「……というわけでマスター。『炒飯』とは強火の炎と中華鍋の油が織りなす熱き芸術! 呼び方ひとつにも料理人へのリスペクトを込めるべきなのです!」
「は、はいマシュ……! 次から絶対に『炒飯』って表記で注文します……!」
横浜中華街でのマシュの理不尽かつ熱烈な中華ツッコミの嵐から一夜。
カルデアのレイシフトルームでは、前回のダメージを引きずる藤丸立香と、反省文の書きすぎで指がシワシワになったボーボボ一味が、へたり込むように床に転がっていた。
「ぬぅぅ……横浜の中華も美味しかったけど、マシュのお説教の後味しか残ってないぬ……。僕のトコロテンボディがすっかり『杏仁豆腐』に改名させられそうだぬ……」
天の助が泣き言を漏らす。
「黙れクソトコロテン! 俺なんか『スプラトゥーンのパロディは二度と行いません』って漢字で一万字だぞ! パッチ族の誇りがズタズタだぜ!」
首領パッチが頭を抱えてのた打ち回る。
「あはは……みんな本当にお疲れ様。でも、これでカルデアの平和も保たれたし、しばらくは平和な日常が――」
『ビビビビビビビッ! 警報! 警報! 東京都・秋葉原の中心地にて、過去例を見ない超高密度の炎上エネルギーおよび局地特異点が発生! オタクの聖地が消滅の危機です!』
通信画面に飛び込んできたダ・ヴィンチちゃんが、髪を振り乱しながら絶叫した!
「な、なんだってー!? 今度はオタクの聖地・秋葉原が特異点に!?」
立香が弾かれたように飛び起きる!
「秋葉原だと……!? 俺様の『パッチ族限定萌え抱き枕カバー』の発売日だぞ! 壊滅されてたまるかぁぁぁッ!」
首領パッチが目の色を変えてレイシフトボタンを連打した!
【秋葉原・中央通り】
レイシフトの光とともに、立香、マシュ、ボーボボ、首領パッチ、天の助、ヘッポコ丸たちが降り立ったのは――オタク文化の爆心地、秋葉原。
しかし、そこに広がる光景はあまりにも異様であった。
アニメの看板や萌え絵のポスター、メイドカフェのノボリは全て黒塗りされ、街中に巨大な「表現規制」「不適切」「配慮不足」の不穏な看板が立ち並び、空気中には重苦しい糾弾のオーラが渦巻いていた!
「くっ……! 萌え絵のポスターが全部『無地の白い紙』に貼り替えられている……!? 秋葉原の色彩が失われちゃってるよ!」
立香が息を呑む。
「フハハハハハ! 遅かったな、カルデアの有害図書どもめッ!」
中央通りの歩行者天国の中破したステージの上。
プラカードを掲げ、怒号を上げながら鎮座していたのは――
「「「我ら、表現の自由を監視し、あらゆるオタク文化を糾弾する悪の組織――**『フェミニスト軍団(クレーム・カーテル)』**なりッ!!」」」
「フェミニスト軍団だとーーーーーッ!??!?」
ビュティとヘッポコ丸の絶叫がアキバの空に響き渡る!
「ハッハッハ! この街の萌えアニメ、美少女フィギュア、露出度の高いコスプレ衣装、そして同人誌の表紙に至るまで、全て『不適切』として撤去・規制させてもらった! これより秋葉原は、極めて健全で無菌室のような『清廉潔白都市』へと生まれ変わるのだッ!」
「なんだとぉぉぉッ!? 露出度の高いコスプレが規制されたら、俺様のビキニ姿はどうなるんだぁぁぁッ!」
首領パッチがビキニ姿になって激怒する!
「お前の露出はただの公然わいせつ罪だろーーーーーッ!!」
ビュティの容赦ないツッコミが炸裂!
「問答無用! 行け、SNS炎上bot&文句書き込み軍団! あいつらの『ハジケ行為』を不適切動画として通報し、アカウントを永久凍結(BAN)させろッ!」
「「「炎上! 拡散! 炎上! 炎上ぉぉぉぉッ!!」」」
無数の炎上botが、画面に「炎上」「不適切」「謝罪会見要求」の文字を点滅させながら、猛烈な勢いでネット上の誹謗中傷ビームを放ってきた!
「くそっ! 俺様の『毛の王国』の伝統芸能で返り討ちにしてやるぜ! **鼻毛真拳奥義・鼻毛大車輪ッ!**」
ボーボボが鼻毛を高速回転させてビームを防ごうとする!
しかし――!
『ピピピッ! 鼻毛の露出および公衆衛生上の不配慮! 規約違反により攻撃力99%カット!』
「なにっ!? 鼻毛真拳が『不潔』という理由で無効化されただとぉぉぉッ!?」
ボーボボが驚愕の声を上げる!
