海を失った世界に、暁は来る   作:ぶるぶるメタボ

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第二十三章 海の底にいた者

異常。

 

理解不能。

 

深海棲艦たちは。

 

混乱していた。

 

本来なら。

 

人類は。

 

追い詰められているはずだった。

 

海。

 

奪取。

 

都市。

 

爆撃。

 

航空戦力。

 

制圧。

 

人類側。

 

有効な反撃手段。

 

なし。

 

計画。

 

順調。

 

そのはずだった。

 

だが。

 

今。

 

世界中の海で。

 

深海棲艦が。

 

沈んでいる。

 

一体。

 

また一体。

 

イ級。

 

ヌ級。

 

艦載機。

 

次々と。

 

消えていく。

 

何故。

 

原因。

 

探索。

 

人類の。

 

兵器。

 

変化。

 

なし。

 

航空機。

 

変化。

 

なし。

 

艦艇。

 

変化。

 

なし。

 

では。

 

何が。

 

変わった?

 

答え。

 

一つ。

 

あの。

 

六人。

 

最初に。

 

確認された。

 

六人の少女。

 

深海棲艦を。

 

傷つけた。

 

沈めた。

 

退けた。

 

そして。

 

その後。

 

人類側の。

 

異常な少女型戦力。

 

急増。

 

なら。

 

原因は。

 

あの六人。

 

あれらを。

 

排除すれば。

 

この異常も。

 

止まる。

 

そう。

 

結論。

 

残存戦力。

 

集結。

 

目標。

 

爆撃済み。

 

海軍基地。

 

六人。

 

そこに。

 

いる。

 

なら。

 

潰す。

 

それだけ。

 

海。

 

黒く。

 

染まる。

 

イ級。

 

多数。

 

ヌ級。

 

複数。

 

空。

 

艦載機。

 

無数。

 

全戦力。

 

一方向へ。

 

殺到。

 

もう少し。

 

もう少しで。

 

基地。

 

そこで。

 

また。

 

未知。

 

海面。

 

二人。

 

少女。

 

一人。

 

黒髪。

 

巨大な。

 

砲塔。

 

もう一人。

 

銀髪。

 

和弓。

 

データ。

 

なし。

 

警戒。

 

だが。

 

敵。

 

二人。

 

増援。

 

確認できず。

 

数。

 

圧倒的優位。

 

問題。

 

なし。

 

蹂躙。

 

可能。

 

深海棲艦群。

 

加速。

 

一気に。

 

距離を。

 

詰める。

 

黒髪の少女。

 

動かない。

 

逃げない。

 

砲塔。

 

旋回。

 

照準。

 

そして。

 

轟。

 

海そのものが。

 

割れたような。

 

砲声。

 

一発。

 

ただの。

 

一発。

 

だが。

 

先頭。

 

イ級。

 

三体。

 

四体。

 

五体。

 

まとめて。

 

吹き飛ぶ。

 

外殻。

 

破裂。

 

海面。

 

抉れる。

 

ヌ級。

 

一体。

 

直撃。

 

巨体。

 

大きく。

 

傾く。

 

何。

 

何だ。

 

今のは。

 

人類の。

 

砲撃ではない。

 

威力。

 

異常。

 

黒髪の少女。

 

次弾。

 

轟音。

 

さらに。

 

深海棲艦群。

 

崩れる。

 

数で。

 

押す。

 

距離を。

 

詰める。

 

砲撃を。

 

撃たせなければ。

 

接近。

 

一体のイ級。

 

少女へ。

 

突進。

 

少女。

 

避けない。

 

その代わり。

 

身体を。

 

沈める。

 

次の瞬間。

 

拳。

 

イ級の。

 

頭部。

 

直撃。

 

砕ける。

 

さらに。

 

艤装。

 

振るう。

 

もう一体。

 

横から。

 

叩き潰す。

 

接近戦。

 

可能。

 

異常。

 

後方。

 

ヌ級。

 

口腔。

 

開く。

 

艦載機。

 

発進。

 

空。

 

黒く。

 

埋まる。

 

銀髪の少女。

 

弓。

 

構える。

 

一本。

 

矢。

 

放つ。

 

それが。

 

空へ。

 

飛ぶ。

 

光。

 

矢が。

 

変わる。

 

航空機。

 

一機。

 

二機。

 

十。

 

二十。

 

次々と。

 

空へ。

 

現れる。

 

深海棲艦側。

 

艦載機。

 

迎撃。

 

交錯。

 

だが。

 

違う。

 

速さ。

 

違う。

 

旋回。

 

違う。

 

射撃。

 

