俺と兄さんが水聖級魔術師に認定された翌日。
ロキシー先生は旅の支度を済ませ、荷物を持って玄関にいた。
二年前と容姿が全く変わっていない。
「ロキシーちゃん、まだウチに居てもいいのよ? 教えてないお料理もいっぱいあるし……」
「そうだぞ。村の奴らだって歓迎するぞ」
母さんたちはそう言ってロキシー先生を引き止めようとした。
「ありがたい申し出ですが、今回の事で自分の無力さを思い知りました。しばらくは世界を旅しながら、改めて魔術の腕を磨くつもりです」
だが、ロキシー先生の意思は硬いらしく、効果はなかった。
俺と兄さんに階級で追いつかれ、俺にはほぼ追い抜かれたようなものだったのが相当ショックだったのだろう。
「そうか……まあ、なんだ。悪かったな、うちの息子たちが自信を失わせてしまったようで……」
その言い方はダメじゃないか……?
「ルディ、アル。精一杯頑張ったつもりですが、私じゃ貴方たちを指導するには力不足だったようです」
「そんな事ありません。師匠は色んな事を教えてくれました」
「俺もそう思うんです。ロキシー先生のお陰で知れたことも、できるようになったことも多いですから」
ロキシー先生はその言葉を聞いて、俺たちの頭に手を伸ばそうとしたが、途中でやめた。
「……そうだ」
ロキシーは、ローブの内側に手を入れると、ゴソゴソと中を探り、革紐についたペンダントを取り出して、兄さんの首にかけた。
緑の光沢を持つ金属でできていて、三つの槍が組み合わさったような形をしている。
「これは……?」
「私の故郷のお守りです。卒業祝いを用意する時間がなかったので、これで我慢してください」
「そうしてもらえると嬉しいです」
ロキシー先生が俺の方へ向き直った。
「アル。あなたは私以上の魔術師へとなられてしまいました。ルディも凄まじい才能がありますが、あなたにはルディと同等か、それ以上かもしれないほどの才能があります。……次に会う時は、私が教えを乞う立場になっているかもしれませんね」
「先生……」
「アルの分の卒業祝いは、申し訳ありませんが用意できませんでした。ですがまた後日、機会があれば用意しておこうかと思います」
「分かりました」
俺がそう答えると、ロキシー先生は「それでは」と言って旅立っていった。
兄さんは、いつの間にか泣いていた。
◆◆◆
ロキシー先生が旅立ってから数日が経った。
俺はあの日から、より強くなりたいという思いを
水聖級魔術師になれたからと言って、得意な近接を伸ばさないわけにはいかない。
と、いうわけで俺はソマルたちに協力してもらって新しい修行を開始した。
俺が目隠しをして、ソマルたちが代わりばんこで俺に向かって木の棒を振るう。
そして俺が、その気配をなんとなくで感じて、避ける。
そう、見聞色の覇気の修行だ。
ルフィがレイリーとしていた修行を参考にしている。
闘気も気の呼吸も使ってないから全然避けれない。
けど、治癒魔術が使えるから全然良い。
気の呼吸で自己治癒力を上げれないかも試している。
……けど、あんまり成果はない。
まあ数日しかやってないしこんなもんか。
◆◆◆
午後は父さんと剣術の修行だ。
魔力の流れを目で見れるようになってから、闘気はすぐに習得できた。
そのお陰か意外と簡単に無音の太刀を習得できて、剣神流が上級となった。
水神流も着々と上達していて、父さんの攻撃をギリギリだが受け流せるようになってきた。
俺は北神流も教えてもらいたいのだが父さん的に好みではないらしく、教えるのを渋られている。
まあ、純粋な剣術から外れて勝つための戦闘術を織り交ぜていればいずれ北神流に辿り着くだろうし、教えてもらわなくてもいいかもしれない。
剣神流も多分「より速く、より強く」って極めてけば良いタイプだろうから、父さんには水神流を主に教えてほしいと言っておいた。
◆◆◆
さらに翌日。
今日はシルフィに魔術を教えつつ
見聞色の修行はどうしたって?
あれは魔術の修行と交互にやってる。剣術の修行は毎日午後で固定だ。
「汝の求める所に大いなる
小さき光にて
俺が詠唱を終えると、術が発動される前に失敗する。
「失敗かぁ……詠唱ってどう作ればいいんだ……?」
俺は詠唱をせずイメージだけで
するといとも簡単に手のひらから電流が放たれた。
「無詠唱なら楽勝なんだけどな……」
風魔術を練習させていたシルフィが近づいてくる。
「どうかしたの?」
「いやさぁ、雷の魔術を詠唱で使えるように試行錯誤してるんだけど、やり方分かんなくてさ~……無詠唱ならいくらでも使えるんだけどね~魔力消費が馬鹿にならなくて……」
「……なにか私に手伝えること、ない?」
「今のところは、無いかなぁ……どうやって手伝うんだって話でもあるし」
「そっか……」
「シルフィは魔術を覚えてくれればそれでいいよ。教えるの楽しいからさ」
「そ……っか。うん、分かった」
シルフィが照れたように頬染めて笑った。
凄く可愛い。頭を撫でたら抱き着かれたから、抱きしめて更に頭を撫でてやった。
今作のシルフィの一人称は「私」です。
原作のこの時点より髪は長く、履いているのもスカートです。
イジメがアルのおかげで無くなってて、逃げやすくする理由が無いからですね。
髪は様子を見ながら、少しづつ伸ばしているとのこと。
伸ばしてる理由はアルが褒めてくれたからだそうな。
アルヴィスの魔力量ってどのくらいだと思う?
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ルディよりかなり少ない
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ルディより少ない
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ルディと同じくらい
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ルディより多い
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ルディよりかなり多い
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ラプラスは越えてる