「僕の『トコロテン鉄拳』もッ! **トコロテン真拳奥義・プルプル大爆破ッ!**」
天の助が突撃する!
『ピピピッ! 食べ物を粗末にする行為! 食育的観点から不適切! 判定:即時削除(BAN)!』
ドガァァァァン!!
「ぬわぁぁぁぁっ! 存在ごと『不適切コンテンツ』としてBANされたぬーッ!」
天の助が消滅しかけながら吹っ飛ぶ!
「ハッハッハ! この特異点においては、お前たちのハジケ行為やギャグ補正すらも『コンプライアンス違反』として全て無力化されるのだ! くらえ、全員まとめてSNS大炎上・集中砲火ぁぁぁッ!」
ズバババババババッ!!
炎上bot軍団から放たれる無限の批判&通報レーザーの嵐!
ハジケ技を封じられ、攻撃の術を失ったボーボボたちは、秋葉原の路上で大ピンチに追い込まれてしまうのだった!
はたして立香たちは、フェミニスト軍団の圧倒的な「表現規制と炎上攻撃」を破り、秋葉原のオタク文化を守ることができるのか!?
大爆笑と波乱の後半へ続く!
**第17話「秋葉原炎上!?オタク文化の危機とフェミニスト軍団の鉄槌(後半)」**
「ハッハッハッハ! どうしたギャグ漫画の原点にしてカオスの体現者どもめッ! この『コンプライアンス絶対領域』においては、お前たちの鼻毛もトコロテンも『不適切・食育違反』として全て無効! 炎上Botの通報レーザーの露と消えるがいいッ!」
ズバババババババッ!!
秋葉原の中央通りを埋め尽くすフェミニスト軍団の炎上Botたちが、一斉に拡散・通報レーザーを照射!
攻撃もハジケ技もすべて「表現規制」の壁に弾かれ、ボーボボたちハジケリストと立香は絶体絶命のピンチに陥っていた!
「ぬわぁぁぁぁっ! 炎上通報のせいで僕のトコロテンアカウントがシャドウバンされたぬーッ!」
天の助が画面のマークを見ながら白目をむく!
「くっ……! アキバの萌え文化もハジケリストの自由も、全部クレームの嵐に呑み込まれちゃうよ!」
立香が必死に腕で顔を覆った――その時である!
シュピーン!!
「**セイバーの尊厳とオタクの聖地を守るため、宇宙の彼方から駆けつけました!**」
暗雲を切り裂き、黄金の星光とともに降り立ったのは――**謎のヒロインX**!
さらにその横には、超巨大なスケール感を誇る愛憎のアルターエゴ――**キングプロテア**!
「「「ヒロインXにキングプロテア参戦ーーーーーっ!??!?」」」
ビュティの絶叫がアキバの空に響き渡る!
「フン! 害虫どもが、コソコソとくだらん言いがかりを! 我らの合体攻撃を見せてやります!」
フェミニスト軍団のボスが青筋を立ててスイッチを押した!
「おのれ生意気な! 出よ、我らの巨悪の結晶――**超炎上巨大クレームロボ『キャンセラーGX』**ッ!!」
ズゴオォォォォォン!!
地響きとともに現れたのは、全身が不承認のハンコと拡散マークで固められた全高百メートルの巨大ロボ!
「ハッハッハ! 巨大ロボの暴力の前に平伏せッ!」
だが、謎のヒロインXは一切怯まない! むしろその瞳には熱き勇者特撮の魂が滾っていた!
「甘い! 巨大ロボには巨大ロボ、そして熱血の合体(フュージョン)こそが男のロマンにして宇宙の真理! 蒸着ッ! **キャプテンギャバリオンインフィニティッ!!**」
ピカァァァァァッ!
0.05秒の蒸着プロセスを経て、謎のヒロインXが宇宙刑事風ロボ『キャプテンギャバリオンインフィニティ』を全身に装着!
さらにヒロインXは巨大メガホンを取り出すと、喉も裂けよと叫んだ!
「**覚醒せよ、キングプロテア!! 承認要求の限界を超え、今こそ勇気の力を解き放つのです!!**」
「……うん! わたし……がんばる……!!」
キングプロテアの全身から黄金の勇気が溢れ出し、その巨躯がさらに倍化!
すると、空間の歪み(勇者王ガ◯ガイガーの特異空間)から、時空を越えて三台の超巨大メカが飛来した!
先頭を切るのは、弾丸の如き疾走感を誇る超高速新幹線メカ**『ガレオンライナー』**!
上空を旋回するのは、漆黒の翼を持つ超音速ステルス爆撃機**『ステルスガオーインフィニティ』**!
