、一つは一対一で戦う
無論A級とB級にはそれぞれ待遇に差があり、A級になれば会社における正社員と同様の扱いになる為、固定給が発生する。他にも開発部に要望を出すことでトリガーを自分専用にカスタマイズできたり、機密情報の扱いなど、A級のみの特権や利点は多く存在する。
だがそれだけに誰もがなれる甘い世界ではなく、個人の実力をどれだけ高めたとしてもチーム戦で勝ち上がらなければ扱いとしてはB級のままである。
そして風上は実力こそA級にも引けを取らないがフリーの正隊員、つまりはB級隊員としての扱いである。
しかしその実力からかなりのチームからスカウトされたが、そのあまりに身勝手な条件に扱い切れないと全員が引き入れることを諦めてしまった。風上自身としてもよほどのことがない限りはチームを組む気はなかったし、面倒事の多い隊長など以ての外だった為願ったり叶ったりだった。
「そもそも
「まあ否定する気もないが…東隊とかとやり合いたいって思わねえの?」
「あの面子か…確かに十分面白そうな相手だな。ソロで全員倒せたらやってみるか」
「え、お前一人でチーム戦やるつもりなの?」
太刀川が風上の発言に冷や汗を流す。常に飄々としている彼がこういった反応を取るのは珍しい。
太刀川と風上は互いに個人戦をよくやる仲であり、その人となりもよく知っているが、知った今でも時折こういった反応を取る程度には二人とも個性が強い。
風上はとにかく戦うこと、自身の実力の向上しか頭になく、“他人との協調性”というボーダーにおいては重要な要素を全く意識していない。時間や規律を遵守する意識も低い為、その辺りに厳しい隊員と衝突することも度々ある。
しかも厄介なのは風上はそう言ったことを“理解できない”のではなく、“理解した上で”己の欲求を優先する為教育による改善も絶望的なのだ。
入隊して間もない頃はあまりにも度が過ぎた為本部長の忍田が本気で叱り付けた上でボコボコにし、ボーダーの規律は最低限守ることを約束させた程であり、これでも丸くなったのだから恐ろしい話である。
だが褒められる点が全くないのかと言われればそういうわけでもなく、積極的に個人戦をやる相手に対しては基本的にフレンドリーであり、愛嬌はないが戦って勝ち越したとしても相手の良かった点、意表を突かれた行動に対しては素直に褒める為一度でも戦ったことがある隊員からはアドバイザー兼ライバルとして好かれている。そしてどれだけ格下の相手だったとしても挑めば拒む事はしない為対戦相手として見る分にはとことん真摯に向き合ってくれる。
そして“強くなることに貪欲”、という評価は日頃から地道に訓練していたり他人の戦う姿を見て学ぼうとする姿勢をそれだけ目撃されているからこそであり、そこに対する意識だけは反発する隊員も否定することはない。
…まあ、その意識“
一方で太刀川は協調性は風上程にないというわけではなく、チーム戦においても他人の隙をカバーできるバランサーを十全にこなせる程度には視野も広い。それでいて風上と同じように来る者拒まず挑戦者は全て受けるスタンスでいる為、一人の隊員として見た場合は風上よりも優れていると言えるだろう。
…だが、彼の場合は風上と同じぐらい、いやそれ以上にランク戦にのめり込み過ぎて学力面があまりに残念になっている。
ボーダーには現在中学〜高校生が主に所属しており、太刀川も例に漏れずその内の一人である。が、頭の出来は真面目に中学生の方が優れているのではないかと疑いたくなる程度に残念であるし、私生活面でも隊室の掃除すらまともにできない有様なので、ボーダー隊員をやっていなければダメ人間まっしぐらの生活を送っていただろう。
じゃあ風上はどうなのかと言われると、彼も学業面も優等生とは言えないが意外にも成績は真ん中あたりを維持しており、私生活面でも万能と言える程ではないが、最低限の料理は作れるし、掃除もそもそも私物が少ないのでするのが楽であるという側面もあるがこちらも最低限の整理整頓ぐらいはできる。
