ごちゃまぜ大戦 カスタムヒーローVSヴィラン 作:十六夜冬歌・読9書1
「えーと…、あった」
新作VRゲームコーナーに並ぶタイトルを一つ一つ読みながら探して僕は目的のゲームを見つけた。
「これお願いします」
ゲームのタイトルは【ごちゃまぜ大戦 カスタムヒーローVSヴィラン】。英語や難しい漢字を使ったりしてないすごくシンプルで子供向けっぽいタイトルなのにCEROレーティングZの対戦ゲームだ。
「ポイントカードはお持ちですか?」
内容は【ベースカード】【モチーフカード】【アクセントカード】という3種類のカードを組み合わせてオリジナルのヒーロー・ヴィランを作ってNPCが生活する街の中で対戦したりヒーロー・ヴィランらしいクエストをクリアするというもので、SNSで見たデモムービーだと戦隊ヒーローが変身ヒロインものに出てくるファンシーな敵と戦ったり暴れ回る巨大怪獣に同じく巨大化した怪人が殴りかかったりしてて、とにかくハチャメチャな感じで面白そうだった。
「お買上げありがとうございましたー」
ゲームを買って帰宅したら早速パッケージを開けてゲームソフトをVRヘッドギアにスロットイン、インストール完了までにトイレやらなんやらを済ませて部屋に戻るとちょうどインストールが終わったところだった。
「そいじゃゲームスタートー」
VRヘッドギアを被りベッドに寝転ぶとスゥーと意識が現実からVRの世界へと落ちていった。
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『ヒーローとなって市民を守り平和の為に戦う者』
『ヴィランとなって欲望のままに暴れ理想を果たす者』
『正義なれど叶わぬ希望に絶望し悪に堕ちる者』
『悪なれど己が矜持ゆえに一時でも光の道を歩む者』
『あなたはこの世界でどのような存在になるのでしょうか?』
『光あるところ影はあり!悪あるところ正義あり!数多のヒーロー・ヴィランがひしめく混沌の世界【ごちゃまぜ大戦 カスタムヒーローVSヴィラン】へようこそー!!』
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熱血バニーガールがマイク片手に色んなヒーロー・ヴィランの対戦シーンをスクロールさせながら叫んでるOPを見終わると早速チュートリアルが始まった。
僕の身体はグリッド線で出来たマネキンみたいになっていて、最初にヒーローかヴィランのどっちから始めるかを聞かれたからなんとなくヴィランを選んだ。
すると今度はひゅーんと空からカードタイプのガチャマシンが降ってきて、筐体の正面には『レア確定スタートセットガチャ』と書いてあった。ガチャありゲームだとよくあるやつだ。
「これ引けばいいんだね」
それからガチャマシンの上に『⬇レバーを回してカードを引け!』って文字が出てきたから早速レバーを回してみると虹色の【ベースカード】が1枚と銀色の【モチーフカード】と【アクセントカード】が1枚ずつ出てきた。
ガチャの内容は虹色の【ベースカード】が『セクシー女幹部』、銀色の【モチーフカード】が『蜂蜜』で【アクセントカード】が『石鹸』だった。つまり蜂蜜石鹸のセクシー女幹部になれって事…?戦い方が全く想像できない。
「引き直しは……無しか。これでどうやって戦えばいいんだ」
カードの内容を確認し終わると出てきた時とは逆にガチャマシンがひゅーんと空の彼方へ飛んで行って、次のチュートリアルのヒーロー・ヴィラン作成画面が出てきた。
「ここにセットすればいい感じね」
作成画面の左側には今手に入れたカードをセットする枠が5つあって、ベースとモチーフが1枚ずつ、アクセントは3枚までセットする事ができて、画面右側にはセットしたカードの要素が入ったボディ・衣装・アクセサリー・武装のリストが表示された。
要素1つにつき20〜30くらいあるから組み合わせを考えるだけで時間が溶けそうだ。キャラクリ勢大歓喜不可避。
「でもまずはおまかせ‥と」
それとあまりキャラクリが得意じゃない人やさっさとやりたい人用にAIが自動で組み合わせてくれる機能もあったから試しにおまかせを選んでみた。いい感じだったらそのまま採用するかもしれないしね。