そして地を割り現れたのは、二本の巨重ドリルを回転させる超重力ドリル戦車**『ドリルガオーX』**!
「な、なんだあのメカ群はぁぁぁっ!? 著作権と玩具メーカーのコンプラを完全に無視しているぞ!?」
フェミニスト軍団のボスが目玉を飛び出させて叫ぶ!
ヒロインXがメガホンを握り締め、腹の底から合体承認の叫びを轟かせた!
「**キングプロテア! ファイナルフュージョン! ジェネシックドライブアァァァァッ!!**」
ガシャァァァン! ドゴォォォォン!
キングプロテアの背中にステルス爆撃機が合体し、両脚にはドリル戦車が装着され、胸部には新幹線の頭部が完璧にドッキング!
黄金の勇者の鬣(たてがみ)が逆立ち、圧巻の神輝を放つ!
「「「**勇者王の如き『キングプロテア・ジェネシックモード』覚醒ぇぇぇぇぇッ!!!**」」」
「「「かっこよすぎるけど他社の勇者ロボアニメそのまんまじゃねえかーーーーーッ!?!?!?」」」
ビュティとヘッポコ丸の魂のズッコケツッコミが秋葉原中に爆風となって吹き荒れる!
「な、ナニモノなんだあの巨大ロボはぁぁぁっ!? 炎上Bot、全弾発射ぁぁぁッ!」
キャンセラーGXが必死にクレームレーザーを撃ち込むが、キングプロテアの黄金のバリヤーに弾かれて全無効!
「ガオッ……! わたしは……みんなの『大好き』を守る……! **ヘル・アンド・ヘブンッ!!**」
キングプロテアが両手を組み合わせ、右手のアタックエネルギーと左手のプロテクトエネルギーを融合!
空間を切り裂く超スピードで突進し、キャンセラーGXの胸部を粉砕!
さらに、空中から召喚された巨大な黄金の巨大ハンマー型腕部ユニットが装着された!
「仕上げだ……! **ゴルディオン……ナックルぅぅぅぅぅッ!!**」
ズドォォォォォォォォォォン!!!!!!!!
「光になれぇぇぇぇぇぇっ!!」と言わんばかりの超絶衝撃波が炸裂!
超炎上巨大クレームロボ『キャンセラーGX』は一瞬で分子レベルの粒子(光)へと昇華され、フェミニスト軍団もろとも消滅!
「表現規制なんて二度としないよぉぉぉっ!!」という叫びを残し、秋葉原の空には爽やかな青空と、鮮やかな萌え絵のポスター群が完璧に復活したのだった!
【特異点修復後・秋葉原ラジオ会館前】
「……ふぅ! 無事に秋葉原のオタク文化も守れたし、勇者合体も見られて最高の戦いだったね!」
立香が感動の涙を拭いながら拍手を送る。
……だが。
ラジオ会館の影から、地響きのような足音とともに歩み寄ってくる影があった。
全身から黒い怒気(オーラ)を吹き出し、手帳と「サンライズ様・タカラトミー様・サンライズコンプラ協定書」を両手に握りしめた**マシュ・キリエライト**である。
「……ヒロインXさん。キングプロテアさん。そして……マスター」
「「「ひっ……!??!」」」
マシュの眼鏡がキラーンと冷たく光る!
「いくら秋葉原を守るためとはいえ! 蒸着プロセスからの『ファイナルフュージョン』、さらには『ヘル・アンド・ヘブン』に『ゴルディオンナックル』まで完パロするなんて……! パロディの限界突破(コンプラ違反)にも程がありますッ!!」
「マ、マシュ……でもプロテアの勇姿はすごくカッコよかったよ……?」
立香がオドオドとフォローを入れようとするが――
「**マスター黙ってくださいッ!!**」
マシュのお怒り爆破ツッコミ&説教大噴火が秋葉原の街頭ビジョンよりも大音量で炸裂!
「いいですか!? 著作権の壁と勇者シリーズへのリスペクトを欠いた暴走は、カルデアの風紀どころかアニメ界全体の損失です! 全員、カルデアに戻ったら反省文五千枚と、勇者シリーズ全作品の鑑賞・学習会ですッ!!」
「「「五千枚ーーーーーっ!??!?」」」
正座させられて泣き叫ぶヒロインX、プロテア、そして首領パッチたちハジケリスト一味。
そんな惨状の横で、立香は「あはは……まあ、アキバが平和になったから良しとしよう……」と苦笑いするしかなかった。
秋葉原に響くマシュのお説教声と、ハジケリストたちの悲鳴。
特異点を巡るカオスと大爆笑の旅路は、折り返しを過ぎてさらに過熱しながら、次なる波乱の第18話へと続いていくのであった!
(第17話・完! 第18話へ続く!)