「いいか貴様ら、前回の反省文(ペナルティ)などファラオの審美眼の前には泡沫の如き! 次なるターゲットは決まった……宇宙から飛来せし蒼き彗星、謎のヒロインXだッ!!」
カルデアの地下・開かずの間(※秘匿再建された第2秘密原稿部屋)。
懲りない面々が、またしても怪しげな燭台の光のもとで膝を突き合わせていた!
オジマンディアスが豪華絢爛なパピルス風原稿用紙をドオンと叩きつけ、メフィストフェレスが巨大なハサミをシャキシャキと鳴らしながらケラケラと高笑いする!
「ヒッヒッヒ! いいですねぇ、最高ですねぇ! セイバーを絶滅させるために走り回る彼女が、うっかり大量のカップ麺と焼き芋をドカ食いして苦悶するギャグ合同誌! 読者の腹筋に爆発(ボム)を仕込む大傑作になりますよーッ!」
「おいおい、アタイの筆さばきを忘れてもらっちゃ困るよ! 表紙はアタイの浮世絵タッチで『蒼き銀河のドカ食いセイバー〜胃袋限界突破編〜』とドカンと描いてやるかねぇ!」
葛飾北斎がパブロ並みの速度で筆を滑らせ、躍動感あふれる下書きを描き上げていく!
「フン……くだらん、実にくだらんぞ。僕にまたしてもこんな安っぽいパロディ同人誌の脚本を書かせる気か? だがまあ……あの『セイバー絶対殺すマン』のくせに腹ペコキャラを隠しきれていない矛盾を徹底的に突くシナリオは、なかなか書き甲斐があるがね」
アンデルセンが毒づきながらも、猛烈なスピードで原稿用紙にペンを走らせていた。
そう、彼らは懲りもせず、先日の秋葉原で暴れ回った謎のヒロインXをテーマにした禁断の**「謎のヒロインXパロディ同人誌」**を極秘裏に制作していたのである!
「フハハハ! これで今度こそコミケの壁サークルは我が手の中に――」
『ガガガガガッ!! 警報! 警報! 緊急事態発生! サーヴァント・謎のヒロインXの体内に超高密度の魔力異常および局地特異点を検知! 体内空間が異常変容を起こしています!』
突如、部屋のスピーカーからダ・ヴィンチちゃんの悲鳴のようなアナウンスが響き渡った!
「な、なにぃっ!? ヒロインXの体内に特異点だと!?」
オジマンディアスが思わず立ち上がる!
【カルデア・食堂横の廊下】
「う、うう……お腹が……お腹の中で何かが……蠢いて……うぐぁぁぁっ!?」
廊下に倒れ込んでいた謎のヒロインXが、苦しそうにお腹を押さえて悶絶していた!
駆けつけた立香、マシュ、ボーボボ、首領パッチ、天の助、そして原稿部屋から逃げ出してきた作家陣が彼女を取り囲む!
「Xさん、しっかりしてください! 一体何を食べたのですか!?」
マシュが駆け寄り、手帳と胃薬を構える!
「た、食べたのは……宇宙の駄菓子と……怪しい特異点の鉱石と……『全集中でドカ食いした無限列車コラボ重箱』だけです……ッ!」
「絶対それのせいだろーーーーーッ!!」
ビュティの魂のツッコミが廊下に響き渡る!
その瞬間、ヒロインXが「ガバッ!」と大きく口を開けた!
すると、彼女の口内から異次元の黒い魔力の渦が吐き出され、空間が激しく歪み始める!
「大変ですマスター! ヒロインXさんの胃袋が空間拡張を起こし、そのまま特異点へと繋がっています! このままでは彼女の胃袋ごとカルデアが飲み込まれます!」
「よし、みんな! ヒロインXの口から胃袋へダイブだッ!」
立香の号令とともに、立香、マシュ、ボーボボ一味、そして原稿を隠し持った作家陣(オジマン、メフィ、北斎、アンデルセン)は、ヒロインXの巨大化した口の中へと飛び込んだ!
【ヒロインX・第一胃袋エリア(無限生体城)】
シュピーン!!
ミクロ化と次元転移の光が収まると、立香たちが降り立ったのは――
「「「ええーーーーーっ!?!? 胃袋の中が『鬼滅の刃』の無限城みたいになってるーーーーーっ!?!?」」」
ビュティとヘッポコ丸の絶叫が、幾重にも重なる木造建築のこだまとなって響き渡った!
