カルデアハジケまつり   作:騎士誠一郎

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奥義15 渋谷のモアイは爆熱ゴッドフィンガーで砕くに限る! byギルガメッシュ

「いいですか!? 聖女たる私の腹を破壊したのみならず、焼肉という神聖なる食の儀式において『焦げたカルビをタレに3連バウンドさせて白飯と一緒に口へ放り込む』などという野蛮極まりない行為……! これはカルデアの食育指導およびコンプライアンス的に断じて見過ごせません!!」

「ええ、そうですわ! 焼肉とは愛と調和のハーモニー! 焦げたホルモンを炎上させてファイアーダンスをするなど、食材に対する冒涜であり、愛の欠如以外の何物でもありませんわッ!!」

カルデアの大食堂の片隅にて。

正座させられたボーボボ、首領パッチ、天の助、ヘッポコ丸、そしてマスターである藤丸立香の頭上から、マルタの雷鳴のような説教と、清姫の怨念が籠もった怒声が降り注いでいた。

「うぅ……もうお腹いっぱいで動けないところに、この正論の二重奏は効くぬ……。トコロテンの角が全部丸くなっちゃうぬ……」

天の助が床にへたり込みながら涙を流す。

「だいたいなぁ! お前らの焼肉のルールが厳しすぎるから『ペナル茶』を飲ませたんだろーが! 5秒以上焼いたらタラスクの刑なんて、どんなディストピアだよッ!」

首領パッチが半泣きで反論するが、マルタのギラリと光る眼光に射抜かれ、一瞬で「すみませんでしたぁぁッ!」と土下座スタイルに逆戻りした。

「反省のの色が見えませんわね……! よろしい、ならば朝まで『正しいタン塩の返し方』についてじっくり講義をして差し上げますわ!」

清姫が扇子をバッと広げ、目が1ミリも笑っていない笑顔で詰め寄る!

「ひぇぇぇぇっ! 助けてマシュ〜〜〜ッ!」

立香が助けを求めて振り返るが、マシュは「マスター、今回ばかりは自業自得です」と、眼鏡をクイッと上げて優しく微笑むだけだった。

――と、その時である!

『ビビビビビビビッ! 警報! 警報! 東京・渋谷の中心地にて、突如として超高濃度の魔力反応および局地特異点を検知! 繰り返します、渋谷がヤバいです!』

通信画面に飛び込んできたダ・ヴィンチちゃんが、焦りを色濃く滲ませて叫んだ!

「な、なんだってー!? 渋谷に新たな特異点が発生したってのか!?」

立香が救いの船を得たように立ち上がる!

「ふぅ……説教の途中ですが、マスターの危機とあらば出撃せざるを得ませんね。命拾いしましたね、ハジケリストの皆さん」

マルタがチッと舌打ちをしつつ、拳をゴキゴキと鳴らした。

「助かったぁぁぁぁッ!! 特異点バンザイ!!」

首領パッチと天の助が泣いて喜びながら、レイシフト装置へと突進した!

【渋谷・スクランブル交差点】

レイシフトの光が収まり、立香たちが足を踏み入れたのは――かつて若者の熱気で溢れていた街、渋谷。

しかし、そこに広がっていたのは見慣れたファッションビルや巨大スクリーンの街並みではなかった。

空は赤と黒の狂ったような渦を描いて歪み、建物の壁面やアスファルトは怪しく明滅している!

「くっ……! この空気の歪み、重力感の変容……! マシュの喉の奥の時と同じです!」

立香が息を呑む。

「……間違いないわ。ここは、あらゆるサーヴァントの攻撃力を半減させ、敵の属性を三倍に跳ね上げる悪夢の異空間――**『魔空空間』**よ!」

ビュティが叫ぶ!

「フハハハハハ! よくぞ来たな、カルデアの虫ケラども! そしてこの美しきナニワの商魂を邪魔したハジケリストどもめぁぁぁッ!」

魔空空間と化したスクランブル交差点の中央。ハチ公像のすぐ横で、高笑いを上げながら鎮座していたのは――

「「「モ、モアイーーーーーっ!??!?」」」

なんと、高さ十メートルはあろうかという巨体を誇り、無機質なイースター島の石像そのものの姿をした**『巨大モアイ像』**であった!

「ジャハハハ! 驚いたか! 我はなにわ特異点で吹き飛んだバイヤンの怨念と、SFゲームのパロディ精神が融合して生まれた、魔空都市渋谷の支配者・『モアイ・ザ・シャイニング』なり!」

モアイ像がギギギと不気味な重低音を響かせて喋り出す!