違う。

 

人類の。

 

航空機。

 

相手ではない。

 

ヌ級の。

 

艦載機が。

 

一機。

 

また一機。

 

火を噴く。

 

落ちる。

 

これまで。

 

人類の空を。

 

一方的に。

 

支配していた。

 

艦載機。

 

今。

 

追われている。

 

逃げる。

 

後ろ。

 

銀髪の少女側。

 

航空機。

 

ぴたりと。

 

食らいつく。

 

機銃。

 

閃光。

 

撃墜。

 

別の機。

 

急上昇。

 

それすら。

 

先回り。

 

撃墜。

 

空。

 

支配。

 

逆転。

 

「――!」

 

ヌ級。

 

艦載機を。

 

追加。

 

だが。

 

足りない。

 

銀髪の少女。

 

弓。

 

また。

 

引く。

 

矢。

 

放つ。

 

今度。

 

狙い。

 

ヌ級。

 

矢。

 

命中。

 

一瞬。

 

何も。

 

起きない。

 

次の瞬間。

 

破裂。

 

刺さった。

 

箇所。

 

内側から。

 

爆ぜる。

 

光。

 

そして。

 

その中から。

 

航空機。

 

一機。

 

飛び出す。

 

ヌ級。

 

理解不能。

 

内部から。

 

攻撃。

 

さらに。

 

別の矢。

 

命中。

 

破裂。

 

また。

 

航空機。

 

ヌ級。

 

外殻。

 

崩壊。

 

そこへ。

 

上空。

 

爆装した。

 

航空隊。

 

降下。

 

投下。

 

爆発。

 

ヌ級。

 

巨体。

 

バラバラに。

 

砕ける。

 

海。

 

炎。

 

深海棲艦群。

 

混乱。

 

二人。

 

たった。

 

二人。

 

なのに。

 

基地へ。

 

近づけない。

 

海。

 

黒髪の少女。

 

空。

 

銀髪の少女。

 

どちらも。

 

抜けられない。

 

数。

 

数十。

 

数百。

 

意味。

 

なし。

 

黒髪の少女。

 

砲撃。

 

イ級群。

 

吹き飛ぶ。

 

接近。

 

叩き潰される。

 

ヌ級。

 

直撃。

 

沈む。

 

銀髪の少女。

 

空。

 

奪う。

 

艦載機。

 

落とす。

 

本体。

 

爆撃。

 

撃沈。

 

深海棲艦が。

 

人類へ。

 

してきたこと。

 

今。

 

そのまま。

 

返されている。

 

地下。

 

作戦指令室。

 

誰も。

 

言葉が。

 

出なかった。

 

「……何だ」

 

幕僚が。

 

呟く。

 

「何なんだ」

 

モニター。

 

長門。

 

主砲。

 

発砲。

 

海面。

 

白く。

 

爆ぜる。

 

「一斉射で……」

 

誰か。

 

「イ級が」

 

「何体沈んだ?」

 

「確認中です!」

 

別画面。

 

翔鶴。

 

弓。

 

放つ。

 

空。

 

烈風改二。

 

深海棲艦の。

 

艦載機。

 

撃墜。

 

「制空権……」

 

航空担当。

 

震えた声。

 

「完全に」

 

「取り返しています」

 

天龍。

 

モニター。

 

凝視。

 

「……やべぇな」

 

龍田も。

 

笑っていない。

 

「私たちとは」

 

「火力の桁が」

 

「違いますねぇ」

 

暁。

 

響。

 

雷。

 

電。

 

四人。

 

口。

 

ぽかん。

 

「かいしょうさん」

 

暁。

 

小さく。

 

「すごい……」

 

そして。

 

「おばあちゃんも……」

 

本人たちには。

 

何故。

 

その呼び名が。

 

出るのか。

 

分からない。

 

でも。

 

モニターの。

 

二人。

 

強い。

 

あまりにも。

 

強い。

 

時間。

 

経つ。

 

一時間。

 

二時間。

 

それでも。

 

敵。

 

来る。

 

残存戦力。

 

次々。

 

合流。

 

数を。

 

重ねる。

 

長門。

 

息。

 

荒い。

 

翔鶴。

 

肩。

 

上下。

 

疲労。

 

明らか。

 

艤装。

 

傷。

 

だが。

 

退かない。

 

一歩。

 

たりとも。

 

長門。

 

前。

 

見る。

 

海。

 

残る。

 

イ級。

 

ヌ級。

 

空。

 

まだ。

 

敵艦載機。

 

長門の。

 

目。

 

怖くない。

 

憎くも。

 

ない。

 

