「いいですか皆さん! これまでの度重なる他社パロディ、コンプライアンス無視の暴走、そして何よりブーディカさんやネロさんの胃や歯茎を破壊した数々のハジケ行為……! カルデアの風紀と著作権保護のため、全員しっかり反省文を書いていただきます!」
カルデアの大会議室。
眼鏡をキラリと光らせたマシュ・キリエライトが、うずたかく積まれた原稿用紙と反省文フォーマットをドンッ!と机に叩きつけた。
机を囲んでいるのは、正座させられたアンデルセン、葛飾北斎、謎のヒロインX、キングプロテア、宮本武蔵、アルトリア・ペンドラゴン、そしてなぜか巻き込まれたボボボーボ・ボーボボ、首領パッチ、天の助たちハジケリスト一味である。
「ぬぬぅ……『二度と乾特製野菜汁を自販売機に仕込みません』って、100回書かされたぬ……指がトコロテンになりそうだぬ……」
天の助が泣き言を漏らす。
「黙って書けクソトコロテン! 俺なんか『宇宙刑事ギャバンの蒸着プロセスを無断で再現しません』って漢字で50ページだぞ! 漢字が多すぎて頭がパーンしそうだぜ!」
首領パッチが鉛筆をへし折りながら暴れる。
「……ふう、よし。みんなが真面目に反省文を書いているようで何よりです。これにてカルデアの平和も保たれ……」
と、マシュが安堵の息を漏らそうとした、その時――!
ゴロッ……ゴボボボボッ!
「き、キャッ!? な、なんですか……急に喉の奥が熱くて、胸の奥が怪しく変色して……っ!?」
マシュが突如として胸を押さえ、喉を鳴らして苦しみ出した!
その口元からは、なんと怪しい紫色の禍々しい粒子がボタボタと溢れ出している!
『警告! 警告! マシュ・キリエライトの体内に、本日三度目となる超高濃度超時空特異点が発生! 繰り返します、マシュの喉の奥が謎の異空間へ変貌中!』
指令室からダ・ヴィンチちゃんの悲鳴に近いアナウンスが響き渡る!
「な、なんだってー!? 今度は真面目にお説教していたマシュの体内に特異点が!?」
藤丸立香が椅子から飛び起きる!
「フッ……反省文の執筆から逃れられる絶好のチャンス! 救出という名目で突入しますよ!」
ヒロインXが聖剣を抜く!
「待て! マシュのピンチだ、俺たちも行くぞ!」
ミクロ化光線を速攻で浴びた立香、ヒロインX、武蔵、アルトリア、ボーボボ一味は、苦しむマシュの大きく開かれたお口の中へとダイブした!
【マシュの口腔内〜喉奥・特異点空間】
「うわああぁぁぁぁぁっ!?」
粘液の滑り台を吹き飛ばされ、立香たちが辿り着いたマシュの喉の奥。
しかし、そこに広がっていたのは……ピンク色の正常な粘膜などではなく、赤と黒の渦が巻く不気味で禍々しい次元の歪み――そう、まるで昔の特撮ヒーロー(宇宙刑事シリーズ)で怪獣が三倍強くなる**『魔空空間』**そのものであった!
「な、なんですかここは!? マシュの喉の奥が完全に特撮の『魔空空間』に変化しています!」
立香が全方位を見回して絶叫する!
「風が……歪んでいるな。ここでは我らの攻撃力やハジケ度が通常の半分に抑えられ、敵の属性が三倍に跳ね上がる予感がするぞ!」
宮本武蔵が二刀を構えて警戒する!
「ジャジャジャジャ〜〜〜ン!! 待っていたぞ、カルデアのゴミクズども! そして俺の細菌兵器をバカにしてくれた奴らめぁぁぁっ!」
魔空空間の闇を切り裂き、高台の壇上に光り輝く玉座とともに現れたのは――
かつてバイキン軍団を率いて惨敗し、リベンジの機会を虎視眈々と狙っていた悪の科学者――**『ドクターバイキン王』**だ!
「ドクターバイキン王! お前、しぶとくマシュの喉の奥に潜伏していたのか!?」
ビュティがツッコむ!
「フハハハ! 今度の俺は一味違うぞ! 過去の敗北を糧に、俺は暗黒の深淵から伝説の魔剣を手に入れたのだ! 見よ、これぞ全てを切り裂く絶望の刃!」
ドクターバイキン王が掲げたのは、漆黒の刀身に禍々しい紫のルーン文字が刻まれた、禍々しさ全開の巨大な宝具――**『魔剣ラグナロク』**!!
ズゴオォォォォォン!!
「な、なんですかあの剣は!? 禍々しい魔力が魔空空間の補正を受けて三倍……いや十倍に跳ね上がっています!」
アルトリアがエクスカリバー(※今回は普通の手持ちサイズ)を構え直し、緊張を走らせる!
「ハハハハ! この魔剣ラグナロクの力で、マシュの喉を内側から破壊し、カルデアを闇のバイキン帝国へと変えてやるわ! 行け、ラグナロクの暗黒斬撃!!」
ドクターバイキン王が魔剣ラグナロクを振り下ろすと、魔空空間の歪みと合体した巨大な漆黒の波動が、立香たちに襲いかかる!
折り返し地点となる第13話! マシュの喉奥に広がる魔空空間と、魔剣ラグナロクを手にしたドクターバイキン王の圧倒的暴力!
技もハジケも半減された絶望的な状況で、立香たちはこの最大の危機を突破できるのか!?
大爆笑と波乱の後半へ続く!
