テテとケケと色姫   作:鉄鯨

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速く短くで挑戦してみます。
文を書く練習も含めて。


行くぜ東京

「来たぜ東京!」

「テテテ!」

「ケケケ!」

 飛行機から降りて空港を出て、色姫はキャラにも無くはっちゃけでいた。

 色姫は北海道の室蘭在住の中学生。彼は今東京の地を踏み締めた。

 これは本州の人間からしたら小さい一歩だが北海道の一人の中学生にとっては大きな一歩だ。

 地続きで繋がっていない。それだけで北海道の人間が本州に行くことが難しくなる。

 ましてや中学生のお小遣いなど、余程甘やかされている豚でなければ高が知れている。本やらゲームやらを買うで精一杯。東京まで行く費用、宿泊費、東京の物価での買い物をするための金、東京から北海道まで帰るお金、千歳から室蘭へと帰るためのお金。これらを用意できる者などほぼいないに等しい。いたとしたら親にぶくぶくに甘やかされている豚だ。

 室蘭の中学生一人で東京の地を踏み締めるなど、最早奇跡。

 何故、色姫がそんか奇跡の担い手になる必要があったのかは少し遡る。

 

 

 少女に憑かれた──というよりも、少女と契約した色姫。

 まず最初に確認したのは名前だった。

 少女の妖怪としての名前はテケテケ。

 小学生の頃友達が話していた都市伝説に出てきた名前だった。

 テケテケ言ってたからテケテケだったのか、テケテケという名前だからポケモンの様にテケテケ言ってたのかは謎。

 人間だった頃の名前は分からない。

 ケテケテしか言葉を発しないのだ。何となくニュアンスで考えてることはわかるが、情報の共有としての会話は難しい。

 後、テケテケの上半身と下半身は同じ少女の身体のはずだが、やんわり個々に人格がある。

─都市伝説になってたのが影響があるかも

 ケテケテの都市伝説は色んな友達がやたらめったらに言っていて、上半身や下半身など話によって違ったのだ。

 それが少し申し訳ないと思いつつ、上半身にはテテさん。下半身にはケケさん。と呼ぶことにした。

 テテさんは。余り表情は変わらないが雰囲気で気持ちが分かりやすい。

 ケケさんは下半身なので表情などないが、動きが激しいのでその時々の気持ちが分かりやすい。

 少女は生前かなりませた女の子だった様で推定歳下の色姫をからかってくる。胸を押し付けたりスカートの中身をわざと魅せようとしてくる。それが何だかとても恥ずかしかった。

 テテさんとケケさんとの生活は楽しかった。内緒の面白いモノよりも、内緒の友達の方が嬉しいに決まっている。

 心霊写真を作ったり水戸黄門ごっこをしたり、偶に女装させられたりもしたが楽しかった。

 

「ずっとこのままはダメなんだろうな」

 この生活は続けてはいけないモノだとも思ってしまう。

 テケテケは死んでしまった少女だ。

 恐らくテケテケは他の妖怪と違うタイプなのだ。今まで見てきたモノは生まれた時から妖怪だった。けどテケテケは死んで妖怪の様になった。

 何となくわかる。テケテケは現世に居続けてはいけない。きっと長く居続けてしまえば彼女にとって何か酷く悪いコトが起きてしまう。

 死んでしまったのなら次へと進むのが道理なのだろう。

 テケテケも何となくそれは理解していた。

 が、その方法が分からない。

 お寺で供養してもらったり、神社行ったり、アイヌの死の道と呼ばれるところに行ったりしたが、丸で駄目だった。

 それどころかそうやって一緒に何かをする度に絆が深まり、思い出が積み重なって別れたくなくなってしまう。

 これはまずいぞと二人して砂浜に寝転がって空を仰いでいたら一人のおぢさんが話しかけてきた。

「君達、何してるんだ。波に攫われてしまうぞ。」

 全く持ってドセイロン。きゃー変態ーとおちゃらける隙もないドセイロン。

 そして、おぢの言葉には色姫をバッと振り向かさるものがあった。

「きみたち⁈」

 きみ、たち。

 普通の人にケテケテは見えない。色姫が一人で寄行をしているように見えるはずなのに。

 きみ、たち。

 このおぢは只者でない。ケテケテのことを見えている。

「おぢさん! 何者?」

「人生で一回は言われてみたい台詞だね」

 おぢ曰く、色姫が妖怪だと思っていたモノはツガイと呼ばれる存在らしい。

 二体一組であることが前提とした存在。ケテケテもツガイに至る上でそのルールに沿ったカタチになったのではないか? というのがおぢの推論。

 自分が契約しているツガイだと言って豪快、爽快と名付けられ身長三メートル程の仮面を付けた力士を見せながら教えてくれた。ポケモンならジムリーダーをしてそうな迫力があった。

 色姫とケテケテの事情を話すと、ツガイは本尊を壊せば消滅すると教えられた。

「そういのじゃない」

「だろうね」

 おぢはそれ以外の方法を提示できない。しかし若者にアドバイスをする。

 影森さんなら何か知ってるかもしれない。と。

「カゲモリサン」

 何でも現在日の本に置いて、ツガイ使いに石投げれば影森関係と言われる程にツガイに精通したお家なのだとか。

「どこにいるの?」

「トーキョー」

 じゃあ行くっきゃねーべイビー! と色姫は即決で東京行きを決めた。

「テテテー」「ケケケー」

 テテさんもかけさんも気合十分。

「頑張れ」

 おぢは紹介状を書いてくれるらしい。

 何でと聞けば、ヒトに対してそんなに真剣になれる人間はそういない。そんな素晴らしい若者の手助けをしたいのだと。

 ひたすらに気のいいおぢだった。

 そんな訳で東京行きを両親に相談。

「いいぞ」「いいわよ」

 即、良いよと返事をもらえた。

 別に今までの素行が良いとは言えない色姫は何故ですかと聞けば、目が真剣だったからと返ってきた。

 軍資金の半分も出して貰えることになった。残り半分は豚の貯金箱の豚士郎紅助をぶっ壊して解決した。

 そんなこんなで東京に色姫は訪れたのだ。

 色姫は友との別れる方法を探すためひ東京にやってきたのだ。

 ケテケテは友と別れる方法を探すために東京にやってきたのだ。

 悲しと叫ぶ本心がある。いやだと叫ぶ本心がある。

 でも、やらなきゃと思う強い覚悟があった。

「行くぞ。影森さん家へ」

「テテテ!」「ケケケ!」

 




黄泉のツガイで一番好きなツガイは矛盾。
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