「父様……1つ、我儘言ってもいいですか?」
ある日の夕食の時間に兄さんがそんなことを言い出した。
「ダメだ」
だが、父さんは一蹴した。
と思ったら母さんとリーリャが父さんの脚に蹴りを入れた。
「ルディ、何でも言いなさい。お父さんがなんとかしてくれるわ」
「ここは旦那様の威厳と甲斐性が試される時です」
父さんの家庭内での立場というか権力が弱まってる気がする。
まあ、母さんとの約束を守れず浮気したんだし当然か。
「ルディが前置きまでするんだ。とても、俺の手に負えないようなことに違──」
また母さんとリーリャさんの蹴りが父さんの脚へクリティカルヒットした。
「実は、最近行き詰っていまして。
そのために、ラノアの魔法大学に入学したいのですが……」
「ほう……」
「……アヴィに、差を付けられたくないんです」
俺に兄さんと父さんの目線が向けられた。
兄さん、そんな風に思ってたのか……
「なるほどな……兄として弟より弱いのは嫌だ、と」
「はい。……つきましては学費を払ってはいただけないかと。お願いします」
「……その気持ちには応えてやりたいが、ダメだ」
父さんは兄さんの気持ちを理解した上で、答えた。
今度はちゃんと真剣だ。
「理由はいくつかある。まず剣術が途中だ。アヴィほど強くなれるとは言えんが、お前の師匠として、ここで放り出すわけにはいかない。それに金の問題だ。ノルンとアイシャが生まれたばかり。魔法大学の学費は安くはないし、ウチも湯水のように金があるわけじゃない。あとは年齢の問題だ。アヴィもだがお前はまだ7歳だ。お前は賢い子だが、まだ知らない事も多く、経験も圧倒的に足りていない」
それを聞いた兄さんは諦めていない。
しっかりと頭を使って、説得する方法を考えている……と思う。
「わかりました、父様。では、剣術の稽古は今まで通りつけていただくとして、年齢の方は何歳ぐらいまで我慢すればいいでしょうか」
「……そうだな。……15、いや、12歳までウチにいろ」
「なぜ12歳なのか聞いても?」
「……俺が家を飛び出したのが12だったからだ」
「なるほど、分かりました。では最後に」
「おう」
なんだろうか?
「仕事を斡旋してください。なるべく高いものがいいです」
「仕事……? 何故だ?」
「父様に認められて家を出る12歳までに、僕の分の学費を自分で稼ぎます。」
少しだけの短い沈黙の後、父さんは口を開いた。
「……分かった。そういう事なら、心当たりを当ってみよう」
「ありがとうございます」
兄さんが礼を言って頭を下げると、夕食が再開された。
◆◆◆
1ヶ月が経ったある日、剣術の稽古の時間。
馬車がやってきた。
「よう、久しぶりだな、ギレーヌ」
馬車から現れたのは褐色で筋肉質な獣人っぽい女性だった。
見た感じ父さんより強いな。眼帯付けてる右目は魔眼だったりするのだろうか?
「ギレーヌ! 久しぶりね、元気だった?」
母さんがノルンを抱えてやってきた。
後ろにはアイシャを抱えたリーリャさんもいる。
「ああ。……お前の子供か?」
「ええ、ノルンよ」
「パウロに似なくて良かったな」
「ケッ……お前が来たってことは、あの話はOKってことでいいんだな?」
「ああ」
「ウチのルーデウスをよろしくね」
「ああ」
……もしかして、兄さんの仕事って住み込みとかなのか?
「ルーデウス坊ちゃま。寂しくなります……」
「元気でね、帰ってくるのを楽しみに待ってるわ」
「はい、母様、リーリャ」
兄さんには既に伝えられているらしい。
もしかして俺だけ? 教えてもらってないの。
「なあ、ルディ、アヴィ。お前ら、一度本気で戦ってみないか」
父さんがそんなことを言い出した。
「理由は?」
意図はなんとなくわかっていたが、一応聞いておく。
「ルディが仕事に行く前に、お前らの実力差をはっきりさせておいた方がいいんじゃないかと思ってな」
「なーる」
兄さんの方の気合は十分なようだった。
俺たちは距離を開けて向かいあった。
「はじめ!」
父さんのその掛け声を聞いて俺は駆け出した。
兄さんを睨みつけて、今の俺が出せるだけの殺気を放つ。
木剣を持つ右手とは反対の左手に電流を纏わせ、掌底を狙う。
が、兄さんは火球を飛ばして風魔術で飛び退いた。
俺は飛んできた火球を武装色の覇気を纏わせた左手で握り潰す。
気を大きく捻出しながら闘気を纏い、駆けようとした瞬間。
俺の足元がぬかるんだ。土と水の混合魔術の
踏み込みはほとんど諦めて、腕の力だけを使い、兄さんに向け木剣を投げた。
俺はすぐに火魔術でぬかるんだ地面の湿気を飛ばして、足を引き抜く。
氷魔術で鉤爪を付けた籠手を作り出し、両腕に装着する。
勿論鉤爪に刃は無い。
俺は武装色を籠手に纏わせ、気と闘気を使って駆ける。
瞬きする暇もない速度で近付いて、兄さんの木剣を弾き飛ばし、電流を纏った掌底を叩き込んだ。
今作のシルフィの依存は結構健全なものです。
一緒にいる時間が長いは長いけれど、ずっと一緒って訳ではなかったですから。
追加してほしいヒロイン(ピクシブ百科事典の登場人物一覧からテキトーに選出しただけだから他に入れてほしいキャラ居たら教えてちょ)
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アイシャ・グレイラット
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イゾルテ・クルーエル
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アリエル・アネモイ・アスラ
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リニアーナ・デドルディア
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プルセナ・アドルディア
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テレーズ・ラトレイア