「モアイが喋ったぁぁぁぁッ!? 渋谷の真ん中にモアイが降臨して威張ってるんじゃねえよ!」

ヘッポコ丸の鋭いツッコミが響く!

「フン、口ほどにもない! このような石像、余の愛剣で一刀両断にしてくれるわ!」

ネロちゃまが『原初に開く帝冠』を構えて果敢に躍り出た!

だが、モアイ像の口がガバッと大きく開いた瞬間――!

『イオンリング・レーザー、発射ぁぁぁぁッ!!』

ズゴオォォォォォォォン!!!!!

「ぬわぁぁぁぁぁっ!?」

モアイの口から放たれたのは、某・有名横スクロールシューティングゲームでおなじみの、リング状の極太レーザー光線!

魔空空間の三倍補正を受けたレーザーの威猛は凄まじく、一撃でネロちゃまの剣を吹き飛ばし、後方のビル群を一瞬で蒸発させた!

「な、なんですかあの光線は!? レーザーの形状が完全に『グラディウス』のモアイのイオンリングです!」

マシュがデシュールドを構えて前に出るが、衝撃波だけで足元が削られていく!

「ハハハハ! くらえ、全方位モアイ・レーザー連射ぁぁぁッ!」

ズバババババババッ!!

口から、目から、鼻の穴から怒涛の勢いで繰り出されるイオンリングとビームの嵐!

魔空空間の悪影響により、立香たちの動きは重く、サーヴァントたちの宝具の威力も半減! 圧倒的な火力の前に、一行は逃げ惑うことしかできない!

「くっ……! 攻撃が途切れない! このままじゃ全員レーザーの露と消えちゃうよ!」

立香の悲鳴が、モアイの放つレーザーの爆音にかき消されていく!

絶体絶命の渋谷・魔空空間!

圧倒的火力を誇る謎の巨大モアイを前に、ハジケリストたちとカルデア一行はこの危機をどう突破するのか!?

大爆笑とカオスの後半へ続く!

 

「ハッハッハッハ! どうしたカルデアの虫ケラども! 誇り高き『イオンリング・レーザー』の連射の前にひれ伏すがいい! 魔空空間の補正で我が攻撃力は三倍! 貴様らのハジケ技など、この石の皮膚を掠めることすらできんわッ!」

ドガガガガガガガガガガッ!!

渋谷スクランブル交差点のど真ん中に鎮座する巨大モアイ『モアイ・ザ・シャイニング』の口、目、そして巨大な鼻の穴から繰り出される無限のイオンリング・レーザー!

魔空空間の重圧により、立香たちの足取りは鉛のように重く、前に進むことすら叶わない!

「ぬわぁぁぁぁっ! イオンリングが私のトコロテンボディを輪切りにして、ただの『イカリング』に変えようとしてくるぬーッ!」

天の助がリングに挟まれてジタバタと暴れる!

「だぁぁぁっ! 鬱陶しい石像だな! 俺様の『パッチ針』で穴だらけにしてやるぜ!」

首領パッチが飛びかかるが、カチカチのモアイの皮膚に弾かれてあえなく撃沈!

「くっ……! 攻撃の隙がない……! このままでは魔空空間の磁場に押し潰されてしまう!」

立香がマシュのシールドの影で必死に耐えるが、圧倒的な火力の前に全滅は時間の問題かに思えた――その時である!

『流派・東方不敗は! 王者の風よ! 全新系烈! 天魔雄躍! 見よ、東方は赤く燃えているぅぅぅぅッ!!』

突然、狂った魔空空間の赤黒い空を突き破り、上空から黄金の眩い閃光が降り注いだ!

「「「ええーーーーーっ!?!? なにその口上ーーーーーっ!?!?」」」

ビュティとヘッポコ丸の絶叫が響き渡る中、光の中から姿を現したのは――なんと、黄金の甲冑を眩しく輝かせ、腕組みをして仁王立ちする英雄王・**ギルガメッシュ**!

しかもその姿は、なぜか某・機動武闘伝Gガンダムのキング・オブ・ハートの熱血オーラを全身から爆発させていた!

「雑種どもよ! 立ち上がれッ! 己が魂の熱気を見せんで何がマスターか、何がサーヴァントかッ!」

ギルガメッシュが右腕を天高く掲げると、その手が真っ赤に、そして黄金色に燃え上がった!

「な、なんだあの輝きはぁぁぁっ!? ギルガメッシュ王が完全に武闘家の顔になっている!?」

立香が目を丸くする!