どちらも戦闘に対する向き合い方は尊敬できるが、それ以前の人として抱える問題がそれぞれ別ベクトルで大きい為素直に尊敬することもできない問題児二人である。
しかし“ボーダー隊員”として見るなら他者との協調性が高く、実力も上を取っている太刀川の方が優れていると言えるだろう。顔の良さだけならどちらも多少陰のあるクールな青年という風貌だが、片や「頭良さそうに見えるからヒゲ伸ばした!」という頭の悪い理由でヒゲを伸ばした太刀川、片や「セットするのダルいからこんなになった」という奇跡的な癖毛で髪型を成り立たせている風上と、どちらも人間としてギリギリのラインを反復横跳びしていた。
「だがそうか…もう一年半が経ったのか」
風上は頭の後ろで腕を組み、ボーダーに入隊する前後のことを思い出す。
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“フロイト”が“風上和郎”として目を覚ましたのは今から5年前の話。レイヴンに敗北して意識を失い、しばらくしてから目を覚ました、という感覚だったが、不思議なことに“風上和郎”として送ってきた人生の記憶も確かに保持しており、家族や友人も周りにいたということから否が応でもここにいるのが現実だと認めざるをえなかった。
ルビコンでの殺伐として生活に慣れてしまっていた為、この世界での生活というのは時間の流れが途轍もなく遅く感じるほど長閑なものだった。
だが平和な分日常生活における利便性や娯楽の多さは圧倒的にこちらの世界の方が多く、ルビコンでの戦闘を彷彿とさせるハイスピードロボゲームを見つけた時はこれ以上なく興奮し、両親からドン引きされる程だった。
そしてこの世界での身分は学生だった為学校に通い、様々なことを学び、多くいたわけではないが友人達と談笑し、家に帰れば家族と団らんする。
“風上和郎”にとって当たり前の生活は“フロイト”にとっては新鮮で─しかしどうしようもなく退屈なものだった。
恵まれていない、というわけではない。家は金持ちという程ではないが、その日暮らしが精一杯ということはないし、両親もある程度は自由にさせてくれている。ゲームを通して仲良くなった友人達も悪い奴らじゃないし、関わるのが苦痛ということもない。ゲームの中で自分の実力が向上しているのを実感するのも楽しかった。
だがそれでも─心の底にある渇きが癒えない。
一瞬でも気を抜けば死につながる戦場のヒリついた空気感、手強い相手に感じる武者震い、高鳴る心の鼓動、刹那の合間に練る戦略、互いの攻撃の度に感じる強さ、そして…その果ての勝利で得る己の成長。
これらの感覚は画面越しのゲームでは決して得られないものだった。
だがこの世界では戦争や武力行使は基本的に疎まれるものであり、風上の住んでいる国では縁の薄いものだった。
そしてこの問題は一人でどうこうできるものではない為、“フロイト”は煮え切らないまま“風上和郎”としての生活を送っていた。
両親は過度に構うことは無かったが、それでも風上のことはちゃんと大切に思っていたようで、煮え切らない様子の息子の気分転換にと、旅行に連れて行ってくれた。
“フロイト”としての悩みは正直両親にどうにかできるものではなかったが、眺めの良い景色を見るのは嫌いではなかったし、何より衣食住の快適さは圧倒的にこちらの世界の方が勝っていたのでその場所の名産や旅館の温泉は十分楽しめるものだった。
そしてその時だった。故郷である三門市に異世界からの“
風上は旅行に出ていた為家族は皆無事だったが、家が
帰る場所を失ってしまったことに両親は悲しそうな表情をしていたが、知り合いの中には家族を失ってしまった者や帰らぬ人となった者もいた為、自分達だけでも無事で良かったと慰め、より重度な被災者達の手助けに回っていた。
そしてこの未曾有の大災害とそれに対処して見せた“ボーダー”という組織の存在が周知されるのにそう時間は掛からなかった。
彼らは
