超かぐや姫!& ウルトラマンオメガ 〜八千年の孤独を照らす光〜 作:匿名希望s
投稿は遅くなりますが、よろしくお願いします。
一点変更なのですが、今作に登場するムナカタさん(そっくりさん)の肩書きを隊長から頭(かしら)へ変えました。ムナカタさんが隊長呼びされてるのは違和感があったので。変更点は全話修正済みです。
それでは8話『邪悪襲来』です。
どうぞ。
「あいつは……〈ゴルザ〉か!」
宮殿の外、山々の奥深くから農園の広がる平原へと進行してきた怪獣の姿に、ソラトが声を張り上げる。
武士の頭(かしら)であるムナカタたちの先導で逃げ惑う人々の流れに逆らい、ソラトは真っ直ぐゴルザへと向かって走る。
だが、途中で何かを思い出したらしく急ブレーキをかけ、大慌てで振り返った。
その視線の先に立っているのは、神功皇后とダイゴ。
「あっ! そうだ、一番大事なこと言い忘れてた!」
ソラトは二人に大きな声で告げる。
「俺が戦ってる間、かぐやを頼むな!」
「ふ……そなたは本当に、あの小さき者を大切に思っておるのだな」
「もちろん! “今の”俺の相棒で……大切な奴だから!」
それに――と、ソラトは強く大地を踏みしめた。
「守らなきゃならない『約束』がある! それを果たすまで、俺は何があっても止まらない! 前へ……これから先の未来へ進み続けるッ!」
迫り来るゴルザを前に、ソラトは頭上でオメガスラッガーを天高らかに掲げた。
眩い光の奔流がその身を包み込む。天へと昇る光の柱から飛び立ったウルトラマンオメガは、旋回しながらゴルザの眼前へと急降下した。
光を纏い、民のために戦いへ赴く戦士の背中を見届ける神功皇后。
そして皇后の傍らに控え、巨人の勇姿を目に焼き付けたダイゴの唇から、ふと呟きが漏れ出た。
「幻じゃない……あれは……! “ウルトラマン”……!」
なぜだか分からない。けれど、その言葉がダイゴの頭に直接響き渡り、思わず口をついて出ていたのだ。
平原に降り立ったオメガは、オメガスコープでゴルザの巨体を捉える。
激闘の火蓋は切って落とされた。
更にもう一人――平原の端、深き森の木陰から、ゴルザと対峙するオメガの姿を注視する黒い影があった。
「オメガ……!」
男はオメガの名を低く呟き、その黒い瞳に光の巨人の姿を映し出していた。
♢♢♢
謎の男が潜む中、オメガはゴルザとの激しい格闘戦を繰り広げていた。
(ここから先に…通すわけにはいかない!)
だが、ゴルザの怪力は凄まじい。真っ向からの押し合いで力負けしたオメガは、豪快に投げ飛ばされて平原の泥土へ叩きつけられた。
素早く立ち上がるオメガ。しかし突如、空から不穏な羽音が覆いかぶさる!
大きな翼を広げ、天空から降下してきたもう一体の超古代竜――〈メルバ〉の強襲だ!
(あれは…メルバか!)
地響きを立て、平原に並び立つゴルザとメルバ。
強力な二大怪獣を前に、オメガ=ソラトは自らが握る手札を切る決断を下した。
(こなったら…やるしかないか!)
膝をついていたオメガが勢いよく立ち上がった直後、その全身が眩い青の光に包まれる。
光が弾け飛ぶと同時に現れたのは、重厚な青龍の装甲を纏いしオメガの姿だった。
ウルトラマンオメガ レキネスアーマー。青き龍の鎧を纏った巨人の勇姿に、神功皇后とダイゴが息を呑む。
「なんだあれ…鎧!? 妖術か!?」
「は〜〜っ……これまた、すんごいことになりおったな……!」
民の避難誘導にあたっていたシンジョウとホリイも驚愕の声を上げる。
その中でムナカタだけは、一人無言で青龍の鎧を纏ったオメガの背中を見つめていた。皇后の言葉を信じつつも、自分自身の目で巨人――ソラトの本質を見極めようとする眼差しだった。
「民の避難が完了しました! もう外に残っているのは僕たちだけです!」
駆けつけたヤズミの報告に、ムナカタは深く頷いた。
レキネスアーマーを纏ったオメガは、すぐさま念動力の力を解き放ち、空を飛ぶメルバを強引に地面へ叩き落とす。
ゴルザの剛腕から繰り出される叩きつけを腕のアーマーで防ぎ、手にしたレキネスカリバーで斬りつけるが、流石はゴルザ。強固な表皮は容易に刃を通さない。
それでもオメガは諦めず、全身の力を込めて刃を押し込み、ゴルザを斬り伏せて地に倒した。
体勢を立て直したメルバが、目から山吹色の破壊光弾を発射!
