神次次元ゲイム ネプテューヌ Re:birth3 “鋼を纏いし者” 作:黒金の孤狼
これからも頑張りたいと思います
前回のあらすじ!
不慮の事故で死んでしまった俺は神様の提案を受け、ネプテューヌの世界へ新たな生を受けた。
そこで俺は白の女神“ブラン”と出会い、友達になる。それは良いんだけど…突然、覚醒した戦う為の力を見たブランに“ボディーガードになって欲しい”と頼まれてしまった!
俺、どうなっちゃうんだろう……
「さぁ…答えを聞かせて?」
…困ったなぁι物凄い期待の籠もった眼で見つめてるよ…うーむ
「ちょっと考えさせてくれないかな…」
「どうして?もしかして、身元の心配?なら安心して私が…「そうじゃない…ずっと気になる事があるんだ」
「…気になる事?」
「あぁ…どうして俺みたいな怪しい奴を信じたんだ?」
「何を…言ってるの?」
俺の放った言葉に戸惑うブラン。まぁ…2つ返事で了承してくれると思っていたのだから仕方ない
「分かり易く言うと“異世界から来ました”なんていう得体の知れない奴に何故、自分の身を護らせるのかって聞きたいんだよ」
「それは…」
「もしかしたら俺は反女神派を掲げた組織の一員で、国を混乱に陥れるために送られた諜報員かもしれない。この力だって君を倒す為の力かもしれないんだよ?」
「………」
有り得たかもしれない可能性を話すと黙り込んでしまった。自分で自分の首を締めてるようだが、これはハッキリしておきたい事だ
「…けて…くれたから…」
「…え?」
「貴方が私を助けてくれたから…それは理由にならないのかしら…?」
耳を澄まさなければ聞き逃しそうな声でブランは言う。
「…それも信頼を得るための演技かもしれないよ?」
「それは無いわ…だってあの時の貴方、演技とは思えないくらい必死だったもの…だから私は貴方を信じたの…」
俺を真っ直ぐ見つめる彼女の瞳は澄んでいて、嘘を吐いてないと分かった。全く…適わないなぁι
「分かった…俺なんかに務まるか解らないけど…」
「それじゃ…!」
「不肖、桐生 恭介…女神ホワイトハート様を生涯、命を懸けて守り通します。なにがあろうとも……」
膝を付いて、騎士が主に忠誠を誓うように俺は言った
「えぇ…私の命、貴方に預けるわ…。ところで何故、敬語に戻ってるの?」
「あ、いや…こういう場合は敬語の方が締まるかなぁーって」
「そう……でも普通の時は止めてね?」
「あぁ…分かった」
「じゃあ…これからよろしくね?」
「おう。お世話になります……あ」
「…どうしたの?」
すっかり忘れてた…重要な問題がまだ解消されてないじゃん……
「俺、帰るとこ無いんだったι」
「何を言ってるの?あるじゃない」
「へ…だって俺、来たばっかりで」
「此処よ。この教会に住めば良いじゃない」
さも当然に彼女は言ってのけた。有り難い提案ではあるんだが…
「いや、流石にそれは…悪いよι」
「でも住む所が無いんでしょ?ホームレスにでもなる気?」
う…それは何としても避けたい。女神の護衛がホームレスとか笑えないιなら、答えは一つ
「今日からお世話になります」
「えぇ。さて今日は疲れたでしょう?部屋に案内するから、もう休みなさい」
「うん、そうさせて貰うよ…」
「フィナンシェ、彼を客間に案内してちょうだい」
「かしこまりました…此方です」
いつの間にか後ろに居たメイドさんが、部屋を出るように促す。…いつ来たん?この人ι
「あ、忘れてた……ブラン」
「ん、何?」
「お休み、また明日な」
「えぇ…また明日」
別れ際の挨拶をすると、ブランはほんのり顔を赤らめ、返してくれた。やっぱり可愛いな…そう思いながら部屋を後にした
「此方がお部屋になります。不都合があればなんなりとお申し付け下さい」
「あ、はい。ありがとうございます…えっとフィナンシェさんでしたっけ?」
「はい。敬語じゃなくても結構ですよ?見たところ歳も近そうですし」
「そうかい?じゃあそうさせて貰おうかな」
「はい。恭介さん…その、ありがとうございます」
そう言ってフィナンシェさんは急に頭を下げた。え…何?どういう状況だ?これι
「フィナンシェさん?どうしたの?急にι」
「私、ルウィーに長く仕えてましたが、あんなに嬉しそうなブラン様は初めてです」
「…そうなの?」
「はい。以前のブラン様からは考えられないくらいです。きっと恭介さんがブラン様のお友達になってくれたお陰です」
「そうかな…何か照れくさいな…///」
「貴方なら…ブラン様の心の傷も……」
「ん?何か言った?フィナンシェさん」
「あ、いえ…何でもありません!それではごゆっくりお休み下さい。廊下の突き当たりに大浴場が有りますので良ければお使い下さい。では失礼します」
ペコリと頭を下げ、フィナンシェさんは去っていった
「ふぅ…疲れた。一旦、休んでから大浴場に行くか…」
ベッドへ倒れ込み、死んだように眠りについた……
「ん…此処は?」
眠りについた筈なのだが、何故か真っ白な世界に居た
“よう、1日ぶりだな”
「あ…神様…だっけ?」
“おうよ、悪いな。眠ってるところ勝手に呼び出して”
そう言うと神様は申し訳無さそうに頭を下げた。うわ…神様が人間に頭を下げたよι
「気にしないでくれ…俺もちょっとだけ聞きたい事があってさ…丁度良いよ」
“うむ…すまないな。まずは俺の話からしても良いか?”
