神次次元ゲイム ネプテューヌ Re:birth3 “鋼を纏いし者” 作:黒金の孤狼
「ん…」
次に目が覚めるとどこかの平原に寝転んでいた
とりあえず転生は出来たみたいだな…
「でも…此処は何処なんだろ?」
ゲイムギョウ界なのは間違いないだろうし適当に歩いてれば街に着くだろう……お、宝箱発見!開けてみよう~
‘シシオウブレードを手に入れた!’
「ちょっと待てーい!何でシシオウブレードがあるの!?」
違うゲームの武器だよね!?何故こんな所に…
「何か無茶苦茶だな…ん?これは…」
他に何か無いか見ると、宝箱の片隅にデッキケースと1枚のカードが入っていた
「…この絵柄は量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改?もしかしてこの腕輪と関係あるのか?」
そう思い、腕輪のスロットにカードを差し込む。しかし特に何も起こらなかった…
「まぁ、何かの役には立つかもしんないし持っとくか」
カードを抜き取り、ポケットへしまう
“ヌ~ラ~”
「ん?何だ今の声…ってうわぁっ!?」
気が付くと、いつの間にかスライムに犬耳が付いたモンスター“スライヌ”に囲まれていた。シリーズお馴染みの敵キャラだな
「肩慣らしには丁度良い相手だな。はぁぁっ!」
鞘から抜き放ち、スライヌの群へと突撃し一閃、それだけで群れの大半が粒子となり消えた
「うわ…シシオウブレード強ぇなιそれともスライヌが弱いだけなのか?さて、残りは…あれ?」
気が付くと大量のスライヌはどこにも居なくなっていた
“ヌゥ~ラァ~!”
が、代わりに巨大なスライヌが目の前に居た
「うわぁ…合体したんかなι逃がしてくれそうもないな…」
ならば、やる事は1つ…
「倒すしか無いよな…せぇぇい!」
先手必勝とばかりに巨大スライヌに斬り掛かるが…
“ボヨーン!”
「おわぁぁっ!?」
1匹ずつでは貧弱だったが、集合して巨大化した事により増した弾力性に阻まれ、弾き飛ばされる
「いってぇ…くそ、いきなり硬くなりやがって…“ヌゥ~!”うぉっ!?」
間髪入れず、巨大スライヌは俺を吹き飛ばさん勢いで体当たりを仕掛けてくる。間一髪で回避、スライヌは俺の真横スレスレを通り過ぎていった
「ふぅ…死ぬかと思っ……!?」
通り過ぎて行く巨大スライヌの先に目をやり、戦慄する。俺より一回り小さな女の子が居たのだ…マズい、このままじゃ…!
「逃げろ!危ないぞぉ!」
巨大スライヌを追い掛けながら、女の子に向かって叫ぶ。叫び声に気付いたのか女の子が此方を向く。驚いたように目を見開くが直ぐに冷静になり、逃げ…てない!?ハンマーを構える少女、まさか…
「止めろ!無茶「ツァシュテールング!」
“ゴシャアッ!!”
‘ヌゥ~ラァ~!?’
遠心力を利用した一撃が巨大スライヌの顔面を捉え、吹っ飛ばされる。うわぁ…すっげーパワーだなぁ…ん?あれ、何かこっちに飛んで来て…!
“ドカァァンッ!”
「ごぶぁぁ!?」
避ける間もなく巨大スライヌと正面衝突、為す術もなく俺は吹っ飛ばされた
「あ…しまった…ι」
“しまった”じゃないよ…そんな呟きを聞いて俺の意識は闇に呑まれた…
「ん…あれ?此処は…」
気が付くと見知らぬ部屋に寝かされていた…ていうか今日は気を失う回数多いな俺ι
「目が覚めたのね、良かった…」
そんな事を考えていたら、不意に声が聞こえた。その方を向くと先程の女の子が居た。
「あ、君は…さっきの」
「あの…さっきはごめんなさいιぶつけるつもりは無くて…その…」
シュンとして女の子は謝罪の言葉を口にする。
ちょっと可愛いな…って思ったのは秘密だ。
「気にしないで…にしても見かけによらず強いんだね、吃驚したよι」
「あれくらいは当然よ、私はこの大陸唯一の女神なんだから」
控え目な胸を張り、誇らしげに彼女は言う…ん?