左肩の装甲でそれを防ぎ難を逃れたが、その隙にゴルザが再び立ち上がり、巨体で突進してくる。
オメガはレキネスカリバーの柄頭を迫るゴルザへ向け、強力な念動波でその動きをピタリと封じ込めた!
更に突進してきたメルバへ前蹴りを叩き込み、怯ませる。
絶えず一体の動きを止め、無理矢理にでも『一対一』の状況を作り出す――積み重ねた激戦の経験と場数が、オメガの圧倒的な戦闘技術となっていた。
(おらよっと!)
メルバが再び放った破壊光弾すらも、レキネスカリバーの刀身で易々と弾き返す。
驚くメルバを他所に、オメガは刀身に青いオーラを滾らせた。
(これで決める!)
高速連続斬り―――レキネスカリバー・コンティニュアスが、メルバの両翼を斬り裂いて飛行能力を奪い、畳みかける連撃が翼竜を内側から爆砕させた!
爆煙の中、オメガはレキネスアーマーを解除。
束縛が解け、猛然と襲いかかってきたゴルザの頭部へ強烈な上段回し蹴りを叩き込み、地面に薙ぎ倒す。
(もういっちょ!)
次の瞬間、オメガの身体を眩い黄色の光が包み込んだ。
光の中から現れたのは、右腕に漆黒の鉤爪を宿した白虎の鎧を纏ったオメガ――ウルトラマンオメガ トライガロンアーマー。
――目にも留まらぬ超スピード!
高速移動でゴルザの剛腕をことごとく回避する。力自慢のゴルザでは、今のオメガの俊敏な動きに全く追いつけない。
距離を取ったオメガは、右腕の爪『トライガロンクロー』に黄金のオーラを集中させる。
ゴルザが額から紫の超音波光線を放つが、オメガは残像を残しながらそれを容易く回避。四方八方から何度もゴルザを切り裂いていく!
(これで…終わりだ!)
トライガロンクロー・マキシマムーブ。そのラスト一発――すれ違いざまの爪撃がゴルザの脇腹を深く抉り抜き、ゴルザもまた爆発の中で散ったのだった。
『やった〜〜っ! さっすがソラト!』
一部始終を見守っていたレナの手の上で、かぐやが跳ね回って喜ぶ。
かぐやの思いがけないカミングアウトに、レナは「えっ……!?」と目を丸くするが、興奮するかぐやの目には入っていない。
だが……二大怪獣との連続戦闘に加え、二連続のアーマーチェンジ。オメガの体力はすでに限界に達していた。胸のカラータイマーが青から赤へ変わり、危険を告げる点滅を早めていく。
それを見た森の男は、これを待っていた…!そう言わんばかりに静かにほくそ笑んだ。
男が天へ手をかざすと、その手から怪しく光る紫の波動が打ち上げられた。
瞬く間に空が暗転し、禍々しい暗雲が世界を黒く染め上げていく。
♢♢♢
ゴルザとメルバを退け、安堵したのも束の間。一気に広がった黒雲が辺りを覆い尽くし、重苦しく嫌な気配が立ち込める。
「……!?」
邪悪な何かの接近を察知し、オメガはトライガロンクローを構えて天を仰いだ。
暗雲を切り裂き、空から降り立つ巨大な影。
闇の中で、邪悪なひとつの眼が怪しく発光する。
その姿を目にした神功皇后は息を呑んで戦慄し、ダイゴも主を守らんと身構えた。
神功皇后から話を聞いていた誰もが、その一つ目の正体を瞬時に理解した。
降臨せしその異形――『赤目様』。
真なる名は、悪夢魔獣(ナイトファング)。
「バカな……! 皆既日食もなしにか!?」
その光景にムナカタが声を荒らげる。そして、即座に決断を下した。
「民たちをもっと宮殿の奥へ退避させろ! 俺は皇后様と合流する! 急げ!」
「は、はい! ホリイ、ヤズミ、行くぞ!」
「了解や! 頭(かしら)、無茶しんといてくださいよ……!」
シンジョウ、ホリイ、ヤズミが民の元へと急行する。
彼らを見送り、ムナカタは一人真逆の方向――皇后の元へ向かって刀を抜き放った。
