ヤケクソ系魔法少女は今日も生き抜く   作:ヨガマスター

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語彙が雑魚めで口が悪い女の子がヤケクソになりながら戦う話が書きたくて勢いで始めました。
ぶっちゃけこの後のことは何も考えてません。


1.「は?私が魔法少女?」

 1999年、かの有名なノストラダムスが予言した世界滅亡の年、世界中の人々が滅びに怯える中現れたのは無数の凶悪な謎生命体だった。

 後に魔物と名付けられたその生命体は手当たり次第に周囲に破壊を撒き散らし、国がそれを止めようと軍隊を派遣し攻撃を仕掛けたものの銃弾は弾かれるだけに終わった。

 最終的に核を放つ国もあったが、魔物に着弾した直後に吸収され効果はなく、まさに予言通りの世界滅亡の日……

 そう人々が確信する中立ち上がった者たちがいた。

 過度にフリルをつけた派手な服装で魔物の前に立ち、無から炎や氷などを生み出し、魔物を打ち砕く。

 そう、魔法少女である。

 魔法少女の登場により現れた魔物は撃破され続け、世界は滅亡の予言を破り、現在まで残り続けている。

 

 *  *  *

 

「……さん……げさん……世景さん!」

 

「へ? ……ぐぁ!?」

 

 誰かの私を呼ぶ声と頭を叩かれた衝撃で目が覚める。

 

 ぐ……一体何が……あ。

 

「ずいぶんと昨晩はお楽しみだったようで?」

 

「すぅ……セクハラですか?」

 

「違うわ!」

 

「ぐぁっ!?」

 

 目の前にいた先生の発言に、思わずセクハラか尋ねると再び頭を叩かれてしまった。

 この私を二回も叩くとは……親父にも叩かれたことないのに! 

 

「まったく……今は授業中です、寝る時間じゃありませんよ」

 

「は〜い……」

 

 そうは言いつつ全く反省する気のない私は再開された歴史の授業の話を聞き流し、別のことを考えていた。

 

 私、世景(よかげ) 映利(えいり)は高校一年生の普通の女子高生だ。

 昨日動画配信サイトを徹夜で見て寝不足になるぐらいには。

 

 つまり社会の授業中に寝るのは普通の女子高生として当然のことである。

 そう、当然のことである!!! 

 

 大体今日の授業の内容は魔法少女が登場した辺りでぶっちゃけ全員知ってる内容だ。

 だったら聞かずに寝るほうが建設的じゃね? 

 

 と、そこまで考えたところで学校のチャイムが鳴る。

 ……あれ、もしかしてわたし結構な時間寝てた? 

 

 まぁ、そんなことはさておきこの授業はちょうど6時間目、つまりもう放課後である。

 適当に授業終わりの挨拶をして、私は隣の席に座る幼馴染四葉(しよう) 凛花(りんか)へと話しかける。

 

「へい凛花、このあと私と一緒に街巡りしねぇかい?」

 

「やだ」

 

「シンプルな拒絶!!! ……なんか用事でもあるん?」

 

「そういうわけじゃないけど映利の街巡りって本当にそこら辺を歩き回って写真撮りまくるだけじゃん、いい感じの店とかあっても入んないから何が楽しいのかわかんないんだよねぇ〜」

 

「えぇ〜、歩きながら周りの景色を楽しむんじゃん」

 

「景色って言ってもここら辺にあるのは普通の住宅街とかじゃんか、綺麗ってわけでもないものを見て何が楽しいのさ」

 

「むぅ……」

 

 そう言われると否定できない……

 ぶっちゃけ私もなんか楽しいだけで何が楽しいのかを説明しろと言われてもできないし……

 

「しゃあない、じゃあ今日も一人で街巡りするか〜……」

 

「お〜、私は今日の魔法少女特集見るからじゃあな〜」

 

「この薄情者め!」

 

 そう言いつつ教室から勢いよく出る。

 

 これで断られたの何回目だっけ……300回目ぐらい? 

 

 *  *  *

 

「ん〜……そろそろ目新しいものがなくなってきたな……」

 

 愛用のデジカメの中身を確認しつつそんなことをつぶやき、私は夕日に照らされた道を歩く。

 

 ぶっちゃけこの街巡りを始めて既に4年近く経っている、もうここら一帯は見尽くしたと言ってもいいだろう。

 そろそろ電車とか使って別の街とか行くべきか? 

 

 そんなことを考えていると、ふと道端に落ちていたものに目が行った。

 

「ん? 何これ……人形?」

 

 紫色の……キツネか? 

 なんか小学生女子が好きそうな見た目だ。

 落とし物か? 

 

 そう思い拾い上げようと手で触れて私は気がついた。

 

「へぁ!? え、生暖かっ……生きてる!?」

 

 触れた瞬間に伝わる生暖かい感触、そう、この人形は生きているのだ。

 

 ……とりあえずなんか怖いし逃げ『んぬ? ふあ〜〜、よく寝た……』

 

「……なんか言葉喋ってるんですけどぉ!?!?!?」

 

『ん?』

 

 なんこのナマモノ!? 

 人間の言葉喋りやがるんですが!? 

 ナマモノはナマモノらしくしろや!? 

 

『あ、この人間わたくし様が見えてるっぽいじゃん』

 

「えっ、なんか見えちゃだめなタイプのナマモノなの!?」

 

 よ〜し、じゃあ今から私はこのナマモノは見えません! 

