ざまぁ終了後の尻拭いを押し付けられて笑える   作:しいつ

2 / 3
第一話

 

 

つい昨日まで普通の村人をしていたボクは、どういうわけか国王陛下に国を救ってほしいと頭を下げられていた。

 

ふっ…まったくもって理解が追いつかないね。

 

そもそもなんでボクなの?

ボクはどこにでもいるような村人であって、国を救うような英雄じゃない。

 

「突然のことで理解が追いつかないかもしれないが、とりあえずは余の話を聞いてくれ。」

 

しょうがないなぁ、のび太くんは。

……のび太くんって誰やねん。

ろくでもなさそうなヤツって感じがするけど。

 

「これから話すことはこの国の汚点のようなものであるゆえに、不快な気分にさせてしまうかもしれん。じゃが、それでもこの国のために聞いてほしい。」

 

えー、そんな話聞きたくないんですけど。

そんなことは不敬罪が怖いゆえに言えず、ボクはただ黙って話を聞かされるのであった。

 

 

 

✚✚✚×✚✚✚

 

 

 

なるほどねぇ。

たしかにそれはひどい話だ。

僕みたいな幼気な少年(17歳)を巻き込もうとするだなんて、ほんっっっとうに残酷でひどい話だよ。

ファッ◯ンゴッド。

 

話を整理するのならこんな感じだよ。

 

今から5年ほど前に、この国に厄災が解き放たれるという神の言葉があったらしい。

その厄災から国を守るには神の愛し子を見つけて、力を貸してもらう必要があるとかなんとか神の御使いが言いやがった。

 

んで、いろいろとあったけど、その神の愛し子候補は数人ほど、無事に見つかりはした。

だけどあまり高等な教育が施されてないであろう平民たちだったので、貴族たちの通う学園に通わせることにしたとのこと。

 

そこまでは順調だった…そこからはまったく順調じゃなかったとも言い変えられるけど。

 

あろうことかその平民のうちの一人が高位貴族の令息たちに次々と手を出していったのだ。

しかも全員彼氏ならぬ婚約者持ちという…。

 

いやアタオカかな?

絶対、アタオカだよね。

 

どういう育ち方をしたら、人の男に手を出そうと思えるんだろう?ボクにはまったくもって理解できない。

下手したら、一族郎党皆殺しになったとしてもおかしくないですよ?

もはや平民の面汚しと言われたとしても、過言じゃないでしょ。

 

それはさておき…その平民が神の愛し子の有力候補であったために、彼女に迷惑をかけられまくっている人たちも強く出れなかった。

なんというかさ…どんまいだね。

 

そしてつい最近のこと。

この前に行われたその平民の通っている貴族学園にて、卒業パーティーが行われたらしい。

さまざまな人たち…貴族も平民も事情を知ってる人たち全員に、史上最悪の卒業と呼ばれているらしいイベントが。

 

アタオカ平民少女に絆されていた高位貴族の子息たちが、自身の婚約者に婚約破棄を突きつけて、アタオカ平民少女と婚約するという宣言をしてしまったのだ。

婚約破棄ってそんな簡単にできちゃうものだったんだねぇ…。

ボクってばビックリ仰天だよ〜。

 

まぁそこまでは良いじゃん?

まったく良くない状況になってるけどさ。

 

アタオカ平民少女と婚約したのは第二王子、侯爵令息、伯爵令息二人、枢機卿の息子、大商人の息子の六人。

それもまぁ、アタオカ平民少女が神の愛し子だと思われていたからギリギリ見て見ぬふりをされていたことだった。

 

でもここで振り返ってみよう。

アタオカ平民少女はあくまで神の愛し子の有力候補。

だから神の愛し子じゃない可能性も少なからずあるわけだ。

まぁ誰一人としてその可能性は考慮してなかったらしいけどね。

 

これで万が一にも神の愛し子じゃなかったら、極刑クラスの大罪だよね、ハハッ。

……神の愛し子じゃなかったんですよ(笑)。

 

まぁ考えてみれば当然のことだろう。

神を敬っているような姿を微かにも見せない人が、神から愛されるわけがない。

 

神の御使いから平民少女が神の愛し子である可能性が少しも残されていないことを告げられた。

というか学園に集められてた候補全員が神の愛し子じゃなかったという…。

憐れなり、他の神の愛し子候補たちよ。

これからの学園生活とか、絶対気まずいだろうね。

 

阿鼻叫喚の嵐となった国の上層部たち。

まぁそれも仕方のないことだろう。

こんなのはあまりにもどうしようもない、取り返しのつかない失態なのだから。

 

陛下が国の汚点と言うのも納得できてしまうほどに。

 

アタオカ平民少女をとりあえず牢獄に突っ込んで、死に物狂いで本当の神の愛し子を探し出そうとしたらしい陛下たち。

そして僕が見つかったとのこと。

いやどうしてそうなった?

 

ボクは神の愛し子みたいな厄ネタ的存在じゃないヨ?

疫病を撒き散らしたりとか、天変地異くらいしかすごいことはできない、どこにでもいるようなごく普通の一般人ダヨ?

あとは治癒の魔法が普通よりもちょっとばかり得意というだけで。

 

「ボクは治癒魔法が得意なだけの一般人ですよ?神の愛し子なんていと尊き存在じゃあないと思うのですが…。」

 

「その判断は余らではなく、御使い様がしてくれる。そろそろ御使い様もこちらに到着するであろうゆえに、そのまま待っていてくれたまえ。」

 

「あっ、はい。」

 

嫌でござるよぉ〜!!

ボク、まだあの世に行きたくないのでござる!!

 

今すぐここから逃げ出したいぜ☆

だけど下手に動いたら、真後ろの騎士に斬られそうで逃げ出せないぜ☆

ハッ…これが俗に言う圧迫面接?

 

神の愛し子じゃなかったら、十中八九打ち首じゃん?

ふふっ…わりぃ、ボク死んだ。

 

一割から二割は打ち首じゃない可能性もあるだろうって?

そんなのギャンブラーの思考だよ。

ボクは生まれてこの方、一度だって賭け事をしたことがないんだから。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。