31話 ガチャで大当たりひいたぁああああ!!
このレベルになると、護衛のレインシュバリエも、まあまあの速度で片付けられるようになっていた。
「おら、閃拳!!」
2、3発殴れば、あっさり沈む。
5体いようと、もう脅威と呼べるほどのものじゃない。
シュバリエみたいな鎧タイプは、斬撃や魔法だと耐性に阻まれて厳しいが……強めの殴打なら、しっかりとダメージが通る。
斬撃が効かない敵は、この先も結構いそうだ。
継続して閃拳を鍛えておいた方がいいだろうな。
殲滅《せんめつ》を終え、静かになった広間で、俺は一人、天井を見上げる。
「さて……どうするかね……ガチャをするか……このままレベルを上げるか……」
汎用性《はんようせい》の高さで言えば、レベルをそのまま維持しておいた方が、なんだかんだ強い気がする。
仮にガチャに手を出すにしても、ここから60ぐらいまで上げてから注いだ方が、賢いんじゃないか……。
色々と、悩んだ。
が、
「俺はどうして、こんなにドパガキなの?! もう、今年で38歳なのに……自分に……勝てないぃ……なんて……無様!」
わめきながらも、裏面2へと向かっていた。
誘惑に、抗いきれない。
――気づいた時には、『レベル31』を、丸ごと差し出してしまっていた。
俺は……弱いっ!
「てか、なにげに、コスト増えてんのなぁ……だるいわぁ……」
初回はレベル30で引けたのに、2回目は31必要になっている。
タイムリープの費用と同じ理屈だろうが、なんでこう、回数を重ねるごとに値上げしてくるかね。
もっとお客様目線を大事にしてほしいところ。
「日本の税金じゃねぇんだから……弱者の俺から、搾《しぼ》り取るのはやめてくださいよぉ……」
ぼやいていると、ATMの画面に、新しい文字が浮かび上がった。
『大当たり!!』
その表示だけで、脳内のドーパミン量がえげつないことになっていた。
さらに、続けて頭の中に流れ込んできた『情報』を理解した瞬間、それはさらに爆発した。
――獲得したのは。
パッシブスキル:『レベルが上がりやすい』
効果:文字通り、レベルが上がりやすくなる。
アホの俺でも、これがどれだけとんでもないことかは、さすがに理解できた。
だから……
「いぃいやったぁああああああ!! めっちゃあたりぃいいいい!」
その場で、創作ダンスを披露《ひろう》してしまうほど、俺は喜びにうち震えた。
★
興奮が冷めやらぬまま、俺は、さっそくその効果を試すべく、ハグレインボールのもとへ向かった。
ガチャに『31』も注いだせいで、レベルは大幅に下がっている。
いつもより雑な動きになってしまい、ちょっとだけ手間取ったが、
「おらぁ!!」
最終的には、ノーダメで撃破できた。
たぶん、今の俺がその気になれば、
レベル1でも、
ハグレインボールぐらいだったら倒せる気がする。
「上がった……だいぶ上がったぞ……わかる、わかるぞ……これは、レベルが一気に上がっている! 明らかに、前よりもはるかに、がっつりと!」
結果を見るのが楽しみすぎて血が沸き立つ。
息を整える間も惜しんで、自己鑑定を使うと、
――レベル、8→28!!!
たった一体で、この伸び幅。
一気に20も!
「うぃいいいいいいいい!! ひゃっほぉおおおおい! めっちゃ上がってるぅうううううう!!」
頭の中が、ドーパミンだけでいっぱいになった。
宝くじで一等が当たった人でも、へたしたら、ここまで興奮できないんじゃないだろうか!
それほどまでに……今回の大当たりでドパりすぎた……っ