少年転生~異世界来たので戦います~   作:異界を夢見る御影石

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第三話「微かな違和感と変な石」

 

 

翌日。

 

 

「うし、今日は俺からやる。で、詠唱何だっけ」

 

「汝の求める所に大いなる水の加護あらん、

 清涼なるせせらぎの流れを今ここに、です」

 

「おっけ」

 

 

俺は目を閉じて、右腕を突き出す。

今日はあらかじめ桶を用意してあるから床を濡らしてしまう心配はない。

 

 

「汝の求める所に大いなる水の加護あらん、

 清涼なるせせらぎの流れを今ここに、ウォーターボール」

 

 

体内をエネルギーのようなものが巡った。これが魔力だろうか。

そして掌に流れていき、ぷかり、とこぶし大の水球が出来上がった。

 

 

「ほっ……」

 

 

俺は、成功したことにホッとしたが、なにか、ほんのりと違和感があった。

それがなんなのかはわからないが、今度は無詠唱の方を試みる。

 

脳内で、さっきのエネルギーが体内を巡り、掌に流れていくイメージを。

エネルギーが小さな水粒に変わり、集って水球へ変わるイメージを。

 

 

……あれ?

 

 

先ほどのウォーターボールに流れていった魔力の量と、同じだけの魔力を込めてイメージしたのに、水球は未だにできそうにない。

 

俺は、さらに魔力を込めて、先程のイメージを続ける。

 

詠唱した時の5倍くらいの魔力を込めた頃、ようやく水球がぷかりと出来上がった。

 

 

「……っふぅー! な、なんか、すっごい魔力喰うね、無詠唱って。

 詠唱した時の5倍くらい込めてようやく発動できたよ。」

 

「そうか? 俺はそんな感じしなかったような……

 って、5倍ってことは僕より魔力量多いじゃないか!」

 

「そう……なのかな? だって魔力量が生まれた時から決まってるってのが本当か俺的には超怪しく思ってるもん。魔術を使うのが大体ある程度成長してからなせいで、幼少期での魔術についてあまり分かってない、とかありそうじゃん?」

 

「確かに……それはありそうだな」

 

「今日も使ってみれば分かるんじゃない? 使える数が増えてるなら、あれは間違ってる。

 増えてなくとも、あってるかは分からない。筋肉だってすぐに付くわけじゃないじゃん?」

 

「そうだな、やってる」

 

 

結果。兄さんが出せる水球の数は4つになっていた。

5つ目は出せそうだが、出したらまた倒れそうらしい。

 

予想通り、魔力量は増えることがあるようだ。

俺も限界まで魔術を使ってみることにした。

 

そしたら3つは無詠唱で出せた。

最後は魔力残量的に詠唱ありにして、2つ出せた。

 

つまり詠唱ありウォーターボール22個分ということである。

初期値でこれか? 兄さんは初期値は多分2個分くらいだぞ。

 

 

◆◆◆

 

 

更に時が経ち、俺と兄さんは3歳になった。

あの日から俺たちはたくさん魔力を使って魔力量を増やす特訓をした。

もちろんシルフィともたまに遊んでいる。出掛けた時に見つけたらだが。

 

兄さんは消費しただけ魔力が増えていたが、俺は使った分の半分しか増えなかった。

俺は無詠唱を使えば約5倍魔力を消費できたから、兄さんの2.5倍の効率で魔力が伸びてるけど。

 

あと、兄さんはあの日から大体二ヵ月で水球の飛ばし方を発見し、俺にも教えてくれた。

結構ありがたかったから土下座して崇めたら、ちょっとだけ調子乗ってた。

 

俺は現在、散歩の最中だ。

兄さんは前世でトラウマがあるのか、外出したがらなかったので一人だ。

そのおかげでシルフィを独り占めできてるからありがたいとも思ってしまう。

 

 

ふんふふん(Be the One)♪ ふんふふん(Be the One)♪ んーんー(All right)♪ ふふふふ(明日の) んんーふ(地球は) んんふふんーんー(投げ出せないから)♪」

 

 

今はBe the Oneを鼻歌で歌いながら、フラフラ森だか林だかの中を歩いている。

 

 

ふんふふん(Be the Light)♪ ふんふ(Be the)……なーにあれぇ……」

 

 

なんとなく視線を逸らした先には、なんか禍々しいオーラを小さい範囲に放つ変な石ころがあった。なんじゃ、ありゃあ……

 

そろりそろり、と抜き足、差し足、忍び足、でゆっくり近付いてみる。

はいそこ! 不用心とか言わない!

 

近くまで来た。見た感じ、放ってるオーラ以外におかしなところはなかった。

試しに拾い上げてみても、おかしなところは見当たらない。

 

……なんとなくだが、割ってみたら何か起こる気がする。

俺レベに出てくるルーン石に似てるし……

 

それに思いっきり握ったら簡単に砕けてしまいそうだ。

 

 

ドガァッ……! サァァー……

 

 

え、なに? なんか遠くで凄い音したけど……?

あ……ビックリして石ころ砕いちまった……

 

というかマジで俺レベのルーン石みたいに砕いたら光になって消えた……

石ころが放っていたオーラも霧散していった。

 

なぁんだったんだぁ……これぇ……?

 

そういえば音がした方向、家の方じゃね?

急いで帰ろ……

 

 

◆◆◆

 

 

兄さんが中級魔術を使ったらしい。

俺も兄さんと魔術使ってたって言ったら、母さんがめっちゃ喜んでた。

 

父さんは「男の子なら剣士にー」とかどうとか言ってたから、

魔術も好きだけど、剣術の方が好きだしやってみたいって言ったら喜ばれた。

 

あと、魔術の家庭教師を雇うとも言っていた。

優しそうなお爺さんか、人生経験豊富なお姉さんがいいな。

 

そういう人は教えるのが上手そうだ。

 

 




オリ主くんはこの石ころで覚醒します。
どんな能力に目覚めるかはお楽しみに。

アルヴィスの呼び名ってどっちがいい?

  • アル
  • アヴィ
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