「えっ…女神様なの?」
「えぇ、そうよ」
…ネプテューヌシリーズでの小柄な女神様といえば…
「もしかして…ブラン様?」
「えぇ…女神の姿の時は‘ホワイトハート’と呼ばれているわ」
やっぱりか…ていう事は此処はルウィーになるわけか
でも、変だな…ルウィーって雪国だよな…ブラン様も巫女服っぽいの着て…もしかして神次元の方か?…ゲーム未プレイなんですけど(泣)
「それで…あんな所で貴方は何をしていたの?」
どうでも良いような考え事をしていたら、そんな質問を投げ掛けられた……
「実は俺…異世界から来たんです。元居た世界で事故に遭って死んで、神様に頼んで転生して貰ったんです」
正直にありのままを話すとブラン様は暫く黙り込み、思案する。
まぁ妥当な反応だな、一見すれば頭可笑しいんじゃないかと疑うような話だし…
「…貴方が別な世界から来たという証拠は?」
「残念ながらありません…」
「そう…なら貴方が居た場所に行ってみましょう。別な世界から来た証拠が残っているかもしれないわ」
「あの…それって…信じてくれるって事ですか?」
「えぇ…貴方が嘘を付いているようには見えないもの。それに…」
、言葉を切りブラン様は俺の目の前に顔を寄せて
「異世界からの来訪者なんて面白いじゃない?」そう言ってニコリと笑うブラン様。……可愛い///
「…笑った顔、可愛いね……」
「な、何を言ってるの…真面目な話してるのに、急に変な事言わないで…っ///」
そう言って真っ赤になってブラン様は俺から離れる。そんな仕草も可愛いなと思ったが、収拾が付かなくなるから黙っておこう
「あ…すいません」
「全く…で、話を戻すけど貴方が居た場所に行くのだけれど、どうする?」
「勿論、付いて行きます…望みは薄いと思いますが」
「でも少しでも望みが有るならば行く価値は有るわ……それより気になってたんだけど何故、急に敬語なの?」「え…いや、流石にマズいかなと…」
「構わないわ…普通に話して頂戴」
「いや…でも…」
「良いから…長い事、女神をしていると対等に話せる人も居なくなるのよ…友達と呼べる人もね…」
そう言って悲しそうに目を伏せるブラン様。そっか…女神は年を取らない、でも…他の人達は…そうもいかない。それで悲しい思いや辛い思いを沢山してきたのだろう…なら俺に出来る事は…
「分かりま…分かった、ブラン。今日から俺達は友達だ」
「うんっ…!ありがとう、えっと…」
あ、そういえば名乗ってなかったなι失敗した
「恭介…桐生恭介だ。よろしくな」
「えぇ…よろしくキョウスケ」
俺の差し出した手をはにかみながら握ってくれた。やっぱり笑った顔、可愛いな…
数分後、ルジーイ高原
「着いたわよ、キョウスケ」
「ん…確かに俺が居た所だね」
とは言っても特に何の変哲もない高原だがι(因みにここはルジーイ高原と言うらしい)
「さて、来たは良いけど…どうする?」
「まぁ…しらみ潰しに調べていこうよ……っとその前に」
「周りの掃除が先みたいね」
お互いに頷き、モンスターの群れを睨み付ける。うわ…何か亀が居るよι椰子の木生やして、海に居たら小島と間違えそうだ…ι
「キョウスケ、雑魚をお願い。私はあの危険種をやるわ…」
さっきの亀を指差し、ブランは言った。危険種だったんだ…あれι
「分かった…でも1人で大丈夫?」
「えぇ…あれ位、楽勝よ。だって私は…」
一端、言葉を切り眩い光がブランを包み込み、姿が変わっていく。手にしていたハンマーは巨大な斧に変わり、髪は青みががった銀髪へ、瞳は深紅に変わり燃え上がる闘志が溢れていた。
「女神なんだからな!」
光が消えて、勝ち気な笑みを浮かべブランは言った。
「…っ///」
「ん、どーした?急に黙り込んで…やっぱり驚くか?まぁ、今に始まった事じゃねーから気にはしねーけど…」「うん…驚いたよ。凄く凛々しくて格好良いから…つい見惚れちゃったよ///」
「え…本当か…?」
「うん、本当だよ。それに…凛々しくて素敵だ」
「そっか…へへ///」
「…?何で嬉しそうなの?」
てっきり“当たり前だ”って言われるのかと思ったけど
「何でもねーよ、さてサクッと片付けちまうか!じゃあ雑魚は頼むぜ!」
言うや否やブランは危険種へと突撃して行った
「あ、ちょ…まあいっか…さて、お前達の相手は俺が務めよう…但し、此処から先は誰も通さない!はぁぁぁっ!」
シシオウブレードを抜き放ち、モンスターの群れを片付け始めた
side ブラン
「おらぁぁ!」
“グゴォォ!?”危険種モンスター-千年亀-の甲羅目掛け、大きく振りかぶった斧を叩き付ける。怯みはしたが直ぐ体勢を立て直し此方に向かってくる
「ち…ダメージは通ってねーか…なら通るまでぶっ叩くだけだ!ゲフェーアリヒシュテルンっ!」
野球ボール程の光球を形成し撃ち出す
“ゴァァッ!?”