そこは、重力を無視して上下左右に無数の畳部屋、障子、木造の階段や回廊が組み合わさった、圧倒的なスケールの生体和風ダンジョン!
しかも、壁や柱のあちこちがプロテアの時とは違う「Xの粘膜と胃液」でヌラヌラと蠢いており、琵琶の音がどこからか『ベンベン……♪』と不気味に響いていた!
「な、なんだこの構造は……!? 上も下も空間が捩れまくっているぞ!」
首領パッチが逆さ吊りになりながら叫ぶ!
「ぬわぁぁぁぁっ! 障子を開けたら僕のトコロテンの残骸が敷き詰められた『トコロテンの間』があったぬーッ!」
天の助が障子を叩き破って悲鳴を上げる!
「フハハハハ! よくぞ来たな、カルデアの鬼狩り(サーヴァント)どもめッ!」
無限城の中央、天高く浮遊する回転畳の部屋の上。
黒い羽織を羽織り、顔中に無数の目の代わりに「買い占め・炎上・不配慮」のマークを浮かべた異形の鬼――**鬼売バイヤン(※特異点核)**が不敵に下を見下ろしていた!
「我はこの胃袋無限城を支配する鬼の始祖で転売ヤーのアドバイザー! 貴様らがこの複雑怪奇な生体城を攻略し、我が首を撥ねぬ限り、ヒロインXの胃袋は破裂し、貴様らも永久にこの空間を彷徨うことになるのだッ!」
「くっ……! 鬼滅の刃の無限城のパロディ生体ダンジョンかよ!」
立香が拳を握り締める!
「全集中! 鼻毛の呼吸・壱ノ型――**『鼻毛斬り』**ッ!」
ボーボボが刀(※ただの鼻毛)を抜いて突撃しようとするが、空間が『ベン……♪』と鳴るたびに部屋が上下左右に高速回転し、あらぬ方向へ吹っ飛ばされる!
「うわぁぁぁっ!? 重力が滅茶苦茶で、先に進むことすらできないーっ!?」
上下左右が目まぐるしく入れ替わる鬼畜な生体無限城の構造と、襲い来る異形の病原鬼(鬼殺隊パロディ)たちの前に、立香たちは完全に退路を断たれ、大ピンチに追い込まれてしまうのだった!
果たして立香たちは、この怪奇極まる「胃袋無限城」を突破し、ヒロインXの胃袋と自分たちの命を救うことができるのか!?
大爆笑とカオスの後半へ続く!
ベン……♪ ベンベン……♪
不気味な琵琶の音が鳴り響くたび、上下左右の概念が狂い、畳部屋や巨大な木造階段が高速で回転!
生体粘膜と和風建築が融合した「胃袋無限城」の狂気的な空間歪曲の前に、立香たちとボーボボ一行は目が回って目を回し、畳の上をゴロゴロと転がっていた。
「ぬわぁぁぁぁっ! 上が下になって下がお腹の中になって、僕のトコロテンボディがすっかり『きな粉餅』状態だぬーッ!」
天の助が天地逆転した天井(※もとは床)に叩きつけられて悲鳴を上げる!
「クソッ! 空間が捩れすぎて『全集中・鼻毛の呼吸』の狙いがまったく定まらねえぞ!」
ボーボボが鼻毛をロープのように天井の梁へ引っ掛け、どうにか宙吊りで踏みとどまる!
「ハッハッハ! 無駄だ無駄だぁッ!」
天高く浮遊する回転部屋の上で、鬼舞辻バイヤンが黒い羽織を棚引かせながら高笑いを上げる!
「我が琵琶の奏でる生体空間操作の前には、いかなるハジケリストもサーヴァントも無力! 貴様らはこの胃袋無限城の藻屑となり、ヒロインXの消化液とともに永遠に分解されるのだッ!」
「くっ……! 空間を制御する琵琶の演奏を止めないと、奥の部屋へ近づくことすらできない……!」
立香が歯噛みした、その時――!
シュピーン!!
「**『全集中』などと高らかに叫ぶまでもない! 斬り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ、されど一歩進めばそこは極楽よッ!**」
頭上の障子を爆砕し、桜吹雪とともに躍り出たのは――豪快な笑みを浮かべた新免武蔵こと**宮本武蔵**!