ただ。

 

決まっている。

 

ここから先へは。

 

通さない。

 

翔鶴。

 

同じ。

 

弓を。

 

握る。

 

震える。

 

指。

 

それでも。

 

引く。

 

深海棲艦群。

 

止まる。

 

一体。

 

イ級。

 

前へ。

 

出ようとして。

 

止まる。

 

長門の。

 

目。

 

覚悟。

 

第21章で。

 

ヌ級が。

 

最後に見た。

 

それと。

 

同じ。

 

――退かない。

 

――死ぬまで。

 

――ここを。

 

――守る。

 

深海棲艦。

 

内部。

 

揺れる。

 

恐怖。

 

一体。

 

後退。

 

次。

 

また。

 

一体。

 

ヌ級。

 

距離。

 

取る。

 

艦載機。

 

旋回。

 

そして。

 

一体の。

 

イ級。

 

完全に。

 

背を向ける。

 

逃走。

 

それが。

 

引き金。

 

二体。

 

三体。

 

十。

 

次々。

 

撤退。

 

ヌ級も。

 

反転。

 

艦載機。

 

引く。

 

群れ。

 

崩れる。

 

長門。

 

翔鶴。

 

追わない。

 

追う。

 

余力。

 

ない。

 

ただ。

 

見送る。

 

深海棲艦が。

 

人類から。

 

逃げていく。

 

「敵」

 

オペレーター。

 

声。

 

震える。

 

「後退!」

 

指令室。

 

誰も。

 

反応しない。

 

「残存イ級群!」

 

「海域離脱!」

 

「ヌ級!」

 

「同じく撤退!」

 

「敵艦載機!」

 

「退避しています!」

 

「…………」

 

静寂。

 

誰か。

 

ぽつり。

 

「……勝った?」

 

第12章。

 

同じ。

 

言葉。

 

だが。

 

今度は。

 

違う。

 

一度ではない。

 

偶然でもない。

 

世界中。

 

人類は。

 

深海棲艦を。

 

押し返している。

 

そして。

 

ここでも。

 

「……勝利」

 

誰か。

 

「勝利だ……!」

 

別の者。

 

「我々の」

 

「勝利だ!」

 

瞬間。

 

「うおおおおおおおおおっ!!」

 

基地。

 

揺れるほど。

 

歓声。

 

地下。

 

地上。

 

救護所。

 

通信室。

 

生き残った。

 

人々。

 

叫ぶ。

 

泣く。

 

抱き合う。

 

二度目。

 

人類は。

 

また。

 

勝った。

 

海。

 

長門。

 

膝へ。

 

手。

 

「……終わったか」

 

翔鶴。

 

大きく。

 

息を。

 

吐く。

 

「どうやら」

 

少し。

 

笑う。

 

「守れたようですね」

 

長門も。

 

ほんの少し。

 

笑った。

 

「そうだな」

 

海。

 

静か。

 

敵。

 

遠ざかる。

 

その。

 

はずだった。

 

海面。

 

ぼこ。

 

長門。

 

顔。

 

上げる。

 

「……ん?」

 

ぼこ。

 

ぼこぼこ。

 

翔鶴。

 

表情。

 

変わる。

 

「長門さん」

 

「ああ」

 

二人。

 

構える。

 

撤退した。

 

深海棲艦。

 

その。

 

向こう。

 

海。

 

泡立つ。

 

第17章。

 

ヌ級が。

 

現れた時。

 

同じ。

 

だが。

 

今回は。

 

規模。

 

違う。

 

海面。

 

盛り上がる。

 

そして。

 

轟。

 

巨大な。

 

水柱。

 

空へ。

 

何十メートル。

 

いや。

 

それ以上。

 

「何だ!?」

 

指令室。

 

歓声。

 

止まる。

 

モニター。

 

水。

 

その中。

 

何か。

 

飛ぶ。

 

「……イ級?」

 

違う。

 

残骸。

 

砕けた。

 

イ級。

 

ヌ級の。

 

外殻。

 

さっき。

 

沈んだ。

 

深海棲艦たち。

 

残骸が。

 

水柱と。

 

一緒に。

 

空へ。

 

打ち上げられている。

 

長門。

 

主砲。

 

再び。

 

展開。

 

翔鶴。

 

弓。

 

引く。

 

「来るぞ」

 

水柱。

 

落ちる。

 

ざああああああ――。

 

滝。

 

白い。

 

海水。

 

その。

 

向こう。

 

影。

 

一つ。

 

人。

 

「……人?」

 

翔鶴。

 

小さく。

 

長門。

 

目。

 

細める。

 

