第一話「やっぱここ異世界よな」
あ、れ……何が……あったんだっけか……?
何も……見えない……
そう、いえば……棚を、倒しちゃったんだっけ……?
ああ……そっか。俺、死んだのかな……
なんか……意識はっきりしてきたかも……
ん、目ぇ開いた。まぶしい……いや、ま・ば・ゆ・い☆
何言ってんだろ、俺。
「―――・・――・・・・」
「――――・・・・・―――・・・」
お、茶髪の男と金髪の女の人。何言ってのか分かんねぇ……
やっぱこれ転生か。もしや異世界か。
俺英語とか分かんねぇから外国ってこともなくは無いだろうが……
つまりは転生なんだよなぁ……ここが病院な訳ないし……
ってことはやっぱ死んじまってるよなぁ……
「あいーあー」
「うあー?」
俺は思わず声を上げ、声が聞こえた方へを向けた。
そこに居たのは、さっきの二人に似た赤ん坊が……!
まあよく考えたらありうる話か。
双子だったんだろうな。多分。
◆◆◆
ある程度言葉がわかるようになってきた。
前世じゃ英語とかはほとんど身に付かなかったんだがな……
今の体が赤ん坊だからなのか、そもそも半年過ごせば覚えられるものなのかが分からない。
そういえば、今世での名前が分かった。
アルヴィス・グレイラットだ。
偶然にも、名前の最初が前世と同じだ。
まあ愛称は「アヴィ」だったから前世と違うけど。
まあ、自称すりゃいいか。
もし今世でも妹か弟ができたらアル
というかグレイラットってどんな家名だよ……灰色鼠て……
まあいい。
茶髪の男は父のパウロ、金髪の女性は母のゼニス。
そんで双子の兄だという赤ん坊はルーデウスというそうだ。
愛称は「ルディ」らしい。俺の愛称と似てるな。
あと、行動から見て兄も転生者かもしれない。
少なくとも普通の赤ん坊ではない。
だって家にいるメイドさんのリーリャさんの胸を見てにやけたり、
女性用下着を意図的に被っていたり……あとは全然泣かなかったりとか。
まあ少なくとも兄さんの前世は変態だな。
巻き添えで俺も若干リーリャさんに警戒されてるのはいただけないが。
◆◆◆
兄さんが落っこちたらしい。
ゴトンって何かが落っこちる音と母さんの悲鳴で気付いた。
「ルディ! 大丈夫なの!?」
母さんは慌てて駆け寄り、兄さんを抱き上げた。
落っこちた割には傷らしい傷はできてないな。
「ほっ、大丈夫そうね」
「これでも泣かないなんて……」
「よしよし、念のため。痛いのが飛んでいくお
痛いの痛いの飛んでけ~とかか?
と、そんなことを考えていると母さんは兄さんの頭に手をかざした。
「神なる力は芳醇なる糧。
力失いしかの者に再び立ち上がる力を与えん」
まさか……まさかまさかまさか……!
「ヒーリング」
母さんがそう唱えると、手から淡く光を放った。
「どう? 痛いの治ったでしょう。
ママこう見えても昔は冒険者やってたのよ!」
マジか……まさかまさかの治癒魔法!!
「どうした! 凄い声が……」
「あなた! ルディが転げ落ちちゃって頭から……」
「落ち着けよ、子供なんだから落ちたり転んだりするさ」
マジかよ……ここ、マジで異世界じゃねぇか……!!
しかも、父さんが庭で剣を振ってたのを含めると……
ここは剣と魔法の世界……!!!
アルヴィスの呼び名ってどっちがいい?
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アル
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アヴィ