神次次元ゲイム ネプテューヌ Re:birth3 “鋼を纏いし者” 作:黒金の孤狼
前回のあらすじ!
七賢人が郊外のゲーム工場を襲っていると通報が入り、俺とミレイは現場へ駆け付ける。そこに居たのは七賢人最強を名乗る巨大なロボット“コピリーエース”が居た。強大なパワーと堅牢な装甲に苦戦する俺達だったが、アルトアイゼンリーゼのカードの力を使い何とか撃破する事が出来た。ただミレイの様子が変だったがすぐに何時もの感じに戻っていたので、気のせいだと割り切った
それが間違いだったと気付かずに……
「あー…疲れたぁ…」
自室のベットに突っ伏して俺は呟く。あの後、監禁されていた作業員を救出しそのまま工場の復興作業に入った為、体力は限界を迎えていた
「う…汗臭いな。風呂にでも入って寝よう…うん、そうしよう」
そう呟き部屋を出て大浴場へ向かった
「あ~…生き返るぅ…」
湯船に浸かり反射的に呟く。なに?親父臭い?やかましいわ!
「全く、ジジ臭いぞ?キョウスケ」
「あ…ラルク、何時の間に」
「お前さんが入ってくる前には居たぜ」
うわ…全然気付かなかったι彼はラルク。警備隊の1人で狙った獲物は逃がさない凄腕の狙撃手だ。まぁ…獲物って言うのが女性も含まれるって言うのが玉に瑕なんだが…それを除けば中々良い奴だ
「おい、キョウスケ。今物凄く失礼な紹介をしなかったか?」
「気のせいじゃない?」
「…本当か?まぁ良いや。それよりお前もこの時間帯に風呂に来たという事は……やっぱ“アレ”狙いか?」
「“アレ”って?」
「何!?分からないのに来たのか!?」
「…?」
「この時間はな…女湯に変わる時間なんだ…これが意味する事、分かるだろ?」
その言葉を聞いた途端、俺はとんでもない事に巻き込まれそうな状況に陥っていると理解した
「ヤバい!早く出なきゃ!」
「バカ言え!風呂といえば覗き、覗きといえば男のロマンだろーが!」
「知らねーよ!一人でやってろバカ!つーか離せ!」
「断る!お前は既に同罪だ!」
意味の分からない事を言い、俺の腕を掴んで離さないラルクの手を振り解かんとする
「何してるの…貴方達?」
冷たく響いた声に俺達の時間が一瞬止まる。恐る恐る振り向くと満面の笑顔で般若のオーラを纏ったブランと困ったような表情をしているフィナンシェさんが居た
「あ、あははは……」
「いっぺん死にやがれぇぇぇ!!」
怒号と共に鉄拳制裁が下った………
「で?どうして女湯の時間の此処に男の筈の貴方達が居るのかしら?まさか…覗きでもしようとしたのかしら?」
眩しいばかりの笑顔(目は笑っていない)で俺達に問うブラン、因みに俺達は正座させられている………あれ?何かデジャヴι
「実はラルクの奴g「いやぁ俺は止めたんですけどコイツが‘覗きは男のロマンだ!’とか言って聞かなくて」んなっ!?」
コイツ、罪をなすりつけやがった!?
「ブラン、あの誤解だからね?俺は出ようとしたんだけどコイツが逃がしてくれなくて!そもそも女湯の時間だったなんて知らなくて…!」
必死に弁解するもブランは無言のままだった……あぁ死んだな
「はぁ…嘘を吐くなら…もっとマシな嘘を吐けラルクぅぅ!!」
「あ~れ~!?」物凄い鈍い音が聞こえラルクが星になった……物理的に
「キョウスケ」
「は、はいっ!」
「なんで怯えてるのよι」
「いや…俺もああなるのかなぁと…」
「はぁ…無罪の人間を罰する程、私は非道じゃ無いわ」
「……えっと、信じてくれるの?」
「えぇ、ちょっと疑ってたけど、弁解してる貴方は嘘を吐いてるようには見えなかったもの」
「ブラン…ありが…ふぇっくしゅん!!」
信じてくれた事に対して、感謝の言葉を言おうとしたが大きなくしゃみにより遮られる。寒い…すっかり湯冷めしたよ
「ごめんなさい…私の所為ね」
「良いよ、これくらい大丈夫だよ…」
「ダメよ…風邪を引いてしまうわ……そうね、時間をずらしましょう。10分あれば良いかしら?」
「いや大丈夫。夜中に入り直すから」
「駄目よ、好意は素直に受け取りなさい」
「いや…でも…」
「では…お二人一緒に入れば宜しいのでは?」
「「は……?」」
「……」
「…」
長い沈黙…おかしいな、風呂って癒やしの空間だよな?こんな気まずい雰囲気になる場所じゃ無いはず…ていうかフィナンシェさんも何考えてるんだ、年頃の男女を2人きり…しかも裸だぞ!?タオルを巻いてるとはいえ!