女性。

 

人間の。

 

女に。

 

見える。

 

だが。

 

違う。

 

白く。

 

長い髪。

 

蒼白い。

 

肌。

 

額。

 

角。

 

口元。

 

不自然な。

 

笑み。

 

身体。

 

まとわりつく。

 

黒い。

 

異形の艤装。

 

その後ろ。

 

魔獣。

 

そうとしか。

 

呼べない。

 

巨大な。

 

深海棲艦。

 

牙。

 

黒い。

 

外殻。

 

人型の女に。

 

従うように。

 

海面。

 

浮かぶ。

 

長門。

 

息。

 

止まる。

 

いるだけ。

 

ただ。

 

そこに。

 

いるだけ。

 

なのに。

 

海面。

 

重い。

 

空気。

 

沈む。

 

圧力。

 

今までの。

 

イ級。

 

ヌ級。

 

違う。

 

何もかも。

 

「……何だ」

 

長門。

 

「こいつは」

 

女。

 

返事。

 

しない。

 

まず。

 

周囲。

 

見る。

 

イ級。

 

残骸。

 

ヌ級。

 

破片。

 

燃える。

 

艦載機。

 

それら。

 

目。

 

細める。

 

表情。

 

嫌悪。

 

まるで。

 

壊れた。

 

道具を。

 

見るような。

 

目。

 

そして。

 

口。

 

開く。

 

初めて。

 

人類が。

 

聞いた。

 

深海棲艦の。

 

言葉。

 

「……ガラクタ共メ」

 

長門。

 

翔鶴。

 

完全に。

 

動きを。

 

止めた。

 

指令室。

 

誰も。

 

声。

 

出せない。

 

言葉。

 

喋った。

 

深海棲艦が。

 

人の。

 

言葉を。

 

「別海域!」

 

突然。

 

オペレーター。

 

叫ぶ。

 

「新たな反応!」

 

画面。

 

切り替わる。

 

太平洋。

 

人。

 

いや。

 

人型。

 

別の。

 

女性。

 

巨大な。

 

艤装。

 

「大西洋にも!」

 

画面。

 

追加。

 

別人。

 

「インド洋!」

 

また。

 

「地中海!」

 

また。

 

「南方海域!」

 

また。

 

指令室の。

 

巨大モニター。

 

人型。

 

人型。

 

人型。

 

姿。

 

違う。

 

装備。

 

違う。

 

随伴。

 

違う。

 

だが。

 

共通。

 

人間に。

 

似ている。

 

深海棲艦。

 

「……嘘だろ」

 

天龍。

 

龍田。

 

笑顔。

 

消える。

 

暁たち。

 

言葉。

 

ない。

 

幕僚。

 

震えた声。

 

「複数……」

 

「複数種類の」

 

「人型個体……」

 

海将。

 

もう。

 

いない。

 

だが。

 

その場に。

 

かつて彼と。

 

仕事をしていた。

 

人々。

 

皆。

 

同じ。

 

結論。

 

五年間。

 

人類は。

 

深海棲艦を。

 

見てきた。

 

イ級。

 

そして。

 

ヌ級。

 

それが。

 

敵。

 

そう。

 

思っていた。

 

違った。

 

あれらは。

 

ただ。

 

前に。

 

出ていただけ。

 

海の底。

 

その。

 

さらに。

 

奥。

 

そこに。

 

人類が。

 

まだ。

 

一度も。

 

見たことのない。

 

存在が。

 

いた。

 

長門。

 

翔鶴。

 

二人の前。

 

角を。

 

持つ。

 

女。

 

周囲の。

 

残骸を。

 

もう一度。

 

見る。

 

「……ガラクタ共メ」

 

吐き捨てる。

 

そして。

 

ゆっくり。

 

長門と。

 

翔鶴を。

 

見る。

 

口元。

 

笑う。

 

それは。

 

人間を。

 

見つけた。

 

怪物の。

 

笑みではなかった。

 

ようやく。

 

少しは。

 

遊べそうな。

 

相手を。

 

見つけた。

 

そんな。

 

笑みだった。

 

長門の。

 

背筋。

 

冷える。

 

つい先ほどまで。

 

イ級と。

 

ヌ級の。

 

大群を。

 

恐怖させ。

 

退却させた。

 

その二人が。

 

初めて。

 

理解した。

 

――こいつは。

 

――今までの奴らと。

 

――違う。

 

女。

 

一歩。

 

海面を。

 

踏んだ。

 

海が。

 

沈んだ。

 

第二の。

 

絶望が。

 

人類の前へ。

 

姿を。

 

現した。

 

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