【学マス×チェンソーマン】「プロデューサーの〇〇に触らせろぉぉ!」補習組のエリート咲季、胸のエンジンを爆発させてトップアイドル(とご褒美)を目指す   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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銃声

チュッパチャプスのコーラ味がもたらした爽快感と、プロデューサーへの執着。

 

それによって完全に精神的などん底から生還した咲季は、次の日からいつも以上の圧倒的なストイックさで自主トレーニングに励んでいた。

 

雲ひとつない晴れやかな午後の日差しが、初星学園へと続く舗装道路を温かく照らしている。

 

「ふぅ……ふぅ……! 見たかしらプロデューサー君! 今日のランニングタイム、昨日よりさらに1秒縮めたわよ!」

 

咲季は汗を拭いながら、隣を走っていたプロデューサーへ誇らしげに胸を張った。

 

口元からは、今や彼女のトレードマークとなりつつあるコーラ味のチュッパチャプスの棒が、ちょこんと覗いている。

 

「ああ、すごいペースだったな、咲季。だが、あんまり根を詰めすぎるなよ? 昨日の今日なんだからな」

 

「へっちゃらよ! 私のエンジンはプロデューサー君の身体に触るまで、絶対に止まらないんだから!」

 

プロデューサーの労いの言葉に咲季がニカッと笑顔を弾けさせた、まさにその時であった。

 

後方から歩いてきていた手毬とことね、そして先輩アイドルの3人が、ワイワイと楽しげな声を上げながら追いついてきた。

 

「あ、咲季ちゃん! 本当にもう大丈夫そうな顔してるね!」

 

ことねがホッとしたように胸を撫で下ろし、手毬もどこか呆れたような、けれど安心したような息を吐く。

 

「まったく、昨日の騒ぎが嘘みたいにタフね。呆れたストイックさだわ」

 

「あはは、咲季ちゃんごめんね〜? 昨日は私、ちょっと飲み過ぎちゃってさ〜!」

 

頭をかきながら笑う先輩アイドルに、咲季は棒を咥えたまま「もう怒ってないわよ! 1番を目指すアイドルは過去を振り返らないの!」と豪快に笑い飛ばした。

 

平穏で、どこかおかしく、温かな日常の一幕。

 

だが、その平和な空気は、一瞬にして突き破られることになる。

 

交差点の向かい側、日陰の路地裏から、ひとりの男がヌッと姿を現した。

 

黒いロングコートに身を包み、深く被った帽子からは刺すような殺気が漏れ出ている。

 

男の右手には、学園の平和な日常にはおよそ似つかわしくない、黒光りする金属塊――拳銃が握られていた。

 

「……見つけたぞ。チェンソーの心臓を持つアイドル、花海咲季」

 

男の低い声が響いた直後、乾いた爆音が街中に轟いた。

 

バンッ!!!!!

 

「……え?」

 

咲季の目の前で、プロデューサーの身体が大きく揺れ、胸元から真っ赤な血が鮮やかに舞い散った。

 

[第23話] 銃声(Part 2)

 

「ガッ……は……ッ!?」

 

鮮血が空中に綺麗な孤を描き、アスファルトへ激しく飛び散る。

 

プロデューサーの身体が、まるで糸の切れた人形のように前傾姿勢で崩れ落ちた。

 

「プロデューサー……君……?」

 

咲季の口から、咥えていたチュッパチャプスの棒がぽろりとこぼれ落ちた。

 

世界からすべての色が抜け落ち、白黒の静寂だけが支配する。

 

「プロデューサー君!!??」

 

咲季の悲鳴とも怒号ともつかない絶叫が、晴れ渡った青空を切り裂いた。

 

膝から崩れ落ちるプロデューサーの身体を、咲季は狂ったように両腕で受け止める。

 

胸元から溢れ出す温かい血液が、咲季のトレーニングウェアを瞬時に赤く染め上げていく。

 

「嘘でしょ……嘘よね!? プロデューサー君! 目を開けてよ! 私、まだ……まだ君の身体に触ってすらないのよぁぁぁっ!!」

 

「咲季! プロデューサー!?」

 

後ろから駆け寄ってきた手毬とことねの顔が、恐怖と混乱で真っ青に引きつる。

 

「いやぁぁぁぁっ! 血が! 血が出てるよぉぉぉっ!?」

 

ことねが頭を抱えて悲鳴を上げ、手毬は即座に木刀を構えて路地裏の男を睨みつけた。

 

「貴様……何者だ……!? アイドルの科白で拳銃を使うなんて……!」

 

黒いロングコートの男は、冷徹な瞳で銃口を咲季たちの頭部へと向け直した。

 

「俺は銃の悪質ブロガーの手先……アンチの総力を結集した刺客だ」

 

男は躊躇することなく、冷酷にトリガーを引き絞った。

 

バンッ! バンッ! バンッ!

 

乾いた銃声が連射される。

 

「キャアアアアアアッ!?」

 

「くっ……!」

 

先輩アイドルが手毬とことねを突き飛ばして射線から逃がすが、放たれた弾丸の波は容赦なく咲季とプロデューサーへと襲いかかった。

 

ドスッ! ドスッ!

 

「がはっ……!?」

 

プロデューサーを庇うように抱きかかえた咲季の背中に、冷たい衝撃が走る。

 

視界が急激に赤く染まり、膝の力が急速に抜けていく。

 

「咲季ちゃんーーーっ!!」

 

ことねの悲痛な叫び声が遠のいていく。

 

「プロ……デューサー……君……」

 

咲季は血の泡を口から吹き出しながらも、倒れ込むプロデューサーの〇〇へと必死に手を伸ばした。

 

(触りたい……触りたいのに……まだ何ひとつ……始まってすら……)

 

地面に倒れ伏し、意識が暗転していく咲季の眼前で、黒コートの男の手が不気味に変形を始めていた。

 

男の頭部と腕から無数の刀身が飛び出し、凶悪な異形の姿へと変貌を遂げていく。

 

絶体絶命の危機。日常の崩壊。

 

咲季とプロデューサーの生命の灯火が消えかけようとする中、最悪の刺客による惨劇はピークへと達しようとしていた。




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