二次創作作りやすいやろがい! 何か強い感じの奴出そうよ! 野生の強者とかさぁ。
皆さんの地元の伝承にある妖怪とかさぁ。
「はぁ」
冬の北海道。鉄の街と呼ばれる街室蘭。
夜の闇に白い吐息が染み込んだ。
吐いた息の元は一人の少年。男と言うには余りにも華奢で、闇夜でさえもなお敵わない黒髪が肩に触れるか触れないかというくらいに伸びている。
とても中性的な雰囲気の少年だった。
そんな少年がいる場所は線路のど真ん中。
自殺志望者か、あるいはただの迷惑な常識知らずか。
しかし、傍迷惑でしかない筈なのに少年の美しさもあってどこか絵になってしまう。
彼を叱る者はいない。室蘭の電車はこんな夜遅くに走らない。田舎なのだ。駅は辛うじて電気が途切れ途切れで付いている程度で更に無人駅。都会の駅とは名前が一緒なだけで田舎の駅は全く別のモノなのだ。
彼以外にこの場所にいる者はいないのに誰が彼を咎められるのだろうか。
普通の者の時点では少年は一人でレールの上に立っているように見えただろう。
「ケテケテケテケテケテ」
普通の者から見れば。
ある才能がある者が見れば、少年ともう一つ。上半身と下半身が別れながらも這いつくばって動くセーラー服の悍ましい少女が見えていただろう。
少年。早田色姫には昔から人に見えないモノが見えていた。
それは犬だったり猫だったりトカゲだったり鳥だったりと様々だ。それどころか、だるまだったり人形だったり形容し難い姿のモノも多い。
幼いながらそいつらのことを妖怪だと思っていた。
不思議なことに妖怪達は絶対に二対になっていた。同じ様な二つ。正反対の二つ。全く整合性の無いバラバラの二つ。
変に図太いところがあった色姫はそれを楽しんでいた。面白がっていた。
自分には見えていて人には見えない。
それは色姫に優越感を持たせるには充分だった。
別に自分は特別だと奢った訳ではなく、ただ自分にだけ見える不思議な何かが面白かった。
趣味の深夜徘徊。真夜中は妖怪達が尚更見えた。十数年の経験から見ているが見ていないフリは得意だ。不良少年のモラトリアム的な感じで深夜徘徊をし、妖怪達を観察していた。
怖くは無かった。色姫にとって妖怪は生まれた時からそこにあるモノ。面白いが恐怖する理由はなかった。
─浅はか
この瞬間までは。
「ケテケテケテケテケテ」
不気味に呻く、少女の死体の様な妖怪。
上半身と下半身が無き別れ。なのにどちらも動いている。腕と足をバラバラに動かして這いずっている。線路の上を這いずっている。
純白を誇っていたのであろうセーラー服は血塗れ。
十四歳である色姫の少し上くらいであろう少女の見た目をしていて、パーツは美人と言って申し分ないが、纏う雰囲気で恐怖が勝る。
「ケテケテケテケテケテケテケテ」
─怖い
丸で今まで見てきた妖怪とは違う。
面白いモノではなく、恐ろしいモノ。
恐ろしい。
恐ろしい。
恐ろしい。
「ケテケテケテケテケテ」
恐ろしい。
筈なのに。
色姫は不気味に呻く、不気味な動く、不気味に見つめるその瞳。その全てが、悲しいものに思えて仕方がなかった。
─痛いって言ってる様に聞こえる
色姫の身体の全てが彼に伝える。
逃げろ。
それに従えば、これは悪い夢で終わるだろう。
─それは違う
色姫にとってそれはダメなことに思えた。
─言葉にすることはできない
─けど、駄目なんだと思う
人には見えないモノが見える色姫の瞳は、昔から見逃してはいけないモノを見逃さない。
真っ黒な真珠の様な瞳が胴が無き別れの少女から目を離さない。
「きっとダメなんだ」
「僕は君から目を離したら、ダメなんだ」
少女はきっと助けを求めている。彼女の瞳が、彼女の声が、彼女の動きが、彼女の全てが誰かに助けてと言っている。
でも、普通の人に少女は見えないのだ。
きっと突然誰からも見て貰えなくなってしまったのだ。
「だから、見える僕が目を逸らしたらダメなんだ」
偶々だ。
色姫が少女を見つけたのは偶々。
その偶々は少女にとって数十年振りに見つけてもらった、奇跡の様な偶々。
色姫は一歩少女に近づく。初めに考えていた方向とは真逆の方向に進んだ。
きちんと認識を正して見れば、少女は怖くなかった。
「どうしたの」
少女の手を握る。一応、朝も握る。
「……けて」
すると少女はほぼろぼろと大粒の涙を流し出してしまった。その涙も赤い血の色なのだから見た目は更に怖くなってしまったが、もう色姫はそんなことは気にならない。
ぎゅうっと抱きしめる。
すると頭の中に映像が流れ出した。
丸で古い映画館で映画を見ている様に映像が流れ出した。
冬。
雪がゴウゴウと吹き荒れている。
少女がいる。踏切を渡ろうとして、転んで。
電車が走ってきた。
雪が最早全てを見えなくする。全てを聞こえなくする。
少女は一生懸命止まってた叫んだ。
だが見えない、聞こえない。
そしてぐちゃり。
「……」
悲しい。
誰も悪くない。
ただの悲劇。ただの事故。
少女はそして助けを求めて、誰もそんな彼女を見ることができなかったのだろう。
「僕が見つけたよ」
我こそは恩人だ、などと少しも思っていない。
でも、言ってあげるべきだと思った。だから言った。
そしたら少女は少し微笑んでくれた。
その瞬間ビビっと色姫と少女を繋ぐ何かが走った。
驚いて少女を見る。少女も驚いた様に色姫を見た。
「今の、何?」
「ケ、ケテ⁈」
少女の方も何だか分からない様子。
しかし何だか分からないが、色姫と少女が繋がったことは何となくわかった。
少女がもう孤独でないことも、わかった。
「まあ、何とかなるよ」
「ケテテ?」
文字書くのサボりすぎて全然書けない。やばたにえん
感想ください。