東方聖制裁   作:西行寺已羅

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初です。疲れた…
投稿は否定期です。
こんなんでよかったら見て行ってください。


第一異〜妖怪の山の異変〜

※これは東方projectの二次創作です。

原作に無い独自設定、キャラなどがあります。

それでもよろしいという方のみお進みください。

 

_______________

 

某日、妖怪の山で突如軽い噴火活動が起こった。

 

溶岩が少量ではあるが流出し、火山岩も辺り一面に飛び散ったが、駆けつけた守屋神社の連中によって最小限の被害で事は片付いた。

 

後から紫の報告を受けてその場に向かった霊夢と魔理沙は、「またお前達か」と言わんばかりにその場にいた3人を言及した。

 

「本当ですって!今回は違います!」

 

「今までの事があるから信用できないのよ。」

 

「そ…そんな…」

 

必死になって弁明しようとする早苗だが、それに対する霊夢達の反応は冷ややかなものだった。

 

それを見ていた神奈子が代わって弁明しようとする。

 

「この子最近もっと信仰をあつめましょうってずっと里の方に出てたんだよ。昨日帰ってきたばっかりだし。だからこんな事考えるような余裕は無かったと思うよ…多分。」

 

そう言うと一瞬、目を逸らした。

 

その素振りを見た霊夢が不気味な笑みを浮かべ、このように言った。

 

「フフッ…正直貴方も早苗の事、疑ってるんじゃないの?」

 

まさに図星であることを語るような顔をした。

 

「そ…そんなわけないだろう!早苗はそんな事をするような子じゃ……」

 

横を見ると、早苗が涙で潤んだ目で神奈子を見つめ無言の主張をするが、神奈子は耐えきれず顔を逸らす。

 

その様子を見ていた諏訪子は神奈子の肩に手を置き、呆れた顔でこう言った。

 

「神奈子…説得力の欠片も無いよ…」

 

「う……」

 

反論などできる訳もなく、神奈子は言葉を失ってその場に立ちすくんだ。

 

「神奈子様!私のこと信用してないんですか⁉」

 

「え⁉あ…いや…それは…その…」

 

脇で早苗が神奈子を責め立てていると、突然、諏訪子がなにやら思い出したらしく、手をぽんと叩いてこう言った。

 

「そういえば早苗の“奇跡”って、二つ同時には発現できないんじゃなかったっけ?」

 

それを聞いた早苗は神奈子を突き飛ばし、

 

「あっ!そういえばそうですよ!私、二つ同時に奇跡を起こせないんですよ!」

 

と言った。

 

神奈子も「そういえばそうだった」というような顔をしたところから、守屋一家には何を意味しているのかわかるようだ。

 

だが、霊夢と魔理沙にはその意味がわからなかった。

 

霊夢は首を傾げ、口を三角にして問う。

 

「えっと…つまりどういう意味なの?その『制限』と今回の件の繋がりが見えないんだけど…」

 

神奈子が立ち上がり、ここぞとばかりに前に出て説明する。

 

「山が噴火した時、早苗は別の奇跡を起こしていたんだ。」

 

「別のって、なにをしてたんだ⁉」

 

魔理沙が霊夢と早苗達の間に入り、興味新進に目を光らせて三人に詰め寄った。

 

すると、早苗が一歩前へ出てきて、胸をふんぞりかえらせてこう応えた。

 

「よくぞ聞いてくれました!お教えしましょう!私達がやってたこと…それは…」

 

「そ…それは…⁉」

 

魔理沙が固唾を飲んだ直後の一瞬の沈黙…そして早苗の口からこんな言葉が出てきた。

 

「私達…洩矢一家の“神力の進化”です!」

 

魔理沙は感銘を受けたようだ。

 

口を『お』の字に開け、目をキラキラと輝かせている。

 

しかし霊夢はしらけた目で、楽しげに話すその二人を方手に、それを親のような眼差しで見つめる神奈子と諏訪子に再び疑問を投げる。

 

「えっと…つまり?私の解釈が正しければ、あんた達はこの山が噴火してた時、自分たちの“神の力”を更に高めようとしてた……ってわけ?」

 

「ああ。あの子ったら久々に帰ってきたと思ったら急に『力こそが信仰なり!』っていって、私達で実験してきてさ…」

 

渋々しい顔つきで話す神奈子に続いて、苦笑いを浮かべながら諏訪子が話し出した。

 

「そうそう、あれは本当に……なんとも言えない感覚を覚えたというか…どう表現したらいいのかわからないくらいに……あれだった。」

 

それを聞いた霊夢は、無表情でこう応えた。

 

「アァソウ。アンタタチジャナイノネ。ワカッタワカッタ」

 

棒読みで返すその姿からは、面倒くさいからであろう考える事を放棄していることが誰の目から見てもわかった。

 

それを見ていた神奈子と諏訪子は、ただ苦笑するしかなかった。

 

場の空気がなんとも微妙になったその時、その傍ではしゃいでいた魔理沙が、早苗と肩を組みながら三人に近寄ってきて、こんな事を言い出した。

 

「その進化した“神の力”を、あたしに見せてくれよ!」

 

魔理沙の口からその言葉が放たれた瞬間、守屋の連中は一気に真剣な顔つきになった。

 

早苗が組んでいた肩をはずし、恐ろしい話をはじめ出した。

 

「私達の“神の力”は、みな持って生まれた天性のものなんです。だからそれらの能力は本来、磨き上げることはできても、進化させることなどできるものではないんです。」

 

早苗がここまで話した時、霊夢は何かを悟ったらしく、話し出した。

 

「なるほどね…つまりあんた達がやっているのはその『理』を覆す…文字通り神の領域を犯す事をやってるわけ…ね。」

 

「ええ。その不可能を可能にする、私のこの能力…一度試してみたところ、まだ私達にはあの力を制御するのは出来ないということがわかりました。」

 

「そう…」

 

こう言った後、一旦霊夢は深呼吸をした。

 

そして、不敵な笑みを浮かべながら、早苗に近寄っていき、こう問いただした。

 

「つまり今回の噴火は、その制御出来なかった“力”が暴走した結果、こうなった…というわけね?」

 

「ええ、そうなんですよ。本当にあの力はとんでもなかっ………ハッ⁉」

 

ニヤッと笑い、早苗の肩に顔をおいて、霊夢は耳元で囁いた。

 

「やっぱり相変わらずあんたはあんたね。正直者のお・バ・カ・さん」

 

早苗の顔はその場で色を塗られたかのように真っ赤になった。

 

「これで、今回の異変は解決…といいたいところだけど…」

 

霊夢が空を仰ぐと、それにつられるように、その場にいた者も皆顔を上に向けた。

 

「この灰…ですね。」

 

早苗のその言葉に続いて、みんなも「だな」と言った。

 

「まあこれは時間が経つのを待つしかないわね。鬱陶しいけど…」

 

その日の幻想郷は一日中、空一面に灰の絨毯が広がっていた。

 

____…その日の夜…____

 

___妖怪の山 火口付近___

 

ようやく落ち着いた火山活動とは裏腹に、ここ火口では一箇所だけ、不自然に灰や溶岩が固まっていた。

 

恐らくだれの目から見てもわかるくらいにまで、その塊は人の形をしていた。

 

それに勘付いた一人の妖怪が、スキマを通してその様子をじっと見つめていた。

 

「はぁ…またあなた達なの…またリボン作らなきゃいけないじゃない…」

 

 

___妖精…か…_____


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