そしてその隣には、眩いばかりの騎士の威光と王のオーラを纏った**アルトリア・ペンドラゴン**!
「「「武蔵ちゃんにアルトリア本家(セイバー)が参戦ーーーーーっ!?!?!?」」」
ビュティとヘッポコ丸の絶叫が無限城の回廊に響き渡る!
しかも、二人の腕には妖しく光る漆黒と赤の重厚な装甲――某・カプコンの名作鬼斬りアクション(『鬼◯者』)でおなじみの**『鬼の籠手(おにのこて)』**がしっかりと装着されていた!
「フッ、この特異点の悪しき魂、我が鬼の籠手にてことごとく吸い尽くして見せましょう!」
アルトリアがキリリと凛々しく言い放つ!
「いやちょっと待って本家のセイバーさん!? 鬼の籠手はかっこいいけど、手にしてるそのブキは何ーーーーーっ!??!」
立香が目玉を飛び出させて叫んだ!
そう、宮本武蔵が二刀流で構えていたのは、ワイパーの如き刀身から高圧インクを叩き出す任天堂の最新近接ブキ――**『デンタルワイパーミント』**!
そしてアルトリアがズシリと構えていたのは、超高速回転でインクの弾幕を撒き散らす回転式機関銃型ブキ――**『スプラスピナー』**!
「「「『鬼武者』の装備に『スプラトゥーン』のブキをミックスさせるなーーーーーッ!?!?!?」」」
ビュティの魂の叫びが無限城の障子を一斉に吹き飛ばす!
「細かいことは気にするなッ! いざ参る、デンタルワイパー・溜め斬り&横振り連打ぁぁぁッ!」
武蔵が鬼の籠手から吸い上げた魂の威力をデンタルワイパーミントへ注入! 閃光のようなインクの刃を真横に一閃させると、回転する畳部屋と琵琶の弦を一気に切断!
ベン……ガシャァァァンッ!!
「な、なにぃッ!? 我が空間操作の琵琶が切り刻まれただとぉぉぉッ!?」
鬼舞辻バイヤンが驚愕する!
「逃がしません! スプラスピナー・フルチャージ・極太弾幕照射ッ!!」
アルトリアがスプラスピナーのバレルを高速回転! 鬼の籠手の魔力と合わさった圧倒的なインクの嵐が、無限城の柱や梁を粉砕しながら鬼舞辻バイヤンを容赦なく追い詰める!
「お、おのれぇぇぇッ! だが我が『無惨なる再生能力』があれば、このようなインクの傷など一瞬で――」
「フハハハハ! 己の再生能力を誇るには、視界がちと狭すぎるのではないか雑種めッ!」
突如、壊れた天井の破片を蹴散らし、空中へ降臨したのは――
スプラスコープを構えた**オジマンディアス**、ノヴァブラスターを手にした**メフィストフェレス**、パブロ・ヒューを振りかざす**葛飾北斎**、そしてスプラマニューバーの二丁拳銃を構えた**アンデルセン**の4人!
「なにッ!?」
「喰らうがいい! スペシャルウェポン――**『スミナガシート』発動ッ!!**」
オジマンディアスが巨大な墨のシートを空間全体へ展開! 視界を完全に奪う巨大なインクの帳が鬼舞辻バイヤンの目を眩ませる!
「グワァァァッ!? 目がッ! 目が墨で見えんッ! どこから攻撃が来るのだぁぁぁっ!?」
「視界を奪われたお前に残された道は一つ……ファラオの強襲を受けることのみッ!」
スミナガシートの黒闇を突き抜け、空高く舞い上がったオジマンディアス、メフィストフェレス、北斎、アンデルセンの4人が同時に空中一回転!
「「「「全員合わせて……合体スペシャルウェポンッ!!」」」」
「「「「**アルティメット! チャクチーーーーーーッ!!!!**」」」」
ドドドォォォォォォォォン!!!!!!!!
ヒロインXの胃袋無限城の最深部に、本日二度目となる極彩色の超巨大インク大爆発が直撃!
鬼舞辻バイヤンも、無数の障子も、回転する階段も、無限城の構造そのものが一瞬で完ドロドロに溶け落ちて吹き飛んだ!
