鬱百合アニメの推しキャラ皆に幸せになってほしいTS転生百合厨魔法少女   作:曇らせは幸せから始まる

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魔法少女サイレンスマキナさんじゅうごさい

 

 

 暴霊は、負の感情から成る魔力――負響(ディスコード)でしか倒せない。リリマジではそういう設定だ。

 悲しみとか恐怖とか後悔とか、そういう負の感情の魔力で戦わなくちゃいけない。

 しかも、愛だとか勇気だとかそういうプラスな感情由来の魔法は物理的に吹き飛ばしたりは出来るが、食らった暴霊をより強化してしまうというクソ仕様。

 だから、王道の魔法少女モノのように『敵に屈しない勇気』や『絶望を覆す希望』なんかを歌って放ったリリカの魔法は、その圧倒的出力で暴霊の身体を消し飛ばして一時的に行動不能にこそ出来たが、倒していない。

 

 ここでミオが登場する。

 黒瀬ミオは、シャドウヴェイルという名で二年ほど前から活動している魔法少女。

 

 そしてリリカとミオは幼馴染で親友だ。いや、親友だった、と言うべきか。

 

 原作では、ミオが魔法少女へ覚醒したのを切っ掛けにとある理由から二人は疎遠になってしまい、この時が久しぶりの再会になる。

 

 暴霊の攻撃をスタイリッシュに剣一本で受け止めたミオ――魔法少女シャドウヴェイルが、和風ロックなキャラソンを歌いながら戦い、最後は唐竹割りで一刀両断。

 塵となる暴霊。残心の後に、一言。

 

 

「希望じゃ、暴霊は殺せない」

 

 

 って言ったシーンで止めて引いてエンディングテーマに入っていた。

 

 美少女達を苦悩させるためにあるような設定やその後の展開に思う所はある。けれど、それはそれとして男心にグッ来る展開やシーンがあったのも確かだ。今は女だけど。

 

 それに、原作開始より前での介入に失敗した時点で、原作に沿いながら死亡フラグをへし折る方針にするのは決めていた。

 

 だから、今回私が出る幕は無い。原作の名シーンをお目にかかって、何事もなければクールに帰ろう。

 

 ……。

 

 …………?

 

 ……その……ミオさーん? シャドウヴェイルー? そろそろ出番なんですけどー、まーだ時間かかりそうですかねー? 暴霊が再構築終えそうなんだけど。

 

 うわくそこれ来ないかあぁぁ……魔力反応何処にも無いし……あぁ……原作がぁ……。

 

 視線の先では砂煙を突き破って距離を詰めた暴霊が腕を振り上げる。その先には、リリカ。

 

 あー、もう。

 

 

 

 ――ブッ殺す。 

 

 

 あ、リリカちゃんは幼女先輩と下がっててね。

 

 

 

 パパっと拘束してサクッと切断して終わり!

 魔法少女達の百合を邪魔せずコッソリ敵を片付ける為に磨き上げた無音の暗殺術の味はどうだクソ暴霊め。てめーらのせいでどれだけの百合が失われ――。

 

 

「歌って……ない……?」

 

 

 ――この声は……CV$&#@のキュート系前向きヒロインボイスは!

 

 わ、わぁ……間近の生リリカ……いや、生リリカルリリィだ……うわぁ……可愛い……お目々くりくりしてて唇はぷっくら桜色。汗が滲んで息も少し荒くて……うおっ……すっごい色気。本当に高校一年生? ついこないだまで中学生って嘘でしょ。それに原作だともちふわお姉さんなカナデ先輩の影に隠れてたけどチーム最年少のヒナちゃんが抱き着いて抱きしめ返すシーンではすごく母性を感じた。実際に見ても聖女か豊穣の女神かってレベルだ。あとそのフリフリミニスカとレース縁取りの白ニーソの間の絶対領域の太ももなんてムチムチしすぎでしょ……これが幼女先輩を抱えて推定数キロ走り切った健脚、流石だぁ……まるで屋久杉、いや、世界樹ユグドラシル。鍛え上げられた見事なトモです。

 

 

「貴女も魔法少女、なんですよね」

 

 

 あ゛ぁ゛〜、幼女先輩がリリカの腰にぎゅっと抱き着いてて可愛いねえ百合だねえ素晴らしいねえ。

 

 ――ってゑぇ!? 今リリカに話し掛けられてる!? 答えるべき? そ、そんなことが許されていいのか……? 

