力を見せた覇鎌の元へナイズが現れる
【[お!ナイズ!来てくれたか。じゃああの船まで送ってくれ]】
「あの船にオスカー達が?」
【[そうそう。そしてあの船に俺達が探してた聖女がいる]】
「成程。なら直ぐに向かいましょう。ところでこのガノトトスと一緒にいた化け物はどうなってるんですか?」
【[真っ二つにしたが恐らく死んで無い。殺すには体を消滅しなくてはな。まあ!別に今殺す必要はないだろ。次会った時にお前らの修行相手になるからな]】
「うぅ…はい」
ナイズの魔法で船に降り立つ
海賊達は勿論驚いていたが覇鎌は気にせずナイズの紹介をする
【[どうだ?魔力を抑え込むのは出来そうか?]】
「難しいですね。慣れるのに時間が掛かりそうです」
「え〜と、彼がいる限り。私は逃げれないと…」
「いや、アカム様がいる以上。本気で逃げるのは無理だろう。だから、無駄な抵抗は諦めろ」
「そ…そうね」
話がひと段落ついた所で無関係な一般人は港に帰す事にその際もう一度メイルの魔法を見たが、強力過ぎるの一言。傷を治すと言う点で見れば秘薬にギリ劣るかもしれないが、効果を発揮する対象の幅や癒しの効果内容の融通が効く点など秘薬を上回る効果をしている
因みに覇鎌はここでミレディ達と別行動取る事になった
なんでも
「メイルはミレディちゃんが説得してみせるから!お願い!アカム君は先に戻ってて!!」
「僕からもお願いします!」
【[え?なんで…?]】
「メイルがアカム様を警戒しまくってて、俺達をメイル達の拠点に連れて行く事の条件にアカム様は同行しないでと」
【[そっか…わかった。俺も港に戻ってるよ]】
俺がいたらダメな事でもあるのかもしれないが、今は従うしかない。仲間に出来る可能性を不意に出来ない。
そして覇鎌はキアラ達と共に港に戻る事になった
船で移動中にキアラが意識を取り戻した
「ぅう…」
【[お!目が覚めたか?]】
「うっ…ここは…?ハンターさん?」
【[ああ、そうだ。巻き込んでしまって申し訳ない]】
「何があったのか…私覚えて無いけど…謝って欲しい訳じゃ無いの」
【[そうか…今、港に送り帰す。君のお母さんは隣に居るし、お父さんも無事だ]】
「良かっ…た…」
【[寝ちゃったか…さて、何としても無事に送り帰さないとな]】
港に着くと宿の店主が待っていた
二人の姿を見て安堵の涙を浮かべていた
店主からは何度も感謝された。キアラの言葉を思い出し素直に感謝を受けとる事にした
-------------------------
【[…………長えぇぇ!!!いつになったら帰ってくんだあいつら!!]】
「ね〜、ミレディ達何処まで行ったのかな?もしかして…もう帰って来ないんじゃ!」
【[そんな訳ねぇ…と言い切れないから嫌になる。なんか怒り買って海の藻屑にされてないよな?]】
「怖い事言わないでよ。あ!これよろしくね!」
【[りょ!]】
覇鎌はブチギレた。何せもう1ヶ月は戻って来てないのだ
そして覇鎌は今
「なんだこれ?!今までより飯のクオリティめっちゃ上がってないか!?」
「俺…こんな美味いの初めて食った…産まれてきて良かった…」
「キアラ!どうして急にこんな上手くなったんだ!?」
「ちょっとそれ今まで料理作ってた私とお母さんに失礼でしょ!」
「アカムさん!この料理のレシピ新しく教えて欲しいの!お願い!」
料理の面で引っ張りだこだった
「カレーおかわり下さい!!」
「俺はあら汁!」
「照り焼きをお願い!」
「バルーンフィッシュのヒレ酒をくれ!」
【[幅利かせたのが失敗だった…面倒くせぇ…]】
「どうすれば…あの魚を捌けるんだ?」
【[おい!間違ってもフグ…じゃなくて、バルーンフィッシュを自分で捌こうなんてするなよ!!毒で死ぬぞ!]】
果てには覇鎌の料理を見よう見まねで再現しようとした人が数名いたが全然味が違ったり、毒を除却しきれず死にかけた人もいた
料理を作るだけで十人分の働きを見せる覇鎌。そんな宿に一人慌ただしく入って来た
「ロアルドロスが港に出やがった!皆んな!避難しろ!」
【[あ!?ロアルドロスが出ただと?よし!俺が行く!だから、俺のいない内に家に避難しとけよお前ら!]】
「ふざけんな!」
「料理したくないだけだろ!」
【[うっせぇ!俺がやらなくて誰がやるんだ!!]】
料理が面倒なのは勿論だが、モンスターの相手をするにあたっては覇鎌が適任なのは間違いない
港まで行くとロアルドロスとルドロスの群れが港を占領していた。あれでは船も出せないし、魚の流通も出来ない
早速覇鎌はロアルドロス達の前に現れる
【?…!!ヒュルロロロロロ!!】
【[え?]】
しかし覇鎌を視界に収めた途端。ルドロス達と共に海へと帰って行った
どうやら、鎧越しにアカムトルムの存在を感じ取ったみたいだ
勿論港の人達にはめっちゃ感謝されたが釈然としない
「あ!居た!"黒郎"!戻ろう!」
【[ん?キアラか…はぁ…また、料理地獄か…]】
「良いじゃん!黒郎の料理皆んなから好評なんだからさ〜!」
【[そう言う話じゃ無いんだよね。あとあんまくっつくな歩き難い、キアラもこの鎧と触れてたら歩き難いだろ]】
「別に〜私は気にならないよ」