大したダメージは与えられないものの、足が止まり甲羅にひびが入る…よし、今だ!
「貰ったぁ!ゲッターラヴィーネぇぇ!!」
天高く飛び上がり、ひびの入った場所、目掛け斧を振り下ろす。
“ゴギャァァッ!?”
落下スピードに渾身の力が加わった一撃は見事に命中、甲羅はガラスが割れたように粉々に砕け千年亀は地に伏せ動かなくなった
「へっ、一丁あがり!楽勝だったな」
さて、キョウスケの方はどうだろうか…。後方に目をやるとモンスターの群れは残り数匹となっていた。
「なかなかやるじゃねーか…あれなら手を貸さなくても大丈夫だな」
でも不思議な奴だな…私のこの性格を知っても幻滅しないで、受け入れてくれた…
「格好良い…凛々しくて素敵…か。初めて言われたな…そんな事///」
“グオォ…”
「あ?まだ生きてやがったか…ったく、しぶとい…!?」“グゴォォ!!”
耳をつんざくような雄叫びを上げ、黒い障気に包み込まれる
「まさか…汚染化…!?」
汚染…バグによってモンスターが凶暴化する現象。何度も遭遇してはいたが…危険種が汚染化したなんて報告は一度も無かった
「まぁ…四の五の言ってる場合じゃねーか。片付けちまえば関係ねー!」
‘ガキィン!’
「なっ!?効いてなっ…がっ!?」
振り下ろした斧がいとも簡単に甲羅で防がれ、横から伸びた前脚で払い落とされてそのまま地面に叩き付けられる
「ぐぁっ…どけっ…このっ…がぁぁ…っ!?」
脚から逃れようと持ち上げようとするがビクともせず、無情に更に力を入れる
‘ミシミシッ!’
あがっ…あぁぁぁっ!!」
マズい…このままじゃ…
side 恭介
ブランの悲鳴が聞こえ、其方へ視線を向け戦慄した…危険種がブランを踏みつけ、押し潰さんとしていたからだ
「ブランっ!待ってろ、今助ける!」
目の前に居た最後の1体を切り裂き、駆け出す。
「でやぁぁぁ!!」渾身の力を込めた斬撃をブランを踏みつけている脚に見舞う。しかし皮膚が硬いのか刃が止まってしまった
「何…かは…っ!?」
空いている脚の一撃が腹にめり込み、後方へ吹き飛び地面へ叩き付けられる…強い…「あがっ…かはっ…うっ…」
ブランの呻き声が段々弱っていく…くそっ…苦しんでる女の子1人救えないのか…俺は…!
そう思った時だった。右腕に嵌めていた腕輪が強く輝き始めた…そういえば神様が言ってたな…誰かを守りたい…そう願った時に必ず力になってくれるって……
「頼む…俺に力を…大切な人を護れる力を…俺に貸してくれ!」
ポケットのカードを取り出し、スロットへ差し込む。
‘armor rink’
腕輪のディスプレイに文字が表示され、何もない空間からパーツが現れ、俺の体に装着されていく
‘equip complete GespenstMk-Ⅱ KAI type-G’
再び文字が表示され、自分の姿を見ると量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改になっていた
「成る程…力を貸してくれるってこういう事か…色々ツッコみたいが、今はブランを助けなきゃ!」
スラスター全開、行ける!