「我が手足が真っ赤に燃える! 雑種を粉砕しろと強烈に叫ぶッ!!」

ギルガメッシュが地上へ激しく着地! 地煙を巻き上げながら、右手を巨大モアイの顔面へと突き出す!

「**ばぁぁぁぁぁぁく熱ッ! ゴォォォォォッド! フィンガァァァァァァァァッ!!**」

ズドォォォォォォォォォォン!!!!!

「グハァッ!??! な、なんだこの熱量はぁぁぁっ!? 我の石の皮膚が、イオンリングが、分子レベルで溶けていくぅぅぅっ!?」

黄金の掌圧がモアイの顔面を完璧に掴み、超高温の熱気がモアイの体内を駆け巡る!

魔空空間の三倍補正すらも力づくでねじ伏せる、圧倒的な熱血の暴力!

「ヒィィィィツ! 覚悟せよ! これぞ……**石破天驚拳**の応用なるぞッ! **ゴッドフィンガー・ヒート・エンドォォォォッ!!**」

ドッッッカーーーーーーーーーン!!!!!

爆熱の衝撃波が突き抜け、巨大モアイは内部から大爆発!

閃光とともにモアイ・ザ・シャイニングは粉々に砕け散り、歪んでいた渋谷の魔空空間は一瞬で解除され、元の若者の街へと戻ったのだった!

【特異点修復後・渋谷ハチ公前】

「ハッハッハ! 見たか雑種! この我の熱き拳の前に倒せぬ敵など存在せぬわ!」

高笑いを上げるギルガメッシュ。

だが、そんな勝利の余韻を切り裂くように、ズシン……ズシン……と重い足音が近づいてきた。

そこに立っていたのは、眉間に恐ろしいシワを寄せ、手帳を握りしめたマシュ・キリエライトであった。

「……ギルガメッシュ王」

「ん? なんだ雑種(妹)よ、我の勇姿に見とれたか?」

「**見とれるわけがありませんッ!!**」

マシュの雷鳴のような怒声が渋谷に響き渡る!

「いくら特異点を修復するためとはいえ! 宝具の『ゲート・オブ・バビロン』を使わずに他社の『爆熱ゴッドフィンガー』を完コピして繰り出すなど、著作権的にもサーヴァントの枠組み的にも大問題です! 徹底的にお説教を行います!!」

「う、む……!? な、何を怒っておるのだお前は……! 我は助けてやったのだぞ!?」

王者の威厳もどこへやら、マシュの圧倒的な正論と風紀委員長パワーの前に、あのギルガメッシュすらタジタジになって正座させられる!

「だいたいですね! 先ほどの口上もテンポが良すぎて完全にノリノリでした! 反省してください!」

「くっ……まさか我がこのような場所で説教を受けるとは……」

怒りに満ちた表情で、ハ熱弁を振るうマシュ。

「……ふぅ。いいですか、これからは――」

お説教の熱熱が最高潮に達し、マシュが大きく口を開けた、その瞬間!

はぁぁぁぁぁぁ……っ(吐息)。

「「「……っ!??!?」」」

マシュの口から漏れ出たその吐息に乗って、周囲一帯に漂ったのは――

先ほどの焼肉大会で大量に摂取した、**圧倒的かつ濃厚な『ニンニク』の超強烈な香ばしい匂い**であった!!

「……あ」

マシュがハッと息を呑み、自らの手で口元を覆う。

「「「……に、ニンニク臭ぇぇぇぇぇぇぇぇっ!??!」」」

立香、ギルガメッシュ、ボーボボ、そしてハジケリスト全員が鼻をつまんでのけぞる!

「マ、マシュ……!? きみ、さっきの焼肉で青森県産ニンニクホイル焼きを一人で3皿食べてたよね……!?」

立香が目を点にしてツッコむ!

「す、凄まじい……! 聖剣の輝きをも打ち消すほどの強烈なニンニクの波動……! これぞ真の『魔空空間』ではないか!?」

正座していたギルガメッシュが鼻を押さえながら絶叫する!

「違います! これはブーディカさんが作った特製ニンニクダレが美味しかったからで……! あ、あの、皆さんそんな目で見ないでくださいぃぃぃっ!」

顔を真っ赤にしたマシュが、恥ずかしさのあまりシールドを抱えてその場にしゃがみ込む!

説教の威厳が一瞬でニンニクの臭いによって崩壊し、爆笑とカオスに包まれた渋谷の夜。

立香たちのハチャメチャな特異点修復の旅は、ニンニクの余韻を残したまま、さらなる後半戦へと続いていくのであった!

(第15話・完! 第16話へ続く!)

 

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