「あぁ…構わないぜ」
“では…恭介、お前さんに与えた力は役に立っているか?”
「あぁ、充分過ぎるくらい…正直、使いこなせるかどうか、不安だけど」
“そうか…謙遜するな、必ず物にするだろう。出会ったばかりの子を護るため力を振るったお前さんならな”
そう言って神様は人懐っこい笑みを浮かべた
「そっか…さんきゅ、神様。頑張るよ」
“それにお前が手に入れたそのカード。ゲイムギョウ界の各地に有るから…探してみると良い”
「あぁ…情報ありがとう」
“構わんよ…して、お前さんが聞きたい事とは何だ?”
「あのさ…ゲイムギョウ界の魔物が凶暴化する現象をさ、汚染化って言うんだけど…知ってる?」
“あぁ、勿論だとも。それがどうかしたか?”
「実は…」
つい数時間前の出来事を神様に話す。すると神様は首を傾げる
“うーむ…危険種の汚染化か…時空の歪みが生まれたのかも知れないな”
「時空の歪み?」
“うむ…時折、時空間に負荷が掛かると生じるものだ…”「負荷って…もしかして俺が転生した所為…?」
“否、それはあり得んよ…転生させた位ではそれ程、負荷は掛からんはずだ…”転生くらいって…ιそんなに軽いもんなのか?
「じゃあ…何故?」
“詳しい事は分からん…此方で調べておこう。何か分かったらまた此処に呼ぼう”
「あぁ…頼む。俺も手掛かりが無いか探してみる」
“うむ…すまんな。ではまたな”
「ふわぁ…よく寝た…」
目が覚めると、先程案内された部屋だった。窓からは朝日が差していた
「うわ…朝まで熟睡しちゃったのかぁ…みんな起きてるだろうかι」
“コンコン”
「あ、はい!」
起き上がると同時に、ノックが聞こえる。返事をするとフィナンシェさんとブランが入ってきた
「おはようございます、良く眠れましたか?」
「うん。お陰様で」
「死んだように眠っていたもの…余程、疲れていたのね」
「ブラン様なんか、心配で何度も様子を見に「だぁぁぁっ!?余計な事言うんじゃねぇ!!」
「…?」
「ふふ…分かりました♪では、私は朝食の用意がありますので失礼しますね」
そう言い、フィナンシェさんはさっさと出て行ってしまった……何だったんだろう?
「くっ…フィナンシェ、後で覚えときなさい…っ」こっちはこっちで怒りオーラが滲み出てるしι
「えっと…それで何の用?」
話題を変えるように俺は問う。
「あぁ、そうだったわ…一緒に来てちょうだい?皆にも貴方を紹介するから」
「了解。受け入れてくれるかな…」
「まぁ…いきなりは無理かもしれない、でもこういうのは行動で示して、信頼を勝ち得ていくものよ?」
「そっか…そうだね。よし…俺、頑張るよ」
「えぇ…頑張って。さ、行きましょ?」
そうして歩き出すブランのあとを追い、俺も歩き出した
「ーというわけで今度から私の護衛は彼に務めて貰うわ。ほら貴方からも」
「えと、桐生 恭介です。まだまだ若輩者ですがよろしくお願いします」
途端に周りがざわつく。“あのブラン様が護衛だと!?”とか“人間嫌いじゃ無かったんだ……”とか不穏な台詞が聞こえる…何だか不安になってきたなぁι
「お言葉ですがブラン様。その者は信用に足る人物でしょうか?」
異議ありと言わんばかりに軍服を纏った金髪の女性が声を上げた。それに賛同するように周りの人間も頷いた
…やっぱりそう来るよねι
「ミレイ…そうね貴女の言い分はもっともだわ。どうすれば信用する?」
ミレイと呼ばれた先程の女性を見つめ、ブランは言った。
……なんか嫌な予感ι
「簡単ですよ、その者の力を見せて頂ければ…ねっ!」
背中に背負っていたハルバートを手に取り跳躍、真っ直ぐ俺目掛けて斬り下ろして来た「く…!?」
“ガキィィン!!”