 

 な、なんて返せば……なにを話せばいいんだ。

 

 こんにちは? 初めまして? サインください? 写真一枚いいですか? 握手してください? ミオとは最近どう?

 

 ダメだダメだダメだ。厄介ファンじゃないんだぞ。あっ、幼女先輩魔力糸に触ったらダメだよ危ないよ。消しとかないとなこれ。

 

 うーん不安と怯えが入り混じった表情をしているリリカも可愛い。奇跡も希望もここにある。でもそんな顔をさせているのは私か。ギルティでは?

 

 って違う違う今は私のセルフ処刑なんてどうでも良くて、リリカに答えないと。

 

 

「――シャドウヴェイル、現着しました」

 

 

 おほーっ!! シャドウヴェイル! 黒瀬ミオ! 現実主義で非情なクール系美少女に見せかけてリリカへの激重感情持ちヒロイン! スラッとしたモデル体型に青基調の軽装女騎士スタイルな衣装が可愛らしさと美しさを両立してて非常にベネ! ディ・モールト! リリカと並び立った時の宗教画のような神々しさ! リリカが一五五センチでミオ一六〇センチ! その身長差を埋める為にリリカは少しつま先立ちでチョンと啄むようなキスをして唇が離れるとにへってはにかむんだよね。尊い。浄化される。やっぱりミオは受けだってはっきり分かんだね。末永く幸せになって。どうぞ。

 

 

「ミオちゃん!」

 

 

 ……ミオちゃん?

 

 

「? 貴女は……っ……はぁ……。何で、なんて理由は分かりきってるけど……リリカ、貴女ねぇ」

 

 

 …………ゑ???????????

 

 待って待ってタイム待ってくれ頼むから。

 

 原作でのセリフは「ミオちゃ……黒瀬、さん?」だった筈だ。それにミオはリリカの事を和解回までは『天音さん』呼びしていて……それに原作でこんな会話なんて無くて、確か「未登録の魔法少女ですね。連盟(シスターフッド)東都第二一支部まで同行願います」って……え? ゑ?

 

 

「また無茶したわね。このおバカ」

「ご、ごめん! でも、放っておけなくて」

「ええ、良く知ってる」

「えへへへ」

「褒めてないわよ」

 

 

 ……うおっ、リリミオ尊い。なんだここは、天国かな? 月が綺麗だから死んでもいいわ。

 

 いやいやいや、往生するにはまだ早い。

 確かにここにリリミオはある。けれどこれは気心知れた親友の距離感だ。数多の百合創作を見てきた私には理解る。一緒にお風呂入っても「わー肌きれーい、すべすべー」「ちょっと、くっつかないでよ」みたいなじゃれ合いはあるけど赤面して「あっち向いてよ……バカ」「――っ、ご、ごめん!」みたいな甘酸っぱくてなんかいやらしい空気になる事は無い。

 私はリリミオの百合ップルが見たい。叶うことならイチャラブしてる姿を拝みたい。その空間の隅っこに置かれてる観葉植物になりたい。それに原作キャラの死亡フラグだって残ってる。まだくたばる訳にはいかない。

 

 ――ふぅ。危なかった。うっかり逝きかけた。三途の川の向こうで父さん母さんがあっち行けってしてた。ごめんね。

 

「――――ス――ナ。サイレンスマキナ!」

 

 うおっほい!?

 

「迎えが来たので私はリリカ……彼女を支部へ連れていきます。貴女はどうされますか?」

 

 

 あ、そこは原作通りか。少し安心。

 同行は……リリミオを見たいけどこの後は二人の大事な時間。そこに近付くなんて百合厨としてNGだ。そもそも所属の支部が違うし……あと事後処理もしないと。

 

 

「そう、ですか。……サイレンスマキナ。その……今日も、ありがとうございました。失礼します」

「あ、ありがとうございました! えっと、マキナさん!」

 

 そう言って去っていくリリミオ。あら^~、手を繋いでる。はぁぁぁぁぁ……尊い。

 

 

 ……あの二人、原作よりも仲が良かったけど、今はなんかもうどうでもいいや。

 

 

 ……。

 

 …………今日も? 何の事?

