黄昏の錬金術師   作:nonota

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02 ストーンサークルと亡者の都市

 

 

 

 

ガーディアンが守っていた門を押し上げると、そこには瓦礫のみで何もなかった。ネクベトヴォーグを閉じて変身を解除する。解除したところで、しまった! と思うも、もう遅い。俺は仮面ライダードレッドからただの不死者に戻っていた。レプリケミーカードは1回きりの使い捨てアイテム。変身とは即ち、また、レプリスチームライナーを錬成できるようになるまで、一人で戦い続けなくてはならないということだ。

頭を抑えようとした時、ドライバーからレプリスチームライナーのカードが飛び出してきたのでキャッチしていた。

このまま消えてしまうのかと、残念に思って思わず声が出ていた。

 

「ありがとな」

 

『スチーム…』

 

ただ暗い声ではなく、元気がない感じの声だった。しばし待つも、消える気配がない。

 

「あれ?」

 

何故、使い捨てのはずのレプリケミーカードが消えないのか良くわからないけど、まぁ、ラッキーと思っておこう。

ただ、元々暗いカードの色が、褪せてしまっていた。

なんとなくだが、レプリスチームライナーの力がなくなっていて、変身は不可能な状態だということがわかった。

ガーディアン以上の脅威がいないことを願いつつ、変身した時に放り投げていた剣と盾を回収すると門を潜った。

切り立った崖だけがあった。

ガーディアンと戦う前にも言ったが、飛び降りるのは無理だ。ドレッドに変身していれば、できたかもしれないが、現在は変身不能だ。

案もなく、先の世界を知る為に、崖の先へ行ってみた。

うん、詰みだな……いやいや、諦めるのは早い、俺には錬金術がある。どうやれば、先へと進めるか、考えるんだ。

っと、前向きに物事を考えようとした次の瞬間、俺は大空を舞っていた。

 

「痛ぇ…」

 

肩に食い込んだ鋭い爪に、鈍ったはずの感覚が、痛みを訴える。

上を見れば、アホみたいにバカデカい鴉が、俺を掴んで飛んでいた。手に持つ剣と盾を手放さなかった自分自身を褒めつつ、この剣で巨大クソ鴉を刺すか? と考えるも、下を見て自重する。このまま、鴉を殺してしまったら終わりの見えない谷底に真っ逆さまだ。

せめて着地できると思えるような場所が見えてくるまで、大人しく待つことにしよう。最悪、巣に連れ込まれて雛に餌にされるかもだけど、現状逃げられない以上、最悪が起こったら、全力で錬金術を使う覚悟だ。

 

 

 

 

 

鴉航空強制便に揺られること約半日、まさか、夜通し飛ばれるとは思わなかった。夜は真っ暗で下に地面があるのか分からなかったほどだ。

さて、夜も明けて明るくなり、下の様子が見えるようになった頃、降りても大丈夫そうな場所が見えたので、この苦痛に満ちた空の旅を永遠に終わりにしようと思った時、巨大クソ鴉は俺の肩に食い込んでいた爪を抜いた。

 

「どわああああっ!?」

 

なんとか受け身が間に合い、顔面ダイブを免れた。

なんて航空だ! 乗るのも強制なら降りるのも強制だなんて!

 

「おお、いてぇ……」

 

擦った尻を気にしつつ、立ち上がり周囲を確認すると、朽ち欠けたストーンサークルみたいなのの片隅にいた。中央には、何処かで見たことのあるような焚き火があり、それを見下ろすように一人のくたびれた感じにする男が座っていた。

 

「よう、あんた、よく来たな、新しい奴は久しぶりだ」

 

「新しい奴?」

 

「どうせ、あれだろう? 不死の使命がどうとか、みんな一緒さ」

 

「まぁ、押し付けられたな」

 

「そいつは災難だったな。呪われた時点で終わってんのさ。不死院でじっとしていればいいものを…御苦労なことさ」

 

「いや、あんなとこに永遠にいろとか、ふざけんなよ?」

 