間一髪、シシオウブレードで凌ぎ弾き返す。
ふぅ…危ねーι
「ふふ、良く防いだわね…そう来なくちゃ♪」
「はぁ…ミレイの戦闘狂には困ったものね…」
楽しげに笑う女性とは対称的にブランはため息を吐いて呆れていた
「ブラン様、呆れてないでどうにかして下さい、この状況を」
「そうね…ミレイ、貴女は彼の力量を計りたい…そうよね?」
「はい、“力足りず護れませんでした”なんて話になりませんから…」
「そう…なら、すべき事は一つね…2人とも付いて来て」含みのある笑みを浮かべてブランは言い放った
…本日、二度目の嫌な予感
「さぁ、着いたわ…」
「ここは…修練所?ということは…」
「えぇ…貴方達、2人には戦って貰うわ。模擬戦という形だけれど互いに持てる力を尽くしなさい。良いわね?キョウスケ、ミレイ」
あー…マジかιありがちなパターンだなぁ
「はい、全力を尽くします」
「分かった、それで信用を得られるなら…やるよ」
「決まりね…じゃあルールを説明するわ。時間は無制限、相手を無力化または戦闘不能にした方が勝ち」
「随分、シンプルだな…まぁ分かり易くて良いけど」
「なら…さっさと始めましょう?時間が勿体無いわ」
ハルバートを構え、臨戦態勢に入る。凄い闘気だ…素人の俺でも分かる…だが引くわけにはいかない…
「あぁ…お手柔らかに頼むよ…」
シシオウブレードを構え、此方も臨戦態勢に入る
「準備出来たみたいね…では、始め!」
「はぁ…っ!」
「…っ!」
合図と共に駆け出し、武器を振るう。しかし予測していたのか後ろに飛び、回避する。
「ふふ…中々の思い切りの良さね。警備隊にスカウトしたいくらいよ」
「そりゃどーも…嬉しいね」
「さぁ…今度は此方から行くわよ!」
筒状の物を投擲し、突進して来る。その直後に筒が爆破、周りが煙幕に包まれる
「くっ…スモークグレネードか!」
「遅いわっ!」
声と共に脇腹に衝撃が走る。細くしなやかな足が脇腹にめり込んでいた
「ぐっ…!?」
「貰った!」
ふらついた所にハルバートの刃が迫る。
倒れそうなのを堪えブレードで受け止める。ふぅ危ねぇ…
「やるじゃない♪私の部下は今のでだいたいダウンするわ」
「お褒めにあずかり光栄だ…よっ!」
ブレードに力を込め、ハルバートを押し返しそのまま振り下ろす。切っ先は頬を掠め一筋の傷が走る
「あら…私に手傷を負わせるなんて……ふふ、良いわ。私の本気を見せてあげる」
「なっ…今までのは本気じゃねーのかよ…ι」
結構、しんどかったのに…
「これを受け止めたら褒めてあげるわ…。はぁぁぁ…」
ハルバートを天高く掲げ、気を集中する。くっ…ヤバいかも
「覚悟しなさい、ハードストライク!」
気を溜めたハルバートで地面を思い切り叩き付ける。その衝撃で隆起した地面が迫り来る
「くっ…!?」
ギリギリで横に飛び、それを回避しミレイへ向き直るが既に姿は無かった
「なっ…どこだ……!?」
“ガキィィン!”
