【学マス×チェンソーマン】「プロデューサーの〇〇に触らせろぉぉ!」補習組のエリート咲季、胸のエンジンを爆発させてトップアイドル(とご褒美)を目指す 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
グチョ……グチャッ……!
『永遠の悪質ブロガー』の胎内は、ネット上に渦巻くアンチコメントと罵詈雑言が圧縮された、黒い粘液の海だった。
闇と汚物で満たされた肉の胃袋へと呑み込まれた咲季だったが、その瞳に宿る狂気の光は1ミリも陰っていない。
「あははははっ! 暗い! 狭い! 汚い! でも関係ないわぁぁぁっ!」
ブォォォンッ! ガガガガガッ!
両腕と頭部のチェンソーが猛烈な爆音を上げ、超高速回転する光刃が肉壁を無慈悲に切り刻んでいく。
ギャアァァァァァッ!!
胃袋のそこかしこから、悪魔の悲痛な悲鳴が鼓膜を刺す音量で響き渡った。
切り裂かれた肉塊から噴き出すのは、血とネットの悪意データ。
咲季はそれを全身で浴びながら、さらに深く、さらに苛烈にチェンソーを振り回した。
「どうしたの悪魔ぁっ!? 私を喰って心臓(スター性エンジン)を奪うんでしょ!? だったらもっと歯応えのある肉を出してきなさいよぉぉぉっ!」
『グ……ガアァッ!? 愚かな人間め……腹の中で暴れても無駄だ! 我の体内で永久に溶かされ、アンチのデータと化すのだ!!』
悪魔の叫びとともに、胃袋の天井から強力な酸のノイズ液が滝のように降り注ぐ。
咲季の皮膚がジジュジュと音を立てて焼け焦げ、制服が瞬く間にボロボロへと変果てていく。
激痛。常人であれば一瞬で発狂し、死を懇願するほどの苦痛。
だが、咲季は痛みに顔を歪めるどころか、舌をダラリと垂らして歓喜の声を上げた。
「痛い……! 痛いわねぇ! でもね……プロデューサー君の体に触れない日常の退屈さに比べたら、こんな痛みはご褒美へのスパイスに過ぎないのよぉぉぉっ!」
ガガガガガガッ!
咲季は酸の雨をものともせず、跳躍して胃袋の最奥部へと刃を突き立てた。
肉を切り裂き、血を浴び、その血を口に含んで失われた体力を即座に回復させる。
「切れば血が出る! 血を飲めば回復する! つまり……私が暴れ続ける限り、私は死なない! 永久機関の完成よぉぉぉっ!」
胃袋の壁を足場にして跳び回りながら、咲季は狂暴な笑い声を肉塊の中に響かせ続けた。
グチャァァァァッ!! ブチュルルルルッ!!
際限なく続く肉とノイズの切断音が、永遠の悪魔の体内に反響する。
咲季は文字通り、血と臓物の海を泳いでいた。
酸の雨で皮膚が溶け、制服がボロ布のように崩れ落ちていく激痛。
しかし、咲季の頭部で激しく回転するチェンソーの刃は、一瞬たりとも止まることはなかった。
「あはははははっ! 最高よ! 最高にストイックな筋トレじゃない!!」
肉を裂き、飛び散った悪意の血液を喉の奥へと流し込む。
血液を摂取することで、酸で溶けた皮膚が瞬時に再生し、再び酸に焼かれる。
破壊と再生の無限ループ。
普通の人間ならば、数秒で精神が崩壊する地獄の責め苦だ。
だが、今の咲季を突き動かしているのは、そんな理屈を超越した、底なしに純粋で下品な欲望だった。
「プロデューサー君の! 腕っ! 胸板っ! お腹っ!! 腹筋っ!!」
チェンソーを振り下ろすたびに、彼女の口から飛び出すのはトップアイドルを目指す者とは思えない煩悩の塊である。
「全部! 全部私がいっちばん最初に触るんだからぁぁぁぁっ!!」
『ギャアアアアアアッ!? 痛い痛い痛い痛いッ!!』
永遠の悪質ブロガーの悲鳴が、ついに恐怖と苦痛の色を帯び始めた。
喰って消化しようとした獲物が、逆に自分の内臓を内側から貪り喰っているのだ。
外の世界――初星学園の8階の廊下では、悪魔の巨大な肉塊が痙攣し、のたうち回る様を、手毬とことねたちが呆然と見つめていた。
「ひぃぃっ……! な、中で何が起きてるの……!? 悪魔が泣き叫んでるよぉ……!」
ことねは腰を抜かし、ガタガタと震えながら手毬の背中に隠れた。
他の候補生たちも、先ほどまで咲季を突き出そうとしていたナイフを落とし、目の前で繰り広げられる惨劇に言葉を失っている。
「……あいつ、悪魔の血を飲んで回復しながら、内側からチェンソーで斬り刻み続けてるんだわ」
手毬は木刀を下ろし、冷や汗を流しながらその狂気の光景を分析した。
「ダメージを受けたら、敵の血を飲んで治す。そしてまた斬る。……理論上は、咲季が諦めない限り永遠に戦い続けられる『永久機関』よ」
「え、えええ……!? それって、つまり……どっちが先に参るかの我慢比べってこと!?」
「ええ。普通の人間なら絶対に選ばない、狂人にしかできない戦い方ね……」
手毬は呆れと、そして僅かな畏敬の念を込めて、悪魔の胎内で暴れ狂う赤い閃光を見つめた。
その時、悪魔の肉塊がひときわ大きく膨張し、廊下の壁を破壊するほどの絶叫を上げた。
『ギィィィィィィヤアアアアアアアッ!! やめろォォォッ!! 我の臓腑を、これ以上刻むなァァァァッ!!』
「うるさいわねぇっ!! 私はまだ全然撫で足りないのよぉぉぉっ!!」
内側から響く咲季の咆哮は、悪魔の悲鳴すらも掻き消すほどに力強かった。
終わりなき血みどろの耐久戦は、狂気と欲望の熱を増しながら、果てしない泥沼へと突入していく。
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