そしてボーダーは三門市に根付くことを認められると、すぐに隊員募集を呼び掛けた。彼らは組織として最低限の人員で活動しており、規模としてはまだまだ小さなものだった。三門市を守る為にはより多くの人間の協力が必要であるとして、三門市中に隊員を募っていた。
しかしまだ
そんな中風上は─真っ先に隊員への申込書を手に取り、両親に「ボーダーに入りたい」と伝えた。
しかしこの時ばかりは両親も大反対し、「わざわざ危険なことをする必要はない」と必死に説得された。その理屈は風上も分かっていたし、両親は自分の身を案じてくれているのだと理解もしていた。
当然だろう。
だがこの時ばかりは─“フロイト”にとって、引き下がるわけには行かなかった。
「これしかない」。見た瞬間にそう確信した。
最早叶うことのない願いを、本当に自分がやりたいことをできるのはここしかないと確信した。厳密に自分のやりたい機体を使った戦闘とは違うが、それでも画面の中で戦う者達からはかつてルビコンで─否、あらゆる戦場で感じて来た独特の空気感を纏っていた。
確認できた人数はそう多くなかったが、皆よく鍛えられているのが分かったし、その背中からは重いものを─誰かの生命を背負っている者達の背中だった。
だが“フロイト”にとって重要なのは
彼にとって重要なのは─
動きが素人同然だとこうも即決しなかっただろうが、これ程の使い手がいるなら楽しみ甲斐は十分ある。機体操作と違い自分の身体を使ったチャンバラなので活かせる技術はそう多くないだろうが、そこは学んで成長していけば良いし、逆に言えば自分の伸び代と言える。
考えただけでも心の火照りが収まらない。自分が
だから両親に頭を下げて頼み込んだ。流石の“フロイト”もこの世界は平和な分規律やルールを守ることに一際厳しいことを学んでいたし、自分の生活をずっと支え続け、過度に口出しをして来ることもなかった両親には感謝している。だから誠心誠意籠めて頼み込むしか方法はなかった。
「あんた達が否定する理由は
「和郎…」
間違いなく今までで一番真剣な息子の懇願に、母親は困惑しつつも言葉を零す。
息子の言葉を聞き、黙り込んでいた父親が口を開く。
「…お前はいつも…自分の人生に対してどこか不満そうな顔をしていた。無気力と言うか…物足りなさを感じているような。…その答えが、ボーダーに入りたいということか?」
“フロイト”は想像以上に鋭い父親の観察眼に内心驚きつつも本心を返す。
「そうだ。俺はいつも心の底で、
流石に「戦いを求めてる」と言うと収拾がつかなくなりそうなので刺激と言い換え、自分の望みを正直に伝える。
「聞いた話だと、正隊員になればちゃんと給料も出るらしい。今までの恩返しにちゃんと家には入れるつもり「死ぬかもしれない」
風上が「一応入隊することのメリットも伝えておいた方が良いか」と金銭面の話をしようとすると、父親が重い口調で割って入った。
「侵攻で潰れた俺達の家…お前も見たよな?同じように帰る場所を無くした人達も、大切な家族を亡くした人達も…見たよな?」
「ああ、見たな」
三門市に帰って来た時のことはきっと忘れることはない。
見知った街の光景は瓦礫の山に変わり、目に映る人々は皆泣いているか暗い表情をしていた。
「ボーダーに入るってことは…お前が
「後悔してからじゃ遅いんだ。これは口にするのも憚られることだが…お前が死ぬ可能性もある」
「ああ、分かってる」
「え!?」
「!!」
父親が重苦しい声色で口にしたそれを、風上は当然のように肯定した。しかしそれは─“フロイト”からすると当たり前の認識だった。
戦いの場に出れば、誰しも死ぬ可能性がある。ボーダーにはどうやら隊員の安全を守る機能を付与しているようだが、それでも戦場では“
それを知った上で、風上は戦うと決めた。
「俺だってバカじゃない。戦場に出るってのがどういうことかぐらい分かってるさ。だがそれを承知の上で─俺はボーダーで戦いたい」
意思を示すと共に、薄く好戦的な笑みを浮かべる。それは“風上和郎”としての表情であり、在りし日の“
