ガッチャ!俺だけ楽しいデュエルだったぜ!(クズ) 作:フォイオ
「強い!?戦術を読み切ったつもりでも読み切れない?!」
「いや、十代……まだ、ドローしただけなんだが?」
デュエルハンター遊香改め明日香とカードショップで別れた(連絡先はちゃっかり交換した)遊城十代は伊沢と名乗る青年に突如デュエルを挑まれた。
「遊香君とあんなに仲良くお喋りするなんてなんて羨ましい!しかも、連絡先まで交換するなんて許さないぞ、遊城十代!」
「お前、それが理由でデュエル挑んできたのかよ?まぁ、俺はデュエル出来れば理由なんてなんでもいいけどさ」
「漢 伊沢大地!この勝負に勝ったら遊香君の連絡先を俺にも教えてもらうぞ!」
青年 伊沢大地のみみっちいプライドから始まったデュエル。果たして伊沢は十代に勝ち、念願の遊香の連絡先をゲットすることができるのか?それはデュエルの女神のみぞ知る!
「行くぞ!俺は手札からアチチ@イグニスターを召喚!効果でピカリ@イグニスターを手札に加える!」
「おおー!三沢!お前のデッキは@イグニスターデッキか!」
「ふっ!こんなもんじゃないぞ十代!あと、俺は三沢じゃなくて伊沢だ!と、とにかく俺はアチチ一体をリンクマーカーに「その前に手札からマルチャミーフワロスの効果発動!」何?!」
「効果はもちろん知ってるよな?このターン、相手がデッキ・EXデッキからモンスターを特殊召喚する度に、自分は1枚ドローする」
「くっ!だが、最低限の展開はさせてもらうぞ!俺はアチチ一体をリンクマーカーに「あ、手札からもう一枚フワロス捨てて効果発動するわ」おまっ?!それは卑怯だろ?!」
「デュエルに卑怯もらっきょうもねぇ!勝てばいいんだよ!勝てば!」
十代のとてもデュエリストとは思えない発言にドン引きする伊沢。フワロスが適用されたこのターン、伊沢はカードを2枚伏せてターンエンドするほかなかった。
『俺の伏せカードは威嚇する咆哮と無限泡影。このターンの攻撃を凌いで次のターンで展開できれば勝機はある!』
「んじゃ、行くぜ三沢!俺は手札かイービルアサルトを発動!手札を一枚捨てデッキからE-HERO デス・プリズンを特殊召喚!」
「エレメンタルヒーローじゃなくイービルヒーローだと?!」
遊香をストーキングし十代のデュエルを分析していた伊沢だが突然の事に驚きを隠せなかった。
「あー!展開長え!遊城十倍束だぜ!」
「デュエル描写はどうした?!」
「この作者がいちいちそんなん書けるわけないだろ!」
「誰に言ってるんだ十代!?」
謎の叫びを上げる十代は伊沢の疑問をよそに展開を続け、フィールドにはインフェルノウィングヘルバックファイアとマリシャスエッジの強力なヒーローが並ぶ。
「さらに俺は手札からダークコンタクトを発動!場のイービルヒーローと墓地のネオスをデッキに戻しコンタクト融合!」
「こ、コンタクト融合?!融合を必要としないのか!」
「究極の闇の力を解き放て!現れろ!最強のヒーローネオスロード!」
「なんて威圧感だ!」
十代のフィールドに降臨したのは闇の力を纏った最強のヒーローネオスロード。ネオスのハイレグ姿、覚悟の力の象徴だ!まるでブ○アカに出てきそうだぞ。
「このカードが特殊召喚した場合、相手フィールドのモンスターのコントロールを得る!お前のアチチはもらった!」
「くっ!?させるか!トラップ発動!無限抱影!威嚇する咆哮!ネオスロードの効果を無効にする!さらに俺はこのターン攻撃宣言させない!」
「手札からライフを半分払い、カウンター罠レッドリブートを発動!」
「馬鹿な……ここでレッドリブートだと?!」
説明しよう。レッドリブート。相手が罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする。その後、相手はデッキから罠カード1枚を自身の魔法&罠ゾーンにセットできる。このカードの発動後、ターン終了時まで相手は罠カードを発動できないという効果を持っている。
「行け!我が軍団よ!影が薄くて明日香にいつも存在を忘れられてそうな三沢にダイレクトアタック!」
「ぐぁあああああ!」LP4000→0
「ガッチャ!俺だけ楽しいデュエルだったぜ!」
地面に仰向けになり倒れる伊沢大地。彼は目を腕で覆い、涙を流していた。よっぽど十代の最後のセリフが聞いたのだろう。どんまい、伊沢。十代に悪気はないのだ。
「なぁ、そんなに泣くなよ。明日香の連絡先くらい教えてやるよ」
「いっ、いいのか!しかし、俺は負けたんだぞ?そんな俺に彼女の連絡先を知る権利など……」
「まぁ、デュエル楽しかったし別にいいよ。ほら、手貸すから立てよ三沢」
「ありがとう十代。あと、俺は伊沢だと何回言えばいいんだ?」
かくしてここに漢たちの友情が生まれたのだった。いや、連絡先を勝手に教えたらダメだろ。
「携帯出せよ、三沢。ついでに俺とも連絡先交換しようぜ?」
「ふっ。強いデュエリストとの連絡先交換はこちらこそウェルカムだ。なぁ、十代。お前のデッキ構築教えてくれよ」
「いいぜ。ちょっとバランス悪いかなって思ってたんだ。そこのベンチで話そう」
広場のベンチで男2人デッキ構築論やコンボについて語り合う。そこに騒ぎを駆けつけた遊香が現れた。
「あれ?十代と三沢君じゃない?どうしたのかしら?」
「おー!明日香!お前もこっち来いよ!こいつの考えたコンボめっちゃ面白いぞ!」
「ゆ、遊香君じゃないか?!あと、三沢じゃなくて伊沢だよ!」
またも名前を間違えられる伊沢大地。悲しいかな。彼は幼稚園の頃から先生やクラスメイト、果てには家族からも名前を間違えられていた。
「とほほ、俺はいつになったならみんなに名前を覚えてもらえるんだ?」
「無理だろ。どんまい三沢」
「よく分からないけどどんまい三沢君」
伊沢大地が名前を覚えてもらう日はいつになるのか!それはデュエルの女神のみぞ知る!