「では、順番にやってみてください」
「「はい!」」
今度は俺たちがやってみることになった。まずは兄さんからだ。
兄さんは右手を突き出し、目を瞑った。
「汝の求める所に大いなる水の加護あらん──」
兄さんがウォーターボールの詠唱をしているその時、
ロキシーさんのスカートが風で捲れ、パンツが見えそうになった。
兄さんは目を見開き、そちらを見るため詠唱を
ウォーターボールを発射した。
一瞬だったし、角度的に見えずらい俺は見えなかったが、
恐らく兄さんからは見えたのだろう。
というかまた母さんの木、折ってるし。
「なにしてるんですか?」
「あぁ、いえ! どうでした?」
「詠唱を端折りましたね……?」
兄さんがスカートの中を覗こうとしていたが、
詠唱を端折ったことの方が気になったらしい。
「はい……」
「いつも端折っているのですか?」
「いつもは……無しで……」
「無し!? ……い、一応聞きますが、もしかして、アルも?」
「スゥ……はい。俺も無しでやってます」
ちなみに、ロキシーさんがアルと呼んでくれている理由は、
自己紹介の時にアルと呼んでほしいとお願いしたからである。
兄さんの方もルディって呼んでください、って言ってた。
「でも、兄さんと違ってとある問題が……」
「問題……ですか?」
俺はロキシーさんに、俺が無詠唱で魔術を使うと、
消費魔力が詠唱時の5倍に増すことを話した。
ちなみに兄さんはそういうのが多分だがないらしいことも話した。
「な、なるほど……これは、鍛え甲斐がありそうですね……」
ボソっと呟いてるつもりなのかもだけど、
普通に聞こえてるんだよなぁ……
「あぁー!!」
「「あ……」」
あーらら。見つかっちった。
というか二人は今気付いたのか……
「ロキシーさん! うちの木を実験台にしないで頂戴!」
「えっ!?」
「まったくもう……!」
その後は兄さんがロキシーさんを励ましてたり、
ロキシーさんの歓迎会をして、楽しく過ごした。
そして歓迎会の時に俺もロキシーさんを先生と呼ぶことにした。
◆◆◆
翌日の午後。
今日から父さんとの鍛錬が始まる。
元々俺は毎日早朝にジョギングをしていた。
その為身体が既にそこそこできていたから身体作りとかは少ない。
今は基本的な動きの指導をしてもらっている。
まあ父さんは「グッと、踏み込んで……ザンッ!」
と、いう風に擬音が多く、指導力がほとんど無いから、見て盗むことにした。
手本を観察して、自分で実践して、照らし合わせ最適化する。
前世でやっていたことと同じだ。
アニメや動画の中の動きを観察して、実践して、元の動きに近づける。
字面だけだと厨二臭いが、俺はちゃんと真剣だった。
強い目的意識は無かったけどね。
そういえば、この世界の剣術には流派があるらしい。
剣神流、水神流、北神流の三大流派だそうだ。
速度と威力に特化した攻めの剣術、剣神流。
受け流しやカウンターが主な防御の剣術、水神流。
決まった型の無い、生きるための剣術、北神流。
そのどれかを使っていないと剣士とは呼ばれないらしい。
ついでに、そのどれかを使っていても、剣を使っていない場合は剣士とは呼ばないらしい。
そのどちらの場合でも、戦士と呼ばれるとのこと。
そして剣術にも、魔術同様に7段階に分かれているらしい。
初級、中級、上級、聖級、王級、帝級、神級の7段階。
父さんは剣神流、水神流、北神流、その全てが上級らしい。
リーリャさん曰く、練習を嫌い遊び歩いた上で、上級なんだそうな。
かなりの才能の持ち主じゃないか。
本格的な鍛錬はまだだが、才能はあるらしい。
俺的には戦士になりたい。
北神流をベースに、剣神流の速度と、水神流の防御性能を合わせた戦い方をしたい。
◆◆◆
数日後。両親がギシアンしている時間帯。
俺は最近、この時間に自室でとあることを練習している。
それは
『気術』
「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」という作品に登場する戦闘技術だ。
それは、特殊な呼吸法によって「気」というエネルギーを練り、凄まじい力を発揮することができるもの。
「スッスッ……フゥゥ……」
前世の地球じゃ試しても成功しなかったが、この世界なら使えるかもしれない。そう考えて始めた。
第七王子*1の作中でタオが言っていたように、肺に痛みが走っているが、無視して続ける。
「ゴホッ、ゴホッ……」
気の呼吸を続けようとしたら、咳き込んだ。
喉や肺に負担がかかっているような気がする。
今まではここら辺でやめていた。
だが、今日は漸く治癒魔術を覚えたのだ。
治癒魔術を使って、肺や喉を治療し練習を続ける。
いつもの3倍近くの時間、気の呼吸を続けていると、
微かだが、魔力とは違うエネルギーを感じれるようになってきた。
恐らくだが、これが「気」なのだろうな。
これからも、気の呼吸の練習は続けよう。
常時行えるくらいには使いこなしてやる。
寝る前に夜風を浴びに行こうとしたら、
ロキシー先生が母さん達のを覗きながら、廊下でシていた。
めっちゃエロいと思ったけど、なんか違うとも思った。
自分でもなんでそう思ったのかよくわからん。
第七王子の気の呼吸が登場しました。
ロイドほど早くは習得できないだろうと、数日かけさせてます。
感想・評価をお待ちしております。
それでは、次回をお楽しみに!
アルヴィスの呼び名ってどっちがいい?
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アル
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アヴィ