この世界ではただの一般人だが、それでもかつての世界で潜り抜けて来た修羅場の数とそれによって得た経験値は本物。何処となく感じられる威圧感に、両親は一瞬たじろいだ。
「…今までそこまでゴネたことのないお前が、こうも強情になるとはな…」
「本心から欲しいものがあるなら、誰だって強情になるさ」
父親が頭を掻きながらため息を吐き、風上は冗談めいた口調で言葉を返す。本当に仕方ないと言った様子で、父親は目線を風上に合わせた。
「…何かあった時の為に高校に行った上で最低限の学は身に付けとけ。成績は今以上にできるようになれとは言わん。家に入れる金は…量次第ではあるがおおよそ3〜4割程度で構わん。何かあった時は相談しろ、余程のことじゃない限りは何とかしてやる…あと、人様に迷惑は掛けるなよ……これだけ守れるなら、あとは好きにやれ」
「ちょっとあなた…!」
遠回しに風上の入隊を認める言い回しに、未だに納得し切れていない母親が引き止めるように口を挟む。父親もその言葉に合意するところもあるようだが、諦めを示すため息と共に言葉を返す。
「…気持ちは分かるが
「…っ!!」
父親からの説明に母親は唇を噛んで黙り込む。彼女も先程の息子の言葉に虚勢や軽薄さは含まれておらず、むしろ本気で向き合っているというのは理解していた。その上で否定するというのは、息子の覚悟を否定することと同義。だから親としては認めて応援してやるのが正しいのも分かっている。だが…それでも、「行かないで欲しい」という想いが捨て切れない。大事な息子を、戦場になんで行かせたくない。戦わせたくなんかない。
「母さん」
「!」
呼び掛けられて顔を上げると、風上が目線を合わせてこちらを真っ直ぐに見ていた。
「正直、根拠はない。親として
風上は一旦そこで言葉を区切り、僅かに顔を落とした後、もう一度顔を上げ、真っ直ぐに見詰めたまま断言する。
「俺は、死なない。だから信じて欲しい」
「!!」
取り繕うことなく、誤魔化すことなく、確かに言い切った。
“フロイト”としては、正直本当にハッタリでしかない。以前の死因はレイヴンに敗れたことだが、脱出レバーを引いて離脱することができれば生き延びられる可能性は高かったし、実際それができるだけの余裕もあった。
だがあまりにレイヴンとの戦いで滾り過ぎてその選択肢が抜け落ち、結果脱出が間に合わずに愛機と共に散るという、身も蓋も無いことを言えば“脱出し忘れたから死んだ”というあまりに間抜け過ぎる理由だ。
そしてボーダーに入り、最高に楽しい戦いがまたできるなら、そうならない保証はどこにもない。
件の安全性を引き上げている機能の性能にもよるが、それでも100%安全なんてものはこの世の何処を探してもありはしない。しかも今の自分は戦う力すら持っていないのだから、どう言っても“根拠なんてない嘘っぱち”以上にはならない。
だが“風上和郎”としては、この宣言には意味がある。
それは「必ず帰る為の決意表明」だった。この世界で一番求めていたものが“戦い”だったのは事実だが、かと言って他の全てがどうでも良かったわけじゃない。
それこそこの間まで行っていた旅行だって良い景色が見れた時は嬉しかったし、普段食べられないような料理を食べた時はその味に感動だって覚えた。母親の作る家庭の味も、間違いなく風上にとっては楽しみの一つになっていた。
だから少しでも不安が取り除けるように、自分の帰る場所はここだと言う意味も籠めて、「死なない」と言い切ったのだ。
…あと、“フロイト”でもある自分に対しての釘刺しでもあるが、いざその時にちゃんと判断できるかは分からない。相手次第と言ったところだろう。
「…和郎…」
少しの嗚咽と共に、母親が風上の名前を呼ぶ。
「あなたからすれば…私は過保護で鬱陶しい、息子を信じられないダメな母親なのかもしれない。あなたがどれだけ立派になっても、私のこの気持ちは、きっといつまでも変わることはない」
風上がそうしたように、母親も取り繕うことなく風上に向き合う。