 まっっっっったく見えません!!! 

 

『んじゃ適性あるっぽいね〜、はいこれ』

 

「は?」

 

 なんかナマモノが急に飛び上がっておでこ触られたんだけど……

 ……え、これ大丈夫なやつ? 

 

『こほん、おめでとう! 君は今日から魔法少女だ!』

 

「はい?」

 

 まほうしょうじょ……? 

 ……え、魔法少女!? 

 

「嫌です! 無理です! 絶ッッッ対に!!!」

 

『え〜』

 

 魔法少女とか無理に決まってんじゃん! 

 私に魔物と戦う力なんてねぇわ! 

 つぅかあっても戦いたくない! 

 絶対に死ぬもん! 

 

『ま、今更無理って言われてももう力目覚めさせちゃったんだけどね』

 

「貴様ぁぁぁ!?!?!?」

 

 なんてことしてくれてんだこいつ!? 

 

 今待て……一旦落ち着くんだ私……

 よくよく考えたら魔法少女になったとしてもわざわざ魔物に喧嘩売る必要はない……

 戦いに行かなければいいだけだ……

 

『あ、因みに魔物は魔法少女に引き寄せられる性質あるから気をつけてね、んじゃバイバイ』

 

「はぁ!? ふざけっ、帰って来いやてめぇ!!!」

 

 最後にクソみたいな追加情報だけ伝えて飛んで逃げやがった!!! 

 引き寄せられるってことは強制的に戦わせられるってことじゃねぇか!!! 

 

「クソが!!!!」

 

 あ〜!!! もう!!! 

 人生終わっただろこれ!!! 

 クッソせめてあのナマモノをボコして道連れにしてやる! 

 

「待てやオラァ!!!」

 

 そうして私が走り出そうとしたその時だった。

 

 ズュギャンッッッ!!! 

『FWOOOOO!!!!』

 

「っす〜……」

 

 後ろで何かが地面にぶつかり、咆哮したような音がした。

 ……おそるおそる私は振り返る。

 

 そこにいたのは不定形でボコボコと泡立つ頭部に人間を模したかのような胴体の化け物、いや魔物がいた。

 

「引き寄せるの早すぎるだろ!!!」

 

 そう叫びながら私は走り出した。

 あんなのと戦えるわけねぇだろいい加減にしろ!!! 

 

「うぉぉぉぉおお追いかけて来てるぅぅぅぅぅ」

 

 走りながら後ろを振り向くと魔物が明確に私へと迫ってきている。

 

 やばいやばいやばい、このままだと追いつかれる!!! 

 

「あぁもう!!! こうなったらやってやる!!!」

 

 あのナマモノは私を魔法少女にしやがったんだ! 

 だったら戦う力があるはず! 

 というかそうじゃなきゃ死ぬ! 

 確か魔法少女として戦うには……! 

 

「変身!!!」

 

 そう私が叫ぶ、すると私の身体が謎の光に包まれ、気がつくと服が変わっていた。

 多分変身できたってことだよね!? 

 

「よっしゃじゃあ早速……」

 

 ……どうすればいいんだ? 

 

「……はっ! うぉっ!?」

 

 つい呆然としていた私に魔物の拳が迫る。

 それに対し私は反射的に起こした行動は、手に持っていた愛用のデジカメのシャッターを切ることだった。

 

 ……え、なんで私いまこの状況で写真撮った? 

 そう思った時だった。

 突如魔物の体に長方形型の穴が開く。

 

『GSHHHAAAAAA!!!』

「へ?」

 

 そして持っていたデジカメの下部分からなぜか写真が出てくる。

 そこに写っていたのは魔物の真っ黒な拳と胴体の一部、つまりちょうど魔物の穴の部分であった。

 

「あ〜……なる……ほど?」

 

 さては今のが私の魔法少女としての能力だな? 

 魔法少女公式サイトによると魔法少女には一人一人違った魔法を扱えるらしい。

 ってことは写真を撮るとその部分をえぐり取れるのが私の魔法か……

 

「よっしゃ多分クソつえぇ!」

 

 比較対象ないからわかんないけど多分この魔法強いだろ! 

 体全身の写真、いや、なんなら頭だけでも写真を撮れれば勝ちなんだから絶対強い! 

 

「死ねやおらぁぁ!!!」

 

 そう勢いよく魔物の頭にピントを合わせて写真を撮る。

 すると予想通り魔物の頭部が抉れ、そのまま残された魔物の胴体はジュクジュクと蒸発し消えていった。

 ……やった……よな……? 

 

「……ッハァ……ハァ……」

 

 魔物が消えたことを確認した私はつい足の力が抜けて地面へと座り込む。

 

「よ……、よかった……」

 

 さっきまではヤケクソテンションのおかげで行動できていたが、魔物を無事に倒せたという安堵によりヤケクソテンションが解けてしまった。

 要は今更になって恐怖がやってきたのだ。

 

「む……むり……あんなのと今後も戦うとか無理……」

 

 今気づいたけどあの魔物が私を追いかけてた時に踏んだアスファルトが粉々になってるし……

 多分走る時の力で砕けたってことだよね……? 

 そんな力で攻撃されるとか絶対死ぬ……

 

「人生終わっただろ……これ……」

 

 そう私は誰もいない住宅街の道で一人つぶやいた。




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