目の前に広がる光景を見て、私は教室のセカイを思い出していた。
私とミクは、暗い廊下の真ん中に立っていた。
前にも後ろにも一直線に続く廊下は、どこか不気味で、でもどこか落ち着く雰囲気を持っていた。
「さて、3つ目の場所に来たね」
ミクはそう言いながら歩き始めた。
非常口のランプが薄暗く光っている以外にこれといった光源がないので、
スマホのライトを使って前を照らしながら進んだ。
「なんかホラーゲームやってるみたい」
「あはは、確かに」
ミクは少し笑って、私の方を向いた。
「でも、本当にホラーゲームみたいなことが起きるから注意してね?」
「え?それってどういう……」
その時、
目の前に急に現れた何かに私はぶつかった。
「いった、急になに……」
気づけば、周りには何人もの人が、まるで吊られているかのように浮いていた。
「…………」
私は固まっていた。
絶叫系でもそうだけど、昔から怖いものを見たり聞いたり、
体験したりすると黙り込んでしまうタイプだった。
「ふふ、びっくりした?」
「いや……びっくりしたどころの話じゃないよ……」
よく見れば浮いている人のようなものには顔がなく、まるでマネキンのようだった。
「これって人……じゃないよね…?」
「うん。この空間で定期的に現れたり現れなかったりするんだ」
「そうなんだ…あ、消えた…」
浮いていた人型のものは消えた。
もう二度と出てこないでほしいと思いながら、ミクと一緒に廊下を歩いた。
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「今はどこに向かってるの?」
「1階の昇降口だね。そこから外に出て、次の場所に向かうんだ」
「なるほど……ここって何階?」
「5階だよ」
「エッ」
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「あれ、何これ」
休憩で立ち止まった時、私の足元に何かが落ちているのが分かった。
しゃがんでスマホのライトを当てると、それはデジカメだった。
拾い上げて画面を見ると、右上に“REC”の3文字があった。
「これ、録画されたままだ」
「あ、ほんとだ。もしかしたら誰かが録画したまま置いていったのかもしれないね」
「誰かのものなら渡したいけど……」
「セカイが産んだものだろうね。きっと」
「……それなら、ここで見聞きしたものを撮っておこうかな。」
「え?」
「セカイのものだから持って帰れないと思うけど……私がいない間、ミクが平気なように、ね?」
「……ありがとう、一歌」
ミクの声はどこか元気で、どこか悲しそうだった。
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「この人形の着てる服、色んな高校とか中学校の制服が見られるね」
「そうだね……一歌の高校もあったり?」
「いやいや、まさかそんな……あれ、あった」
「えどれどれ?」
「これこれ」
「おぉ……ちょっと着てみてよ!」
「いいよ………え待ってミクの前で着替えるの!?」
「いや流石に目は逸らすよ???」
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「お、階段が見えてきたね」
ミクの視線の先を見ると、確かに階段が見えてきた。
「このまま1階に?」
「いや、残念だけど階段は2階までしか降りさせてくれなくて、
1階にいくには2階から更に別の道を通らないといけないんだ」
「そうなんだ……」
まだまだ、学校の景色が続きそう。
約束したこと