「そんな怒るなよ。あ、ほら、いいこと教えてやるから」

 

「いいこと?」

 

男は、上と下を指さした。

 

「不死の使命に言う目覚ましの鐘ってのは、2つある。

1つはこの上にある不死都市の不死教会の鐘楼に…

もう1つはこの遥か下の病み村の底の古い遺跡に…

両方鳴らせば、何かが起こるって話だが、どうだろうね?」

 

はい、いい話って言うから聞いてみたけど、要は、押し付けられた使命の為のお話でした。

 

「少なくとも、俺はその先の話は、聞いたことは、ねぇが……まぁ、いい……さぁ、行けよ、そのために来たんだろう? この呪われた不死の地に……ハハハハハ」

 

「いや、巨大クソ鴉に無理やり連れてこられただけで、俺の意志はまっったく反映されてないし、少なくともあんたの知る限り、両方の鐘を鳴られたやつは居ないんだろ?

せめてもっと詳しい情報を寄越せ」

 

俺が詰め寄ると、男は小さく悲鳴をあげた。

 

「もっと詳しい情報って言われても、ここから不死教会に向かったやつも病み村に向かったやつも、誰ひとり帰ってこなかった。鐘の音も聞いたことねぇからこれ以上の情報なんて……そ、そんなことよりも、あんたのその姿、まるで亡者じゃないか。そこの篝火で手に入れた人間性を捧げれば、人の姿に戻れるぞ」

 

そっちの方が、はるかに重要な情報だ!

 

「っで、どうやるんだ?」

 

「篝火の前に腰を下ろして、心を落ち着けてみろ」

 

ものは試しだ。言われた通り、焚火改め、篝火の前に腰を下ろして心を落ち着けていく。

 

「自分の中にある人間性については、認識しているんだろう? それを篝火に捧げるのさ」

 

言われるがままにイメージすると、カサカサに乾ききっていた体が、あの、家族と別れた日から失っていた艶を取り戻した。顔に触ると、柔らかい頬の感触があった。

 

「人間性ってのはな、コツコツ死体を漁るか、聖職者連中みたいにお互いを召喚して馴れ合うか……まぁ、俺はやらねぇが、一番手っ取り早いのは、まともな不死者見つけて殺して奪うことさ、人を殺して奪うのが、一番人間らしいのかもなぁ……だからって俺に手を出すなよ」

 

「これだけ情報をもらったんだ。襲うのは、不義理ってもんだろ」

 

心做しか、腰に下げた剣へと手が伸びている男に俺は両手を上げて害意がないことを示した。

さてなかなか有益な情報も貰ったし、ここら辺の探索をしつつ、この体に馴れる為に動かしていくとしよう。

 

 

 

 

 

歩き回っていると、死体を発見し、あの篝火の前にいた男の言っていた人間性ってのを回収し、ついでに服もいただいた。何時までも肌着一枚ってのもあれだったしな。服を着て、また、何処か探索しようと思って歩き出そうとした時、腰に下げていた袋がなんかもぞもぞ動いていた。恐る恐る袋を開けてみると、レプリスチームライナーが、飛び出してきた。

 

『スチーム…』

 

相変わらず、暗い声だが、元気はあるみたいだし、カードの色も戻っていた。

何かやったか? 一番に思いつくのは、篝火に当たったことだが、確認の為にせっかく使用可能になったカードを無駄遣いする気にはなれないので、後日検証しよう。

そんな事がありつつ、フラフラしていたら、やたらと壺のある場所にたどり着いた。

何だここは?