“フロイト”にとってそれは余計なお節介も同然だったが…しかしそれを否定することはできなかった。何故ならその気持ちは自分と同じ、理屈で納得できる問題じゃなかったからだ。自分がどれだけ危険でも、人生を送る上で不必要だったとしても、自分の為に“闘争”を求めるのと同じように、母親もきっと息子を大切に思う、その気遣う気持ちはどこまで行っても変わらないのだろう。それを否定するのは、自分を偽る、嘘をつくことと同義であるからだ。
「─だから」
そう、だからこそ─
「私はいつも、この家で待ってる。あなたがこれからどんな人生を送ったとしても、この場所があなたの帰る場所の一つでいられるように、晩ごはんを作って、待ってる」
─これが、ギリギリの許容点なのだろう。
息子が変わっても、自分は変わることはできない。だから今までと同じように、“家で待つ母親”で居続ける。何があっても、息子の安心していられる場所をこれからも守り続けるのだろう。
「─ああ、楽しみにしてる」
そしてそれも、風上は否定しない。
日々の日常に“戦闘”という選択肢が入り込んでも、今の自分にとってこの場所が帰る場所であることは間違いないし、両親は二人とも恩人である。ならば蔑ろにして良いわけがない。
我儘を通すには相応の実績を出さねばならないのと同じように、恩があるならそれに報いるべきだと風上は考えている。
…まあ、そう言った考え方をする理由は
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そうして両親の許可も得た風上は入隊試験を経て晴れて合格。遂にボーダー隊員としての一歩を踏み出した。
どうやら入隊した者は素質の多寡はあれど皆“C級隊員”として扱われるらしく、風上もそれは例外ではなかった。
(俺みたいに認められる奴はやっぱり少ないのか…まあ当たり前か)
風上は周りにいる隊員を見回す。自分と同じぐらいの者から高校生と思われるやや年上であろう者まで、年齢層にある程度幅は見られるが、やはり人数はそう多くなかった。
(まあ良い。既に目ぼしい奴が何人かいることは分かってる)
流石に皆自分と同じような素人であるからか、映像で見た既に隊員として戦っていた者達と比べると小粒揃いと言わざるを得ない。が、立ち振る舞いと雰囲気から期待できそうな者の姿もチラホラ見られる。精々一人二人いれば十分という認識だったが、ここにいる者達も良いライバルになりそうだと風上はほくそ笑む。
(いよいよここからだな。精々楽しませてもらおう)
“フロイト”としても、闘争心が抑えられない。二度目の人生で、“風上和郎”としてのボーダー生活が、幕を開ける。
はい、今回はここまで。前回をもっとコンパクトにまとめられてればこれも合わせて1話にできたんじゃないですか???
・風上和郎(フロイト)
運良く転生できちゃった。ボーダー外での生活も普通にエンジョイしてる。ご飯と娯楽、生活面での快適性は特にこっちの方が好き。「性格なんか丸くね?」って思うかもですが本編中で書いた通り“和郎君”としての人生も送ってきてるので“フロイト君”だった頃より若干他人に対して寛容というか、穏やかになってます。この点に関しては構い過ぎず自由にさせ過ぎずの絶妙な育て方をして来たパパママのファインプレー。
・太刀川
この時点で総合1位なのちょっとおかしくない???。
・風上両親
普通に良い人達。最初大して出番も無いだろうし侵攻で亡くなったことにしようとも思ってたけどそれだと風上君の背景が重苦しいものになっちゃうから「何処にでもいそうな家族」ってコンセプトの元書いて行ったらこんなことに。今後の出番がどうなるかは分かんない。
こんなもんかな。次回からボーダー生活を本格的に書いて行くことになりそうです。できるだけ早めに進ませて行きたいなぁ…
それから投稿して早々高評価、お気に入り登録ありがとうございます。初ワートリ二次ですが頑張って書いていきます。
それでは次回をお楽しみに。