「うぁっ!?」
唐突に腕に衝撃が走り、その拍子に武器を落としてしまう。拾おうと手を伸ばすが目の前にハルバートを突き付けられ、負けを悟る
「ふふん、チェックメイトよ」
勝ち誇った笑みを浮かべ、ミレイは宣言した。
「はぁ…強いな。流石だね」
「当たり前よ、彼女はルウィー警備隊の隊長を務めてるんだから。隊員達からは鬼隊長なんて呼ばれてるくらいだし」
「ちょ…ブラン姉、止めてってば///」
先程と打って変わって、ブランに対し砕けた態度で接するミレイ。もしや…
「2人って…姉妹?」
「まぁ義理のね…実際、保護者って言った方が合ってるかな?」
「そうなるわね…10年前くらいかしら?貴女を助けたのは」
「そうね…あの時、ブラン姉が助けてくれてなかったら今頃どうなっていたか…」
何だか複雑な事情が有りそうだが…無理に聞くのは野暮ってもんだな
「そういう貴方も…ブラン姉に対して結構、砕けてるわね…どういう関係?」
「あぁ…俺とブランは友達だ。まぁなったばかりだけどね」
「友達…貴方とブラン姉が…本当に?」
面食らった様子でミレイはブランに詰め寄る。どうしたんだ?一体
「え、えぇ…そうよ」
たじろぎながらブランは答える。するとミレイは顔を綻ばせる
「そっか…ブラン姉に友達か…ふふ」
「…何よ、気持ち悪いわね…」
「何でもないわ…ねぇ貴方、キョウスケだっけ…?」
「あ、うん。何?」
「貴方の力、見せてもらったわ…申し分ない実力の持ち主みたいね。貴方を認めましょう」
「ありがとう。改めてよろしくなミレイ」
「えぇ、此方こそ」
友好の証に、お互いの手を握り笑い合う。………夕日がバックだったら男同士の友情になりそうだ“キュゥゥ…”
「…っ///」
不意に、控えめな腹の音がミレイの方から聞こえた
「えと…とりあえず何も聞いてないから…うんι」
聞かなかった事にしよう…うんι
「クスッ…ミレイは食いしん坊だものね。食堂に行きましょ…そろそろフィナンシェが食事を用意してくれてる頃だわ…ミレイ、食べ過ぎちゃダメよ?」
「ブラン姉、変な事言わないでよっ!///」
諭すようにブランは言い、顔を真っ赤にしてミレイは反論する
うーむ…本当の姉妹にしか見えないなぁι
そんなやり取りを微笑ましく思いつつ、2人の後を追い食堂へ向かった
「おぉ…和食だ!」
食堂へ着き、出された朝食を見て思わず感激する。異世界に来てまで和食が食べられるなんて…
「あはは…お口に合うかどうかι」
「そんな謙遜しないの…もぐもぐ…フィナンシェの料理は…もぐもぐ…何でも美味しいんだから…んぐっ…おかわり!」
もう既に食べ始めていたミレイが自慢気に言う。なぜ君が誇らしげに言うのさ…それに飲み込んでから喋りなよι
「はぁ…行儀が悪いわよ、ミレイ」
「みゃっ!?痛いよ、ブラン姉…(泣)」
呆れながらミレイの頭を叩き、それを諫めるブラン。姉妹か…そういえば姉さんは元気だろうか…「キョウスケ?どうしたの」
「え…あぁ、ちょっとね…。ところで今日の予定は?」
「そうね…今日は国境辺りに行ってみようと思う」
「国境?何でまた」
「最近、その辺りで不審者を見たっていう噂を聞いたの…七賢人が何かしているのかもしれないし…」
「なぁ…七賢人って何?」
とりあえず率直な意見を言ってみた。そしたらミレイが信じられないといった顔で此方を見る
「貴方…本気で言ってるの?」
「へ…?うん」
「はぁ…良いわ。説明するね……七賢人って言うのは女神の専制国家を廃し、正しい規制を元に平等な社会を作るっていう組織よ。まぁ…大層な事は言ってるけどぶっちゃけただの反国家組織だけど」
「…何だか棘のある言い方だねι」
「まぁ…貴方が来る前からかなり手を焼かされているし。警備隊も苦労しているのよ」
成る程な…国の治安を維持するのが警備隊の使命みたいなもんだしな
「それだけじゃない…何の罪もない一般市民を平気で巻き込む奴も居る…それに何よりもブラン姉を侮辱するような物言いをするのが一番、許せないのよ!」
“バンッ”と机を叩き付け、怒りを露わにするミレイ。凄く慕ってるんだな…ブランの事
「はぁ…落ち着きなさいミレイ」
そんなミレイを諫めるブラン。でも何だか嬉しそうだな…
「キョウスケ…どうして笑ってるの?」
「いや…随分慕われてるなって思ってさ」
「当たり前よ!ブラン姉は私の恩人よ!慕わない理由は無いわ!」
「だから落ち着きなさい。とりあえず準備が出来次第、向かいましょう」
「おう。了解だ」
さて、いよいよ初仕事だ頑張らなきゃ!