そんな事を考えていたら、男が話しかけてきた。

 

「ああ、こんにちは、はじめまして、ですかな。

ソルロンドのペトルスと申します。何か御用ですかな?」

 

「いや、別に。偶々通りかかっただけだ」

 

「御用がないのであれば、お互いに関わらない方が宜しいでしょう」

 

何だろう、温和な表情をしているけれど、なんか嫌な感じがする。

 

「そうだ、これを差し上げます。それを駄賃と思って、一つお願いがございます。私はここで人と待ち合わせをしているのですが、中々現れないので、もし、ソルロンドのペトルスを探している人物を見つけたら、私がここにいることを、伝えてください」

 

「……ああ、見かけたらな」

 

足早にペトルスとやらから離れる。

言動がおかしい。待ち合わせだと言っているのに、現れない相手がやつのいる場所を知らない可能性があると言う。多分、待ち合わせの相手は居るのだろう。だが、あいつが、待ち合わせをその相手と、約束できているか怪しく感じられた。

それと、言葉の端々に偉ぶってある気配があってほんの少しだけしか話していないが、個人的にもあまりいい印象がないな。

 

 

 

 

 

ペトルスと別れて再び歩き回っていると、軽装な鎧を身に着けた亡者に出くわした。

盾を構えて突撃し、ぶつかってバランスを崩したところで喉に剣を突き立てる。

 

「っ!」

 

生身になったことで肌が、明確に空気を感じられ、風を切って迫る気配に、盾を頭上に構えながらしゃがみ、腕に衝撃を感じつつ、振り向きざまに枯れ木のような足を切り飛ばし、顔面に剣を突き立ててとどめを刺す。

そのまま進んで細い階段を登っていると、ナイフを持った亡者が見えた。が、その亡者は誰を視認すると何かを投げた。

階段を慌てて戻った。数秒前まで俺のいた場所に瓶が落ちてきたかと思えば、次の瞬間には燃え上がった。

 

「火炎瓶……亡者だろ? 思考がねぇんだろ? なんでそんな高度なもんを……と、邪魔だ!」

 

火炎瓶に意識が行っていた俺に襲いかかってきた斧持ちの亡者を盾で階段から弾いて谷へと突き落とし、再び火炎瓶を投げられる前に亡者のもとへ走り、その亡者がナイフを抜く間もなく斬り捨てた。その先には、水路があり、馬鹿デカい半分腐ったゾンビネズミがいた。突っ込んでくるので、その鼻先に剣を置くように突き出すと、自分から深々と刺さって死んだ。

さらに進むと階段が現れ、そこを登ると、これまでの遺跡跡の野山といった雰囲気から、急に都市といった感じの雰囲気に変わったが、至るところに亡者亡者の亡者の群れ。剣や斧、弓や火炎瓶、裸や軽装、多種多様な亡者が現れた。

剣や盾で戦うも、俺の本職は、やっぱり錬金術師なので、錬金術を使ってこそだろう。

これまでの経験上、どうやら、亡者は外的接触による行動阻害を受けない限り、始めたモーションを止めることはないようだ。なので、火炎瓶を振りかぶった亡者の目の前に壁を出現させて自爆させたり、複数体の亡者を誘い込み、足元を崩落させて一網打尽にしたり、外壁にぶら下がって奇襲するつもりと思われる亡者たちに捕まっている石を砂に変えて全員転落させたりした。

途中、打ち捨てられた死体から人間性ってやつを回収しつつ、さらに進むと、ドラゴンが、俺の傍を通り過ぎた。

 

「……」

 

伝承でいるとは聞いていたけれど、まさか、見ることになるとは思わなかった。

なぁんて考えてたら、クロスボウで狙撃されかけた。大きな音を立てて迫ってくる亡者たちのおかげで奇襲とその奥から放たれる矢に気付けた為、対応できた。

駄目だな、気を抜いちゃ……

クロスボウの狙撃はヤバいな、あんな離れた場所から既にできるなんて……まぁ、一発目を外したら二発目を準備するのに手間がかかってもたついている印象を受けた。

で、さらに厄介な亡者が現れた。槍と盾で武装した軽装よりも、もっとしっかりとした鎧の亡者。何が厄介かといえば、ただ一つ、あいつらエスト瓶で回復しやがる。

二体同時に出てきた為、手前のやつを盾を構えたまま体当りして転倒させて足を切り、即座にもう一体の方と対峙したのだが、やたらと消極的な動きをするなと思っていたら、背後から肩を刺され振り返ると回復した最初の一体の槍が肩に刺さっていた。