「お前たちもな……!」
恐ろしさがないと言えば嘘になる。しかし、皇后様より武士たちを束ねる『頭』として任された誇りを胸に、ムナカタは恐怖をねじ伏せ、己を奮い立たせた。
「皇后様、今参ります!」
臣下として、武士として、神功皇后の元へと駆け出すムナカタ。
「おーい、レナ! 子供たちは!?」
「みんな避難させたよ! ダイゴと皇后様は……!?」
「今、頭(かしら)が迎えに行っとる! 民はシンジョウとヤズミが奥へ誘導しとる!自分らも早く行かな、もう何が起こるか……!」
焦色を隠せないホリイ。
「って、あの大食い男はどこ行っとんねん!」
『ソラトがオメガなんだよ!』
「おめ……? なんやて……!? ……あいつが、あの巨人ちゅうことか!」
ホリイの頭の中で、すべてのピースがカチリと合わさった。
「そういうことか……! だから皇后様はあいつを……って、今は納得しとる場合やない! そないことなら、なおさら早よ避難するで!」
『でも、ソラトが……! かぐや、ソラトのところに行ってくる!』
レナの手から飛び出そうとするかぐやに、ホリイが真剣な目を向ける。
「アホ言うな! ワイらがここでウロチョロしとったら、あいつも気が散ってまともに戦えへんやろ! 今あいつを思うなら、ワイらは退くしかないんや!」
その時、ホリイの脳裏に強い確信の言葉が浮かび上がった。
「大丈夫や……"ウルトラマン"は死んだりせえへん!」
ホリイの言葉に、かぐやの瞳が揺れる。
「ええな! 行くで!」
『……ソラト……!』
走るレナの手の中で、かぐやは祈るように振り返り、オメガの背中を見つめ続けていた。
♢♢♢
オメガとナイトファングの死闘が始まった。
だが、ナイトファングの口から放たれた灼熱の火球を直撃し、オメガのトライガロンアーマーが弾け飛ぶように消滅してしまう!
(くっ……!)
膝をつくオメガ。残されたエネルギーは、もう風前の灯火だ。
それでも目の前の敵を止めるため、最後の力を振り絞って、今出せる渾身の力でレティクリュート光線を放つが、ナイトファングは光線に被弾し続けながらも凄まじい突進で突き進み、至近距離から禍々しい猛攻を叩き込んできた。
(こんっの……!)
オメガは頭部のオメガスラッガーを握って斬りかかるが、ナイトファングの硬い腕に一撃を弾き返され、スラッガーが地面へ突き刺さる。
(っ…!やばい……!)
ナイトファングの触手がオメガの首へ巻きつき、締め上げる。
もがくオメガ。胸のカラータイマーの点滅が激しさを増し、終焉を告げる。
次の瞬間――!
ナイトファングの開かれた凶眼から、狂気の紫の波動が放射された。
(くっ…ああ……!)
直撃を受けたオメガの腕からだらりと力が抜け、瞳の光が消えていく。
(か…ぐや………)
深い深い「悪夢」の中へと引きずり込まれたオメガ=ソラトは、地響きと共に大地へと倒れ伏した。
バタン!と力なく倒れたオメガを目に、現代服の男は歪んだ笑みを浮かべる。
「……イ・レーヴォ・ゲネス」
男の呟きが暗闇に響く。
ダイゴたちが知らないはずの「ウルトラマン」の名を知っているのは、並行世界の記憶と知らぬうちにアクセスしたからです。
『大決戦!超ウルトラ8兄弟』を意識して、違和感はそこまでないかな?と思い採用しました。
ダイゴの「あれは…ウルトラマン!」の台詞は超ウルトラ8兄弟の台詞のオマージュ。ホリイの「ウルトラマンは死んだりせえへん」の台詞はウルトラマンダイナ『滅びの微笑』でゲスト出演したときのオマージュです。
この作品、面白いですか?
-
面白い
-
つまらない
-
どちらとも言えない