当のフィナンシェさんはというと“ではごゆっくり”とか言ってさっさと出て行ったし……でも…女の子の肌って奇麗だなぁ……はっ!!いかんいかん、親友とはいえ表向きでは主と従者なんだぞ!煩悩退散、煩悩退散!!
「キョウスケ?どうしたの?」
「へ!?あ、いや…何でもないよ、あはははι」
あからさまに挙動不審な俺。あぁ…絶対にバレたら軽蔑されるだろうな…
「そう?なら良いけど…それにしてもフィナンシェったら何を考えてるんだか…」
「そうだな…男女2人きりにするなんてな…」
努めて平静を装い返事をする…まともにブランを直視できんι
「…キョウスケ、どうしてさっきから目を合わせないの?」
合わせられるわけ無いよ!目が変な所に行っちゃうから!…変態だ?ほっとけ!
「私の体なんか見ても…何とも思わないって…事かしら…?」
あれ…?怒ってらっしゃる…!?
「違っ…そうじゃないってば!その逆だよ!」
「逆…?」
「そうだよ、女の子の裸を見てドキドキしない男なんかいないよ!今だってブランの肌って奇麗だなぁって思って……あっ」
弁解するつもりが本音がポロリと零れ落ちる……あぁ、今度こそ死んだな
「…///」
先ほどとは違い、鉄拳制裁はされなかった。不思議に思って目線を向けると真っ赤になり俯いていた
「えっと…ブラン?」
「え…あ、ごめんなさい大丈夫よ…」
「本当に?真っ赤だよ?」
「…ちょっとのぼせたのかも…上がるわ」
「そっか…じゃあ俺も上がる…うぉ!?」
立ち上がり湯船から上がった瞬間に転がっていた石鹸を踏みつけ滑る
「ブラン、どいてぇ!」
「えっ?きゃあぁっ!?」
叫んだ時にはもう遅くブランを巻き込んで盛大に倒れる。誰だよ、こんな所に石鹸置きっぱなしにしたの!
「あいたた…ごめんなブラン、大丈“ふにゅ”……へ?」
安否を確認しようと立ち上がろうとしたら何か柔らかいものが手に触れる……すっごい嫌な予感ι恐る恐る下を向くと控えめなブランの胸に手が当たっていた……あぁ、死亡フラグ(泣)
「ご、ごめんそんなつもりじゃ…」
「この…ド変態があぁぁ!!」
「こばぁぁっ!?」
迷いのない右のストレートが俺の腹に入る。もろに食らった俺は湯船に沈んだ…
「わざとじゃ…無いのに…(泣)」
そう呟き俺の意識は途切れた……
同じ頃。ミレイの自室
「くそ…」
悔しい…。手柄を取られたとかそういうのはどうでも良い…ただ何も出来ない自分が情けなくて、また助けられた事がとても悔しい…
「力が…何にも負けない強い力があれば……」
“ふぅん…じゃああげよっか?その力って奴を…”
「誰…!?」
「こんばんわ、ルウィー警備隊隊長・ミレイ殿♪」
声の方を向くといつの間にか小さな少女が窓際に立っていた
「…誰なの、何が目的?」
「私はレヴィ。ねぇミレイさん、さっきの質問なんだけど…誰にも負けない力、欲しい?」
「ふざけないで…っ、貴女みたいな得体の知れない奴から施し受けるほど…私は落ちぶれていない…っ」
誘惑に負けそうになった自分を叱責し、切り捨てる。
「本当に良いの?キョウスケって子にお株を奪われたままで…そのうち警備隊のみんなも見限っちゃうんじゃない?」
「…っ!」
言われた言葉に私は黙り込む。言い返せなかった…実際、キョウスケを慕う隊員は増えている。このままだと…私は…
「何を…すればいい…」
「ん?何か言った?」
「力を渡した後の…見返りは何?」
「見返りなんて要らないよ…貴女の体さえあればね…」
フッと笑みが消え、腹部に衝撃が走り私の意識は途切れた……
「シスー、実験体連れてきたよ~」
「あぁ、悪いなレヴィ……ってコイツはルウィー警備隊の」
レヴィの連れてきた実験体を見て目を見開く「うん、一番近くに感じた負の波動を辿ったらこの子に行き着いたんだ」
「そうか…ふむ、面白い事になりそうだな。実験場所を変えるぞ」
「ほぇ?何処に?」
「決まっているだろ……ルウィーだ」
邪悪な笑みを浮かべネメシスは呟いた
翌朝・キョウスケの部屋
「あー…昨日は酷い目に遭ったなぁ」
あの後、叫び声を聞きつけたフィナンシェさんが俺を運んでくれたらしい…。腹がまだ痛い…あれ絶対“魂”と“直撃”掛かってるよ……
「ブラン、まだ怒ってるかな…はぁ、憂鬱だ」
まぁ、悩んでたって埒があかない…なるようになるしかないか
そう思い部屋を出ると
「「あ…」」
運が良いのか悪いのかブランとバッタリ出くわした
「お、おはよ…」
「おはよう…」
うぅ…気まずいι何か話題は……いや、此処は無駄に長くするよりさっさと謝るに限る!
