白上さんの誕生日にもう1話更新したいと思っていますが何も無かった場合はお察しください。
そして、取り憑かれた女性へ話を聞き終わったボクらが向かったのは村にあるミゾレ食堂という名の定食屋だった。ボクとフブちゃんはここで少し遅めの昼食をとっている。
「うま──い!」
「ん……やっぱ美味しいね」
ボクが食べてるのは究極の卵がけ牛丼と呼ばれる料理だ。ここの名物でありあつあつの白ご飯の上に分厚く切り分けられた牛肉、一味唐辛子がふりかけられた温泉卵、更に特性のタレが満遍なくかけられていてご飯に染み付いている……うん、ほんとに美味しい。さすが究極と名のつくだけあるよ。
そしてフブちゃんはというと待ち望んでいたきつねうどんを美味しそうに食べていた。
結局あの後、ケガレに捕食されたカップ麺を回収したんだけど全部ケガレの体液でダメになってたんだよね。あんだけカップ麺にこだわってたけど空腹には逆らえなかったみたい
「でしょう? 最初からうちで食べていけばよかったのに」
そう言って呆れながらフブちゃんに愚痴をこぼした女の子の名はここの看板娘であるミゾレという子だ。
彼女はフブちゃんの後輩にあたる存在であり、店員として働く傍ら、フブちゃんのようなカミとなるべく修行をしている優しく頑張り屋で店の常連のヒト達からも人気のある存在だ。
聞けばフブちゃんはカップうどんが売り切れてたことを知った時1度ミゾレ食堂を訪れてカップうどんが無いか尋ねたらしい。何してんのさ、カミサマでもギリ許されないことしてる気がする。
「んー……それも美味しいけど……やっぱり今はカップの口だから……やっぱり味わいが違うし……」
「全くもう……ワガママなカミサマなんだから」
そんなフブちゃんのワガママ発言を聞いたミゾレちゃんは呆れ笑いを零しながらも、僕らのコップの中にある少なくなったお冷を見ておかわりを注いでくれた後厨房へと戻っていく。昼過ぎでお客さんが少ないとはいえやることはまだあるだろうからね。
「2人はもうお昼は食べたの?」
「うん! ウチは食べたけど……」
そんな時、食事をとってるボクらを眺めてるミオちゃん達の姿が目に入った。2人は何も頼んでいなかったため既に済ませてるのかなと思ったけど予想通りだったみたいだ。
「オレも既に済ませてある」
「え……じゃあもしかして……」
「安心しろ、調味料はいつもの量入れたが料理は自分で作ったものだ。それなら文句ないだろう」
ミオちゃんに続きフミヤ君も昼食を済ませた事をボクに教えてくれた、ヒトが作ってくれた料理に調味料を大量投入してないようで安心はしたけど……ボクらにはまた別の不安が頭をよぎった
「えっ……! フミヤ君の作る料理とかドブみたいな見た目と味なのに」
「ヒトの料理をなんだと思ってるんだお前は」
君はヒトじゃなくてアヤカシでしょというツッコミは野暮なので置いておいて……何を隠そうフミヤ君は超がつくほどの料理音痴なのである、1度みんなでそれぞれ料理を作った事があったけど……料理が得意なボクやミオちゃんは言わずもがなフブちゃんも普通に料理はできるので問題は無かったけどフミヤ君は自信満々にとても食べ物とは思えない液状の何かを作ってたんだよね。本人曰く鯖の塩焼きを作ったらしいけど。おかしいでしょなんで魚が液状になるのさ。そして味はお察しの通りだったよ。
……てなわけでそんなフミヤ君が料理なんて大丈夫かと思ったけど……
「ほら、いつもバカみたいに調味料入れるから関係ないんだよ」
「そっか……フミヤ君ってバカ舌だもんね」
「何故オレはこんなにボロクソ言われなければならない」
ボクが不安に思ってるとミオちゃんによる正論パンチがフミヤ君に大して飛んでいく、まぁ日頃の行いだよね。
一応彼の名誉のために説明しておくと食の時だけこうなるだけで戦闘やケガレバライ等の時はちゃんと頼りになる存在でボク含めみんなフミヤ君の事は信頼してるからね。
「というか! この前調味料没収したばかりなのに……まさかまた買ったの?」
「フン、不足の事態に備えて別の隠し場所を用意してるに決まってるだろ」
「なんでそんな自信満々に言えるの」
さっきフォローしてあげた時間返して欲しいんだけど
「自信満々云々に関してはマコトも言えないと思うけど……」
「え? ボクは天才だから別に良くない?」
「ぶっ飛ばすぞ」
「なんで? やだ理不尽」
「ムカつくからに決まってるだろ」
「まぁそれはウチも同感かも」
「んー気がついたら矛先がボクに向いてる気がする」
まぁこれもボクが完璧すぎるから仕方ないよね、でもあんまり言うと2人から殴られるからやめとこ
「んー……! 汁もおいしー!」
「お前は相変わらず過ぎるだろ」
フブちゃんはというとボクらのやり取りに構わずずっときつねうどんを食べていた。ほんとに自由すぎる。まぁ楽しいから良いんだけどね、けどそろそろこっちの話もしないと
「そういえばさっきのヒトのケガレの原因だけど……」
「うん……ちょっと変だったよね」
ボクがさっき祓ったケガレの事について話を切り替えると皆表情を変えこちらを向いた