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

「さっきの人、確か……マキナさん?」

 

 

 魔法少女を統括する組織である連盟(シスターフッド)が運用する装輪装甲車に乗り込んだリリカとミオは、拠点の一つである支部に向かっていた。

 二人の変身は解除され制服姿だ。リリカは窓に反射した自分の姿を見て、先ほどのことが夢のように感じられた。

 でも、サスで吸いきれていない振動と硬いシートが原因の臀部の痛みはどうしようもなく現実だ。ペットボトルのお茶を飲んで一息つくと、ふとリリカが気になっていたことを口にした。

 

 

「あの人も魔法少女なんだよね?」

「サイレンスマキナね。超ベテランの魔法少女よ」

「ベテランって、どれくらい?」

「少なくとも、私たちが生まれるより前から」

 

 

 リリカの手からペットボトルがスッポ抜けそうになった。

 

 

「え、えぇっ!? ちょっと年上くらいに見えたけど」

「魔法少女は肉体の全盛期が長く続くの。あの人、確か三〇歳越えよ。現場にいる魔法少女の中では最年長だったはず」

 

 

 リリカの脳裏に、先ほどの銀髪の少女の立ち姿が浮かぶ。とても成人しているとは思えなかった。高校の先輩だと言われても違和感がない。少し、怖いけれど。

 

 

「さ、さんじゅ――魔法少女って凄いんだね……ん? 魔法、少女?」

「…………魔法少女は職業よ」

 

 

 ミオは言葉を濁した。

 

 窓の外を街並みが流れていく。暴霊の出現に伴う警報は解除され、街は騒々しさを取り戻していた。

 

「マキナさん、すごかったなぁ」

 

 

 リリカは手元のペットボトルに視線を落としながらつぶやく。

 

 

「私の魔法で倒したと思ったんだけど、ダメだった。マキナさんに助けてもらっちゃった。あはは、昔から、最後にドジッちゃうよね、私って」

「…………」

 

 

 返事はない。

 隣を見ると、ミオは背もたれから身体を起こしてリリカの方に顔を向けていた。

 

 

「ミオちゃん?」

「…………ごめんなさい」

「え?」

 

 

 唐突な謝罪にリリカは面食らう。

 

 

「え? え? 急にどうしたの?」

 

 

 ミオは視線を下に向け、瞼をぎゅっと瞑り、膝の上の拳に力がこもる。

 車ががたんと大きく揺れる。

 

 

「リリカ。暴霊を倒した時、どんな気持ちで歌った?」

「気持ち?」

 

 

 リリカはその質問に首を傾げながらもついさっきの事を思い出す。

 

 

「最初は怖かったけど、うーん……負けてたまるかー! とか、帰るんだー! とか、晩ごはんー! とか? でも、倒したと思った時はまた怖くなって……」

「リリカらしいわね」

「えへへ」

 

 

 リリカは照れたように笑う。けれど、すぐにその瞳は伏せられ、手は無意味にペットボトルのキャップを弄る。

 

 

「……でも、倒せなかったんだ。私の気持ち、弱かったのかな。足りなかったのかな」

 

 

 怖かった。けれど、背中に守りたい人がいて、負けたくなくて、だからその気持ちを込めて歌った。

 

 

「何か、間違ってたのかな」

「違う」

 

 

 ミオは即座に返し、リリカの手に自分の手を重ねた。リリカははっと顔を上げる。夜空のような瞳の中に、自分がいる。

 

 

「普通、最初からあんな事が出来るような魔法を放つなんて出来ない。リリカは、強いわ。でも、違うの」

「違うって?」

 

 

 リリカの問いに、ミオの唇はきゅっと結ばれ、ふぅと小さな吐息とともに解かれる。

 

 

「……希望じゃ、暴霊は殺せない」

「希望じゃ、殺せない?」

「ええ」

 

 車が速度を落とす。目的地に到着したらしい。

 窓の外には無骨なコンクリートの建物があった。ゲートを装甲車が潜る。

 

「愛、勇気、希望。みんな、私たち人間が前に進むのに必要なこと。でも、それは――暴霊に抗う力足り得ない」

 

 

 スロープを下り、地下の駐車場に入った。

 照明がミオの顔に影をかける。

 

 

「詳しいことは、中で話すわ」

 

 

 ブレーキがかかり、ギチ、とシートベルトが鳴った。

 

 

「貴女のこれからのことも、ね」

 

 

 

 

————————————————————

 

 

202X年△月〇□日

リリカルリリックマジカルガール Re:Chord公式

 皆様こんにちは! リリマジRe:Chord公式です!

 今回はメインストーリーのスチルを公開しちゃいます!