「うおぉぉ!ブランを離せぇ!!」
危険種の胴体目掛け、飛び蹴りを放つ。スピードにより威力の増した蹴りを喰らい、危険種が吹っ飛んだ
「かはっ…げほっ、げほっ…」
「ブラン!大丈夫!?」
「あぁ…助かったぜ。にしても…何だ、その姿は?」
漸く解放されたブランが俺の姿を見て怪訝そうに尋ねる
「俺の力さ。大切な友達を護るためのな」
「そっか、なぁキョウスケ。私に力を貸してくれないか…悔しいけど、私1人じゃ勝てねー…頼む、この通りだ!」
頭を下げてブランは言った。全く…そんな事しなくたって答えは決まってる
「ブラン、何で頭を下げるのさ。大切な友達が困ってるんだ…喜んで力を貸すよ」
ブランの頭を撫で、俺は笑いかける…まぁ、アーマーの所為で良く分かんないだろうけどι
「キョウスケ…ありがとな…///」
顔を上げたブランは嬉しそうに笑う
本日3度目の笑顔…今日は運が良いのかも「さっさと片付けちまおーぜ!2人でな!」
「あぁ、反撃開始だ!」
高らかに叫び、危険種モンスターに突撃する
「プラズマバックラーセット!行くぜ、ジェットマグナァァム!」
スラスターを吹かし、電撃を纏わせたバックラーを危険種へ叩き付ける
‘ギャアァァ!?’
「よし、効いてる!ブラン!」
「あぁ、トドメは任せろ!テンツェリントロンベェェ!」
回転しながら、怒涛の乱打を繰り出し、最後に回転力により威力の増した一撃を見舞う。
‘ゴガァァァッ!?’
直撃を喰らい、粒子となり消え去った
「よっしゃあ!やったなブラン!」
「あぁ…お前のおかげだ、助かったよ。それから…その…」
急に言葉を濁し黙り込む
「どうしたの?どっか痛む?」
「いや、そうじゃなくて…あの……助けてくれてありがとな…///」
恥ずかしそうに顔を背け、聞き逃してしまいそうなほど小さな声で呟く。
「ふ…お安い御用だよ。だって友達でしょ?」
「あぁ…そうだな……うっ」
女神化が解けふらつき、倒れそうになり、俺はブランを慌てて抱き寄せた
「おっと…大丈夫?」
「ごめんなさい…ちょっと力を使いすぎたみたい…」
申し訳無さそうな表情で彼女は呟く。
「しょうがないよ、予想外の事が起きたんだし…今日の所は帰ろうか」
そう言いブランを抱きかかえ歩き出す
「なっ…お、下ろして…1人で歩けるから///」
真っ赤になりわたわたと慌て始める…わぁ可愛い♪
「ほら、暴れると落ちるよ、ジッとしてて…スラスター全開!」
「えっ…ちょ…ひゃあぁぁぁ!」
これ以上、何か言われる前にスラスターを吹かし、ルウィーへ急いだ
余談だが移動中、落ちないようにずっとしがみついて、小刻みに震えていたブランが物凄く可愛かった
ルウィー・ブランの私室
「さて…何か言うことは無いかしら?」
恐いくらい清々しい笑顔でブランは俺に問い掛ける。何でかな…笑顔なのにメッチャ恐いι
「スイマセンデシタ…」
「全く、結構恐かったのよ?あれ。落ちたりしたらどうするのよ」
「大丈夫、しっかり抱えてたし。それにブランだって俺にしがみついて離さなk「あぁ!?」すいません、何でも無いです…すいません」
ご立腹の彼女に何を言っても無駄と悟り、俺は素直に頭を下げる
「まぁ…お叱りはこの辺にしておきましょう。改めてお礼を言わせてちょうだい?助けてくれてありがとう」
「いや、当たり前の事をしただけだよ。礼を言われる程じゃ無いさ…」
「それでもありがとう…。それで…その力を見込んでお願いがあるの…」
一旦、言葉を切り真剣な眼差しで此方を見つめる。何だろう一体
「私のボディーガードになってちょうだい」
あ、何だボディーガードか…危険な戦場にでも放り出されるのかと……え?
「えぇぇぇ!?」
俺、どうなっちゃうんだろ…