1人の少女が喪失したことすら美しく染め上げた
↓みんなも聴いてリミナルにハマろうよ!by奥のセカイのミク↓
https://www.youtube.com/watch?v=baC6gThO7R0&pp=0gcJCRMMAYcqIYzv
2階は薄暗い空間が続いていた。
1回が日光のようなもので明るかったので少し不思議。
でも、白いタイルに染まったプールは、1階とはまた違った、神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「ここは暗いんだね……でも綺麗」
「そうだね」
ミクと2人で暗くも美しいプールを歩き続けた。
——————————
「そういえばスライダーあるけど気になる?」
「え気になる」
そんなものまであるんだ……あれほんとにプールだった?
——————————
「次の部屋……というか、あと何個別々の空間があるの?」
「次は学校かな?
あと……4つ…うん、4つだよ」
「4つかぁ……」
正直、ここの広さを考えると遠い道のりだと思ってしまった。
「…ん?学校って言った?」
「うん」
次は学校…?
最初が浴室、次はプールで、その次は学校?
なんと言うか……
「バラバラだね…なんていうか、その、テーマ?って言うのかな」
「確かにね」
ミクは苦笑していた。
なんとも不思議なセカイだな、と改めて思った。
——————————
「あ」
思わず声が出た。
視線の先には駅のプラットホームみたいな構造があった。
線路はホームの両側に1本ずつあり、片方に廃電車が停まっていた。
「電車あるんだ……」
プールの上に線路、そこに電車という、なんとも場違いなその光景が、どこか美しかった。
「中に何かあったりするの?」
「うーん、特に良いものがあったことは無いけど……前にリュックが置いてあったことはあるよ」
「そっか」
電車にリュック…無意識的に電車で通学する高校生の想像が頭に浮かんだ。
——————————
「ん?ねぇミク、あれって……」
「どうしたの?」
「ほらあれ、あの緑のランプが上にあるドア」
私の指差す先には緑色のランプが上で光るドアが見えた。
非常口のマークではなく、泳ぐピクトグラムが描かれている。
「おぉ、ここの出口だね」
「え、じゃああの奥に次の…」
「いや、正確には次の空間に繋がってる建物の中に出るんだ」
「なるほど?」
「まぁ何事もやってみないと分からないからさ、入ってみよっか」
「あ、うん」
私はミクと一緒にドアに近づき、その中に入った。
「室内プール?」
ドアの先には日光の差す室内プールが広がっていた。
ドアの外を見ればやはり薄暗い。
だけど、ドアの中は1階のように日光が空間を照らしていた。
「えっと……あそこの出口(?)から出れば次の空間?」
「うん、早速行こっか」
私は室内プールを横目に見ながらミクと一緒に出口へ向かった。
出口のドアを開けると左右にロッカーが並んでいた。
中にはスリッパが入っていた。
「履いても履かなくてもどっちでもいいから気にしなくていいよ」
そう言いながら、ミクは手前のロッカーからスリッパをとった。
よく見ると、ミクがスリッパをとったロッカーも含めて全てに名前が書いてあることに気づいた。
ミクの履いているスリッパが入っていたロッカーには、“イア”という名前が書いてあった。
「この名前って何?」
「名前?ロッカーに書かれてるあるもののこと?」
私は縦に首を振った。
「この名前は昔このセカイに落ちてきた人たちの名前なんだ。
ほら、そこに一歌のロッカーもあるよ」
えっ、と声が出てからミクの指差す方を見ると、確かに“イア”の横に“星乃一歌”があった。
開けてみてスリッパを取り出し、実際に履いてみるとサイズはぴったりだった。
「なんか不思議だな」
「自分にぴったりなサイズのスリッパが用意されてること?」
「うん」
そんな会話をしながら、私とミクは目の前の扉を開けて通った。
その先には……
何故かよく知っている学校の景色が広がっていた。
愛が死ぬ前に祝い歌えば
この世界は晴れ渡ってゆく
愛を知るために向かう
愛を知る場所に道がある