「あの(さ)」
うわ…見事に被ったし。ますます気まずいι
「えっと…どうしたの?」
「貴方こそ…どうしたの?」
「あの…ブラン、昨日の事なんだけどさ……その…ごめん!」
頭を下げ謝罪する。許して貰えなくても誠意だけは伝えなきゃ
「不可抗力とはいえ…その…胸触っちゃったし…とにかくごめん!」
「キョウスケ、顔をあげて…もう気にしてないわ」
顔を上げるとブランはちょっと困ったような表情をしていた。
「でも…」
「良いのよ…冷静に考えたら避けれなかった私も悪いもの。貴方だけを責めるのは筋違いだわ」
「分かった…でもお咎めなしって訳にはいかないから…一つだけ俺がブランのお願い事をなんでも聞くよ。それなら俺の気も収まる」
「良いの…?無茶苦茶な事言うかもしれないわよ?」
「ブランの為なら喜んで」
建前でも無ければ機嫌取りでも無い、本心から思っている事だ
「貴方…結構バカだったりする?」
「ちょっ!!酷くない!?」
「冗談よ。分かったわ…貴方がそれで良いって言うなら、そうしましょう…願い事だけど今は無いから後からにするわ」
「ん、分かった…思い付いたらで良いから教えて」
「えぇ…考えておくわ」
「ブラン様ぁ~!大変です~!」
と一段落着いた所にフィナンシェさんの声が聞こえる。何だか慌ててるな
「フィナンシェ、どうしたの?そんなに慌てて」
「ブラン様っ…大変ですっ…ミレイ様の部屋にこんな物が…っ!」
そう言いブランに1枚の紙を手渡す。そこにはこう記されていた
‘親愛なる女神殿へ
大事な妹は預かった。返して欲しくば異世界の青年一人で廃工場に来られたし'
「これは…!」
「脅迫状ってヤツか」
「どうしましょう…」
「決まってるだろ!助けに行くしかねーだろ!誰だか知らねーがふざけやがって!」
激昂したブランが脅迫状を破り捨て叫ぶ。異世界の青年か、明らかに俺の事だが…何故知っているんだ?
「ブラン、落ち着け…敵の正体が分からない以上、迂闊に動くのは危険だ」
「そんな悠長な事言ってられるか…!今、どんな危険な目に遭わされているか…!」
「だから落ち着けって!相手は俺が来る事を要求している。それを無碍にしたらそれこそ危険だ!」
「じゃあっ、どうするんだよ…っ!」
「俺が行く…勿論1人でな」
「なっ…!?危険すぎます!」
「そうだ!罠に決まってるだろ!」
「だろうな…だが行かなきゃ誰がミレイを助けるんだ?大丈夫、きっと帰ってくるよ…ミレイと2人でな」
「…分かったわ。必ずミレイを助けて戻ってきなさい」
「あぁ、約束する…じゃあ行ってくる」
そう返事をし俺は指定された場所へと駆け出す。ミレイを救い出すために……
数分後、廃工場
「さて…此処だな……要求通り俺1人だ!隠れてないで出て来やがれっ!!」
「ふふ…良く来たな」
「…!あんたは…あの時の…っ!」
声のする方を向くと以前、国境の洞窟で俺達を襲った襲撃者が居た
「久しいな…青年よ、罠だと承知で飛び込んできた勇気は褒めてやろう」
「聞きたい事があってな…何故、俺が異世界の人間だと知っていたんだ?」
「ふ…そんな事か。簡単だ…私もお前と同じだからな」
「転生者か、成る程な…まぁ良い。あんたが何故ここに来たのかはどうでも良い…ミレイを返して貰うぜ」
「良いだろう…ただし私の使役する機体に勝てればな!サモンユニット!」
そう叫ぶと襲撃者は右腕のディスクのような装置にカードを差し込む。亜空間から現れた機体を見て俺は愕然とした
「なっ…嘘だろ…っ!」
そこに現れたのはスパロボシリーズ最凶の機体。シュウ・シラカワの愛機の蒼き魔神-グランゾン-がそこにいた………