そしてケガレの原因というのがさっきのヒトはゲーム好きで次の連休に遊ぶために食料を買い溜め本当は売り切れになるまで買うつもりなど無かったけど自分の意思と反してどんどん買い占めていきそこから記憶がない……ということに
「二人でないと祓えない大きさのケガレだったんだろう? ……それくらいの事であそこまで大きくなるとは思えないが」
フミヤ君の言う通り、本来なら今回のような原因によって発生するケガレは
「うん……でもあの人も嘘ついてる感じじゃなかったから……それに最近ケガレ関係の事件も多いし……何か関係あるのかも」
フブちゃんの言う通り先日ボクが祓ったケガレと今回のケガレ、それに加えフミヤ君達もケガレに遭遇したと聞いた。
ケガレは
一体何が起こってるんだろ……
「事件……そうだ! フブキってば全然メール見てないでしょ!! 何度も送ってるのに!」
「あ……うん……最近始めた新しいゲームに熱中してて……イナリフォンの事全く見てなかったかも」
ボクが考えを巡らせていると何かを思い出したミオちゃんはフブちゃんに対し連絡がつかないことを怒り始めた。確かに最近めちゃくちゃ熱中してるなとは思ってたけど……さすがに連絡来てるかの確認はしようよ。
ちなみにイナリフォンっていうのはウツシヨから流れ着いてきたタンマツをイナリ一門の技術者が改造した専用のタンマツでありイナリ一門の者に支給されてるもので連絡があったらすぐ確認するように言われてるんだけど…
「はぁ……そんなことだと思った。キュウビ様も連絡つかないって困ってたよ?」
「え、キュウビ様からも来てたの? フブちゃんが何も言わないから来てないかと……」
「……そういえばお前はフブキのジュウシャであるが
フミヤ君が言ってくれた通りボクはイナリ一門でもなく普通のヒトであるため当然イナリフォンは持っていない。そもそも
「2人ともキュウビ様に何か言われると思うよ? マコトは仕方ないと思うけど特にフブキは……」
「ひぃっ!! あ、後で確認しなきゃ……」
「うーん……ボクも非は無いとは言えないしな」
実際、ボクもフブちゃんに対して連絡が来ていないか気にかけておく事を怠っていたのでボクにも原因はある。
とはいえこういう事があると分かった今、キュウビ様にイナリフォンでは無い別のタンマツを用意してもらうことを検討する必要があるかもな
「それで……ウチ達が来た理由だけど……2人に伝えないといけないことが……」
ガラッ!
「あ……あのっ……! ここにフブキさん達がいるって聞いて……!」
ミオちゃんが来た理由、それを話してくれようとした時、食堂の扉が勢いよく開かれた
「ああ……良かった……居た……」
「フブキ……その子って……」
「うん、この村の子のはるかちゃん」
そこには村の女の子の姿があった。ボクもこの子には見覚えがある、よくフブちゃんと一緒に楽しそうに遊んでる姿を見るからね。けど走ってきて息も切らしてるし凄く慌ててみるたいだけどどうしたのかな?
「どうしました? 落ち着いて話してください」
はるかちゃんはフブちゃんにそう言われると軽く深呼吸して要件を話し始める
「今、キョウノミヤコで子供たちが行方不明になってて……それで今お母さんと妹のももかもキョウノミヤコに行ってて……」
「っ……もしかしてそのももかって子が……!? お母さんは?」
「お母さんは無事……家に帰って来た……でも……」
「オレ達がここに来た理由も……その子が今話してくれた通りだ。その件についてキュウビ様から2人を呼ぶよう言われたという訳だ」
「ミヤコの子供達が……そんな事件が起こってたなんて」
ミヤコとシラカミ神社は離れているので仕方なくはあるのかもしれないがボクもフブちゃんも全くその事について知らなかった。
ケガレの発生が多いのと関係あるかは分からないけど……見過ごす訳にはいかないよね
「お願いします!! ももかを見つけて欲しいの!」
はるかちゃんはボクらに対して懇願してくる。
今もこうやって涙を流し、ここに来た時も息を切らし走ってきた様子を見るとこの子の恐怖や不安は計り知れない。
……ならば、答えは1つしかないよね
「もちろん……! 白上達に任せてください!」
やる気に満ち溢れた表情でフブちゃんは答えてあげた。
それを見たはるかちゃんも表情が少し和らぐ。
「可愛い子供たちを攫うなんて許せない……! 行こう! 早く子供たちを見つけないと!」
「……それより先にキュウビ様のとこ行かないとだよ?」
「……あっ……そ、そうだった……」
やる気に満ちたフブちゃんだったがミオちゃんの一言によって一気に青ざめる、てかそれに関してはボクもヒトゴトじゃないんだよね。幸先不安になってきた。
シキガミ
カミやヨウカイが使役する存在。自分の仕事や戦いのサポートに用いられる事が多い。
また、ヒトがシキガミを使役する事の出来る例が存在しており。その者の名は“オンミョウジ”などと呼ばれている。
クダキツネ
キツネのアヤカシの一種。イナリ一門がシキガミとして使役をしている。
自身の姿を様々な道具へと変化させるワザを使用可能。
ヨウカイ
アヤカシが悪いイワレを集め、邪な力を持った存在。元になった存在や集めたイワレの性質によって様々な姿形へと変異してしまう。
※一部公式、ピクシブ百科事典より抜粋。また独自解釈あり