 

 

 銀髪の魔法少女が淡く発光する糸で暴霊を解体したシーン。背景は夕暮れ時の公園。魔法少女の後ろには桃色の魔法少女と女の子が描かれている。

 

 

 

2:名無しの暴霊さん

誰ぇ!?

 

3:名無しの暴霊さん

誰なのこの子!? 怖いよぉ!!

 

4:名無しの暴霊さん

いやマジで誰だよ

 

5:名無しの暴霊さん

可愛いじゃん

 

6:名無しの暴霊さん

ソシャゲ版のオリキャラ? なんかトゥルトゥルッタ―燃えてたけど

 

7:名無しの暴霊さん

はー、これだから素人はだめだ

 

8:名無しの暴霊さん

もっとよく見ろ

 

9:名無しの暴霊さん

平たい胸族ですね。良いと思います

 

10:名無しの暴霊さん

違う!

 

11:名無しの暴霊さん

背景だ背景!

 

12:名無しの暴霊さん

待ってこれ第一話の公園?

 

13:名無しの暴霊さん

ほんとだ

リリカ覚醒シーンのじゃん

 

14:名無しの暴霊さん

 

15:名無しの暴霊さん

この小さい人影ってリリカルリリィと幼女先輩?

 

16:名無しの暴霊さん

せやで

 

17:名無しの暴霊さん

????

 

18:名無しの暴霊さん

アカンやろ

 

19:名無しの暴霊さん

知らん女を生やすなーーー!!!!

 

20:名無しの暴霊さん

この子生えてるの?

 

21:名無しの暴霊さん

違う、そうじゃない

 

22:名無しの暴霊さん

ソシャゲオリキャラが原作介入するやつ~~~~

 

23:名無しの暴霊さん

ヤバいじゃん

 

24:名無しの暴霊さん

だから燃えてる(現在進行形)

 

25:名無しの暴霊さん

原作ストーリーの行間の補完じゃなくてがっつり改変ってこと?

 

26:名無しの暴霊さん

たぶんそう

 

27:名無しの暴霊さん

可愛いから俺は許す

 

28:名無しの暴霊さん

糸使いかあ

原作に居たっけこの子

 

29:名無しの暴霊さん

だからソシャゲオリキャラだって

 

30:名無しの暴霊さん

ちょっと年齢高め?

カナデさんと同じくらい?

 

31:名無しの暴霊さん

年長組かな?

 

トリニティと同じくらいってこと?

32:名無しの暴霊さん

合法ロリですらないアラサー魔法少女たち……

 

33:名無しの暴霊さん

軍服っぽいドレス好き

 

35:名無しの暴霊さん

わかる

 

36:名無しの暴霊さん

糸使いは強キャラの法則

 

37:名無しの暴霊さん

でもラスボスとか相手の噛ませキャラになりがち

 

38:名無しの暴霊さん

ミオは?

 

40:名無しの暴霊さん

……さぁ?

 

42:名無しの暴霊さん

ここは原作屈指のシーンだぞ

王道の愛と勇気の魔法少女モノと思わせといて「希望じゃ、暴霊は殺せない」

って止めて引いてエンディング

 

43:名無しの暴霊さん

あれで引き込まれたよね。何かが違うって

 

46:名無しの暴霊さん

その結果がアレだけどな

 

47:名無しの暴霊さん

13歳の女の子を作中で真っ先に殺すとか正気の沙汰じゃない

 

48:名無しの暴霊さん

そして伝説へ……

 

49:名無しの暴霊さん

アニメの配信すらこれまで無かったから、半ば作品の存在が都市伝説になってたんですが

 

51:名無しの暴霊さん

オリ主がリオの立場を食っちまうってこと?

 

53:名無しの暴霊さん

 

56:名無しの暴霊さん

草じゃないが

 

58:名無しの暴霊さん

リリミオ民もよう怒っとる

 

59:名無しの暴霊さん

リリミオの間にぽっと出のキャラが挟まるとか許されざるよ

 

61:名無しの暴霊さん

禿同

 

63:名無しの暴霊さん

でも可愛い

 

65:名無しの暴霊さん

それはそれ、これはこれ

 

68:名無しの暴霊さん

じゃ、この子の緊縛調教モノの薄い本でたら起こして

 

70:名無しの暴霊さん

気が早い

 

 

 





読了ありがと茄子!
ソシャゲが原作沿いのメインストーリーにぽっと出のオリキャラぶち込んで改変とか炎上すると思うんだよね。忌憚のない意見って奴ッス。
感想評価お気に入りしおりなど宜しく茄子!
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