「わぁ…うわぁ……」
しかしながら出来上がったのは全身蜂蜜で出来た半透明の勝ち気な感じ顔のサイドテール巨乳美女で、胸の谷間に核みたいになってる白いひし形の石鹸が1つと乳首と股間を隠すようにひし形の石鹸が付いてるだけのほぼ全裸なキャラクターで、
「さすがに恥ずかしいから変更」
それを見た僕は即断即決で編集画面を開いてキャラクターモデルを変える事にした。
「うーん………、マシになった…かな?」
それから30分程いじってみてひとまずキャラクターが完成した。
身体は元々の蜂蜜で出来た半透明の巨乳美女のままに顔を勝ち気な感じの顔から清楚な感じの顔にして、髪型もサイドテールからルーズサイドテールっていう未亡人母っぽい髪型に変更。
それからひし形石鹸で局部を隠すだけのほぼ全裸から胸元のひし形石鹸だけ残して、衣装を選べる中で1番布?面積が大きかった石鹸で出来た白い下乳へそ出しハイレグレオタードに変えて、アクセサリーにも石鹸要素の白い石鹸の長手袋と泡の山付きシャンプーハットを選んで斜め被りにして。
最後に武装の自動攻撃してくれる蜜蜂を召喚できる蜂の巣で出来たショートケープと前開きスカートを装備したら編集前よりも格段に布?面積を増やしたキャラクターになった。
まぁこれはこれでかなりえっちだけど。
「次は名前ね、どんな名前がいいかな」
キャラクターが完成したら次は名前を付けてキャラクターリストに保存する。一応No.1とか試作1号みたいな名前でも大丈夫みたいだけどせっかくならベースやモチーフを意識したそれっぽい名前を付けてみたい。
「『
なんだか夜の街で活動してそうな名前になってしまった。
まぁ見た目も見た目だし仕方ないかな…?
名前を入力してリストに保存したら次は本命の操作と戦闘のチュートリアルで、ステージにはいくつかの障害物と走ったり隠れたり武器を持ってたりするマネキンがいて、マネキンを全て倒してゴールすればチュートリアルクリアになるみたいだ。
という訳で始めにキャラクターリストを開いて保存されてるキャラクター、今作ったばかりの『
「おぉ……めっちゃいい匂い」
キャラを選択したら次は1番近くにいる棒立ちのマネキンに近づけという指示が出た。それで早速動いてみたんだけど歩行速度が思いのほかゆっくりで一歩毎にねちゃ…ねちゃ…という足音と泡立った蜂蜜の足跡ができて、じゃあ走りは?と試してみたら一歩目から足裏の蜂蜜の泡でツルンッと滑って尻もちをついた。
「ぁイっ‥たァ!?」
同時に思い浮かんだのがお風呂場の床を石鹸で滑って遊ぶ子供の姿で、それに合わせると今の自分は滑るのに失敗してすっ転んだ子供みたいなものになる。だから今度は慎重にお風呂で滑るようなイメージで足を動かしてみると予想通りにスーッと滑りながら移動する事ができた。
「なるほどなるほど、お風呂スケートみたいな感じね」
それからスーッ、スーッ、スーッとお風呂スケートで行ったり来たりしてある程度感覚を掴んでから改めて棒立ちのマネキンに近づくと次はマネキンを倒せという指示が出た。
「それじゃまずは『ハニーシャボン』から、ふぅぅーっ!」
この『ハニーシャボン』は右手をOKサインの形にして親指と人差し指で作った円に張った蜂蜜の膜に息を吹きかけてる間相手に微小ダメージを与える蜂蜜のシャボン玉を発射し続ける事ができる蜂蜜と泡の要素を組み合わせた近距離技で、攻撃を当て続けると相手を蜂蜜濡れ状態にしていろんな行動を阻害する効果と攻撃を外しても落ちた蜂蜜のシャボン玉が割れてその部分の地面が滑りやすくなる効果がある。
「ふぅぅーっ!ふぅぅーっ!」
そしてそれをマネキンの顔面目掛けて重点的に当て続けるとパチンパチンと弾ける蜂蜜のシャボン玉でマネキンの頭上に表示された体力ゲージが順調に削れていき、加えて顔面が蜂蜜濡れ状態になった事で呼吸が阻害されて窒息ダメージが入るようになりダメージが加速。結果として1分もかからずにマネキンを倒す事ができた。
「はぁ…はぁ…、吹き続けるの結構大変。次はもっと楽そうな技試そう」