ざまぁ終了後の尻拭いを押し付けられて笑える 作:しいつ
「そろそろ聞かせていただきたいのですが…ボクはどうして呼び出されたのでしょう?」
いつものようにボク⋯ティフィシアが、生まれ故郷である辺境の村の教会でけが人の治癒をしていたのが昨日のこと。
だというのに、どうしてなのだろうか…?
気づけば、見知らぬおじいちゃん貴族と同じ馬車の中に拉致られ⋯⋯乗せられていて、王都に向かわされていた。
いやマジでなんでなん?
あれから1日以上も経ってるってのに、いまだにどこになぜ連れていかれているのかすらも教えられていないしさぁ…。
「悪いんじゃが、もう少しだけ待っててくれんかのぅ…。そろそろ王城に到着するはずじゃからな。」
公爵様だかなんだか知らないけど、調子に乗りすぎではありませんこと?
ボクの手にかかれば、1日も待たずにこの国に災いを呼び込むこともできるんですわよ?
具体的な災いの名前を出すのなら、疫病とかすごい疫病とかとてもすごい疫病とか。
疫病しか呼び込めないポンコツじゃんとか言っちゃうのはダメだよ?
そんなことを言われた日には、思わず号泣して、天変地異を起こしちゃうだろうから。
てか…え、王城!?
王城ってアレだよね?
王様とかすごく偉い人たちが住んでるとこだよねぇ!?
不敬罪とか言われて、一族郎党皆殺しにされたりしない?
王族がどんな性格かなんて分かんないから、やらかす可能性が高すぎるよ?
「心配するな、幼子よ。多少の無礼なら、陛下も笑って許してくれる。そう⋯あのエセ聖女みたいな奇天烈じゃあなければな。」
安心できたのは、ほんの一瞬だけだったね。
最後の一言のせいで、一気に心配になってきちゃったよ。
ところで、エセ聖女って誰のことですか?
御貴族様の呼び名からして、ろくな人じゃなさそうだけど。
「まぁお主の態度らを見てる限り、今のようにしてれば大丈夫じゃろう。」
貴方の言葉を信じさせてもらいますぜ、へへっ。
……なんで小悪党口調なんだろうね?
✚✚✚×✚✚✚
「ふむ…。つまりお主は村の人たちを毎日のように癒していたのか。」
「えぇ…まぁ、はい。」
対面に座る赤銅色の髪を持った、ふくよかな体型の男性…国王陛下の言葉に、ボクはただ相づちを打つだけ。
いつになったら、こんなとこに連れてこられた理由を教えてくれるんですかねぇ!?
ボクもそろそろ怒っちゃうよ?一族郎党皆殺しにされるのが怖いから、口には出せないんだけどさ。
「陛下…。そろそろ、この子になぜ呼び出したのかを話されてあげてはいかがですか?」
「む、それはそうだな。久しぶりに気が抜けたゆえに、少々話すぎてしまった。」
ありがとう、名も知らぬ騎士さん。
なんでさっきまでは諌めようとしなかったのかすご〜く謎だけど、とりあえずは感謝してあげるよ。
それと陛下。
貴方は気が抜けたのかもしれないけど、ボクはまったく気が抜けなかったから。
少しはボクのことを気づかってくれてもよかったんじゃないかな?
「簡潔に言おう、ティフィシア殿…。我らを、この国に住むすべての民を救ってくれんか?」
そう真摯な態度を取りながら、どこにでもいるような一般人のボクに頭を下げるどこにでもいないような国王陛下。
んー…どうしてこうなったのか、誰かボクに教えてくれませんかねぇ?