「鬼滅パロディもスプラパロディも二度とするかぁぁぁぁぁっ!!」という叫びとともに鬼舞辻バイヤンは消滅!
ヒロインXの胃袋からは禍々しい特異点反応が消え去り、元の平和な胃袋(※ただしインク塗れ)へと戻ったのだった!
【特異点修復後・カルデア・救護室前】
脱出の光とともに、無事にカルデアの救護室前へと帰還した立香たち。
「ふぅ……一時はどうなることかと思ったけど、無事にヒロインXのお腹も治って、無限城も攻略できて良かったね……!」
立香がホッと息をついた――その瞬間。
救護室のドアが『バーンッ!』と爆音を立てて開いた。
そこに立っていたのは……
冷たく光る眼鏡の奥に絶対零度の怒りを宿した**マシュ・キリエライト**。
そして、ベッドから起き上がり、両手に宝具『無明勝利の剣』を握り締めて全身から青い暗黒オーラを吹き出させる**謎のヒロインX**本人であった。
「「「……作家陣の皆さん。そしてオジマンディアス王」」」
「「「ヒッ……!??!」」」
オジマンディアス、メフィスト、北斎、アンデルセンの背筋に激痛のような冷や汗が走る!
「見つけましたよ……私の体内で勝手に『鬼滅の刃』の無限城ごっこを展開し、さらには他社様のゲームのブキを持ち込んで暴れ回った件……!」
マシュの手帳がメキメキと音を立てて破れかける!
「それだけではありません……! 私は見てしまったのです! あなたたちが私の知らぬ間に作っていた……『蒼き銀河のドカ食いセイバー〜胃袋限界突破編〜』という胸糞悪い同人誌の原稿をォォォッ!!」
ヒロインXの剣が激しい音を立てて光り輝く!
「「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!??! ネームが見つかってたーーーーーッ!??!」」」
「全員正座ですッ!! 著作権保護法違反、プライバシー侵害、およびパロディ暴走罪により、明日の朝まで……いいえ、来週のコミケが終わるまで徹夜でお説教と反省文の執筆を行っていただきますッ!!」
マシュの雷鳴のようなお怒り爆破ツッコミと、ヒロインXの「セイバー絶対許さない剣」の連続攻撃が炸裂!
作家陣とファラオが救護室の廊下で土下座しながら泣き叫び、カオスなお説教タイムが始まった!
そんな光景を横目に、立香が苦笑いしながら「あはは……やっぱりこうなるよね……」と呟いた――その時である!
ズゴオォォォォォン……ッ!!
突然、カルデアのメインモニターが真っ赤なノイズで埋め尽くされ、地鳴りのような爆音が館内全体に響き渡った!
『警報! 警報! 次元断層より未確認の超巨大巨大戦艦群が接近中! この波長は……サーヴァントでも特異点でもありません!』
ダ・ヴィンチちゃんの緊迫した叫びがスピーカーから轟く!
ノイズが走るモニター画面に映し出されたのは――
漆黒の宇宙空間を埋め尽くす無数のタワー型戦艦、そしてその中心に君臨する、邪悪で巨大な毛根のマーク!
『ハッハッハッハ! 聞け、地球の愚か者ども、そして毛深きハジケリストどもよッ!』
モニターに映し出された謎の怪人物が、不気味な高笑いを上げる!
『我らは全宇宙の頭髪を狩り尽くし、あらゆる生き物をツルツルにする恐怖の帝国――**『ネオマルハーゲ帝国』**なりッ! これより我が帝国の皇帝・**ツルツルリーナ6世**様の名のもとに、地球およびカルデアへ全人類ツルツル化の宣戦布告を執り行うッ!!』
「「「な、なんだってーーーーーっ!?!? ネオマルハーゲ帝国の宣戦布告ーーーーーっ!??!?」」」
立香とビュティの絶叫がカルデア司令室に響き渡る!
ツルツルリーナ6世とは何者なのか!?
その真の姿も、目的も、何もかもが一切謎に包まれたまま――全宇宙を巻き込む過去最大の毛狩り戦争の火蓋が、いま切って落とされようとしていた!
果たして立香とボーボボたちは、ネオマルハーゲ帝国の圧倒的侵略から人類の髪の毛とカルデアの平和を守ることができるのか!?
(第19話・完! 怒濤の最終決戦・第20話へ続く!)