 

「いってぇなっ!」

 

挟まてた状態を脱し、人間の体を取り戻したおかげで、こっちの方が重量もあり、その差で押し切って一体を下へと突き落として振り返りざまに、槍を突き出そうとしていた亡者の槍を叩き落として顔面に剣を突き立てた。

 

「あぁ、いてぇ……」

 

エスト瓶をあおり、甘味を感じながら、一息付く。遠距離用に俺も弓とか用意するべきだろうか? 相手に直接錬金術を使おうとしても弾かれているように効果がないが、間接的には、錬金術で対応可能だが、一考の余地はありそうだ。

そんな事を考えつつ、小休憩を取ってから、再び歩き出す。

 

「おう、あんた」

 

周囲を警戒しながら歩いていると、不意に声をかけられた。

 

「どうやらまともみたいだな? だったら、俺のお客様だ」

 

そう言って男は笑って手を広げた。並べられた無数の武器や道具。

 

「ソウルと交換だ。良い物を揃えてるぜ」

 

「ソウルと交換? ソウルって、あげてもらってが出来るもんなのか?」

 

「あんたが渡す意思を持つ、俺がもらう意思を持つ。取引が成立すれば可能だ」

 

「そうか…」

 

「イヒヒヒ…」

 

変わった笑い方をする男の売り物を見ていく。

はっきり言って欲しいものはないなぁ……どうしても自分で作ればいいやって思っちゃうし。

 

「地図とかないか?」

 

「そいつはないなぁ」

 

「じゃぁ、これ貰おうかな」

 

投げナイフを数本と見た目小さな木箱なのに、サイズ以上の物が入る底なしの木箱とか言うの、それから、旅の中で安らぎが得られればなぁと、お香を選んだ。

 

「まいどあり、イヒヒヒッ、こいつはサービスだ」

 

そう言って木箱を引っ掛けておけるベルトをくれた。

 

「また来ることがあったら、よろしく」

 

「ああ、また、買っていってくれ、イヒヒヒッ」

 

商人の男と別れ、投げナイフを使うタイミングがないかと考えていたら、立てかけられた板を蹴り破って亡者が突っ込んできた。反射的に突き出した剣に亡者自ら突き刺さっていって動かなくなった。

 

「あ〜、びっくりした…」

 

ゾンビゲーあるあるの演出とかマジでやめてくれ、心臓に悪い。今の俺、ちゃんと心臓動いてんだぞ!

そう言えば、ちょっと剣の切れ味が悪くなってきた気がするな。

今倒した亡者の持っていた武器も使って剣を錬成し直す。

うん、綺麗になった。

階段を上がったり、下りたり、ハシゴを登ったり、屋根の上から飛び降りたり、もう、自分がどこにいるのかもわからない。まぁ、元々地図も持ってないから、大雑把に上に行くことを目的地に定めているだけだったんだけどな。

あと、なんか鎧をつけた亡者どもがやたらと賢いというか、お前ら実は、まだ、亡者じゃないだろ! と、言いたくなるような頭脳プレイを仕掛けてくるようになった気がする。

そんなこんなで城の城壁みたいなところにたどり着き、階段を上がっていたらいつぞやかと同じように上から巨大なものが転がって来た今回は炎に包まれた大樽…

 

「万物はこれなる一者の改造として生まれうく」

 

勢い良く転がり落ちていた樽が、ピタリと止まり、階段を上がり始める。大樽の後を追うように向かってきていた亡者たちが、炎を纏った樽に轢かれ、火だるまになっていく。

なんか、スカッとした気分だ。

上り階段とは逆の下り階段の方に行ってみたら、完全フルプレートの騎士っぽいのがいた。顔が隠れて遠目ではどちらかわからず、とりあえず、声をかけようとしたら、襲いかかってきた。

そんな立派な格好しといて、亡者かよ!