「ハハハハハ! どうだカルデアの虫ケラども! この『魔空空間』においては、我が魔剣ラグナロクの威力は3倍! いや、300倍だぁぁぁッ! 貴様らのハジケ技も、聖剣の輝きも、この空間の前では全て無力と知れ!」
ドクターバイキン王が暗黒の魔剣ラグナロクを大上段に振りかざす!
漆黒の衝撃波がマシュの喉の粘膜(魔空空間)を激しく揺らし、立香たちを吹き飛ばす!
「くっ……! 空間そのものがバイキン王の魔力を増幅している! このままじゃマシュの喉が蜂の巣になっちゃうよ!」
立香が必死に体勢を整えながら叫ぶ!
「ぬわぁぁぁぁっ! 私のトコロテンボディが魔空空間の磁力でカチカチの寒天になっちゃうぬーッ!」
天の助が叫びながら転がり、首領パッチが「お前は最初から固まってろ!」と蹴り飛ばす!
絶体絶命のピンチ――その時!
魔空空間の歪んだ暗黒の空(マシュの口腔上部)が、眩い純白の光によって力づくでこじ開けられた!
『シュピーン!!』
「**月は出ているか……!?**」
「「「ええーーーーーっ!??!?」」」
闇を切り裂いて降臨したのは――謎のヒロインX!
……だが、その背中にはなぜか、どこかで見たことのある巨大な黄金のリフレクターと、二本の極太な砲身――そう、某・ロボットアニメに登場する超破壊兵器**『ツインサテライトキャノン』**がバッチリと装着されていた!
「ヒ、ヒロインX!? なんで背中にガンダムダブルエックスのツインサテライトキャノン背負ってるのよーーーっ!?」
ビュティの悲鳴のようなツッコミが響き渡る!
「フッ……説明している時間はありません! セイバーを絶滅させるためなら、私は宇宙のどんな超兵器でも着こなしてみせます! プロテア、発射体勢の固定(アンカー)を頼みます!」
「……うん、任せて……!」
超巨大化したキングプロテアが、両手でヒロインXの腰と背中のユニットをがっちりと抱え込み、大地(マシュの喉)に仁王立ちして反動を抑える完璧な射撃スタンスをとった!
「な、なんだあの物騒な大砲はぁぁぁっ!? ここはマシュの喉の中だぞ! そんな大砲撃ったら喉ごと吹き飛ぶぞ!?」
ドクターバイキン王が青ざめて叫ぶ!
その瞬間、マシュの口の外(現実世界)から、怪しげな超高周波の光線が口腔内へ届いた!
『マイクロウェーブ、送信開始!』
ピキピキピキ――ッ!
ヒロインXの背中のツインサテライトキャノンのリフレクターが黄金色に輝き、圧倒的なエネルギーを満タンに充填していく!
「エネルギー充填率120%……! ターゲット、ドクターバイキン王および魔剣ラグナロク! **ツインサテライトキャノン、発射ぁぁぁぁぁッ!!**」
ズガガガガガガガガガガギーン!!!!!
二本の砲身から解き放たれた超高出力の閃光ビームが、魔空空間を真っ二つに切り裂いて突進!
「グワァァァァァッ!? 喉の中でマイクロウェーブを受信して撃つ奴があるかぁぁぁぁぁッ!!」
ドクターバイキン王の叫びも虚しく、魔剣ラグナロクごと閃光の中に呑み込まれ、一瞬で消滅!
魔空空間は跡形もなく消滅し、マシュの喉の中には平和で綺麗なピンク色の粘膜が戻ってきたのだった!
【数時間後・カルデアの会議室】
「……ふう、無事に全員生還できて良かった……」
立香がホッと胸を撫で下ろす。
しかし、会議室の空気は、これまでで最も重く、冷え切っていた。
喉の激痛から解放されたマシュが、おでこに青筋を立て、手帳と「ガンダムシリーズ機密兵器使用許可書」を机にドカンと叩きつけた。
「……ヒロインXさん。キングプロテアさん」
「ひっ……!」(ヒロインX)
「……ごめんなさい……」(キングプロテア)
「いくらドクターバイキン王を倒すためとはいえ! 私の喉の奥で勝手にマイクロウェーブを受信し、ツインサテライトキャノンをぶっ放すなんて……私の身体を何だと思っているんですかーーーっ!!」
マシュの大噴火お説教が炸裂!
「しかも、反省文を書かせる立場だった私が特異点化して皆さんにご迷惑をおかけしたことも含め……今日は全員、反省文を100ページ追加です!!」
「「「ええーーーーーっ!??!?」」」
会議室に絶望の悲鳴がこだまする。
正座したまま半泣きでペンを走らせるヒロインX、プロテア、アンデルセン、北斎、そしてボーボボ一味。
「あはは……まあ、折り返し地点で色々と大変だったけど、無事に解決して良かったよ」
苦笑いを浮かべながら、原稿用紙に向かうみんなの姿を見守る立香。
しかし、その瞳の奥には、どこか遠くを見つめるような真剣な光が宿っていた。
(ブーディカさんやネロちゃまの体内特異点、バイヤンやバイキン王のリベンジ……カルデアでのドタバタは絶えないけれど。……僕たちの本当の戦いは、マルハーゲ帝国との決着だ)
立香は静かに拳を握りしめる。
ツッコミとハジケとハチャメチャなカオスが渦巻くこの旅路の先に待つ、マルハーゲ帝国との最終決戦――。
「よしっ! 僕もみんなと一緒に、反省文を書いて応援するぞ!」
「なんでマスターまで書くぬーーーっ!?」
天の助の最後の一言ツッコミが響き渡り、物語は折り返しを過ぎ、さらなる激闘と爆笑の後半戦へと突き進むのであった!
(第13話・完! 第14話へ続く!)