キアラ達、宿の人達に名前を教えた。アカムと呼ぶ人もいれば神様とふざけて言う人もいる。そんな中キアラは名前で呼んでくるし、やけに近い。こうしてくる理由が分からない程覇鎌も鈍感ではない。それに今思えばミレディ達が俺を置いてった理由が話してくれた理由以外にもあったのだと思う。
【[キアラ。君は両親の事が好きかい?]】
「ん?うん!厳しいけど優しいし、一緒に居るのは楽しい!だから私今幸せ!」
【[ふふ…そうか。それは良い事だ………私は………日々の感謝を伝える事すら出来無かった…親不孝者だ…]】
「?」
覇鎌の声はキアラに届く事無いほど小さい独白だった
覇鎌はキアラの想いに応えるつもりは無い。キアラが嫌いだからでは無く種として寿命に差があり過ぎるのだ
過去数十回、覇鎌には贄や宗教的な考えの交際を提示されたことがあったがどれも断っている
理由を話すと「眷族にしてくれれば寿命は問題無いのでは?」と言われた事もあった。だが、それでも断った。その子達にはまだまだ時間があったから自分で人生を歩んで欲しかったし、自分の手で人の人生を滅茶苦茶にするのが恐ろしかった。今キアラにとってこの街で生きるのが幸せなのだ。
「あ!ねぇ!見て!」
【[ん?]】
キアラが指を指した方向にはミレディ達と思わしき三人が居た
「あれってミレディ達じゃ無い?!」
【[何?!………あいつら!よし!行くぞ!]】
「うん!」
「う〜ん、一ヶ月も戻らなかった事どうやって伝えるか…」
「流石にアカム君怒るよね?」
「「当たり前だろ…」」
【[てめぇぇぇぇらあぁぁぁ!!!!]】
「ミレディー!!!」
「「「あ…」」」
ミレディ達三人の頭の上にはタンコブが三つ積み重なった
そしてミレディは追撃でキアラから迫られ頭を何度も地面に叩き付けられていた。頭グアングアンしてるが大丈夫か?あれ…
ミレディ達と話があるからとキアラには先に宿に戻ってもらった
【[それで…どうなった?]】
「え〜とね…駄目だった!テヘ♪」
【[内容が薄い。ナイズ説明してくれ]】
「はい」
ミレディが端折りまくって良く分からなかったのでナイズに改めて聞く
そして一から全部聞いてから
【[お前ら…ただのバカンスじゃねぇよ!ていうか!相手の流れに乗せられて良いようにされてるだけじゃねぇか!]】
「「「………はっ!!」」」
【[……もういい!別の情報を求めて新たな場所で探ろう]】
「別?】
【[地下…下だ]】
親指で地面を指差す覇鎌
それを見てハッとする三人。それから行く術を考えて、思いついた策は…
【[オスカーの作品で空間を作りミレディが推進力を作るとはやるな!そして転移で中に侵入すると]】
「みて!あそこ!予想通り鉄格子。あそこから侵入できそうだよ」
「おし!じゃあ転移する」
「中に熱源反応があるが…」
ナイズの転移で部屋の中へ侵入する
すると目の前にメイルそっくりな幼い少女がいる
ナイズは何を思ったかその子の口を物理的に押さえ付けて騒がないようにする。オスカーはその隣で騒がないように説得しようとしてるが……
【[お前ら…消音魔法使えよ]】
「「「あ!」」」
魔法を使い部屋の音を外部に漏れないようにした
そして自己紹介しようとしたら
「あ!あの!」
【[ん?]】
「貴方はもしかして、黒き神様ですか!」
「「「!!!」」」
【[そ…うだけど、どうしてそう思ったのかな?]】
「わ、私が読む本の中に黒き神の事が書かれたお伽話があって。わたしその本が大好きで!そ、それで…」
【[え!?俺…お伽話として本になってるの?…因みにさ…俺はどう言う存在だって書いてあるの?]】
「本は二つありまして、片方は人々だけで無く全ての生物を平等に救って下さる神様と書いてあって。もう一つは人々を滅ぼそうとする邪神だって書いてありました」
覇鎌は直ぐに理解した
片方はシュレイド王国出身の者が書いて
もう片方はエヒト信仰の教会が書いた物だと言う事
【[人にこう言うのでも湾曲した情報を捩じ込もうとは…やる事なす事徹底し過ぎだろ…]】
「やっぱ、教会とぶつかる事になりそうだね」
「あ!!すみません!海賊殺しのゴーストシップをご存知ですか!連絡を取る方法は!」
【[ん?知っているが…何かあったのか?]】
「もしゴーストシップの方々連絡する手段があるならお伝え下さい!危機が迫っていると!」
「「「!!」」」
【[詳しく教えてくれ!何が彼らに迫ってる!?]】
「白光騎士団が動きました!もしかしたらもう到着しててもおかしく無いです!」
「「「っ!」」」
【[白光騎士団…エヒトの駒か…!]】
------------------------
メイル達海賊団の拠点船島
ミレディ達とお別れしたメイルは少し寂しそうに海を眺めていた
船員が空に何かを発見したと言う
空に浮かぶのは巨大な飛行船
「っ!教会だ!!」
「総員!戦闘態勢!!っ!(意識が…飛ぶ…!)」
メイル達が教会の最高戦力 白光騎士団に襲撃される
覇鎌の料理の腕は卵かけご飯からケーキを材料さえあれば作れます。
因みにこの間には料理師免許が必要なモノも捌いたり、料理出来ます。
過去にはシュレイド王国の新婚夫婦の為にホールケーキを一人で作り上げたりもしました