周囲のレンガで体を拘束して兜の隙間に剣を突き立て、しばらくグリグリしてたら動かなくなった。

そんだけ生命力あるのに亡者なのかよ…

騎士のいた先には、死体があった。

彼or彼女は、この人を護っていたのだろうか? 一応手を合わせてからソウルをいただき、騎士の鎧を錬金術で軽装な鎧に仕立ててこちらもいただいた。

再び上り階段をひたすら登っていると、外壁の上まで着いたらしい。いったん、どれくらいの位置にいるのか、見てみようと、外壁へ出てみる。

 

「……」

 

これまでの経験から、周囲を見回してはしごを発見、俺が登ってきた階段の屋上に上がってみるといましたよ、亡者たちが……

ボウガン構えてあのまま何も考えずに外壁を歩きだしていたら後ろから、ズドンっと狙撃されていただろう。

速やかに排除し、改めて外壁を歩く。正面の高台から、何かが跳んたと思ったら、牛のような頭の化物が、俺の前に降り立った。便宜上、ミノタウロスとでも呼ぶか。

 

「ッ!?」

 

化物の脇をすり抜けるように跳んで、振り下ろされる大斧を避け、腰にドレッドライバーを装着した。

 

「行くぞ、スチームライナー!」

 

『スチーム…』

 

俺の声に覇気のない声でレプリスチームライナーが応える。

俺たちの様子に、身構えるミノタウロスを牽制するようにナイフを投げ、変身しようとしたら、ミノタウロスは後ろに下がって距離をとろうとし、足を踏み外して外壁から転落した。

俺も、レプリスチームライナーも、そして、ミノタウロス自身も揃って「え?」って感じになって、消えていくミノタウロスを見送った。

カッコつけてカードを構えた俺、どうなるのさ…

 

『スチーム…』

 

そんな俺を慰めるように、レプリスチームライナーが声をかけてくれる。

 

「先に進もうか」

 

『スチーム…』

 

ドライバーとカードをしまい、再び歩き出した。

少し進むと、空を見上げている騎士がいた。雰囲気的に亡者ではなさそうだ。

声をかけようとしたら、向こうもこちらに気がついて、向こうから声をかけてきた。

 

「おお、貴公、どうやら亡者ではないらしいな。俺はアストラのソラール。見ての通り、太陽の神の信徒だ」

 

「いや、太陽の神の信徒とか見たことないし、わかんねぇよ」

 

ツッコミを入れるも、ソラールとやらは、気にせず自分語りを続ける。

 

「不死となり、大王グウィンの生まれたこの地に、俺自身の太陽を探しに来た!」

 

「?」

 

太陽って何かの隠語か?

 

「……変人だと思ったか? まぁ、その通りだ」

 

「あっ、自覚あったんだ」

 

思わず、本音が漏れてしまったが、ソラールは豪快に笑うだけだった。

 

「ハッハッハ、正直な男だ。あきれたような顔をするやつらよりも好感が持てる。

貴公とは、仲良くやれそうだ。こんな亡者ばかりの世界で出会えたのだ。

お互いの旅を助け合わないか?」

 

そう言って、ソラールは石を渡してきた。

 

「ここはまったくおかしな場所だ。時の流れが淀んで100年以上前の伝説がいると思えば、ひどく不安定で、色んなものがすぐに崩れる。そんな状態だ、貴公と俺の世界が、何時まで重なっているか、わからない。

だが、それを使えば、世界のズレを超えて協力ができる。霊として召喚することで、ズレを渡るのさ。もっとも、そうしているのは、俺たちばかりじゃあないが……

俺は太陽の騎士、召喚のサインも光り輝く特別製だからな。よーく目立つと思うぜ」

 

ソラールは豪快に笑った。

 

「ありがたく受け取らせてもらうよ。ただスマン、俺はこれを持っていないんだ」

 

特殊な素材が必要な可能性がある為、簡単に錬金術で作ることは出来ない。もし作って、それがソラールが渡してくれたものと違い、正しく使えなかったら、最低すぎる。

 

「ならば、今度会った時にの楽しみにしよう!」

 

再び豪快に笑うソラールに別れを告げ、俺は、歩き出した。

 

 

 

 

 

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